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三章 炎は時に激しく、時に儚く、時に普遍して燃える
118話 『いつも通りで』
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「さあさあ! 始まりました! 実況は私、レイカが務めさせていただきますっ!」
リビングのソファに、二人が並んで座っている。レイと、コオロギだ。その手にはコントローラーが握られ、テレビの画面では、今まさにキャラクター選択画面から戦闘画面へと切り変わった所だった。
ソファの後ろで、おもちゃのマイクを片手にレイカは画面を指さして言う。
「さあ! 今まさに戦闘が始まる寸前! すりーっ! つーっ! わんっ! ファイっっとおおおおおおおおお……ッッッ!」
レイカが叫ぶと同時に、その頭が鷲掴みにされてしまう。
鷲掴みにする手が付いている腕を伝って、その大きな胸が視界に入った所で誰かは当たりがついたが、更にその上へ視線を向けると、やはり予測通り、その人物が冷ややかな笑みを浮かべていた。
「ネっ、ネネさん!?」
「あのねぇ……もう夜なの。そこまで五月蝿いと近所迷惑でしょぉ~……?」
ジタバタジタバタと草食動物は暴れるけれど、肉食動物に捕まってからでは遅い。それと同じ状況に陥ってしまったレイカは、どれだけ暴れようがネネからは逃げられない。もう詰んだも等しい状況だ。
「抵抗するならぁ……」ネネは別の手を悪あがきするレイカの脇にはべらせて、「こちょこちょするわよ……っ!」全力で指をわしゃわしゃ動かし始めた。
「あっ、あっ、ああああああああああっ! にゃあああああああああああああああああああああッッッ!!」
爆笑の断末魔が上がり、更に手足が振り回されるも、ネネは全く気にした様子もなく脇をくすぐり、こしょばし、こちょこちょし続ける。それが、レイカに対しての罰だと言う事はこの家の誰もが重々承知している事なので誰もレイカに助け舟を出す事はない。ただ、近所迷惑と言うのなら、さしてこの叫びも先程の声量と変わっていないのでその点に関してはあまり意味はない。
「──いやぁ、やっぱり平和が一番ッスねぇ……」
「本当に、そうですね……」
「この、嬢さんの叫びを聞いてる時が一番『平和だなぁ』って思うんスよ」
「たしかに、ボクもこの叫びは平和だなぁって思います」
レイカの叫びが弱まっていき、消えた頃にレイ達の方も決着が着いた。今回は、コオロギの勝ちだ。どうもレイはガンシューティングやFPSは苦手の部類に入るようで、最近はこの系統のゲームではコオロギにいつも負けてしまう。
「そろそろご飯も炊けるしおかずも焼き終わるから、手を洗って来てね」
「はーい」
「分かりました」
「おけッス」
それぞれ、三人三色の返事をして洗面所へと手を洗いに行った。
今日のご飯は、今月の頭にも食べた餃子だ。あの時は三人だけだったが、今は四人だ。しかし、今回、それとは別に違う物がある。まず、ネネがそれだけではいけないと、言い張り、そこへ更にシーザーサラダを用意したのだ。餃子とシーザーサラダが合うのかどうかは未知の領域の話だが。
「んん~! おいひー!」
と、レイカがほっぺたを落ちないように支えるが、アメちゃんのように丸まるほど物を詰め込んだほっぺたはその手に収まり切っているかどうか、微妙な線だが、それでもやはり、とろんとした笑みを浮かべている。
「うん。ネネさんの作る料理は美味しいな」
レイはいつも通り、うっすらと優しい微笑みを浮かべながらぱくぱくぱくぱく、次々と食べ物を取ってはその胃袋へと入れていく。脅威のスピードだ。箸の速度だけならチーターを軽々と超えるかもしれない。
──しかし、ここに一人、反逆者が生まれる。
「そッスか? 俺はあんまり……ぁいたっ、待つッス! 蹴るのはなしッス! 痛いッス! あ、ああ、謝るッスから!」
「え? 何が?」
反逆者は隣からの足への打撃を避けようとしているが、それはほぼ無理な話で、なぜなら、その猛攻から逃れようと思えばこの席から立つしかなくなる。それはつまり、食事ができない事を意味するのだ。だから、蹴られるしかない。ないのだが──、
「姐さん、さっきから横からガシガシ蹴ってるじゃないッスかぁ! ほら、今も!」
やはり、食事する時くらいは痛みとは無縁でいたいと言うのが本音だ。しかし、現実は無情にも、
「え? 何が?」
と、続けて地獄を味わわせるために打撃を繰り返し続ける。
「も、もう勘弁してほしいッスぅぁぁ……」
半分泣きながら懇願し続け、ようやく蹴りが収まって一息吐けたコオロギが、さあ食べようという時には既に餃子もサラダの入っていた容器が見当たらず、慌てて見回すと、既にレイ達がエプロンを着て、食べ終わった食器を現在進行形で洗っている最中だった。
「お、俺の分は……」
「あ、こっちで取り分けてます」
レイがそう言って小皿を持ち上げて見せると、コオロギは心底嬉しそうに椅子から下りて腹を鳴らしながらレイへと頼りない足取りで歩いて行く。
「マジ……神ッス……!」
「ボクはそこまで言われるような事はしてないですよ」
「いや、レイくんは神ッス! どっかの誰かさんとはものすごい違いッス!」
「あっ、そー言えば……」
レイの隣で餃子の乗っていた平皿を布巾で拭いている最中に、レイカはふと思い出したように呟いた。その声に反応して、レイが隣を向いて「どうしたの?」と声をかけると、レイカは「うーん……」と小さく唸りながら拭き終わった皿を食器棚に置いた。
「──たしか、もうすぐ懇談だった気がするんだよ」
首を捻って「んー……」と唸るレイカの疑問に答えるべく、レイはスポンジで食器に泡立たせた洗剤を擦り付けながら斜め上を見る。
「そう言えば……そうだね。うん。懇談だよ」
「やったね! これで四時間授業! すぐに学校が終わる!」
「でも、懇談って三者面談だから、ボク達も行かないといけないよね」
「えっ、そーなの?」
「うん。──あっ、はい、食器」
「あ、うん」
渡された食器を受け取って、洗剤が水に濯がれた食器に布巾を当てながらくるくると回していると、「それでね」と、レイが今度は茶碗を手に先程の続きを話し始める。
「──それでね、中学校では三者面談って言って、担任の先生と保護者と、あとボク達、生徒自身の三人でするんだよ。だから、学校が終わっても懇談の日は帰って来てからもう一回、学校に行かなきゃダメなんだよ」
「へぇー……。なんか、めんどくさいね……」
「あはは……」
言葉を返せなくなったレイは、ただただ苦笑を浮かべるより他に無かった。
数分後、最後の食器をレイカに渡したレイは、水道をハンドルを回して塞き止めてぴっぴっぴっ、と水気を少しだけ払った後、エプロンでその濡れた手を拭いてレイカが食器を拭いて棚に戻すのを最後まで見届け、エプロンを脱いだ。
「ねー、ネネさーん」
「どうしたの? レイカちゃん」
「ひまー!」
叫ぶと同時に、ピンク色の花柄模様のエプロンが宙を舞う。その原因は、レイカが今現在、天に向けて思いっ切り伸ばしている腕だ。それがエプロンを放り投げた。
レイが慌ててそれを空中で回収しなければ、彼女は鬼に今再びくすぐられていた事だろう。レイは陰ながら彼女を救ったのだが、そんな事には気付かず、レイカは不満げな顔をしている。
ネネはレイが回収した後で、読んでいたマンガから目を離してレイカの方を見た。
「それじゃあお風呂に入って来なさい」
「えー……。ゲームしよーよー……!」
明らかに落胆と呼べるものを顔に表すレイカに、深い嘆息をしてから表紙を下に本を閉じて、その後ろでエプロンをハンガーにかけているレイを指さして、
「わがままばっかり言ってないで、ほらほら。早く入らないとレイくんが入れないでしょー」
その指が指し示す方向を見て、レイカは唇を尖らせて背中を大いに曲げに曲げてじーっ、と恨みがましく目を細めていると、呆れの含んだ深い溜息を十秒程度の長い時間をかけて吐いた。
それから、大きく息を吸い込んで鼻息荒く意気込む。
「──分かった! お風呂に入る!」
結局この日は、レイカの長風呂により、レイは十時過ぎになってようやく湯船に浸かる事ができた。
[あとがき]
三章、遂に突入です……!
三章では、ファンタジーよりも『愛』とか、とにかくその辺りを大事にしていきたいなぁ、と思っています。嘘です。ファンタジーも大切にします。
て言うか、ここでやらなきゃ後でどうしようもなくなっている気がしているので。
十万字はいくかもしれないけれど、二十万字はいかないと思います。
そしていつも通り、章題は思いつきです。
それでは、お楽しみください。
……週一ですけれども。
リビングのソファに、二人が並んで座っている。レイと、コオロギだ。その手にはコントローラーが握られ、テレビの画面では、今まさにキャラクター選択画面から戦闘画面へと切り変わった所だった。
ソファの後ろで、おもちゃのマイクを片手にレイカは画面を指さして言う。
「さあ! 今まさに戦闘が始まる寸前! すりーっ! つーっ! わんっ! ファイっっとおおおおおおおおお……ッッッ!」
レイカが叫ぶと同時に、その頭が鷲掴みにされてしまう。
鷲掴みにする手が付いている腕を伝って、その大きな胸が視界に入った所で誰かは当たりがついたが、更にその上へ視線を向けると、やはり予測通り、その人物が冷ややかな笑みを浮かべていた。
「ネっ、ネネさん!?」
「あのねぇ……もう夜なの。そこまで五月蝿いと近所迷惑でしょぉ~……?」
ジタバタジタバタと草食動物は暴れるけれど、肉食動物に捕まってからでは遅い。それと同じ状況に陥ってしまったレイカは、どれだけ暴れようがネネからは逃げられない。もう詰んだも等しい状況だ。
「抵抗するならぁ……」ネネは別の手を悪あがきするレイカの脇にはべらせて、「こちょこちょするわよ……っ!」全力で指をわしゃわしゃ動かし始めた。
「あっ、あっ、ああああああああああっ! にゃあああああああああああああああああああああッッッ!!」
爆笑の断末魔が上がり、更に手足が振り回されるも、ネネは全く気にした様子もなく脇をくすぐり、こしょばし、こちょこちょし続ける。それが、レイカに対しての罰だと言う事はこの家の誰もが重々承知している事なので誰もレイカに助け舟を出す事はない。ただ、近所迷惑と言うのなら、さしてこの叫びも先程の声量と変わっていないのでその点に関してはあまり意味はない。
「──いやぁ、やっぱり平和が一番ッスねぇ……」
「本当に、そうですね……」
「この、嬢さんの叫びを聞いてる時が一番『平和だなぁ』って思うんスよ」
「たしかに、ボクもこの叫びは平和だなぁって思います」
レイカの叫びが弱まっていき、消えた頃にレイ達の方も決着が着いた。今回は、コオロギの勝ちだ。どうもレイはガンシューティングやFPSは苦手の部類に入るようで、最近はこの系統のゲームではコオロギにいつも負けてしまう。
「そろそろご飯も炊けるしおかずも焼き終わるから、手を洗って来てね」
「はーい」
「分かりました」
「おけッス」
それぞれ、三人三色の返事をして洗面所へと手を洗いに行った。
今日のご飯は、今月の頭にも食べた餃子だ。あの時は三人だけだったが、今は四人だ。しかし、今回、それとは別に違う物がある。まず、ネネがそれだけではいけないと、言い張り、そこへ更にシーザーサラダを用意したのだ。餃子とシーザーサラダが合うのかどうかは未知の領域の話だが。
「んん~! おいひー!」
と、レイカがほっぺたを落ちないように支えるが、アメちゃんのように丸まるほど物を詰め込んだほっぺたはその手に収まり切っているかどうか、微妙な線だが、それでもやはり、とろんとした笑みを浮かべている。
「うん。ネネさんの作る料理は美味しいな」
レイはいつも通り、うっすらと優しい微笑みを浮かべながらぱくぱくぱくぱく、次々と食べ物を取ってはその胃袋へと入れていく。脅威のスピードだ。箸の速度だけならチーターを軽々と超えるかもしれない。
──しかし、ここに一人、反逆者が生まれる。
「そッスか? 俺はあんまり……ぁいたっ、待つッス! 蹴るのはなしッス! 痛いッス! あ、ああ、謝るッスから!」
「え? 何が?」
反逆者は隣からの足への打撃を避けようとしているが、それはほぼ無理な話で、なぜなら、その猛攻から逃れようと思えばこの席から立つしかなくなる。それはつまり、食事ができない事を意味するのだ。だから、蹴られるしかない。ないのだが──、
「姐さん、さっきから横からガシガシ蹴ってるじゃないッスかぁ! ほら、今も!」
やはり、食事する時くらいは痛みとは無縁でいたいと言うのが本音だ。しかし、現実は無情にも、
「え? 何が?」
と、続けて地獄を味わわせるために打撃を繰り返し続ける。
「も、もう勘弁してほしいッスぅぁぁ……」
半分泣きながら懇願し続け、ようやく蹴りが収まって一息吐けたコオロギが、さあ食べようという時には既に餃子もサラダの入っていた容器が見当たらず、慌てて見回すと、既にレイ達がエプロンを着て、食べ終わった食器を現在進行形で洗っている最中だった。
「お、俺の分は……」
「あ、こっちで取り分けてます」
レイがそう言って小皿を持ち上げて見せると、コオロギは心底嬉しそうに椅子から下りて腹を鳴らしながらレイへと頼りない足取りで歩いて行く。
「マジ……神ッス……!」
「ボクはそこまで言われるような事はしてないですよ」
「いや、レイくんは神ッス! どっかの誰かさんとはものすごい違いッス!」
「あっ、そー言えば……」
レイの隣で餃子の乗っていた平皿を布巾で拭いている最中に、レイカはふと思い出したように呟いた。その声に反応して、レイが隣を向いて「どうしたの?」と声をかけると、レイカは「うーん……」と小さく唸りながら拭き終わった皿を食器棚に置いた。
「──たしか、もうすぐ懇談だった気がするんだよ」
首を捻って「んー……」と唸るレイカの疑問に答えるべく、レイはスポンジで食器に泡立たせた洗剤を擦り付けながら斜め上を見る。
「そう言えば……そうだね。うん。懇談だよ」
「やったね! これで四時間授業! すぐに学校が終わる!」
「でも、懇談って三者面談だから、ボク達も行かないといけないよね」
「えっ、そーなの?」
「うん。──あっ、はい、食器」
「あ、うん」
渡された食器を受け取って、洗剤が水に濯がれた食器に布巾を当てながらくるくると回していると、「それでね」と、レイが今度は茶碗を手に先程の続きを話し始める。
「──それでね、中学校では三者面談って言って、担任の先生と保護者と、あとボク達、生徒自身の三人でするんだよ。だから、学校が終わっても懇談の日は帰って来てからもう一回、学校に行かなきゃダメなんだよ」
「へぇー……。なんか、めんどくさいね……」
「あはは……」
言葉を返せなくなったレイは、ただただ苦笑を浮かべるより他に無かった。
数分後、最後の食器をレイカに渡したレイは、水道をハンドルを回して塞き止めてぴっぴっぴっ、と水気を少しだけ払った後、エプロンでその濡れた手を拭いてレイカが食器を拭いて棚に戻すのを最後まで見届け、エプロンを脱いだ。
「ねー、ネネさーん」
「どうしたの? レイカちゃん」
「ひまー!」
叫ぶと同時に、ピンク色の花柄模様のエプロンが宙を舞う。その原因は、レイカが今現在、天に向けて思いっ切り伸ばしている腕だ。それがエプロンを放り投げた。
レイが慌ててそれを空中で回収しなければ、彼女は鬼に今再びくすぐられていた事だろう。レイは陰ながら彼女を救ったのだが、そんな事には気付かず、レイカは不満げな顔をしている。
ネネはレイが回収した後で、読んでいたマンガから目を離してレイカの方を見た。
「それじゃあお風呂に入って来なさい」
「えー……。ゲームしよーよー……!」
明らかに落胆と呼べるものを顔に表すレイカに、深い嘆息をしてから表紙を下に本を閉じて、その後ろでエプロンをハンガーにかけているレイを指さして、
「わがままばっかり言ってないで、ほらほら。早く入らないとレイくんが入れないでしょー」
その指が指し示す方向を見て、レイカは唇を尖らせて背中を大いに曲げに曲げてじーっ、と恨みがましく目を細めていると、呆れの含んだ深い溜息を十秒程度の長い時間をかけて吐いた。
それから、大きく息を吸い込んで鼻息荒く意気込む。
「──分かった! お風呂に入る!」
結局この日は、レイカの長風呂により、レイは十時過ぎになってようやく湯船に浸かる事ができた。
[あとがき]
三章、遂に突入です……!
三章では、ファンタジーよりも『愛』とか、とにかくその辺りを大事にしていきたいなぁ、と思っています。嘘です。ファンタジーも大切にします。
て言うか、ここでやらなきゃ後でどうしようもなくなっている気がしているので。
十万字はいくかもしれないけれど、二十万字はいかないと思います。
そしていつも通り、章題は思いつきです。
それでは、お楽しみください。
……週一ですけれども。
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