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嫌いじゃないけど……
嫌いじゃないけど…… 3
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引き戸を引いて店内に入れば「いらっしゃいませ」と覇気のいい声が店内に響く。
「あぁどぉもぉ。有栖川です」
「これはこれは。御予約ありがとうございました。お待ちしておりました」
腰を低くして現れたのは、この店の若女将。彼女は俺たちを奥へと案内する。
「今日はまた珍しいですね。お連れ様とご一緒だなんて」
奥の部屋の引き戸を引きながら、中へと促すように手招きをされながら入る。
「っそ。ここの海鮮がうまいからさ。食べさせたくてさ。いつもの頼める?」
奥へ座った俺の隣に、当たり前のように座ってきて、その向かいに若女将がお茶を淹れるための急須やコップをテーブルに置いている。
「かしこまりました」
常連?有栖川が?こんな……なんか、高級そうな店の……
話についていけずポカンと二人の会話を聞いている。
すっかり置いてけぼり感をくらった後、ようやくこちらに視線を向けてくる二人。
な、なに?
「有栖川様のお連れ様はとても可愛らしいお方ですね」
口元に手を当てながら上品に微笑む若女将。
「だろぉ?俺の恋人だからねぇ」
「あら、そうでしたか。有栖川様もようやくですね」
「まぁねぇ。ようやくだよ」
あんたら、どういう関係だよ。
「おい、人にそう言う事ペラペラ言うなよな」
恥ずかしさと、気まずさから、下を向きながら有栖川の服の裾を引っ張った。
「え?なんで、いいじゃん?ホントの事だし」
そうだけど……
「あらあら、お連れ様を困らせてしまったようですね。それでは、わたくしはこれで一旦失礼しますね。ごゆっくり」
お茶を淹れ終え、軽くお辞儀をした若女将は部屋を後にした。
「もぉ。どうしたんだよ」
「お、お前はいいかもしれないけど、俺は……」
俺は、なんだ?
口角が上がったまま俺を見つめる有栖川。そのまま俺の返答を待ってる。
ここで俺の発言が間違いだったら、きっと恐らくこの旅行が台無しになる。
「っっ────「今日の倫太郎、なんか変」
俺が応えようと口を開きかけたのと同時に、俺の太ももに右手を乗せ、左手は頬の上に乗せ不安そうな表情を浮かべてこちらをのぞいてきた。
「ごめん、変じゃないし、大丈夫だから……」
手を握り返そうとした瞬間「失礼いたします」
タイミングがいいのか悪いのか、若女将の声が聞こえ注文した品が運ばれてきた。
有栖川は何事も無かったかのように手を離し正面に視線を戻しながら「待ってましたぁ」といつもの口調で声を上げる。
運ばれてきた料理は、ホントに宝石箱のようにキラキラと輝いている。
「あぁどぉもぉ。有栖川です」
「これはこれは。御予約ありがとうございました。お待ちしておりました」
腰を低くして現れたのは、この店の若女将。彼女は俺たちを奥へと案内する。
「今日はまた珍しいですね。お連れ様とご一緒だなんて」
奥の部屋の引き戸を引きながら、中へと促すように手招きをされながら入る。
「っそ。ここの海鮮がうまいからさ。食べさせたくてさ。いつもの頼める?」
奥へ座った俺の隣に、当たり前のように座ってきて、その向かいに若女将がお茶を淹れるための急須やコップをテーブルに置いている。
「かしこまりました」
常連?有栖川が?こんな……なんか、高級そうな店の……
話についていけずポカンと二人の会話を聞いている。
すっかり置いてけぼり感をくらった後、ようやくこちらに視線を向けてくる二人。
な、なに?
「有栖川様のお連れ様はとても可愛らしいお方ですね」
口元に手を当てながら上品に微笑む若女将。
「だろぉ?俺の恋人だからねぇ」
「あら、そうでしたか。有栖川様もようやくですね」
「まぁねぇ。ようやくだよ」
あんたら、どういう関係だよ。
「おい、人にそう言う事ペラペラ言うなよな」
恥ずかしさと、気まずさから、下を向きながら有栖川の服の裾を引っ張った。
「え?なんで、いいじゃん?ホントの事だし」
そうだけど……
「あらあら、お連れ様を困らせてしまったようですね。それでは、わたくしはこれで一旦失礼しますね。ごゆっくり」
お茶を淹れ終え、軽くお辞儀をした若女将は部屋を後にした。
「もぉ。どうしたんだよ」
「お、お前はいいかもしれないけど、俺は……」
俺は、なんだ?
口角が上がったまま俺を見つめる有栖川。そのまま俺の返答を待ってる。
ここで俺の発言が間違いだったら、きっと恐らくこの旅行が台無しになる。
「っっ────「今日の倫太郎、なんか変」
俺が応えようと口を開きかけたのと同時に、俺の太ももに右手を乗せ、左手は頬の上に乗せ不安そうな表情を浮かべてこちらをのぞいてきた。
「ごめん、変じゃないし、大丈夫だから……」
手を握り返そうとした瞬間「失礼いたします」
タイミングがいいのか悪いのか、若女将の声が聞こえ注文した品が運ばれてきた。
有栖川は何事も無かったかのように手を離し正面に視線を戻しながら「待ってましたぁ」といつもの口調で声を上げる。
運ばれてきた料理は、ホントに宝石箱のようにキラキラと輝いている。
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