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シスコンとブラコンのドリームマッチ
しおりを挟む「違う。違う。我の娘はこの子なんだあ!」
自称王様の兄マンティーは、馬車に戻ると中から白い髪の幼女を引っ張りだしてきた。
「ほら見ろ、我とそっくりだろう?」
全然似てねえよ……。
肌の色から目鼻立ちまでまったく別物だよ。
マジかよ、兄マンティー。幼女誘拐犯じゃねえか。
差し付め、落ち詰められてアダルマンティーのところに逃亡してきたてところか。
このままじゃ、俺たちまで幼女誘拐の一味と勘違いされて衛兵にしょっ引かれそうだな。
ここから離れて早く自首するように促すか。
「全然似ていないですよ、何言ってんですか!!」
「な!? き、貴様……。我は国王だぞ!」
「国王だろうが、なんだろうが、今のアナタは赤の他人を自分の娘と言い張る変態に過ぎませんよ」
兄マンティーにそう指摘すると、わなわな震え始める。
落ち詰められた変態ほど、扱いに困るものはないな。
もう少し優しめな口調で促すことにしよう。
「今ならまだ間に合います。やり直して、本物の娘を手に入れるチャンスも」
「く、我は惑わされない」
もう性癖が惑いまくって、社会に多大な被害を与えてるていうのに何いってんだ、こいつは。
頬に冷や汗を流した兄マンティーは、なぜか真剣みを帯びた目でアダルマンティーをちらちら見始めた。
こいつ……。もしやロリコンのみならずシスコン属性も持ってるとでもいうのだろうか。
一体いくつの性癖を隠し持っているというんだ、この変態。
まあいい、ロリコンよりシスコンの方がまだ犯罪度は低い。
シスコンにジョブチェンジするように誘導するか。
うまくいけば、幼女解放。みんなで大団円だ。
「あなたの抱いているものは偽物です。あなたが本当に必要としているものはここにあるはずです」
俺はアダルマンティーを指さして、奴に向けて主張する。
ぐぬぬと歯を食いしばったが、兄マンティーは力が抜けたように膝をついた。
「我が悪かった……。偽物がカワイイからって、偽物の方を本物と言い張るなんて国王失格だ」
フウ、助かった。兄マンティーは無事シスコンにジョブチェンジを済ませたらしい。
俺が安堵していると兄マンティーは顔を上げて、口を開けた。
「でもな、マンティー一つだけ知ってほしい。流石に実の父向かって、汗臭いとかジジ臭いとかスメハラするのはダメだって」
「お父様……」
アダルマンティーも満更でもないのか、うれしさで涙目だ。
「お父様!」
「マンティー!」
次の瞬間二人は抱擁していた。
シスコンとブラコンのドリームマッチだ。
全て丸く収まったな。
あとは幼女を親御さんのとこまで送迎するだけだ。
衛兵も立件とかめんどくさそうだし、幼女が戻れば矛を収めるだろう。
俺が幼女の方を見つめると、幼女は地面に向かって、つばを吐いた。
「もう少しで、スラムのガキから王女になれたのによお! クソガキ絶対許さねえぜ!」
マジかよ、幼女先輩……。
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