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本編
泥船
落下していく中、壊れて中が剥き出しになった船の側面が見えた。壊れた魔法口から無数の光る光が見えた。
(綺麗――)
私が海に落ちる音は、二度目の爆発音に掻き消された。
(海水冷たい。服が絡まって身体が重い)
暗い海の底に引っ張られるように、身体が沈んでいく。
魔法を使ってここから抜け出さないと……
頭では分かっているのだけど、身体が動かない。
ほんの少し前まで美味しくカニを食べていたはずなのに、なんでこんなことに……
「ミリアナ!」
海の中なのに月光さんの声がはっきりと聞こえる。
顔を上げてギョッとする。
(白髪の女神?)
女神に抱きしめられ、海面へと上がる。
「ゲホッ、ゲホッ」
いつの間にか吸い込んでいた海水を吐き出す。助かった。水面は少し波を打っているけど、荒くはない。
海に落ちてからそんなに経っていないはずなのに、船からは思ったよりも離れていた。
「大丈夫か? なぜ魔法で自分の身を守らない!」
月光さんに怒られる――ってあれ? 月明かりに照らされる目の前の女神を凝視する。色白の白髪、年齢は二十代後半だろうか、よく見れば耳が少し尖っている。エルフ……?
不機嫌な女神がライトを詠唱しながら、月光さんの声で怒る。
「黙っていては分からない。怪我をしているのなら言え」
「え……? 月光さん……ですか?」
「そうだ」
目の前の女神は月光さんだという。
「変装ですか?」
「正真正銘の私の素顔だ」
「エルフ……?」
「半分だけな。それより、その髪……」
「え?」
髪に触れるとべったりと汚れが手を伝わり流れ落ちた。これ、染粉が落ちているんだ。
アジュールに来てから染粉の落ちが早いと思っていた。たぶん、海水で落ちやすくなっていたんだろう。特に最近染めたばかりだった……
月光さんが落ちた染粉を人差し指と親指で絡めながら、静かに言う。
「髪を染めていたのか……」
「え、と……ハイ……」
「この話は後だ。港に戻るぞ」
私をお姫様抱っこしたまま、飛び立とうとする月光さんを止める。
「ダメです! 船にはラジェたちがいます!」
落ちてしまった船を指差すと、浮遊する。
「あ、こら」
同じく浮遊した月光さんの制止を避け、飛びながら船へと向かった。
月光さんがなにか言っていたのは聞こえたけど、魔力を増やしながらスピードを上げ船まで向かう。
上空から見える船は、側面が爆発によって大々的に破壊され、ところどころから炎上していた。たぶん、私が魔法口を鉄魔法でガチガチに固めたせいで、開かずに中で砲弾が爆発したようだ。船の損傷が激しい。
船の一部の場所は、海水が流れ込み始めていた。この船――沈む。
「ラジェ! ラジェ!」
風魔法で声を拡張してラジェの名前を叫ぶ!
近くまで追いついたギラギラした船に視線を移せば、数隻の小船が海に降ろされていた。
「ミリアナ! 馬鹿みたいに突っ走るな!」
追いついた月光さんが、眉間に皺を寄せながら言う。
「でも、ラジェがまだ――」
「ラジェならあそこだ、見ろ」
月光さんが指を差した方向を見れば、海の中から飛び出してきた。
「ラジェ!」
拡張を使い大声で叫ぶと、空を見上げたラジェが砂を蹴りながら上がってきた。
月光さんが舌打ちをしながら言う。
「あれじゃ魔力切れを起こす。あの馬鹿め!」
月光さんが行動に移す前に、ジェット機のような勢いでラジェのもとまで向かう。
互いに両手を繋ぐと、ラジェの顔色が悪くなった。魔力切れの兆候だ。
風魔法で自分とラジェを浮遊させる。
「ラジェ、魔力を使うと気持ち悪くなるから! 私に任せて!」
「ミリーちゃんが海に落ちて……それで探しても見つからなくて……」
「分かったから、今は無理しないで」
言葉を絞りながら、ラジェが疲れたように笑う。
「ミリーちゃんの髪色……月明かりにあたって綺麗……」
スッと力を失ったラジェを月光さんが支える。
「まったく――二人とも突っ走りすぎだ」
「ラジェは大丈夫なんですか?」
「まぁ、明日は魔力切れの反動で体調悪いだろうが、大丈夫だ」
「よかった」
魔力切れの気持ち悪さは、たぶんヒールでは治らないと思う。体調が悪くなるだろうラジェにミルク寒天でも作ってあげようなどと思っていたら、船から叫び声が聞こえる。
「傾くぞ!」
「邪魔だ! こんな船と一緒に死ぬ気はない!」
「やめろ、今飛び込んでも死ぬだけだ!」
「うるさい! どけ!」
海に飛び込もうとするのを船員に止められている人物は、カステロ大臣だった。
「誰だ、あの騒がしい奴は」
月光さんが美男には似合わない顔の歪め方をしながら尋ねた。
「拉致犯ですね。帝国の大臣だそうです」
「ほぉ……」
「それより船が沈んでしまいます。助けないと」
「そう簡単には沈まない。ギリギリまで苦しませればいい」
月光さんの顔が怖い……
「でも――」
「心配せずとも、王太子の船から助けが出ている。こんなやつらあれで十分だ」
「あのギラギラした船、王太子の船だったんですね」
レオ号と頭の中で勝手に船に名付ける。
確かに小船はたくさん出ているけど、沈む船から距離を取った状態だ。それに、この暗さの中、全員を救助するのは厳しいと思う。
大臣やリュヤさんにはいろいろ思うところがあるけど、船にはオーレリア王女とばあやさんがまだいる。それに、船員もたくさん乗っているはずだ。船員たち全員が拉致のことを知っていたとは思えない。
甲板にオーレリア王女やばあやさんの姿が見えないのも心配だ。
私の魔力は半分以下になっているけど、大きい魔法を連発しなければ余裕だ。
「やっぱり助けに行きます! ラジェをお願いします!」
風魔法で船に向かおうとすれば、月光さんに首根っこを掴まれ、変な声が出る。
「ぐえッ」
「突っ走るな」
「オーレリア王女とばあやさんがまだ中にいるので助けたいです」
「帝国の姫君か」
月光さんが妖しく口角を上げた。綺麗な顔だけど、その笑いは爺さんそっくりだった。
**
いつもご愛読ありがとうございます。
今年、最後の投稿となります。
今日で2025年が終わってしまいますね。
6巻の最後とストーリーを繋げられたこと、2025年の締めになってよかったと思います。
いろいろとやらかしたミリーですが、2026年もよろしくお願いいたします。
良い新年をお過ごしください。
また来年お会いしましょう。
トロ猫
(綺麗――)
私が海に落ちる音は、二度目の爆発音に掻き消された。
(海水冷たい。服が絡まって身体が重い)
暗い海の底に引っ張られるように、身体が沈んでいく。
魔法を使ってここから抜け出さないと……
頭では分かっているのだけど、身体が動かない。
ほんの少し前まで美味しくカニを食べていたはずなのに、なんでこんなことに……
「ミリアナ!」
海の中なのに月光さんの声がはっきりと聞こえる。
顔を上げてギョッとする。
(白髪の女神?)
女神に抱きしめられ、海面へと上がる。
「ゲホッ、ゲホッ」
いつの間にか吸い込んでいた海水を吐き出す。助かった。水面は少し波を打っているけど、荒くはない。
海に落ちてからそんなに経っていないはずなのに、船からは思ったよりも離れていた。
「大丈夫か? なぜ魔法で自分の身を守らない!」
月光さんに怒られる――ってあれ? 月明かりに照らされる目の前の女神を凝視する。色白の白髪、年齢は二十代後半だろうか、よく見れば耳が少し尖っている。エルフ……?
不機嫌な女神がライトを詠唱しながら、月光さんの声で怒る。
「黙っていては分からない。怪我をしているのなら言え」
「え……? 月光さん……ですか?」
「そうだ」
目の前の女神は月光さんだという。
「変装ですか?」
「正真正銘の私の素顔だ」
「エルフ……?」
「半分だけな。それより、その髪……」
「え?」
髪に触れるとべったりと汚れが手を伝わり流れ落ちた。これ、染粉が落ちているんだ。
アジュールに来てから染粉の落ちが早いと思っていた。たぶん、海水で落ちやすくなっていたんだろう。特に最近染めたばかりだった……
月光さんが落ちた染粉を人差し指と親指で絡めながら、静かに言う。
「髪を染めていたのか……」
「え、と……ハイ……」
「この話は後だ。港に戻るぞ」
私をお姫様抱っこしたまま、飛び立とうとする月光さんを止める。
「ダメです! 船にはラジェたちがいます!」
落ちてしまった船を指差すと、浮遊する。
「あ、こら」
同じく浮遊した月光さんの制止を避け、飛びながら船へと向かった。
月光さんがなにか言っていたのは聞こえたけど、魔力を増やしながらスピードを上げ船まで向かう。
上空から見える船は、側面が爆発によって大々的に破壊され、ところどころから炎上していた。たぶん、私が魔法口を鉄魔法でガチガチに固めたせいで、開かずに中で砲弾が爆発したようだ。船の損傷が激しい。
船の一部の場所は、海水が流れ込み始めていた。この船――沈む。
「ラジェ! ラジェ!」
風魔法で声を拡張してラジェの名前を叫ぶ!
近くまで追いついたギラギラした船に視線を移せば、数隻の小船が海に降ろされていた。
「ミリアナ! 馬鹿みたいに突っ走るな!」
追いついた月光さんが、眉間に皺を寄せながら言う。
「でも、ラジェがまだ――」
「ラジェならあそこだ、見ろ」
月光さんが指を差した方向を見れば、海の中から飛び出してきた。
「ラジェ!」
拡張を使い大声で叫ぶと、空を見上げたラジェが砂を蹴りながら上がってきた。
月光さんが舌打ちをしながら言う。
「あれじゃ魔力切れを起こす。あの馬鹿め!」
月光さんが行動に移す前に、ジェット機のような勢いでラジェのもとまで向かう。
互いに両手を繋ぐと、ラジェの顔色が悪くなった。魔力切れの兆候だ。
風魔法で自分とラジェを浮遊させる。
「ラジェ、魔力を使うと気持ち悪くなるから! 私に任せて!」
「ミリーちゃんが海に落ちて……それで探しても見つからなくて……」
「分かったから、今は無理しないで」
言葉を絞りながら、ラジェが疲れたように笑う。
「ミリーちゃんの髪色……月明かりにあたって綺麗……」
スッと力を失ったラジェを月光さんが支える。
「まったく――二人とも突っ走りすぎだ」
「ラジェは大丈夫なんですか?」
「まぁ、明日は魔力切れの反動で体調悪いだろうが、大丈夫だ」
「よかった」
魔力切れの気持ち悪さは、たぶんヒールでは治らないと思う。体調が悪くなるだろうラジェにミルク寒天でも作ってあげようなどと思っていたら、船から叫び声が聞こえる。
「傾くぞ!」
「邪魔だ! こんな船と一緒に死ぬ気はない!」
「やめろ、今飛び込んでも死ぬだけだ!」
「うるさい! どけ!」
海に飛び込もうとするのを船員に止められている人物は、カステロ大臣だった。
「誰だ、あの騒がしい奴は」
月光さんが美男には似合わない顔の歪め方をしながら尋ねた。
「拉致犯ですね。帝国の大臣だそうです」
「ほぉ……」
「それより船が沈んでしまいます。助けないと」
「そう簡単には沈まない。ギリギリまで苦しませればいい」
月光さんの顔が怖い……
「でも――」
「心配せずとも、王太子の船から助けが出ている。こんなやつらあれで十分だ」
「あのギラギラした船、王太子の船だったんですね」
レオ号と頭の中で勝手に船に名付ける。
確かに小船はたくさん出ているけど、沈む船から距離を取った状態だ。それに、この暗さの中、全員を救助するのは厳しいと思う。
大臣やリュヤさんにはいろいろ思うところがあるけど、船にはオーレリア王女とばあやさんがまだいる。それに、船員もたくさん乗っているはずだ。船員たち全員が拉致のことを知っていたとは思えない。
甲板にオーレリア王女やばあやさんの姿が見えないのも心配だ。
私の魔力は半分以下になっているけど、大きい魔法を連発しなければ余裕だ。
「やっぱり助けに行きます! ラジェをお願いします!」
風魔法で船に向かおうとすれば、月光さんに首根っこを掴まれ、変な声が出る。
「ぐえッ」
「突っ走るな」
「オーレリア王女とばあやさんがまだ中にいるので助けたいです」
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月光さんが妖しく口角を上げた。綺麗な顔だけど、その笑いは爺さんそっくりだった。
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