「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太

文字の大きさ
27 / 40
第一章

第27話 ネフィすごい

しおりを挟む
「……『ゲラングスのレベルはとても低いのになんで毒を受けたんだろう?』って顔してる。……合ってる?」

「えっ!? なんでわかったの?」

 僕は驚いた顔でネフィを見た。

「ふふ……ゲラングスは結構有名なモンスターだからね。私も最初の頃はゲラングスの毒にやられたことがあるよ。……今の君みたいに。這い寄る者たちの先輩はそんな私を見て笑ってたけどね」

 ネフィはそう言って肩をすくめた。

「……答えは簡単。ゲラングスの毒は『レベル差に依存しない』スキルなの。だから、レベルが高くても毒耐性がないとまともに受けてしまうんだ……。それが例えレベル100だとしてもね……」

「レベル差に依存、しない……」

 僕は自分に言い聞かせるように言った。

「そう。大抵の状態異常攻撃はレベル差に依存するから、例えばレベル1の人が毒攻撃をしてもレベル20の相手にはほとんど通用しない。……でも、たまにあるんだ。レベル差を完全無視できるスキルが。ゲラングスの毒もその一つね。ゲラングスのレベルが3だからって油断して、毒耐性なしで攻撃すると君みたいな目に遭うってわけ」

 ……なるほど、そういうことか。レベル差を無視するから、耐性のない僕は普通に毒状態になってしまったというわけだ。ゲラングス……まるでトラップのようなモンスターだなと僕は思った。

「とはいってもゲラングスはレベル3だから毒自体はかなり弱いけどね。君は相性が悪かったのか、たまたま気絶までしちゃったけど、普通は頭がクラクラする程度だよ」

「そ、そうなんだ……」

 レベル3モンスターの毒で気絶までさせられるレベル300超えの僕……。僕はなんだか情けない気持ちになった。僕は帰ったら絶対毒耐性スキルを買おうと心に誓った。

「ちなみに私は【完全状態異常耐性】を持ってるから、ゲラングスの毒を含めてどんな毒も私には効かない。だから毒系のモンスターは私に任せて大丈夫だよ」

 ネフィは得意げにそう言った。…………【完全状態異常耐性】? え、それって状態異常が全く効かない的なスキル? え、普通にすごくない? 

「【完全状態異常耐性】って状態異常全てに耐性があるってこと?」

「そう。毒も麻痺も睡眠も魅了も幻覚も全て私には無効。ついでに言うと、呪いにもかからないから、いくら呪いの武器防具を使っても大丈夫」 

「す、すごい……」

 僕は素直に感心した。どんな状態異常も無効って数あるスキルの中でもだいぶ上位のスキルじゃないだろうか。

「ふふ、私が這い寄る者たちの期待のルーキーって言われる理由がわかったでしょ」

 ネフィはそう言ってやれやれと言った仕草をする。

「えっと、その【完全状態異常耐性】ってお店で売ってたりするの?」

「店では売ってないと思うな。ただランク5以上のダンジョンで極稀に手に入ることがあるってルーシェルは言ってた気がする。私は普通に自分で覚えたんだけどね」

 ……さすがに店では売ってないのか。でも、ランク5以上って相当上だよなぁ。やっぱり誰もが認めるような強力なスキルはランク上位のダンジョンじゃないと手に入らないのかな。

「あ、そうそう。中庭でマンドラゴラを一匹見つけたよ。これから狩りに行くけど、どうする? まだここで休んでる?」

「い、いやもう大丈夫。僕も一緒に行くよ」

「わかった。じゃあ……これ」

 ネフィはそう言って懐から一組の耳栓を取り出し、僕に差し出してくる。

「音波系スキルを防ぐ特製の耳栓。これを付けてればマンドラゴラの精神攻撃なんて怖くないよ」

 僕はネフィがそう言って差し出してくる耳栓を受け取った。

「ネフィの分はあるの?」

「私はなくても大丈夫。私には【精神攻撃耐性:強】のスキルがあるからね。マンドラゴラごときの精神攻撃なんて通用しないから」

 ネフィはそう言ってナイフを取り出し、ナイフの状態をチェックし始めた。

「ふふ……マンドラゴラの自分の攻撃が効かなかった時の絶望した顔といったらないよ。そこをざくっとやるのがマンドラゴラ狩りの醍醐味なんだよね」

 ネフィはそう言ってナイフを見つめながらニヤリと笑った。僕は普通に若干引いたけど、笑顔で「そうなんだ」と言った。


 僕はネフィに先導されて中庭に入った。樹木をかいくぐってちょうど中庭の隅へと着くと、そこは少し広い空間になっていて、壁のそばに紫色の大きな草が生えているのが見えた。草のサイズはかなり大きく、直径30センチはあるように思えた。

「あれがマンドラゴラ。引き抜かれたり、過度の殺気を感じたりすると、いきなり叫んで精神攻撃をしてくる面倒くさいモンスターだよ」

 ネフィはそう言ってマンドラゴラを指差した。

「ど、どうするの?」

「普通に引き抜いてナイフで一突きにする。精神攻撃以外は何も能がないモンスターだから簡単に倒せるんだ」

 ネフィはそう言ってマンドラゴラへと近づいていく。僕もその後を追った。

 ネフィと僕はマンドラゴラのすぐそばまで来ると、ネフィはマンドラゴラの様子を少し観察した。

「――【識別】。……うん、レベル9の普通のマンドラゴラね。じゃあユイト、これ抜いてくれる? 暴れるかもしれないからしっかり掴んでね」

「りょ、了解」

 僕は言われるがままに、その紫色の葉っぱの部分をしっかりと両手で掴んだ。

「じゃ、じゃあ抜くよ?」

「うん」

 僕は思いっきりマンドラゴラの葉っぱを引き抜いた。すると地中からマンドラゴラの根の部分が姿を現した。根の部分は人型になっていて、顔のような部分もあった。

 ――瞬間、マンドラゴラはその顔を歪ませ、辺り一面に響きわたる強烈な金切り声をあげた。ただ、ネフィ特製の耳栓をしている僕にはほとんど何も聞こえなかった。耳栓をしていてもネフィの声は聞こえるので、どうもこの耳栓はマンドラゴラの叫び声だけを遮断するもののようだ。

 ネフィの方を見ると、ネフィは涼しい顔をして叫び声を上げるマンドラゴラを見ていた。マンドラゴラは叫び声をあげた後は、攻撃が効かなかったことに驚いたのか、じたばたと暴れ出した。

「はい、残念」

 ネフィがそう呟くと、懐からナイフを取り出し、マンドラゴラの顔面へと突き刺した。致命傷を受けたマンドラゴラは身体を離散させ、魔石だけが残って地面に落ちた。

「や、やった……」

 僕は思わずそう言った。マンドラゴラというとかなり厄介なイメージがあったけど、そうでもないなと僕は思った。

「マンドラゴラなんて楽勝だよ。精神攻撃しかしてこないから、それさえ防げばもうこっちのもの。【索敵】が効かないダークバットの方がよほど面倒くさいと思う」

 ネフィは魔石を回収しながら言った。……ネフィの言う通り、確かに特殊な攻撃をしてくる敵はそれさえ防げば楽勝なのかもと僕は思った。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

処理中です...