11 / 39
毒を食らわば貴方まで
毒を食らわば貴方まで
しおりを挟む
いつだったか。
何でも今売れ筋な作家を集めて一つのお題に纏わる短編を書く、という聞くからに煩わしい話を、変態担当が持ってきたことがある。
いくらニート出身とはいえ、小説家として身を立てる以上、好き嫌いで物語を書くなんて贅沢ができねぇってことぐらい俺も分かってるわけで。
その上、ちょうどその頃の『庵夏樹』は、奴曰く『凄く重大な分岐点に立っていた』らしい。
つまりその短編が『庵夏樹』の命運を握ってたと言っても過言じゃねぇってわけ。
ますますもって断ることが出来るはずないそいつを、でも俺は最初から蹴るつもりだった。
別に何かが気にくわないとかそういうわけじゃねぇし、企画も内心面白そうだとは思ってた。
それでも、あの変態が『恋愛にしても書き直さないから!!』と泣きついてきても、俺は書かなかった。
違うな、書けなかったんだ。
企画のお題は『高校の先輩後輩』
……俺には高校時代の記憶がない。
何でも今売れ筋な作家を集めて一つのお題に纏わる短編を書く、という聞くからに煩わしい話を、変態担当が持ってきたことがある。
いくらニート出身とはいえ、小説家として身を立てる以上、好き嫌いで物語を書くなんて贅沢ができねぇってことぐらい俺も分かってるわけで。
その上、ちょうどその頃の『庵夏樹』は、奴曰く『凄く重大な分岐点に立っていた』らしい。
つまりその短編が『庵夏樹』の命運を握ってたと言っても過言じゃねぇってわけ。
ますますもって断ることが出来るはずないそいつを、でも俺は最初から蹴るつもりだった。
別に何かが気にくわないとかそういうわけじゃねぇし、企画も内心面白そうだとは思ってた。
それでも、あの変態が『恋愛にしても書き直さないから!!』と泣きついてきても、俺は書かなかった。
違うな、書けなかったんだ。
企画のお題は『高校の先輩後輩』
……俺には高校時代の記憶がない。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる