人生懺悔

株馬きち

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パワハラ

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「何考えとるんよ、そんなこともわからんのか?頭悪いねえ、かち割って中見てみたいわ。あんたらこの会社やから部長やの課長やの偉そうにしとるけど、一流企業に行ったらあんたらペーペーやぞ、もっと給料に見合った仕事してもらわんとな」社長のいつもの罵倒が始まる。
課長から部長に昇格した空也は今までのような部下の指導の仕方では甘く、本社風、社長風のパワハラまがいの指導を行わねばならなくなった。
部下に対する指示や判断のやり方が反発を買うようにもなった。
ある社員が退職を希望してきた。1ヶ月後の退職。本社に報告すると社長は「そんなもん、もう明日から来んでええと言え、辞めるやつなんてもうやる気もないしいてもらっては店の他の従業員のマイナスになる。さっさと辞めさせ」いつもの指示だ。
店長にそう伝えると、店長は「本人が規則通りに一ヶ月前に退職を願い出てるのになんですぐ辞めてもらえとか言えるんですか?」と反論してきた。筋が通ってる。
「やめる人間に規則もクソもないやろ、いやで辞めていくやつのこと考えることなんかない、さっさと辞めてもらえ!」空也は心の中の動揺を隠すために声を張り上げた。
店長は仕方なく「納得いきませんが本人にはそう伝えます」と言った。
そういう事例が次々と起こり、空也はそのたびにパワハラまがいの言動をするようになった。
「そうしないと俺が上からやられるんや。俺を守るためには違法であれ社の方針通りせな仕方ないんや」空也は自己弁護した。他の部長連中もみな同じだった。
人事部長のサルは退職日までを有給にしてくれと申請してきた社員に「辞めて会社に迷惑かけるのに有給なんかよく使えるな」という有り様。管理職一丸となっての社長方針の遂行。
大企業のグループ会社とはいえ方針はワンマン社長の考え一つ。幹部は嫌でも一丸となって社の方針を貫くのが業務となっていた。懺悔。いろんなケースでパワハラ、労基違反を繰り返してきた部長時代。
何人もの若者の人生を狂わせてきた。まるで空也が若い頃に様々な不幸によって人生のスタートが狂わされたことに対する世間への復讐をしてるかのようなサラリーマン時代が続いた。
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