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本編
お人形遊び
オーレリア王女がキョトンとしながら問う。
「よろしいの?」
「王女殿下のお願いをお断りすることなどできません。それにこちらのお菓子のいただき方を聞いておりません」
ビシっと言う。
困惑したレオさんが私を物理的に後ろに誘導、オーレリア王女から距離を取らせた後に小声で尋ねる。
「何をしているんだい?」
「レオさん、こんにちは」
「こんにちは……ではない。いや、待て。いつから俺が王太子だと知っていた?」
「いつだったかな……」
確かスライムちゃんがリサで販売される前後辺りだと思うんだけど、はっきりとした時期は覚えていない。爺さんと答え合わせをしたのは結構前だ。
レオさんが、王太子らしかぬため息を吐く。
「道理で、今日は全く驚かなかったのか。伝えたのはウィル……いやザックか?」
「違います。強いていえば、王太子殿下のオーラです」
「オーラ……」
レオさんが自分の匂いを嗅ぐ。そういうオーラではない。
「急に王女の買い物につき合いたいと口に出したのは、その手にあるカカオのせいか?」
レオさんの後ろを見れば、取り巻きたちが困惑した顔で私たちを見ている。今日会ったばかりのはずの子供と王太子がコソコソと話すから心配していると思われる。
声を上げ言う。
「我がひいお祖父様が殿下との時間を過ごされる間、私も王女殿下を楽しませることができればと思いました!」
「それはオーレリア王女が登場する前の話――」
私の大声に驚きながら言い訳をしようとしたレオさんの言葉は、オーレリア王女に遮られる。
「まぁ、そうでしたの? それなら何も問題はございませんよね? レオナルド殿下」
「……よいだろう。だが、ミリアナ嬢は社交には慣れていない。私の従者と騎士を一人つける」
付けられたのは変態騎士のバートさん、それからなんとかつて猫亭に宿泊しながら私を見張っていたお姉さんだった。レオさんの従者の中で唯一の女性だったから選ばれたようだけど、大丈夫だろうか……心配だ。
お姉さんがぎこちない顔で挨拶をする。
「ラナと申します。よろしくお願いいたします」
「ミリアナ・スパークです。よろしくお願いいたします」
ラナさんは、私と顔見知りだということをスルーすることにしたようだ。
変態騎士にも始めまして挨拶をかましておこう。
「騎士様も初めまして。ミリアナ・スパークと申します。どうぞ、よろしくお願いいたします」
「……私のことはバートとお呼びください」
言葉は丁寧だけど、バートさんは訝しげにこちらを見ている。視線を逸らそうと爺さんを見れば、こちらからも睨まれる。
爺さんの心の声が聞こえてくる。
――お主はやはり爆弾だ。
爺さん、ごめんなさい! でも、チョコレートへの道筋があったのです!
◆
チョコレートの出どころを探るべき、オーレリア王女の買い物にお供したのはいいのだが……困っている、実に困っている。
オーレリア王女が自国の言葉を使いながら侍女たち論争を繰り広げる。
『わたくしは断然こちらだわ』
『殿下、こちらの深紅のベルベットのほうがこのお嬢様の髪色にあっております』
『確かにそうね。でも、そしたらリボンではなく赤と金の混色の……この木の実の髪飾りがいいわね』
『王女殿下、流石でございます』
侍女たちが、オーレリア王女を褒めながら拍手をする。
私は……着せ替え人形中だ。
(なんで、またこうなった!)
「よろしいの?」
「王女殿下のお願いをお断りすることなどできません。それにこちらのお菓子のいただき方を聞いておりません」
ビシっと言う。
困惑したレオさんが私を物理的に後ろに誘導、オーレリア王女から距離を取らせた後に小声で尋ねる。
「何をしているんだい?」
「レオさん、こんにちは」
「こんにちは……ではない。いや、待て。いつから俺が王太子だと知っていた?」
「いつだったかな……」
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「オーラ……」
レオさんが自分の匂いを嗅ぐ。そういうオーラではない。
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レオさんの後ろを見れば、取り巻きたちが困惑した顔で私たちを見ている。今日会ったばかりのはずの子供と王太子がコソコソと話すから心配していると思われる。
声を上げ言う。
「我がひいお祖父様が殿下との時間を過ごされる間、私も王女殿下を楽しませることができればと思いました!」
「それはオーレリア王女が登場する前の話――」
私の大声に驚きながら言い訳をしようとしたレオさんの言葉は、オーレリア王女に遮られる。
「まぁ、そうでしたの? それなら何も問題はございませんよね? レオナルド殿下」
「……よいだろう。だが、ミリアナ嬢は社交には慣れていない。私の従者と騎士を一人つける」
付けられたのは変態騎士のバートさん、それからなんとかつて猫亭に宿泊しながら私を見張っていたお姉さんだった。レオさんの従者の中で唯一の女性だったから選ばれたようだけど、大丈夫だろうか……心配だ。
お姉さんがぎこちない顔で挨拶をする。
「ラナと申します。よろしくお願いいたします」
「ミリアナ・スパークです。よろしくお願いいたします」
ラナさんは、私と顔見知りだということをスルーすることにしたようだ。
変態騎士にも始めまして挨拶をかましておこう。
「騎士様も初めまして。ミリアナ・スパークと申します。どうぞ、よろしくお願いいたします」
「……私のことはバートとお呼びください」
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爺さんの心の声が聞こえてくる。
――お主はやはり爆弾だ。
爺さん、ごめんなさい! でも、チョコレートへの道筋があったのです!
◆
チョコレートの出どころを探るべき、オーレリア王女の買い物にお供したのはいいのだが……困っている、実に困っている。
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『殿下、こちらの深紅のベルベットのほうがこのお嬢様の髪色にあっております』
『確かにそうね。でも、そしたらリボンではなく赤と金の混色の……この木の実の髪飾りがいいわね』
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