37 / 46
第四章
三十七話
しおりを挟む
どうしたんだろう。
体がなんか軽い。
リオに状態異常の耐性魔法をかけてもらってから、もう1日以上経つのに、今でも全然船酔いしていない。
リオからもらった指輪は、窓からの陽の光が当たって、不思議な煌めきを魅せている。
こうやって形になっているものがあると、やっぱり嬉しいな。
ずっと首から下げていた『女神のメダル』は、昨日リオと結ばれた時にいきなり消えてしまった。
代わりにリオの名前が入った文字が私の胸元に残っているけど、金糸みたいな線で描かれているこの聖痕はまさに『紋章』のようだった。
もうお昼近いのだけど、リオはまだ横で寝ている。
疲れたのかな……昨日は色々とあったしね。
色々か……。
昨夜でのことを思い出したら、今頃恥ずかしくなってきた。
こういう時って、どんな顔をしていればいいのだろう。
と、とりあえず服を着ようかな。
あ、先にシャワー……浴びたいかも。
私はベッドから立ち上がろうとすると、パシッと腕を掴まれた。
「ソア、どこに行く? まだいいだろ」
リオは起きたのか、眠たそうな目を擦りながら、私を自分の元へと引っ張った。
明るいところで見えるリオの裸体は、ちょっと目のやり場に困るね。
まぁ、今の私も下着姿なんだけど……君もパンツくらい履こう?
「リ、リオもう起きる? そろそろお昼になるし、私はこれからシャワーでも浴びようかと」
「そんなことより、また昨日の続きしねぇ?」
「続きって……」
おま……昨日にもう充分致しただろ。
若いからって体を過信したらダメだぞ。
「まぁ、まだ無理しねぇ方がいいか」
そうだそうだ、無理は絶対にやめたまえ。
「ソアの体の調子はどうだ?」
「調子は中々良いよ。不思議なんだけど、船酔いもない」
リオは「まじか……」と呟いてから体を起こし、私の顔をじっと見つめた。
「……顔色が良い。たぶん『女神の恩恵』のパッシブ効果が効いている。この感覚だと、状態異常の完全無効効果が付与されているな」
「なんか、すごいね。これが女神の加護の流れが変わった状態なの?」
「そう。それにまだある。おそらくだが、全パラメータが1.5倍ほどになっている」
わぉ、そこまで来るともうゲームみたい。
「範囲効果:俺とお前の血族」
もはやチートやん。
「だから、ナターリアの子孫たちは、誓いの成就を成した人間を早々にくっつけたがる。この意味、今ならよく分かるだろ?」
「うん、これは確かにすごい。『女神の恩恵』に、一族の人たちが肖りたくもなるわね」
「そうそう、これもすべてソアのおかげ」
リオはそう言って、私に軽くキスした。
このキスは「ありがとう」という意味かい?
嬉しいけどさ。
「前年の成就者も死んで、ここ10年くらいは王家も含めて誰も成就されなかった。つまり一族の念願が、今ここに来てやっと叶ったわけだ。離れると起こるマイナスの付与も、状態異常完全無効のスキルでたぶん無効になっている。俺たちが死なねぇ限りは、この『女神の恩恵』は続くはずだ」
え、なんか色々と解決している?
今更だけど『女神の恩恵』ってご利益ありすぎじゃない?
何が起きるのかちょっと不安だったけど、これなら全然良いことばかり。心配ご無用だったかも。
「そういえば、腰の方はどうだ?」
「腰?」
「……その様子だと、大丈夫そうだな。痛みとか」
そ、そうだ。
そういえば最初は痛かったんだっけ。
初めてだから仕方ないけど、いつのまにかそれすらも消えてた。
「……全然平気みたい」
「これも女神の恩恵か……」
私とリオはシャワーをそれぞれ浴びた後、食事を取りにいこうと外に出る準備をした。
昨日の夜からずっと二人で部屋に閉じこもっていたから、クラークさんたちが心配しているかもしれない。
部屋を出ようとする直前、リオが「そうだ!」と何かを思い出したように、急にドアの前で立ち止まった。いきなり何事か?
「ソア、もう一つ! この恩恵の効果を持続させるには、毎日セックスしねぇとダメかもしれねぇ! 明日から覚悟しておけよ?」
「は、はぁ?!」
お、お前、さっき「そうだ」って言ってなかったか? 「そうだ」って。
絶対に今、思いついただろ!
そういうことって、普通は昨日みたいにムードとかが高まってから始まるもんじゃないの?!
発情期のエロガキめ……そんな義務みたいに毎日なんかできるかー!
体がなんか軽い。
リオに状態異常の耐性魔法をかけてもらってから、もう1日以上経つのに、今でも全然船酔いしていない。
リオからもらった指輪は、窓からの陽の光が当たって、不思議な煌めきを魅せている。
こうやって形になっているものがあると、やっぱり嬉しいな。
ずっと首から下げていた『女神のメダル』は、昨日リオと結ばれた時にいきなり消えてしまった。
代わりにリオの名前が入った文字が私の胸元に残っているけど、金糸みたいな線で描かれているこの聖痕はまさに『紋章』のようだった。
もうお昼近いのだけど、リオはまだ横で寝ている。
疲れたのかな……昨日は色々とあったしね。
色々か……。
昨夜でのことを思い出したら、今頃恥ずかしくなってきた。
こういう時って、どんな顔をしていればいいのだろう。
と、とりあえず服を着ようかな。
あ、先にシャワー……浴びたいかも。
私はベッドから立ち上がろうとすると、パシッと腕を掴まれた。
「ソア、どこに行く? まだいいだろ」
リオは起きたのか、眠たそうな目を擦りながら、私を自分の元へと引っ張った。
明るいところで見えるリオの裸体は、ちょっと目のやり場に困るね。
まぁ、今の私も下着姿なんだけど……君もパンツくらい履こう?
「リ、リオもう起きる? そろそろお昼になるし、私はこれからシャワーでも浴びようかと」
「そんなことより、また昨日の続きしねぇ?」
「続きって……」
おま……昨日にもう充分致しただろ。
若いからって体を過信したらダメだぞ。
「まぁ、まだ無理しねぇ方がいいか」
そうだそうだ、無理は絶対にやめたまえ。
「ソアの体の調子はどうだ?」
「調子は中々良いよ。不思議なんだけど、船酔いもない」
リオは「まじか……」と呟いてから体を起こし、私の顔をじっと見つめた。
「……顔色が良い。たぶん『女神の恩恵』のパッシブ効果が効いている。この感覚だと、状態異常の完全無効効果が付与されているな」
「なんか、すごいね。これが女神の加護の流れが変わった状態なの?」
「そう。それにまだある。おそらくだが、全パラメータが1.5倍ほどになっている」
わぉ、そこまで来るともうゲームみたい。
「範囲効果:俺とお前の血族」
もはやチートやん。
「だから、ナターリアの子孫たちは、誓いの成就を成した人間を早々にくっつけたがる。この意味、今ならよく分かるだろ?」
「うん、これは確かにすごい。『女神の恩恵』に、一族の人たちが肖りたくもなるわね」
「そうそう、これもすべてソアのおかげ」
リオはそう言って、私に軽くキスした。
このキスは「ありがとう」という意味かい?
嬉しいけどさ。
「前年の成就者も死んで、ここ10年くらいは王家も含めて誰も成就されなかった。つまり一族の念願が、今ここに来てやっと叶ったわけだ。離れると起こるマイナスの付与も、状態異常完全無効のスキルでたぶん無効になっている。俺たちが死なねぇ限りは、この『女神の恩恵』は続くはずだ」
え、なんか色々と解決している?
今更だけど『女神の恩恵』ってご利益ありすぎじゃない?
何が起きるのかちょっと不安だったけど、これなら全然良いことばかり。心配ご無用だったかも。
「そういえば、腰の方はどうだ?」
「腰?」
「……その様子だと、大丈夫そうだな。痛みとか」
そ、そうだ。
そういえば最初は痛かったんだっけ。
初めてだから仕方ないけど、いつのまにかそれすらも消えてた。
「……全然平気みたい」
「これも女神の恩恵か……」
私とリオはシャワーをそれぞれ浴びた後、食事を取りにいこうと外に出る準備をした。
昨日の夜からずっと二人で部屋に閉じこもっていたから、クラークさんたちが心配しているかもしれない。
部屋を出ようとする直前、リオが「そうだ!」と何かを思い出したように、急にドアの前で立ち止まった。いきなり何事か?
「ソア、もう一つ! この恩恵の効果を持続させるには、毎日セックスしねぇとダメかもしれねぇ! 明日から覚悟しておけよ?」
「は、はぁ?!」
お、お前、さっき「そうだ」って言ってなかったか? 「そうだ」って。
絶対に今、思いついただろ!
そういうことって、普通は昨日みたいにムードとかが高まってから始まるもんじゃないの?!
発情期のエロガキめ……そんな義務みたいに毎日なんかできるかー!
14
あなたにおすすめの小説
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
転生したら地味ダサ令嬢でしたが王子様に助けられて何故か執着されました
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
皆様の応援のおかげでHOT女性向けランキング第7位獲得しました。
前世病弱だったニーナは転生したら周りから地味でダサいとバカにされる令嬢(もっとも平民)になっていた。「王女様とか公爵令嬢に転生したかった」と祖母に愚痴ったら叱られた。そんなニーナが祖母が死んで冒険者崩れに襲われた時に助けてくれたのが、ウィルと呼ばれる貴公子だった。
恋に落ちたニーナだが、平民の自分が二度と会うことはないだろうと思ったのも、束の間。魔法が使えることがバレて、晴れて貴族がいっぱいいる王立学園に入ることに!
しかし、そこにはウィルはいなかったけれど、何故か生徒会長ら高位貴族に絡まれて学園生活を送ることに……
見た目は地味ダサ、でも、行動力はピカ一の地味ダサ令嬢の巻き起こす波乱万丈学園恋愛物語の始まりです!?
小説家になろうでも公開しています。
第9回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作品
小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました〜モブのはずが第一王子に一途に愛されています〜
みかん桜
恋愛
第一王子と妹が並んでいる姿を見て前世を思い出したリリーナ。
ここは、乙女ゲームが舞台の小説の世界だった。
悪役令嬢が主役で、破滅を回避して幸せを掴む——そんな物語。
私はその主人公の姉。しかもゲームの妹が、悪役令嬢になった原因の1つが姉である私だったはず。
とはいえ私はただのモブ。
この世界のルールから逸脱せず、無難に生きていこうと決意したのに……なぜか第一王子に執着されている。
……そういえば、元々『姉の婚約者を奪った』って設定だったような……?
※2025年5月に副題を追加しました。
異世界に喚ばれた私は二人の騎士から逃げられない
紅子
恋愛
異世界に召喚された・・・・。そんな馬鹿げた話が自分に起こるとは思わなかった。不可抗力。女性の極めて少ないこの世界で、誰から見ても外見中身とも極上な騎士二人に捕まった私は山も谷もない甘々生活にどっぷりと浸かっている。私を押し退けて自分から飛び込んできたお花畑ちゃんも素敵な人に出会えるといいね・・・・。
完結済み。全19話。
毎日00:00に更新します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
なりゆきで妻になった割に大事にされている……と思ったら溺愛されてた
たぬきち25番
恋愛
男爵家の三女イリスに転生した七海は、貴族の夜会で相手を見つけることができずに女官になった。
女官として認められ、夜会を仕切る部署に配属された。
そして今回、既婚者しか入れない夜会の責任者を任せられた。
夜会当日、伯爵家のリカルドがどうしても公爵に会う必要があるので夜会会場に入れてほしいと懇願された。
だが、会場に入るためには結婚をしている必要があり……?
※本当に申し訳ないです、感想の返信できないかもしれません……
※他サイト様にも掲載始めました!
前世では地味なOLだった私が、異世界転生したので今度こそ恋愛して結婚して見せます
ヤオサカ
恋愛
この物語は完結しました。
異世界の伯爵令嬢として生まれたフィオーレ・アメリア。美しい容姿と温かな家族に恵まれ、何不自由なく過ごしていた。しかし、十歳のある日——彼女は突然、前世の記憶を取り戻す。
「私……交通事故で亡くなったはず……。」
前世では地味な容姿と控えめな性格のため、人付き合いを苦手とし、恋愛を経験することなく人生を終えた。しかし、今世では違う。ここでは幸せな人生を歩むために、彼女は決意する。
幼い頃から勉学に励み、運動にも力を入れるフィオーレ。社交界デビューを目指し、誰からも称賛される女性へと成長していく。そして迎えた初めての舞踏会——。
煌めく広間の中、彼女は一人の男に視線を奪われる。
漆黒の短髪、深いネイビーの瞳。凛とした立ち姿と鋭い眼差し——騎士団長、レオナード・ヴェルシウス。
その瞬間、世界が静止したように思えた。
彼の瞳もまた、フィオーレを捉えて離さない。
まるで、お互いが何かに気付いたかのように——。
これは運命なのか、それとも偶然か。
孤独な前世とは違い、今度こそ本当の愛を掴むことができるのか。
騎士団長との恋、社交界での人間関係、そして自ら切り開く未来——フィオーレの物語が、今始まる。
『異世界転生してカフェを開いたら、庭が王宮より人気になってしまいました』
ヤオサカ
恋愛
申し訳ありません、物語の内容を確認しているため、一部非公開にしています
この物語は完結しました。
前世では小さな庭付きカフェを営んでいた主人公。事故により命を落とし、気がつけば異世界の貧しい村に転生していた。
「何もないなら、自分で作ればいいじゃない」
そう言って始めたのは、イングリッシュガーデン風の庭とカフェづくり。花々に囲まれた癒しの空間は次第に評判を呼び、貴族や騎士まで足を運ぶように。
そんな中、無愛想な青年が何度も訪れるようになり――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる