22 / 201
第7章 『弱小領主のダメ息子、伝説の竜姫と服を買いに行く』
021 琥珀色の悪意
ベルの居場所を知っていると言う三人の男たちの足はズンズンと人気のない路地へ進んで行く。普通の婦女子ならばこのような裏通りに案内された時点で警戒心が働きそうなものではあるが、男たちの後ろに付いていく褐色の美女は所謂『普通の婦女子』ではない。
「お前たち、ベルが酒場に入っていくのを見たと言っていたが、まだ先なのか」
ヤンアルが尋ねると、先を行く男たちの一人が口を開く。
「……もう少しだよ、ヤンアルさん。なんたって高貴な方々御用達の酒場だからね。一般人が簡単に入れないように入り組んだところにあるのさ」
「そういうものなのか。すまない、余計な口を挟んでしまった」
「いやいや、気にしないでよ……っと、言ってるそばから見えてきた。アレだよ」
男が指差した先には見るからに怪しげな建物があり、看板には『Curva Sud』とあるがヤンアルには何と書いてあるのか分からない。
「ここにベルがいるのか?」
「ああ。さあ、遠慮なく入ってよ。ベルティカ様のお知り合いなら大歓迎だ」
男に言われるがままにヤンアルは酒場に足を踏み入れた。その後ろ姿を舐め回すように見ながら残りの二人が言葉を交わす。
「……なあ、あの女、領主の息子の知り合いっぽいけど連れてきちまって大丈夫なのか?」
「平気だろ。そいつもどうせそこらで引っ掛けただけだろうし、頭のゆるそうな女だからそもそもテキトーなこと言ってるだけかも知んねえ」
「それもそうだな」
ヤンアルが酒場に入ると、薄暗い店内ではガラの悪い男たちが酒を片手に札遊びに興じていた。次いで、周囲に眼を向けるとテーブルや椅子、壁や床が所々傷んでいるのが見えた。これで本当に営業しているのか疑わしく思えるほどである。
「こんな有り様で客など入るのか?」
「ああ、ごめんねえ。ちょうど今、改装中なんだよ。おい、お前ら! お客様だぜ!」
男が声を張り上げると、札遊びをしていた男たちがヤンアルの姿を見て色めき立った。
「おお! すげえ美人じゃねえか!」
「どこで引っ掛けたんだ⁉︎」
「人聞きの悪いことを言うな! 人とはぐれたって言うから連れてきただけだ。さあ、ヤンアルさん。こっちへどうぞ」
店の奥の痛みが少ないテーブルに案内され、ヤンアルは席に着いた。
「それで、ベルはどこだ? レベイアとカレンは一緒じゃないのか?」
「……それがねえ、ベルティカ様はお連れの方たちを捜しに、ついさっき出て行っちゃったらしいんだ」
「それなら私も捜しに行こう」
ヤンアルが立ち上がろうとすると、男が慌てて待ったを掛ける。
「おっと、ミイラ取りがミイラになっちまうぜ。アンタ見たところ、この街に詳しくねえだろう?」
「む……」
迷子の前科持ちであるヤンアルは男の言葉に従い再び席に腰を下ろす。男は下卑た笑みを浮かべ、琥珀色の液体が注がれたグラスを差し出した。
「……すぐにお戻りになるはずだから、これでも飲みながら待っててよ、ヤンアルさん」
「これは……何かの果実の匂いがする……。これは何という酒だ?」
鼻をスンスンと鳴らしてヤンアルが質問した。
「いい鼻してるねー。これはブドウから作られた果実酒さ。でも、そんなに強くないからクイってイッちゃってよ」
「ブドウ酒か。しかし、私は持ち合わせがないぞ」
「そんなの気にしないでいいよ。ベルティカ様のお知り合いからお代はもらえないさ」
「そうか。では、せっかく出してもらったのだし頂くとしよう」
グラスを手に取ったヤンアルはためらいもなく一気に飲み干してしまう。その様子を見た男たちがほくそ笑んだ。
(……バカ女が。そいつは飛びっきりアルコール度の高いブランデーだ。そんな一気にあおっちまったら、いくら酒に強かろうがすぐに何にも分からなくなっちまうぜ……!)
◇
はぐれたヤンアルを捜すためレベイアとカレンと別れたベルは街の西側を駆け回っていた。そんな、珍しく焦った様子の彼を見て声を掛ける者があった。
「おーい! そんなに急いでどうしたんじゃ、ベル様! またガスパールさんのシゴキから逃げ出したのかい⁉︎」
「違う、違う! ありゃスられた財布を取り戻そうと躍起になってる顔じゃ」
通りの果物屋から野次られたベルは脚を止めて振り返る。
「残念だが、どっちもハズレだ! ジュゼッペ爺さんにマッシモ爺さん!」
果物屋を営むジュゼッペと常連客のマッシモ、二人の老人はベルの返事に破顔した。
「それじゃあ、何をそんなに急いでるんだね? あっ、分かったぞ。コレじゃろう⁉︎」
ジュゼッペ爺さんが小指を立てると、ベルは苦笑する。
「……当たりだ、ジュゼッペ爺さん。実は連れの女性とはぐれてしまってね」
「そりゃあ本当に連れなのかい? フラれた女の尻を追いかけてただけじゃあないのかい!」
「マッシモ爺さん、人聞きの悪いことを言わないでくれ。過去にそういうこともあったかも知れないが、ヤンアルは正真正銘、俺の連れだよ」
「ヤンアル? ここいらじゃ聞かん名前じゃのう」
「そうだ、爺さんたち、艶のある黒髪に褐色の肌で真っ白いブラウスを着た二十歳くらいの女性を見なかったか?」
ジュゼッペとマッシモ、二人の老人は顔を見合わせた。
「いいや、見なかったのう」
「そのヤンアルちゃんは美人なのかい?」
「そりゃあもう。ヤンアルが美人でなければ、この地球上のどこに美人が存在するんだってレベルさ」
得意気な顔でベルが言うと、ジュゼッペとマッシモが立ち上がった。
「————よし、ベル様がそこまで言うなら捜すのを手伝おう! どうあってもヤンアルちゃんの顔を見たくなった!」
「ワシも知り合いに見た者がおらんか聞いてみよう!」
「お、おい! ジュゼッペ爺さん、店はどうするんだ⁉︎」
「ベル様が店番をしといてくれ!」
そう言い残すと、ジュゼッペとマッシモは街の中心部へ駆け込んでいってしまった。ベルはさっきまでジュゼッペ爺さんが座っていた椅子に腰掛けると、木製のカゴいっぱいに陳列されたリンゴに手を伸ばす。
「……本当に騒がしい爺さんたちだな」
どこか嬉しそうにベルは真っ赤なリンゴを一噛みした。
「お前たち、ベルが酒場に入っていくのを見たと言っていたが、まだ先なのか」
ヤンアルが尋ねると、先を行く男たちの一人が口を開く。
「……もう少しだよ、ヤンアルさん。なんたって高貴な方々御用達の酒場だからね。一般人が簡単に入れないように入り組んだところにあるのさ」
「そういうものなのか。すまない、余計な口を挟んでしまった」
「いやいや、気にしないでよ……っと、言ってるそばから見えてきた。アレだよ」
男が指差した先には見るからに怪しげな建物があり、看板には『Curva Sud』とあるがヤンアルには何と書いてあるのか分からない。
「ここにベルがいるのか?」
「ああ。さあ、遠慮なく入ってよ。ベルティカ様のお知り合いなら大歓迎だ」
男に言われるがままにヤンアルは酒場に足を踏み入れた。その後ろ姿を舐め回すように見ながら残りの二人が言葉を交わす。
「……なあ、あの女、領主の息子の知り合いっぽいけど連れてきちまって大丈夫なのか?」
「平気だろ。そいつもどうせそこらで引っ掛けただけだろうし、頭のゆるそうな女だからそもそもテキトーなこと言ってるだけかも知んねえ」
「それもそうだな」
ヤンアルが酒場に入ると、薄暗い店内ではガラの悪い男たちが酒を片手に札遊びに興じていた。次いで、周囲に眼を向けるとテーブルや椅子、壁や床が所々傷んでいるのが見えた。これで本当に営業しているのか疑わしく思えるほどである。
「こんな有り様で客など入るのか?」
「ああ、ごめんねえ。ちょうど今、改装中なんだよ。おい、お前ら! お客様だぜ!」
男が声を張り上げると、札遊びをしていた男たちがヤンアルの姿を見て色めき立った。
「おお! すげえ美人じゃねえか!」
「どこで引っ掛けたんだ⁉︎」
「人聞きの悪いことを言うな! 人とはぐれたって言うから連れてきただけだ。さあ、ヤンアルさん。こっちへどうぞ」
店の奥の痛みが少ないテーブルに案内され、ヤンアルは席に着いた。
「それで、ベルはどこだ? レベイアとカレンは一緒じゃないのか?」
「……それがねえ、ベルティカ様はお連れの方たちを捜しに、ついさっき出て行っちゃったらしいんだ」
「それなら私も捜しに行こう」
ヤンアルが立ち上がろうとすると、男が慌てて待ったを掛ける。
「おっと、ミイラ取りがミイラになっちまうぜ。アンタ見たところ、この街に詳しくねえだろう?」
「む……」
迷子の前科持ちであるヤンアルは男の言葉に従い再び席に腰を下ろす。男は下卑た笑みを浮かべ、琥珀色の液体が注がれたグラスを差し出した。
「……すぐにお戻りになるはずだから、これでも飲みながら待っててよ、ヤンアルさん」
「これは……何かの果実の匂いがする……。これは何という酒だ?」
鼻をスンスンと鳴らしてヤンアルが質問した。
「いい鼻してるねー。これはブドウから作られた果実酒さ。でも、そんなに強くないからクイってイッちゃってよ」
「ブドウ酒か。しかし、私は持ち合わせがないぞ」
「そんなの気にしないでいいよ。ベルティカ様のお知り合いからお代はもらえないさ」
「そうか。では、せっかく出してもらったのだし頂くとしよう」
グラスを手に取ったヤンアルはためらいもなく一気に飲み干してしまう。その様子を見た男たちがほくそ笑んだ。
(……バカ女が。そいつは飛びっきりアルコール度の高いブランデーだ。そんな一気にあおっちまったら、いくら酒に強かろうがすぐに何にも分からなくなっちまうぜ……!)
◇
はぐれたヤンアルを捜すためレベイアとカレンと別れたベルは街の西側を駆け回っていた。そんな、珍しく焦った様子の彼を見て声を掛ける者があった。
「おーい! そんなに急いでどうしたんじゃ、ベル様! またガスパールさんのシゴキから逃げ出したのかい⁉︎」
「違う、違う! ありゃスられた財布を取り戻そうと躍起になってる顔じゃ」
通りの果物屋から野次られたベルは脚を止めて振り返る。
「残念だが、どっちもハズレだ! ジュゼッペ爺さんにマッシモ爺さん!」
果物屋を営むジュゼッペと常連客のマッシモ、二人の老人はベルの返事に破顔した。
「それじゃあ、何をそんなに急いでるんだね? あっ、分かったぞ。コレじゃろう⁉︎」
ジュゼッペ爺さんが小指を立てると、ベルは苦笑する。
「……当たりだ、ジュゼッペ爺さん。実は連れの女性とはぐれてしまってね」
「そりゃあ本当に連れなのかい? フラれた女の尻を追いかけてただけじゃあないのかい!」
「マッシモ爺さん、人聞きの悪いことを言わないでくれ。過去にそういうこともあったかも知れないが、ヤンアルは正真正銘、俺の連れだよ」
「ヤンアル? ここいらじゃ聞かん名前じゃのう」
「そうだ、爺さんたち、艶のある黒髪に褐色の肌で真っ白いブラウスを着た二十歳くらいの女性を見なかったか?」
ジュゼッペとマッシモ、二人の老人は顔を見合わせた。
「いいや、見なかったのう」
「そのヤンアルちゃんは美人なのかい?」
「そりゃあもう。ヤンアルが美人でなければ、この地球上のどこに美人が存在するんだってレベルさ」
得意気な顔でベルが言うと、ジュゼッペとマッシモが立ち上がった。
「————よし、ベル様がそこまで言うなら捜すのを手伝おう! どうあってもヤンアルちゃんの顔を見たくなった!」
「ワシも知り合いに見た者がおらんか聞いてみよう!」
「お、おい! ジュゼッペ爺さん、店はどうするんだ⁉︎」
「ベル様が店番をしといてくれ!」
そう言い残すと、ジュゼッペとマッシモは街の中心部へ駆け込んでいってしまった。ベルはさっきまでジュゼッペ爺さんが座っていた椅子に腰掛けると、木製のカゴいっぱいに陳列されたリンゴに手を伸ばす。
「……本当に騒がしい爺さんたちだな」
どこか嬉しそうにベルは真っ赤なリンゴを一噛みした。
あなたにおすすめの小説
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。