異世界体験テーマパーク:アリウェルランド

とうもろこし

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17 激走の果てに


「え!? 田中さん!?」

 まひろの困惑と驚きを混ぜたような声を背中に受けながら、サトシは魔導兵器を担いで走り出した。

 ベヒモスを倒すのにあと1撃。ただ、この事実をサトシは知らなかったろう。

 彼が魔導兵器を拾って走り出した理由は、単純にイベント戦を勝利で終わらせたかったからに違いない。

 といっても、彼はまだ弱く、初心者同然の駆け出しの冒険者に過ぎない。

 その事を自覚していたであろう彼は、数分前までは近接系ジョブに就くベテラン冒険者が魔導兵器を担いで走り出すのを後ろで応援しているだけだった。

 ただ、彼は完全に他人任せ、寄生プレイのような行動はしていなかった。

 弱い自分でも出来る事を探し、大砲の準備を積極的に手伝うなど……良く言えば縁の下の力持ち。悪く言えば日陰者のような活躍しかできないと思っていただろう。

 自分は主人公やヒーローのような活躍はできない。それでも、主人公やヒーローに成り得るベテラン達の手助けは出来る。そう考えていたに違いない。

 ネガティブな感情を表すとすれば、巨大な魔獣に恐怖を抱いていたのもあったろう。

 弱い自分が前に出ても鼻息だけで殺されてしまうような、最前線に出てもあまり役に立たないと思っていたに違いない。

 しかし、それでも彼は戦線が崩壊した時に魔導兵器を担いだ。

 担いで走り出した。

 その行動は勇気を出した、という一言に尽きる。

 弱くても前に出て、弱いと自覚していても前へ進んだ。

 それは巨大な敵を倒す為に、勝利を得る為に出した勇気だ。 

「よう、兄さん! お供するぜッ!」

 故に、サトシの勇気は他の冒険者へ伝播する。

 最初に下敷きになった、山賊のような姿をしたベテラン冒険者が剣を片手にサトシと並走した。

 必死に走るサトシは一瞬何が起きたのか、何故一緒に走っているのか理解できなかったが、山賊男はサムズアップしながら良い笑顔を浮かべる。

「私が盾となろうッ!」

 更に山賊男とサトシを挟むように、ガッチャンガッチャンと足音を鳴らしながらフルプレートメイルに身を包んだ大男が大盾を構えながら並走を始める。

 盾となる。そう宣言した通り、サトシを追い越すと彼の前で大盾を構えながら先導するように激走する。

「お兄さん、僕らが守るので、気にせず走って!!」

 斜め後ろから声がしてサトシが振り返ると、そこには初来園時にステータス画面の開き方とポーションを譲ってくれた白いローブを着る背の低い少年がいた。

 彼は水色の剣を片手に持ち、頷きながらサトシと共に進む。 

「ふぅ! ふぅ!」

 ありがとう、と言いたげに自分を守る冒険者達を見るサトシ。だが、彼は日頃の運動不足も相まって返事を口に出来ず、走るだけで限界だった。

 3人のベテラン冒険者と共に走るサトシとベヒモスの距離は確実に縮まって行く。

「来るぞッ!」

 しかし、ベヒモスは既に有象無象を認識していた。この蟻のように小さき者達は自分の歩みを邪魔する存在であると。

 真っ直ぐ突っ込んで来るサトシ達に向けて前足を蹴り上げ、土の塊を飛ばして蹴散らそうとする。

「ぐうううう!! ぬおおおおッ!!」
 
 サトシを守るように大盾を構えていたフルプレートメイルの冒険者は何らかのスキルを発動させ、土の塊を大盾で弾いた。

 だが、大砲から発射された砲弾のような土の塊を弾いた大盾は、たった一回の防御をしただけでひしゃげてしまう。

「グワアアアン!」

 土の塊を弾かれたのを見たのか、ベヒモスはもう一度前足を蹴り上げた。

 再びサトシ達に向かって放たれる土の塊。だが、今度は拡散するように途中で塊が破裂して小さな土の弾丸と化した。

「ぬうううううんッ!!」

 先頭を走っていたフルプレートメイルの大男は大盾を捨て、両手を広げるとサトシに当たるはずだった弾丸を身を挺して受け止める。

 ガツンガツンと連続ヒットしていく土の弾丸が彼の生命力を削り取り……。

「あとは、頼むぞッ!!」

 サトシを守り切ったフルプレートメイルの大男は光の粒子になって消えた。

 守られたサトシの顔が歪むが、両脇に並走していた2人が前に出てサトシへと振り返る。

「気にしている暇はねえ!! 行くぞ!! このまま行くぞッ!!」

「もうちょっと、もうちょっとです!」 

 犠牲が出たとしても、前に進め。身を挺して守ってくれた大男の漢気を無駄にするな。

 そう思いを込めたような2人の力強い叫びがサトシの背中を押した。

「グワアアアンッ!!」

 1人が犠牲になっても尚、進み続けるサトシ達に対してベヒモスは自分の鼻先を抉った地面に差し込んで土を飛ばす。

 今度は津波のような土の波が襲い掛かる。

「風よッ!」

 白いローブを着た少年は水色の剣を土の津波に向ける。短く唱えた詠唱に反応して、剣が淡く光ると風の壁が前方に発生した。

 土の津波を風の壁で受け止めて防ぐが、第二波が襲い掛かる。

「風よッ!」

 再び風の壁を作り、全力でサトシを守る少年。しかし、3度、4度とバリエーション豊かな土の攻撃を飛ばしてサトシ達を襲う。

「はぁ、はぁ、風ッ!」

 どこか苦しそうに叫ぶ少年はポーチから青色の液体に満ちたポーション瓶を取り出して一気に飲み干した。

 うぇぇ、と走りながら一気飲みした事の苦しさを漏らすが、少年の目は屈していなかった。

 更に風の壁を生み出してベヒモスの攻撃からサトシを守る。

 が、やはり魔法を連続発動した事で魔力の回復が追い付いていないのか、少年は再びポーチへと手を伸ばす。

「オラアアアッ!!」

 少年が回復している間、隙を埋めようとしたのだろう。

 山賊男は更にスピードを上げて、剣を振り回しながら土の弾丸からサトシを代わりに守った。

 剣でいくつか弾いたものの、彼の体には何発か弾丸が当たってしまった。

 それでも転送されていないという事は、スキルや防具で生命力をかなり鍛えているのだろう。

「魔導拘束結界、発射ッ!」

 離れた壁の上から号令が響き、大砲に装填された筒がベヒモスに向けて発射された。

 巨体の周囲に落ちた多数の筒が青白い光を発生させると、ベヒモスの巨体を包むように光の結界を発生させる。

 結界に包まれたベヒモスが進行しようと足を動かすが、バチバチと青白い魔力の火花が散って行動を阻害した。

「グワアアン! ガアアアッ!」

 結界内に火花が散りながらも、構わず暴れ回るベヒモス。

「よし! 今のうちだ!」

 拘束して動き進行が止まっている間がチャンス。3人は更に距離を詰める。

 サトシを守護する2人は距離を詰めている合間にポーションを飲んで生命力と魔力の回復を行った。

「ガアアアアアッ!!」

 しかし、拘束結界が機能した時間は5分にも満たず。

 再び進行と共にサトシ達を排除しようという攻撃が始まった。

 万全とは言い難いが、サトシを守る2人も再び守護するべく走りながらの応戦を続ける。

「あと、ちょっと!」

「諦めるな!」

 結界が破られて以降、何度もサトシを守って来た2人もいよいよ限界に近かった。

 用意していたポーションも底を尽き、全力疾走に加えてサトシを守り続けて満身創痍。

 それでも諦めない2人の背中を見て、歳なんぞ関係無くサトシは尊敬と申し訳なさ、苦しさを混ぜ合わせたような……泣きそうな表情を浮かべていた。

 たかがアトラクション。たかが遊び。

 巨獣がアリウェルランドを襲うから阻止せよ、なんて使命感をくすぐるような出来事だが、所詮は遊びである。

 リアルな生活に何も直結しない。ただのアトラクション、テーマパーク内で起きた出来事だ。

 しかし、それでも3人の間には形容し難い結束力、友情があった。

 3人だけじゃない。彼等を見守る他の冒険者達が叫ぶ応援の声、このイベントに参加している全員が一丸となって。

 行け、負けるな、諦めるな、走れ。

 勝利の鍵となる魔導兵器を担ぐサトシの背中には多数の声援が掛けられ、彼はまるで世界の中心にいるようだった。

 アリウェルランドという場所では、きっと誰もが主人公のようになれるだろう。誰もが冒険者となって、異世界物語に登場する主人公に成りきれる。

 だが今この時だけは、田中サトシという男は特別だった。

 物語の中心人物。彼はまさに、主人公のように。

「ふぅ! ふぅ!」

 激走に足は悲鳴を上げ、運動不足の体は酸素を欲する。だが、サトシは走る事を止めない。

 苦しくても、足が千切れそうなほど痛くても。

「行って下さいッ!」

 白いローブを着た少年が遂に魔力切れを起こした。

 魔法でベヒモスの攻撃を防げないと分かると、少年は身を挺してサトシを守りながら光の粒子に変わった。

「止まるなッ! 行けッ! やっちまえッ!! お前の相手は俺だああああッ!!」

 最後の守護者となった山賊男は迫り来る土の塊を気合と共に剣で両断して、剣をベヒモスの顔に投げつけると両手を広げながら存在をアピールした。

 ベヒモスの注意を引いた山賊男は最後までベヒモスへと罵声を浴びせるも巨大な前足に踏み潰される。

 だが、これで良い。

 なぜなら、サトシがその隙に真下へ潜り込む事が出来たから。

 このイベントの主人公となったサトシが、ベヒモスの腹にあるヒビに向けて魔導兵器の発射口を向けた。

「終わってくれ!」

 力強く叩くように、魔導兵器のボタンを押すと巨大な魔法の槍がベヒモスの腹に直撃する。

「グオオオオ!?」

 悲鳴を上げたベヒモスの体が浮き、ヒビの入っていた腹に槍の先端がめり込んだ。

 ギチギチと音を立て、遂に槍の半ばまで食い込み始める。

「いけえええッ!」

 サトシがそう叫んだ直後、真下で見ていた彼の耳に『グチャリ』ととても生々しい音が聞こえた。

 その音が発生したあと、魔法の槍は消失。ベヒモスの巨体は重力に引かれ、地面に落ちた。

 サトシが最後に見た景色は、迫り来るベヒモスの腹だろう。

 押し潰される、と咄嗟に頭を腕で覆いながら身構えて目を瞑ったサトシ。次の瞬間、彼は浮遊感を感じた事だろう。

 彼が目を開けると、フィールド上ではなく転送後に送られる待機所の中心に立っていた。

「ど、どうなった!?」

 周囲に人はいない。皆、転送されたと知ってすぐに戦線復帰して行っているのだろう。

 サトシは慌てて階段を駆け上がり、外に出た。

 アリウェルランド北西エリアにいた人達が避難誘導されたせいか、表通りに出てもエリア内は妙に静まり返っていた。

 西門の外から微かに声が聞こえて来て、まだフィールド上に人が残っていると確認することはできた。

「早く戻らないと……」

 周囲の静けさに違和感を感じながら、西門へ走り出す。といっても激走の後遺症か、彼は足を引き摺るように走り出した。

 微かに聞こえていた声が徐々に大きくなって、しっかり聞き取れるような声量になっていく。

 盛り上がって喜び合っているような声が聞こえる中、門の傍には誰もいない。

 無人の門を通って良いのか少々不安になったが、彼は崩壊寸前の門の脇にあった小さなドアを潜ってフィールドへ出た。

 門がダメージを受けた事で扉の立て付けが悪くなったのか、ドアは強く押さねば開かない。

 ギギギ、と鈍く音を鳴らす木製のドアを押して外に出ると――フィールドには地面に崩れ落ちたベヒモスの姿が見えた。

 そして、ドアを通って来たサトシへ向けて一斉に顔を向ける冒険者達や騎士と兵士の姿も。

「あ、あれ?」

 状況はどうなっているのか? とサトシが困惑していると、彼の肩に腕を回す男が現れた。

「兄さん、やったな!」

「やりましたね」

 ガハハ、と山賊のような笑い声を上げてサムズアップするのはサトシを守護していた山賊男であった。

 彼の傍には、白いローブを着た背の低い少年もいて、フードの中で可愛らしい笑顔を浮かべている。

「素晴らしき走りであった」

 最初にサトシを守ったフルプレートの大男も攻撃で胸の部分がボコボコにへこんだ装備を着たまま現れ、最後までやり遂げたサトシに握手を求めた。

「い、いえ、皆さんが守ってくれたおかげですから!」

 謙遜するサトシを囲みながら4人が盛り上がっていると、次にサトシへ駆け寄って来たのはパーティーメンバーであるツトム、まひろと咲奈の3人であった。

「サトシ、お前、すげえよ!」

「すごい! すごい!」

「私、感動しちゃいました!」

 ツトムも山賊男と共にサトシと肩を組み笑い合う。パーティーメンバーの3人はサトシの功績を称えるように喜び始めた。

「ナイスラン!」

「君のおかげで勝ったな! ナイス!」

 共に走った3人、パーティーメンバー、周囲にいた冒険者達や騎士達からも祝福と勝利の宣言を聞かされたサトシは、ようやくイベント戦が終わったのだと実感できたようだ。 

「あはは……。いや、その、必死だったもので」

 多くの声に謙遜しながら、気恥ずかしさを感じたようで。サトシは顔を真っ赤にしながら苦笑いを浮かべていた。

 そんな祝福ムードの中、サトシへと騎士団長ガイストが近寄ってくる。

「冒険者達よ。良き戦いであった」

 ガイストはサトシに握手を求め、彼と共に走った者達を称える。

 サトシと握手を交わしたガイストは門を背にして立つと、拳を天に突き上げながら大声で宣言した。

「君達全員のおかげでアリウェル王都は守られたのだッ!! 我々の勝利であるッ!!」 

「「「 おおー! 」」」

 騎士団長ガイストのイベント戦終了宣言を聞き、レイド戦に参加した冒険者達全員の歓声が鳴り響く。

 彼の言う通り、アリウェルランドの冒険者達は一丸となって巨獣を打ち倒す事に成功した。

 アリウェルランド内には『巨獣討伐成功』とアナウンスが流れ、園内の巨大スクリーンや店舗内にあるモニター、至る所で激戦のダイジェストが放送された。

 この日は討伐を祝う盛大な突発サービスイベントが開催され、イベント参加者は飲食無料という大盤振る舞い。

 加えて、レイド戦成功報酬として5万ポイントの付与が行われた。

 だが、イベントに参加した冒険者達のほとんどはポイント付与を次の来園時に知る事となる。

 その理由は飲食無料となった事で自然と始まった大宴の席に冒険者達が参加していたからだ。

「さぁ! 乾杯だ!」

「冒険者サイコー!」

「俺達サイキョー!」

 最高の報酬は勝利の余韻。そう言わんばかりに、共に戦った戦友達とビールジョッキを打ち鳴らす。

 隣にいる者は名前も知らぬ。今日初めて会ったばかり、といった間柄がほとんどだったろう。

 それでも、彼等は共に笑い合いながら食事を楽しんだ。

 北西エリアにある酒場では閉園時間間際まで冒険者達の笑い声が響き、道行く者からは参加した冒険者達の勝利を称える声が続く。

 これぞ、冒険者。

 これが、冒険者。 

 アリウェルランドでは異世界で過ごしているような体験が、最高の冒険者生活を体験できるのだ。
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