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母の生い立ち父の破滅
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1928年、和歌山で、八人兄弟姉妹の次女に生まれたさかゑは1942年頃満州に渡りハルピンの小さな食堂で働いた。大東亜戦争最中で、どういった経緯で満州に単身で渡ったのかは定かではない。学徒動員としてなのか、まさかの従軍慰安婦としてなのか?
空也の母は空也が幼い頃、朝早くから夜遅くまで満州の食堂で働いた話をよくしてくれた
そして毎月幼い兄弟姉妹のために働いた給料のほとんどを実家に仕送りしたらしい
空也の下の妹が中卒で和歌山の地元百貨店の食堂で働いた頃と同じ年齢で母も満州の食堂で働いていた。
親子というのはよほどのことがない限り似たような人生を送るものだ。
日本の敗戦と同時に満州から帰った母はフィリピンに出征して無事復員した10歳年上の空也の父と結婚した。
当時日本は貧しく、空襲や戦死などで戦争によりぼろぼろになった家、家庭と被害を免れた幸運な家、家庭に分かれて戦後の復興が始まった最中だった。
父は加太という漁師町で海苔屋の長男として生まれたが、尋常高等小学校の4年の時、父と母を病で失い、幼い弟、妹と分かれて九州の見知らぬ街の叔父の家に奉公に出た。
和歌山には父名義の土地家屋があったはずだが、出征して帰ってきたときには親戚が住んでしまっていた。
また、同じく出生した弟は、沖縄の最後の戦いで戦死してしまった。父は残された妹を無事嫁がせたあと母と結婚して4人の兄弟姉妹を育てた。
スタートで躓いた父は苦労しながらも地元の全国規模の製鉄会社に就職することができ、高度成長期に乗り自宅も購入するほどになった。
だが、ある宗教団体にのめり込み、勤勉に働きながらひたすら宗教活動に没頭した。
ある時期、上の大きな組織の長になるチャンスがあったが、自ら指導してきた教え子にそのポストを奪われ落胆し、仕事場でも工場長への昇格のチャンスを逃し、それから宗教の組織活動も辞め、後に仕事すらも辞めるという自暴自棄な行動に出て家族は破滅へと向かうのだった。
空也の母は空也が幼い頃、朝早くから夜遅くまで満州の食堂で働いた話をよくしてくれた
そして毎月幼い兄弟姉妹のために働いた給料のほとんどを実家に仕送りしたらしい
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