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071 盗賊さん、依頼する。
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「その話、お受けしようと思います。それに際して、ひとつ提案が」
「提案ですか?」
「まだ調査に必要な人員は確保出来てないんですよね」
「えぇ、そうです」
「でしたら、適任の人材にふたりほど心当たりがあるのですが、試しに会っていただけませんか。採用するかどうかは、その後に決めてくださってかまいませんので」
「実力の程は、いかがなものなのでしょうか」
「ボクと同等以上の実力を保証します。たぶん彼らは冒険者登録はしていないと思いますので、登録時の実力判定試験だという形で実力を確かめてください」
ボクの発言内容を吟味したヒカリさんは、しばしの後にボクの提案を受けてくれた。
「それで、その紹介してくださるふたりというのは、すぐにでも連れて来てくださるのかしら」
「今日の午後でかまいませんか。まだバーガンディに到着してませんので」
「あ、もしかして村の狩人仲間だったりするのかしら。もしそうなら森での探索には手慣れてそうね」
「いえ、そういうわけではなく、そのふたりは他領でダンジョン探索を生業にしていたらしいんです」
「冒険者登録をしていないってことは、騎士隊かなにかに所属してたのかしら」
「確かそうらしいです。彼ら所属組織を抜けて拠点をこちらに移すそうで、もしそうならきっと冒険者登録することになると思うんです。彼らは実力こそありますが、ここでは新人になりますし、例の件には適任だと思うんですよね」
「あなたが知人を推したいという気持ちはわかったわ。ですが、本当に実力があるかどうかは、私自身で確かめさせてもらいますからね」
「えぇ、お願いします」
「では、地下の練武場を貸し切っておきますので、その知人が到着したらここに連れて来ていただけるかしら」
「わかりました」
話はまとまったと判断したボクは、ソファから腰を上げた。それに続くようにヒカリさんも立ち、ギルドのホールまでボクを送り出した。
「それでは、また午後にお伺いします」
「お待ちしてますね」
ボクは一礼してからギルドを後にしようとして、最初に応対してくれた受付さんに慌てて呼び止められ、ランクアップ処理された星がみっつ色付いた冒険者証を渡された。ボクらの話がどう決着するかわからなかったのに、あらかじめランク3の冒険者証が用意されていたところを見ると、ヒカリさんはボクが断ることはないと踏んでいたらしい。それとも初めからそのつもりだったのかな。その辺りの疑念は尽きないが、ボクの実力がランク3相当だということを保証してもらったという事実は、新たな冒険者証が示していた。
冒険者ギルドを後にしたボクは、その足で東門に向かった。まだふたりの到着には早かったが、ユーナちゃんのお母さん捜索のことがあったので、早めに手を打ちたかったのである。ボクは見知った顔を探して東門付近を見回していると、ちょうど目的の人物が敬礼して東門を離れるところだった。ボクは足早に彼に駆け寄り、声をかけた。
「ミンティオ、ちょっといいかな」
「あ、どうもっす。オレに用っすか?」
「えぇ、折り入って頼みたいことがありまして」
そう言いながらボクは背嚢から昨晩用意した似顔絵の紙束を取り出して、その内の1枚をミンティオに渡した。
「実は、この方の行方を探してるんです」
似顔絵を目にしたミンティオは、その顔に見覚えがあったらしく「あー」と声を漏らした。
「このひとって、確か子連れのひとっすよね。この顔なんとか覚えてるっすよ。にしても、この絵そっくりっすね」
「彼女がどこかの城門から外に出たかどうかだけでも知りたいんだ」
「いいっすよ。そんくらいなら夕方までには調べられると思うんで」
「ありがとう。それで報酬なんだけど──」
ミンティオは、両手を突き出して大袈裟に拒否する仕草をした。
「いやいや、いらないっすよ。これでもオレって領都の雇われっすからね。副業禁止なんすよ。バレたら今の安定した生活とおさらばしないといけないんで、金は受け取れないんす」
「それなら今度食事でも奢らせてもらうよ。それくらいなら問題ないんじゃないかな」
「お、いいんすか。こう見えて、オレかなりの大食いっすよ」
「大丈夫、好きなだけ食べてくれていいよ」
「いやー、正直助かるっすよ。給料日前でカツカツだったんすよね」
ミンティオは、恥ずかしげに頭を掻いた。
「安定した生活してるんじゃなかったの」
「まぁ、いろいろとあるんすよ。そんなことより、なんでこのひと探してるのかとか事情聞かせてもらってもいいっすか。ある程度知っとかないと、話も聞けないんで」
「そうだね。彼女なんだけど、娘を残して行方をくらましたみたいでね。その子のためにも探してあげたいんだ。どこかでなんらかの事件に巻き込まれてないとも限らないからね」
「そういうことっすか。そういう事情ならすぐ情報集められそうっす。なんだかんだで情に流されやすいひと多いんで」
「その調査の過程で、もしお金を要求されるようなことがあったら言ってくれるかな。損失分は必ず補填させてもらうからさ」
「あー、そういうのはいいっす。そんなものより欲しいものがあるんすけどいいっすかね」
「欲しいもの?」
「うっす。この絵を描いたひとに頼んで、冒険者ギルドの副ギルド長を描いて欲しいんす」
「それくらい頼んでくれたら、いつでも描いてあげるよ」
「……もしかしなくても兄さんが描いたんで?」
「そうだよ」
そう応じるとミンティオは、がしっとボクの両肩に手を乗せた。
「他にも描いて欲しいひとがいるんすけど、頼めるっすかね」
「別にかまわないけど、限度はあるよ。あー、でもこういうのって本人の許可取った方がいいのかな」
そう言った途端、ミンティオは挙動不審になった。
「誰にも、誰にも見せないんで、どうか内密にお願いできないっすか」
「その反応、あまりよくない行いみたいだね。んー、でもボクも無茶を頼んでる気もするし」
「1枚だけ、1枚だけお願いします」
「問題になりそうだったら即処分してもらえるかな。あと描いて欲しい人物本人に許可を取れたなら普通に請け負うよ」
「あざっす。んじゃ、早速聞き込みに行ってきやす」
すぐにでも駆け出してしまいそうなミンティオを慌てて呼び止める。
「待って待って仕事は?」
「今日は夜勤明けなんで、これから帰るとこだったんすよ。だから問題ないっすよ。明日は明日で休みっすし」
「問題しかないような気がするけど、体調は大丈夫なの」
「まぁ、夜勤っつっても大半は寝て過ごしてるっすからね。絶好調っすよ」
元気いっぱいに主張するミンティオの姿に思わず苦笑してしまう。
「それならいいんだけど。あと渡しそびれてたけど、似顔絵の複製が何枚かあるからこれも活用して」
「助かるっす。あー、そうっす。結果はどこに報告しに行けばいいっすかね」
「それなら錬金術ギルドにお願いできるかな」
「了解っす。んじゃ、後ほど」
しゅたっと軽く右腕を上げたミンティオは、それを別れの挨拶代わりにして中央区の方に勢いよく駆けて行き、すぐに姿が見えなくなった。
「提案ですか?」
「まだ調査に必要な人員は確保出来てないんですよね」
「えぇ、そうです」
「でしたら、適任の人材にふたりほど心当たりがあるのですが、試しに会っていただけませんか。採用するかどうかは、その後に決めてくださってかまいませんので」
「実力の程は、いかがなものなのでしょうか」
「ボクと同等以上の実力を保証します。たぶん彼らは冒険者登録はしていないと思いますので、登録時の実力判定試験だという形で実力を確かめてください」
ボクの発言内容を吟味したヒカリさんは、しばしの後にボクの提案を受けてくれた。
「それで、その紹介してくださるふたりというのは、すぐにでも連れて来てくださるのかしら」
「今日の午後でかまいませんか。まだバーガンディに到着してませんので」
「あ、もしかして村の狩人仲間だったりするのかしら。もしそうなら森での探索には手慣れてそうね」
「いえ、そういうわけではなく、そのふたりは他領でダンジョン探索を生業にしていたらしいんです」
「冒険者登録をしていないってことは、騎士隊かなにかに所属してたのかしら」
「確かそうらしいです。彼ら所属組織を抜けて拠点をこちらに移すそうで、もしそうならきっと冒険者登録することになると思うんです。彼らは実力こそありますが、ここでは新人になりますし、例の件には適任だと思うんですよね」
「あなたが知人を推したいという気持ちはわかったわ。ですが、本当に実力があるかどうかは、私自身で確かめさせてもらいますからね」
「えぇ、お願いします」
「では、地下の練武場を貸し切っておきますので、その知人が到着したらここに連れて来ていただけるかしら」
「わかりました」
話はまとまったと判断したボクは、ソファから腰を上げた。それに続くようにヒカリさんも立ち、ギルドのホールまでボクを送り出した。
「それでは、また午後にお伺いします」
「お待ちしてますね」
ボクは一礼してからギルドを後にしようとして、最初に応対してくれた受付さんに慌てて呼び止められ、ランクアップ処理された星がみっつ色付いた冒険者証を渡された。ボクらの話がどう決着するかわからなかったのに、あらかじめランク3の冒険者証が用意されていたところを見ると、ヒカリさんはボクが断ることはないと踏んでいたらしい。それとも初めからそのつもりだったのかな。その辺りの疑念は尽きないが、ボクの実力がランク3相当だということを保証してもらったという事実は、新たな冒険者証が示していた。
冒険者ギルドを後にしたボクは、その足で東門に向かった。まだふたりの到着には早かったが、ユーナちゃんのお母さん捜索のことがあったので、早めに手を打ちたかったのである。ボクは見知った顔を探して東門付近を見回していると、ちょうど目的の人物が敬礼して東門を離れるところだった。ボクは足早に彼に駆け寄り、声をかけた。
「ミンティオ、ちょっといいかな」
「あ、どうもっす。オレに用っすか?」
「えぇ、折り入って頼みたいことがありまして」
そう言いながらボクは背嚢から昨晩用意した似顔絵の紙束を取り出して、その内の1枚をミンティオに渡した。
「実は、この方の行方を探してるんです」
似顔絵を目にしたミンティオは、その顔に見覚えがあったらしく「あー」と声を漏らした。
「このひとって、確か子連れのひとっすよね。この顔なんとか覚えてるっすよ。にしても、この絵そっくりっすね」
「彼女がどこかの城門から外に出たかどうかだけでも知りたいんだ」
「いいっすよ。そんくらいなら夕方までには調べられると思うんで」
「ありがとう。それで報酬なんだけど──」
ミンティオは、両手を突き出して大袈裟に拒否する仕草をした。
「いやいや、いらないっすよ。これでもオレって領都の雇われっすからね。副業禁止なんすよ。バレたら今の安定した生活とおさらばしないといけないんで、金は受け取れないんす」
「それなら今度食事でも奢らせてもらうよ。それくらいなら問題ないんじゃないかな」
「お、いいんすか。こう見えて、オレかなりの大食いっすよ」
「大丈夫、好きなだけ食べてくれていいよ」
「いやー、正直助かるっすよ。給料日前でカツカツだったんすよね」
ミンティオは、恥ずかしげに頭を掻いた。
「安定した生活してるんじゃなかったの」
「まぁ、いろいろとあるんすよ。そんなことより、なんでこのひと探してるのかとか事情聞かせてもらってもいいっすか。ある程度知っとかないと、話も聞けないんで」
「そうだね。彼女なんだけど、娘を残して行方をくらましたみたいでね。その子のためにも探してあげたいんだ。どこかでなんらかの事件に巻き込まれてないとも限らないからね」
「そういうことっすか。そういう事情ならすぐ情報集められそうっす。なんだかんだで情に流されやすいひと多いんで」
「その調査の過程で、もしお金を要求されるようなことがあったら言ってくれるかな。損失分は必ず補填させてもらうからさ」
「あー、そういうのはいいっす。そんなものより欲しいものがあるんすけどいいっすかね」
「欲しいもの?」
「うっす。この絵を描いたひとに頼んで、冒険者ギルドの副ギルド長を描いて欲しいんす」
「それくらい頼んでくれたら、いつでも描いてあげるよ」
「……もしかしなくても兄さんが描いたんで?」
「そうだよ」
そう応じるとミンティオは、がしっとボクの両肩に手を乗せた。
「他にも描いて欲しいひとがいるんすけど、頼めるっすかね」
「別にかまわないけど、限度はあるよ。あー、でもこういうのって本人の許可取った方がいいのかな」
そう言った途端、ミンティオは挙動不審になった。
「誰にも、誰にも見せないんで、どうか内密にお願いできないっすか」
「その反応、あまりよくない行いみたいだね。んー、でもボクも無茶を頼んでる気もするし」
「1枚だけ、1枚だけお願いします」
「問題になりそうだったら即処分してもらえるかな。あと描いて欲しい人物本人に許可を取れたなら普通に請け負うよ」
「あざっす。んじゃ、早速聞き込みに行ってきやす」
すぐにでも駆け出してしまいそうなミンティオを慌てて呼び止める。
「待って待って仕事は?」
「今日は夜勤明けなんで、これから帰るとこだったんすよ。だから問題ないっすよ。明日は明日で休みっすし」
「問題しかないような気がするけど、体調は大丈夫なの」
「まぁ、夜勤っつっても大半は寝て過ごしてるっすからね。絶好調っすよ」
元気いっぱいに主張するミンティオの姿に思わず苦笑してしまう。
「それならいいんだけど。あと渡しそびれてたけど、似顔絵の複製が何枚かあるからこれも活用して」
「助かるっす。あー、そうっす。結果はどこに報告しに行けばいいっすかね」
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