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二号室の扉をノックすると、待っていたかのように勢いよく開けられた。出てきたのはセミロングの女性。活発そうな印象を受ける。
「キミが新しい入居者!?ボクは早乙女 凛、よろしく!」
「え、あ、よろしくお願いします…!」
凛は元気な笑顔を蒼に向けると、握手を求めて手を差し出した。やや勢いに押されながらも挨拶と自己紹介を返し、しっかりと握手を交わす。
凛は都内にある大学に通っているらしい。専攻はフォトグラフィで、“ボク”という一人称から特殊な性格をしているのだと感じる。
にこにこ、と笑っている凛は良い人そうに見えるが、実際は掴みどころのないだけである。
「折角だからさ、部屋入ってよー。見せたいものがあるんだ!」
部屋の中に通されると、通称の意味が分かった。
緑の家具で統一され、木のような香りの気持ちが安らぐアロマが焚いてある。一言で表現するなら、森のような部屋だ。
「こっちだよ、蒼くん!」
案内されたのは扉を挟んだ向こう側にある、小さな部屋だ。ガラスケースが大量に並べられていて、中には様々なアニメのフィギュアが並べられていた。
「凄いですね…」
「でしょ、ボクの自慢のコレクションだよー」
聞くところに寄れば、凛は風景や建物などの撮影だけでなく、人やフィギュアなどの撮影も行うという。
たまに近くで開催されているコスプレのイベントなどに出没しては美少女や美少年、美青年を撮っているらしい。自分ではやらないようだ。
「よし、蒼くんもコスしようか!」
「えぇっ!?嫌ですよ」
少々渋ったが、親睦を深めるためと言われれば仕方がない。衣装を渡されて、凛の部屋の一角で着替える。流石に見ないでほしいと鈴子さんには部屋を出てもらっている。
着替え終わってしばらくして、凛に声をかける。渡された衣装は深夜にやっているアニメの主人公、の弟であり敵役の少年だった。
なぜこんなキャラなのかと尋ねれば、闇堕ちした主人公の弟って良くないかい!?、と答えられたのでそれ以上は聞かないことにした。なるほど、道理で服が黒っぽいわけだ。
「はぁぁぁ…!蒼くん似合いすぎだよ~」
「そ、そうですか…」
蒼の無駄に、無駄に高そうな一眼レフカメラを構えて凛が撮影に興じる。時々ポーズを指定されては戸惑いながらもきちんと言われた通りにやっていた。
その後、何着かのコスプレ撮影が終わり、次に向かうのは三号室。通称《黄の部屋》だ。
ここの住人たちは個性が強いな、などと考えながら鈴子さんに案内されてついて行く。
「キミが新しい入居者!?ボクは早乙女 凛、よろしく!」
「え、あ、よろしくお願いします…!」
凛は元気な笑顔を蒼に向けると、握手を求めて手を差し出した。やや勢いに押されながらも挨拶と自己紹介を返し、しっかりと握手を交わす。
凛は都内にある大学に通っているらしい。専攻はフォトグラフィで、“ボク”という一人称から特殊な性格をしているのだと感じる。
にこにこ、と笑っている凛は良い人そうに見えるが、実際は掴みどころのないだけである。
「折角だからさ、部屋入ってよー。見せたいものがあるんだ!」
部屋の中に通されると、通称の意味が分かった。
緑の家具で統一され、木のような香りの気持ちが安らぐアロマが焚いてある。一言で表現するなら、森のような部屋だ。
「こっちだよ、蒼くん!」
案内されたのは扉を挟んだ向こう側にある、小さな部屋だ。ガラスケースが大量に並べられていて、中には様々なアニメのフィギュアが並べられていた。
「凄いですね…」
「でしょ、ボクの自慢のコレクションだよー」
聞くところに寄れば、凛は風景や建物などの撮影だけでなく、人やフィギュアなどの撮影も行うという。
たまに近くで開催されているコスプレのイベントなどに出没しては美少女や美少年、美青年を撮っているらしい。自分ではやらないようだ。
「よし、蒼くんもコスしようか!」
「えぇっ!?嫌ですよ」
少々渋ったが、親睦を深めるためと言われれば仕方がない。衣装を渡されて、凛の部屋の一角で着替える。流石に見ないでほしいと鈴子さんには部屋を出てもらっている。
着替え終わってしばらくして、凛に声をかける。渡された衣装は深夜にやっているアニメの主人公、の弟であり敵役の少年だった。
なぜこんなキャラなのかと尋ねれば、闇堕ちした主人公の弟って良くないかい!?、と答えられたのでそれ以上は聞かないことにした。なるほど、道理で服が黒っぽいわけだ。
「はぁぁぁ…!蒼くん似合いすぎだよ~」
「そ、そうですか…」
蒼の無駄に、無駄に高そうな一眼レフカメラを構えて凛が撮影に興じる。時々ポーズを指定されては戸惑いながらもきちんと言われた通りにやっていた。
その後、何着かのコスプレ撮影が終わり、次に向かうのは三号室。通称《黄の部屋》だ。
ここの住人たちは個性が強いな、などと考えながら鈴子さんに案内されてついて行く。
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