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幕間 2
幕間 リリ・アルガス
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レオンがシャルと一緒にスヤスヤ眠っている頃、女子寮にあるリリの部屋では――
「~♪」
彼女はご機嫌な様子で就寝前の準備を進めていく。
シャワーを浴び、パジャマに着替えて。
次は明日の外出に備えた洋服選びを始めた。
「ん~。この前はちょっと失敗だったかな?」
前回、レオンとデートした際に着ていた服は清楚なイメージを全面に押し出したデザインだった。
それを見たレオンは「可愛いね」と心の底から湧き出た感想を口にしていたのだが、リリ的にはイマイチだったらしい。
「意外と反応が良かったのはこっちなんだよね」
そう独り言を呟きながら視線を送るのは、彼女が最も好むシャツとショートパンツの組み合わせ。
本人は「女の子っぽくないのに?」と疑問に思っているようだが、プレイヤーであったレオンにとっては一番感動を覚える組み合わせだろう。
「……もうちょっと攻めてみようかな」
悩んだ結果、今回チョイスしたのは肩と背中がガッツリ見えるタイプのワンピース。
全世界の男性がつい視線を向けてしまう胸元も、普段着る服より更に強調されているタイプだ。
学生であり、貴族令嬢である彼女からすればかなりセクシーな方向で攻めている、と言わざるを得ない。
父親が見たら娘の積極性に困惑してしまうこと間違いなしだが、彼女の母親は「ボーイッシュな服装を好む娘がついに考えを改めてくれた」と感激するだろう。
「最近、暑くなってきたしね」
セクシー系で攻めると決めたものの、まだ若干ながら迷いがあるようだが、自身を納得させるような独り言を呟きながら服を決定した。
「よし」
洋服選びも終わった。持って行くバッグにハンカチ等も詰めた。
あとは明日に備えて寝るだけ――なのだが、彼女には毎晩行っている『儀式』がある。
「ふふ」
ニンマリと笑みを浮かべたリリが取り出したのは、本日の課外授業で使用したタオル。
もっと詳しく説明すると、レオンが汗を拭いたタオルだ。
彼の汗が染み込んだタオルを両手で持つと、次はニヤリと笑って――
「んすぅぅぅっぅぅっ!!!!」
吸った。
吸いまくった。
レオンの匂いが染み込んだタオルを顔面に押し付け、余すことなく全て摂取してやろうと言わんばかりに吸った。
「はぁぁぁ……」
そして、ひとしきり匂いを堪能したリリは恍惚とした表情を見せるのである。
「ああ、レオン君の匂い……」
ニマァと笑い、口の形は三日月のように。
ひひっと邪悪な笑い声さえ漏れる。
「レオン君、レオン君……。どうして君はそんなにカッコいいの? どうして私を夢中にさせちゃうの?」
頬を赤らめたリリは再びタオルに顔を埋め、業界最高峰の吸引力でレオンの匂いを堪能する。
――彼女の脳裏に浮かぶのは、レオンを初めて見た時のこと。
魔物に襲われている自分を助けるべく、勇敢かつ華麗に、圧倒的な力を見せつけたシーンだ。
魔物に恐怖しながらもキャビンの窓から目撃したレオンの姿は、今も尚彼女の脳裏に焼き付いている。
あの日、あの時、脳に焼き付いた瞬間から。
彼女はレオン・ハーゲットという存在の虜になった。
強き存在である彼の腕に抱かれ、逞しい体に包まれたくて止まらなくなった。
あの強くて逞しい人を、欲しくてたまらなくなったのだ。
「んはぁぁ! んすぅぅぅ!! んはぁぁぁっ!!」
心を、体を、匂いさえも欲しくなって止まらないその姿は『ワンコ系サブヒロイン』から程遠い。
もはや変態の域にまで到達しているだろう。
「さいっこう!」
顔中、レオンの匂いに包まれたリリは満面の笑みを浮かべる。
……これにて儀式は終了だ。
彼女はタオルを丁寧に畳み、魔道具である『保存袋』へ入れて封をする。
余談であるが、保存袋はリリースされたばかりの魔道具でまだ価格が安定していない。
最高級魔道具の一つとも言えるし、一袋で中堅平民家庭が一ヵ月暮らせるほどの金額である。
「~♪」
彼女はクローゼットを開けた。
その中には数十の保存袋が収納されており、どれも中にはレオンが使ったタオルやフォーク、マドラーなどが保管されている。
しかも、ご丁寧に『〇月〇日 使用』とメモまで添えて。
「またコレクションが増えちゃった♡」
彼女は新しいコレクションを一番上に置き、ニコニコと笑いながらクローゼントを閉じた。
――御覧頂けただろうか?
これが彼女の持つ一面であり、内に秘めた『独占欲』の捻じれた姿である。
好きになった相手には徹底的に尽くす女性だが、独占欲も人一倍強い。
いや、相手の匂いまで欲しがる彼女は独占欲の化身と言えるのかもしれない。
ゲーム内でも語られず、設定資料にも書かれていない彼女の本性とも言えるべき姿。
本来は勇者に向けられるはずの捻じれた独占欲。
《 ノイズ音 》
『た、助けて頂きありがとうございます。あ、あの、貴方のお名前は……?』
『僕の名前はリアム・ウェインライトです。無事でよかった』
《 ノイズ音 》
彼女が勇者パーティーの一員になれず、正ヒロインになれなかった理由。
途中で退場してしまったのは理由はこれが原因なのだろうか?
リリと接していた勇者は『何かヤバイ』と勇者らしい鋭い感覚――危機察知能力を存分に活かして感じ取ったのだろうか?
「はぁ……。レオン君……」
ベッドの中で熱い吐息を漏らす彼女を見た時、レオンは何と感想を口にするのか。
レオンの真っ直ぐな愛と、リリの捻じ曲がった独占欲が交わる日はくるのだろうか?
「~♪」
彼女はご機嫌な様子で就寝前の準備を進めていく。
シャワーを浴び、パジャマに着替えて。
次は明日の外出に備えた洋服選びを始めた。
「ん~。この前はちょっと失敗だったかな?」
前回、レオンとデートした際に着ていた服は清楚なイメージを全面に押し出したデザインだった。
それを見たレオンは「可愛いね」と心の底から湧き出た感想を口にしていたのだが、リリ的にはイマイチだったらしい。
「意外と反応が良かったのはこっちなんだよね」
そう独り言を呟きながら視線を送るのは、彼女が最も好むシャツとショートパンツの組み合わせ。
本人は「女の子っぽくないのに?」と疑問に思っているようだが、プレイヤーであったレオンにとっては一番感動を覚える組み合わせだろう。
「……もうちょっと攻めてみようかな」
悩んだ結果、今回チョイスしたのは肩と背中がガッツリ見えるタイプのワンピース。
全世界の男性がつい視線を向けてしまう胸元も、普段着る服より更に強調されているタイプだ。
学生であり、貴族令嬢である彼女からすればかなりセクシーな方向で攻めている、と言わざるを得ない。
父親が見たら娘の積極性に困惑してしまうこと間違いなしだが、彼女の母親は「ボーイッシュな服装を好む娘がついに考えを改めてくれた」と感激するだろう。
「最近、暑くなってきたしね」
セクシー系で攻めると決めたものの、まだ若干ながら迷いがあるようだが、自身を納得させるような独り言を呟きながら服を決定した。
「よし」
洋服選びも終わった。持って行くバッグにハンカチ等も詰めた。
あとは明日に備えて寝るだけ――なのだが、彼女には毎晩行っている『儀式』がある。
「ふふ」
ニンマリと笑みを浮かべたリリが取り出したのは、本日の課外授業で使用したタオル。
もっと詳しく説明すると、レオンが汗を拭いたタオルだ。
彼の汗が染み込んだタオルを両手で持つと、次はニヤリと笑って――
「んすぅぅぅっぅぅっ!!!!」
吸った。
吸いまくった。
レオンの匂いが染み込んだタオルを顔面に押し付け、余すことなく全て摂取してやろうと言わんばかりに吸った。
「はぁぁぁ……」
そして、ひとしきり匂いを堪能したリリは恍惚とした表情を見せるのである。
「ああ、レオン君の匂い……」
ニマァと笑い、口の形は三日月のように。
ひひっと邪悪な笑い声さえ漏れる。
「レオン君、レオン君……。どうして君はそんなにカッコいいの? どうして私を夢中にさせちゃうの?」
頬を赤らめたリリは再びタオルに顔を埋め、業界最高峰の吸引力でレオンの匂いを堪能する。
――彼女の脳裏に浮かぶのは、レオンを初めて見た時のこと。
魔物に襲われている自分を助けるべく、勇敢かつ華麗に、圧倒的な力を見せつけたシーンだ。
魔物に恐怖しながらもキャビンの窓から目撃したレオンの姿は、今も尚彼女の脳裏に焼き付いている。
あの日、あの時、脳に焼き付いた瞬間から。
彼女はレオン・ハーゲットという存在の虜になった。
強き存在である彼の腕に抱かれ、逞しい体に包まれたくて止まらなくなった。
あの強くて逞しい人を、欲しくてたまらなくなったのだ。
「んはぁぁ! んすぅぅぅ!! んはぁぁぁっ!!」
心を、体を、匂いさえも欲しくなって止まらないその姿は『ワンコ系サブヒロイン』から程遠い。
もはや変態の域にまで到達しているだろう。
「さいっこう!」
顔中、レオンの匂いに包まれたリリは満面の笑みを浮かべる。
……これにて儀式は終了だ。
彼女はタオルを丁寧に畳み、魔道具である『保存袋』へ入れて封をする。
余談であるが、保存袋はリリースされたばかりの魔道具でまだ価格が安定していない。
最高級魔道具の一つとも言えるし、一袋で中堅平民家庭が一ヵ月暮らせるほどの金額である。
「~♪」
彼女はクローゼットを開けた。
その中には数十の保存袋が収納されており、どれも中にはレオンが使ったタオルやフォーク、マドラーなどが保管されている。
しかも、ご丁寧に『〇月〇日 使用』とメモまで添えて。
「またコレクションが増えちゃった♡」
彼女は新しいコレクションを一番上に置き、ニコニコと笑いながらクローゼントを閉じた。
――御覧頂けただろうか?
これが彼女の持つ一面であり、内に秘めた『独占欲』の捻じれた姿である。
好きになった相手には徹底的に尽くす女性だが、独占欲も人一倍強い。
いや、相手の匂いまで欲しがる彼女は独占欲の化身と言えるのかもしれない。
ゲーム内でも語られず、設定資料にも書かれていない彼女の本性とも言えるべき姿。
本来は勇者に向けられるはずの捻じれた独占欲。
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『た、助けて頂きありがとうございます。あ、あの、貴方のお名前は……?』
『僕の名前はリアム・ウェインライトです。無事でよかった』
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途中で退場してしまったのは理由はこれが原因なのだろうか?
リリと接していた勇者は『何かヤバイ』と勇者らしい鋭い感覚――危機察知能力を存分に活かして感じ取ったのだろうか?
「はぁ……。レオン君……」
ベッドの中で熱い吐息を漏らす彼女を見た時、レオンは何と感想を口にするのか。
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