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小鳥のかごがありますように
しおりを挟む私が押し込められた部屋のドアはしっかりと施錠されている。鍵はあの男が持っており、ドアを開け外に出ることは叶わない。望みが絶たれるとは、このことだろう。私は設置されたベッドに身体を横たえる。気持ちの重みでどんどん沈んでしまいそうだった。
半透明の小鳥が私を覗き込んでいた。パクパクと口を開閉させているが、声は聞こえない。私は悟った。この子は幽霊なのだと。小鳥は頭を擦り寄せてきた。それはまるで、私を慰めているようで。私はここに来て初めて涙を流した。
男からどんな仕打ちを受けても、あの小鳥と身を寄せ合っていたら乗り越えることができた。逃げることは叶わないが、心に小さく灯が灯ったような心地だった。
この子と一緒なら大丈夫。私はそんな安心感にも似た自信に満ちていた。今ならば、できる気がする。私は男を強く押した。男は私に突き飛ばされ、壁に頭を強く打ち付けた。男は小さく呻いた後に、動かなくなった。不思議と罪悪感は抱かなかった。私にこんな仕打ちを与えたのだ。死んで当然だと思った。達成感に酔いしれながら、私は男のポケットから鍵を奪い、外に出た。鬱蒼と生い茂る森の中、私がいたのは地下に掘られた部屋だったようだ。出入口は落ち葉でカモフラージュし、出入口を発見しにくくしていたのだろう。私は出入口を閉め、施錠した。あの男がしたように、しっかりと。
平凡だが幸せな日々が戻ってきた。しかし最近、肩が重い。私の肩に乗っていた小鳥も、最近は姿を見せてくれなくなっていた。昔からの友人に相談すると、とある霊能者を紹介された。指定された場所で待っていると、老婆がビクビクと何かに怯えるような様子で近付いてきた。
「お、お主……何をしでかしたんじゃ?!」
「え……?」
この老婆が霊能者らしい。彼女は言った。悪霊が取り憑いている、と。私の守護霊である小鳥を締め上げ、憎々しい目でこちらを見ているのだと言う。悪霊の特徴を教えてもらうと、それはあの男のものと一致した。老婆は、自分には祓えないと言って逃げるように消えた。
私は青ざめる。あの男は死んでからも私を苦しめるのか。なんで私がこんな目に……。私の首に、冷たい何かが触れた。
Fin.
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