異世界体験テーマパーク:アリウェルランド

とうもろこし

文字の大きさ
1 / 18

1 ご当選おめでとうございます

しおりを挟む

 20XX年 東京。

 9月半ばを過ぎてもまだ真夏のような蒸し暑さが続く中、仕事を終えた男が自宅を目指して東京都内の道を歩いていた。

 男の名は田中聡(たなか さとし) 27歳、独身。中堅IT製品製造会社勤務、営業課に属するサラリーマン。

 営業課とあるように男の見た目はこざっぱりしていた。

 黒い短髪、白い半袖Yシャツにブルーのネクタイ。上下セットで購入したスーツのズボン。片手には最近に購入した黒いビジネスバックを持って。

 彼の装いを見るに、どこにでもいるような普通のサラリーマンと称するに相応しい。

 彼の顔面偏差値は中の中、かなり贔屓目に見て中の上に辛うじて属するような謂わば人類顔面ランキングの中堅に位置する。

 カッコイイとも美形とも言われない、ザ・普通である。

 しかし、顔も恰好も普通な、どこにでもいそうなサラリーマンである田中サトシの顔は死んでいた。

 いや、ごく普通のサラリーマンだからこそと言うべきか。

 珍しく定時に退勤できたにも拘らず、ため息を漏らすサトシの顔には、まさに「ストレス社会に生きる」と言われる日本人を象徴するかのような死人同然の表情を顔に張り付けていた。

 やる気の感じられない目力と覇気の無さ。陰鬱な雰囲気が背中から漂う。

 持って生まれた中堅顔がより酷くなり、サトシの顔面偏差値は更に下がってしまっていた。

 イケイケな世の女性が彼を一目見れば「あの人は中の下。ゴミね」と言われてしまくらい暗い顔である。

「もう嫌だ……。俺は何の為に働いているんだ……」

 つい、ため息とセットになって独り言を漏らしてしまう。

 隣に話し相手がいないにも拘らず、思った事を口にしてしまうのは学生時代から一人暮らしを続ける者特有のクセか。

 毎日行き帰りで味わう地獄のような満員電車、仕事では営業成績が伸びず上司に小言を言われ、退勤間際には厄介な先輩からしつこく飲みに誘われる。

「学生の時はもっと……」

 もっと、の後に続く言葉は「輝かしい未来を想像していたのに」だろうか?

 疲れ果てた現代日本人、現実に楽しさとやりがいを見出せぬ社畜人間が漏らす感想のテンプレートである。

 人生を謳歌している者がサトシを見たら「うつ病一歩手前じゃね?」なんてセリフを言い放つかもしれない。

「日常を彩る出来事が起きないものか」

 こんな独り言を漏らしてしまうという事は、彼は現状を「つまらない」と感じているのだろう。

 起きて、仕事に行って、帰宅したら飯を食って寝る。
 
 休日は仕事の疲れを癒すべく昼まで寝て、起きても外に出かける事さえ億劫に感じてしまう。

 結局、休日は一歩も外へ出る事無くあっという間に過ぎ去って……また地獄の始まりである月曜日がやって来るのだ。

 だったら仕事なんて辞めてしまえ。転職してしまえ、と言うのは簡単だが実際には様々な障害が立ち塞がるだろう。

 一番の障害、そして会社を辞めない理由は『金』と答える者がほとんとだ。

 ストレスを溜めながら仕事をする理由は生きるため。

 仕事をせねば生活できない。だから、仕方なく働いている。

『彼女でもいれば、こんな繰り返し続くつまらない日常も楽しい日々に変わるんだろうか』

 サトシは帰り道にすれ違ったカップルを見て、羨むような視線を送った。

『宝くじでも当たって何の不安も感じず、働かなくても良い日々を送れないだろうか』

 カップルとすれ違った直後、視線の先にあった宝くじ売り場を見てため息を零した。 

 暗い洞窟の中をひたすら歩くような辛い毎日。

 そう感じるのは既に語った通り、田中サトシの人生には『生き甲斐』『目的』『目標』といったモノがないからだろう。

「はぁぁ……」

 サトシは帰宅中、10回は越えるであろうため息を零しながらようやく自宅アパートに到着した。

 アパートの入り口にあるくすんだ銀色のポストを開けて、中に入っていたチラシを回収。そのまま2階にある部屋を目指して階段を上がった。

「あれ?」

 階段を上がって部屋がある方向へ顔を向けると、自分の部屋の前に郵便局員が立っていてインターホンを押している最中であった。

「あの、その部屋は私の部屋ですが」

「え? ああ! 良かった。郵便です」

 サトシが郵便局員に声を掛けると『再配達しないで済んだぜ!』と言わんばかりに郵便局員が満面の笑みを浮かべた。

 本人確認を済ませると受け取りのサインを求められ、サトシはボールペンを受け取ると名前を書いた。

「どうも~」

 会釈して去って行く郵便局員の背中を見送ったサトシは、サインと引き換えに受け取った一通の封筒を見やる。

「何だろう?」

 サトシは少々分厚い封筒に首を傾げながら送り先を見た。

 送り先は大手家電量販店の社名が記載されており、封筒の裏を見ると『ご当選おめでとうございます!』と書かれている。

「当選……?」

 本人は心当たりが無かったのか、首を傾げるばかり。

 部屋の鍵を開けて中に入り、リビングまで行くとさっそく封筒を開いた。

 中には何枚かの紙とテーマパークのパンフレットのような物が同封されている。
 
 中身全てをテーブルの上にぶちまけると、最初に手に取ったのは印刷された手紙であった。

「ああ、スマホの機種変更した時のやつか」

 サトシは封筒の中に入っていた一枚の手紙を見て合点がいったようだ。

 彼は数か月前に封筒の送り主である大手家電量販店でスマートフォンをピカピカの最新機種に機種変更した。

 その際、店員が「キャンペーン中なんですよ~。応募はタダですし~」などと言って懸賞に応募する事を勧めてきたのだ。

 サトシは当時の様子を思い出す。

 簡単なアンケートに答えながらも「どうせ当たるまい」「応募させるノルマとかあるのかな」と社会人らしい裏読みをしながら応募した記憶が脳裏に過った。

 そんな気持ちで応募した懸賞がまさかの当選、というのがこの封筒の中身であった。

「アリウェルランドの1デイパスポート?」

 しかも、サトシが当選したのは1等賞。

 最近何かと世の中を騒がしている、話題沸騰中の大人気テーマパーク招待券。

 所謂、1日分の入園料がタダになるチケット。

 2人1組分。

 さらにテーマパーク内限定で使える電子マネー2万円分が特典として付属している特別招待チケットであった。

「テーマパークっていっても……」

 チケットを手に取るサトシの顔はあまり嬉しそうではなかった。

 彼は特別な趣味を持っている人間ではないが「話題沸騰中のテーマパークに行けるぞ! やったぁ!」なんてはしゃぐような、テーマパークに対して興味を示すような人間でもなかった。

 サトシに彼女でもいればデートの舞台として丁度良かったのかもしれないが、生憎彼女なんて存在は5年以上もいない。

「金券ショップで換金しても良いか」

 チケットをお金に換えて、ちょっと良い食事をするのもアリかもしれない。

 そう呟きつつも、サトシは封筒の中にあったアリウェルランドのパンフレットを広げる。

 広いテーマパークの全体図が描かれ、どんな事が体験できるのか、どんなアトラクションがあるのか、パーク内限定で食べられる食事はどんな物か……などが書かれていた。

「へぇ。最近のテーマパークはこんな感じなんだ。……ん?」

 パンフレットを眺めるサトシは書かれていた一文に気を引かれた。

『まるでファンタジー小説に登場する異世界で過ごしているような体験を皆様にご提供致します!』

「異世界ねえ」

 そう言って、サトシは本棚をチラリと見た。

 本棚には最近購入した異世界召喚を題材としたライトノベルが並んでいる。昨今の日本で人気のジャンルとなった異世界モノ、と言われるファンタジー系の小説である。

 異世界で過ごす、異世界召喚といった題材がウケたのは『このつまらない日常から脱却したい』と感じる者が多く、状況を変える為の最たる理由だからじゃないだろうか。

 何たって別の世界に行ってしまうのだから。

 満員電車などという地獄からもバイバイして、顔を見れば営業成績を伸ばせと言う上司からもオサラバできてしまう。

 サトシもライトノベルを読みながら「異世界行きてぇ~」なんて呟いてしまう事も少なくはない。

「まぁ、確かに異世界っぽい造りだな」

 パンフレットに描かれるアリウェルランドの全体図は確かに異世界召喚・転移を題材にするライトノベルに登場するような街の全体図に似ていた。

 街を囲む大きな壁。中世ヨーロッパのような街並み。国を象徴する巨大な城。まさに異世界モノの小説や漫画・アニメに登場するような全体図である。

 パンフレットのページをめくるとテーマパーク内にある石畳みの道やレンガ造りの家、商店の外観写真が印刷されていた。

 次のページあったオススメのレストランと称される店の写真には内装も印刷されている。

 内装には木材が多く使われているようだ。

 木のテーブルと椅子、店の端っこには樽やら木箱が置かれていて確かに現代日本とはまるで違う雰囲気を演出していた。

 ただ、このような雰囲気は海外でも体験はできるだろう。

 異世界で過ごせる、と大々的にアピールするには少し足りない。

「アリウェルランド、と」

 サトシはチケットを入手する要因となった最新機種のスマートフォンでアリウェルランドを検索する。

 パッと瞬間的に表示された検索結果には『超人気になっているアリウェルランドをレビュー!』といった見出しのブログ記事が一番上に出た。

 それをタップして開くと、ブログの主がアリウェルランドへ行って写真撮影したであろう画像をいくつも載せている記事が表示される。

 最初のほとんどが街の造りや風景を語る内容であったが、中盤に到達すると――

「本当に異世界に来たみたい? 異種族がいる……?」

 ブログ記事の中盤には笑顔を浮かて写真撮影に応じている『異種族』の写真画像があった。

 異種族、それはエルフやドワーフ、獣人といった人間と同じ生き物。

 ファンタジー小説に登場する定番の登場人物達がアリウェルランドには存在しているらしい。

「特殊メイクだろ」

 ただ、現代日本に異種族なんているはずがない。異世界『ふう』を再現するように特殊メイクで異種族になりきっているのだろう、とサトシは勝手に決めつけた。

 故に特別感動する事もなく記事をにスクロールさせていく。

「んん? 魔獣と戦闘ができる? 倒したポイントで景品交換?」

 終盤に書かれていたのは『アリウェルランド最大の特徴!』と赤い太字で猛烈アピールされた文字。

 記事を書いたブログの主が「これを語りたかった!」と言わんばかりの主張である。

「アリウェルランド西側の外には平原が広がっていて、そこには魔獣が……いる?」

 アリウェルランド西にある巨大門を潜って外に向かうと広い平原が広がっていて、そのエリアには魔獣が存在しているという。

 ブログには半透明なゼリー状らしきスライムや顔のある木の化け物といった存在を映した写真画像が埋め込まれており、これらの魔獣と戦う事こそがアリウェルランド最大のアトラクションであると書かれていた。

 しかも、魔獣を討伐するとポイントが付与されてポイントに応じて景品と交換できるそうだ。

「VRアトラクションみたいなやつか……?」

 異種族は現代に存在しない。魔獣だって存在しない。

 どれもファンタジー、創作物、物語の中にしか存在しない。

 この世に存在させるならば、映像を投影したり最新のVR技術で映像の中にいるような感覚を体験者に味あわせるしかないだろう。

 しかし、ブログの記事には異世界要素の全てが『本当に存在する』という。ご丁寧に『マジで本物! 本当に魔獣と戦いました!』と感想付きで。

「……行ってみるか」

 こういった記事は企業が案件として書かせている場合もある。

 まるで本物、と言いながら実際見てみればチープな作り物だったなんて事は多い。

 しかし、どれだけチープなのか。暴いてやろうじゃないか、とサトシは逆に興味が沸いたようだ。

「どうせ休日は暇だしなぁ」

 特に趣味もなく彼女もいないサトシの休日なんてガラガラの空きっぱなしである。

 しかも入園料はタダときたもんだ。

 財布も痛まないとなれば、現地へ行って真偽を確かめる事も1つの選択肢として十分価値がある。

「ツトム、予定空いてるかな」

 親友でも誘って笑い話になれば上等。ガッカリなクオリティであれば、帰りに親友と酒を飲んで帰るのも悪くない。

 サトシはスマートフォンの通話アプリをタッチして親友へと電話をかけるのであった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

二重のカーテン (スカートの下の黒い意志)

MisakiNonagase
青春
洗濯物の隙間に隠したのは、母としての祈りと、娘のプライド。 かつて、女子高生という生き物はもっと無防備で、自由だった。 44歳の主婦、愛子が朝のベランダで手にするのは、娘たちが毎日履き替える漆黒のオーバーパンツ、通称「黒パン」。それは、令和を生きる娘たちが自らの尊厳を守るために身に着ける、鉄壁の「鎧」だった。 小学校時代のママ友たちとのランチ会。そこで語られるのは、ブルセラショップに下着を売っていた奔放な50代、無防備なまま凛と歩くしかなかった40代、そして「見せないこと」に命を懸ける10代の、あまりに深い断絶。さらには、階段で石像のように固まる父、生徒の背後に立たないよう神経を削る教師……。 一枚の黒い布を通して浮き彫りになる、現代社会の歪さと、その根底にある不器用なまでの「優しさ」。 ベランダに干された黒いカーテンの向こう側に、あなたは何を見ますか?

相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~

ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。 休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。 啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。 異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。 これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。

ゴミ鑑定だと追放された元研究者、神眼と植物知識で異世界最高の商会を立ち上げます

黒崎隼人
ファンタジー
元植物学の研究者、相川慧(あいかわ けい)が転生して得たのは【素材鑑定】スキル。――しかし、その効果は素材の名前しか分からず「ゴミ鑑定」と蔑まれる日々。所属ギルド「紅蓮の牙」では、ギルドマスターの息子・ダリオに無能と罵られ、ついには濡れ衣を着せられて追放されてしまう。 だが、それは全ての始まりだった! 誰にも理解されなかったゴミスキルは、慧の知識と経験によって【神眼鑑定】へと進化! それは、素材に隠された真の効果や、奇跡の組み合わせ(レシピ)すら見抜く超チートスキルだったのだ! 捨てられていたガラクタ素材から伝説級ポーションを錬金し、瞬く間に大金持ちに! 慕ってくれる仲間と大商会を立ち上げ、追放された男が、今、圧倒的な知識と生産力で成り上がる! 一方、慧を追い出した元ギルドは、偽物の薬草のせいで自滅の道をたどり……? 無能と蔑まれた生産職の、痛快無比なざまぁ&成り上がりファンタジー、ここに開幕!

{完結保証}規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜

Saioonji
ファンタジー
母に殴られ、命を奪われた――そのはずだった。 だが目を覚ました先は、白く豪奢な王城の一室。 赤子の身体、仕えるメイド、そして“皇子”という立場。 前世では愛されず、名前すら価値を持たなかった少年が、 今度は世界の中心に生まれ落ちてしまった。 記憶を失ったふりをしながら、 静かに、冷静に、この世界を観察する皇子。 しかし彼の中には、すでに常識外れの思考と力が芽生えていた。 ――これは復讐でも、救済でもない。 自由を求めただけの少年が、 やがて国を、歴史を、価値観そのものを揺るがしていく物語。 最強であることすら、彼にとってはただの前提条件だった。 重複投稿作品です 小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。

俺の伯爵家大掃除

satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。 弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると… というお話です。

魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密

藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。 そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。 しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。 過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!

『ミッドナイトマート 〜異世界コンビニ、ただいま営業中〜』

KAORUwithAI
ファンタジー
深夜0時——街角の小さなコンビニ「ミッドナイトマート」は、異世界と繋がる扉を開く。 日中は普通の客でにぎわう店も、深夜を回ると鎧を着た騎士、魔族の姫、ドラゴンの化身、空飛ぶ商人など、“この世界の住人ではない者たち”が静かにレジへと並び始める。 アルバイト店員・斉藤レンは、バイト先が異世界と繋がっていることに戸惑いながらも、今日もレジに立つ。 「袋いりますか?」「ポイントカードお持ちですか?」——そう、それは異世界相手でも変わらない日常業務。 貯まるのは「ミッドナイトポイントカード(通称ナイポ)」。 集まるのは、どこか訳ありで、ちょっと不器用な異世界の住人たち。 そして、商品一つひとつに込められる、ささやかで温かな物語。 これは、世界の境界を越えて心を繋ぐ、コンビニ接客ファンタジー。 今夜は、どんなお客様が来店されるのでしょう? ※異世界食堂や異世界居酒屋「のぶ」とは 似て非なる物として見て下さい

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

処理中です...