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2話「卒業パーティーでの出来事」
しおりを挟む――卒業パーティーの翌日――
卒業パーティーでアルフレッド様に婚約破棄されました。
アルフレッド様のお隣には桃色の髪の女の子がおりました、お名前はミランダ様、華奢な体格の可憐な少女でした。
アルフレッド様が可愛がっていた【ミラ】とは犬のことではなく、ミランダという名前の人間の少女のことでしたのね。
ミランダ様は子爵家の令嬢でアルフレッド様の幼馴染だとか。
私がアルフレッド様と出会う前に、お二人は結婚の約束をしていたそうです。
それは家同士を交えた正式な婚約ではなく、アルフレッド様とミランダ様の間で交わされた口約束でした。
ですがアルフレッド様とミランダ様は、子供の頃からずっと愛し合っていたそうです。
「レイチェル・カルべ! 俺を金で買い、ミラを犬扱いし、父に土下座をさせ楽しんでいた性悪女め! 貴様との婚約を破棄し、俺は愛するミランダと結婚する!」アルフレッド様はそう叫ぶと、公衆の面前で私を突き飛ばしましたわ。
突き飛ばされた私を支えてくれたのは、父でした。アルフレッド様が迎えに来て下さらかったので父にエスコートしてもらいましたの。父が一緒で助かりましたわ、父がいなかったら突き飛ばされた衝撃で尻もちをついておりました。婚約破棄されただけでも恥ずかしいのに、恥の上塗りをしたくありません。
アルフレッド様のお父様が真っ青な顔で駆けてきて、アルフレッド様の胸ぐらを掴み、何か叫んでおりましたわ。「馬鹿息子!」とか「今すぐ謝罪しろ!」とか何とか、精神的なショックが大きくてはっきりとは覚えておりませんの。
父がアルフレッド様のお父様に「婚約破棄を受け入れた、そちらの有責の婚約破棄だ、慰謝料を請求させてもらう。それから伯爵家に融資した金も、毎月アルフレッドに支払っていたお小遣いも返済してもらうよ」とおっしゃっておりましたわ。
その後父はアルフレッド様とミランダ様を真っすぐに見据え「婚約者の父親から貰ったお小遣いでドレスや宝石を買い愛人に貢いで愛をささやいていたとは随分と太い神経をしているな、金の出どころを知っていて品物を受け取っていた相手も相手だが」とおっしゃった気がしますわ。
その時アルフレッド様もミランダ様も上等な絹地の衣服を身にまとい、アルフレッド様はピンクダイヤモンドのアクセサリーを、ミランダ様はサファイアのネックレスを身に着けていることに気が付きましたわ。お互いの瞳の色のアクセサリーを身に着けているお二人を目の当たりにして、お二人の間に私が入る隙間などないと思い知りましたわ。
アルフレッド様はお顔を真っ赤にして「黙れ! 守銭奴! 金で俺を買ったくせに偉そうに説教するな! この恥知らずが! 俺はもうお前たち親子の思い通りにはならない! 俺は家を出てミランダとの愛に生きる! 学園で参学し教養を身に着けた今の俺ならどこに行っても仕事に困らないからな!」と叫んでおりましたわ。
父はアルフレッド様を睨めつけ「その守銭奴の金で家庭教師を雇い、本を買い、ノートやペンやインクを買い、馬と馬車を買い、御者を雇って学園に通い、学費を全て出して貰い修学した分際でよくもそんな口が叩けるな、恥を知らないのは貴様の方だ」とおっしゃっいました。
その時会場からクスクスと笑い声が起こり「みっともない」「物乞い伯爵令息」と聞こえた気がしますわ。
アルフレッド様は眉間にシワを寄せ「煩い! 黙れ!」と怒鳴り、ミランダ様の手を取り会場を出て行きました。
アルフレッド様のお父様がおっしゃっていた、アルフレッド様は楽しいときや嬉しいときに眉間にシワが寄るという話は嘘だったのだと、このとき気が付きました。
アルフレッド様のお父様はその場で土下座をし「すまなかった! 息子を連れ戻して再教育する! もう一度息子をレイチェル嬢の婚約者に戻してくれ……!」涙を流しながら叫んでおりました。
父はアルフレッド様のお父様を無視し、私を連れて会場を後にしましたの。
私、そのあとどうやって家に帰って来たのか覚えておりませんわ。
気がついたら自室のベッドの上で、涙を流しておりました。
声を上げてわんわん泣きましたわ。
そして現在に至ります。
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