願いが叶う水晶玉を操る三毛猫の剛

猫幸世

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願いが叶う水晶玉を操る三毛猫の剛

最終話

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誰も居ない場所で剛が魔法の杖で居場所を探していると晶が大介の気を感じた。 

「大介さんの気を感じる」

「え…」

剛が目を向けると晶が口を開いた。 

「剛さん、大介さんの気を感じました」

「場所がわかったのか」

「海が見える別荘に居ます、魔法の杖を貸してください」

「ほら」

魔法の杖を剛が差し出すと晶は魔法の杖を受け取り口を開いた。 

「俺の肩に掴まってください」

「……」

無言で剛が肩に触れると晶は魔法の杖に念じながらその場から消えると海が見える別荘に向かった。  

その後、晶と剛は別荘の前に姿を現した。 

「ここに大介が居るんだな」

「はい」

晶が返事をするとドアが勝手に開き剛と晶はドアに目を向けた。 

「晶、油断するな」

「はい」

険しい顔をしながら晶と剛がドアを見つめていると中から大介が現れ剛と晶は驚いた。 

「大介!」

「無事だったんですね」

「剛さん…」

「……」

駆け寄ってくる大介の左右の目に築いた剛は晶から魔法の杖を奪い取り大介に向け立ち止まらせた。 

「何をしてるんですか」

驚いた口調で晶が口にすると剛が大介に向かって口を開いた。 

「君は大介じゃない」

「え…」

晶が驚くと剛は大介に向かって口を開いた。 

「黒金はどこだ、中か」

「どうぞ中へ」 

「……」

「黒金は地下に居ます」

「……」

魔法の杖を持ったまま剛が側を通ると大介が口を開いた。 

「また会いましょう」

「晶に手を出すな」

そう言って剛は別荘の中に入り地下に向かった。 

ー地下室ー 

ドアに背を向けながら黒金が立っているとドアが開き剛が現れた。

「黒金」

「……」

無言で黒金が振り返ると剛が口を開いた。 

「大介に何をした」

「水晶玉と黒水晶玉を身体の中に送り込んだ」 

「何だと」

「今の大介は俺のパートナー」 

「……」

黒金の言葉に怒りを感じた剛は魔法の杖に力を込めそのまま黒金に向かって光線を放った。 

黒金は一瞬で光線を避け剛の前に立つと剛を蹴り倒し手から魔法の杖を離れさせた。 

その後、黒金は剛の胸ぐらを掴み立たせると口を開いた。 

「水晶のお陰で助かったようだな」

「……」

「大介は俺に任せてお前はあの世に逝け」

「……」

手に力を込めながら離れた魔法の杖を近づけさせると手に掴みそのまま黒金の腹に突き刺し離れた。 

「油断したよ」

「……」

「俺があんたにやられるなんて…うああー」

叫びながら黒金が消えていくと魔法の杖が落ちた。 

「水晶…黒金を倒したぞ…」

そう言って剛はうつ伏せで倒れた。 

黒金の死を知った大介は晶に近づき抱きついた。 

「…大介さん…」 

「黒金が剛に命を奪われた」

「……」

「剛の代わりに死んで」

「……」

大介を突き放し逃げようと背を向けたその時、大介が放った小さな毒針にやられ晶はうつ伏せで倒れた。 

そこへ白と灰と黒が水晶玉でできた魔法の杖と弓矢を持って現れた。 

険しい顔で大介が見つめると白が灰と黒に向かって口を開いた。 

「大介さんは俺に任せて灰と黒は剛さんを」

「わかった、気をつけろよ」

灰と黒が別荘の中に入っていくと白が口を開いた。 

「剛さんには悪いが俺はあなたの命を奪う」

そう言って白が水晶玉でできた弓矢を構えると大介が口を開いた。 

「そんなもので俺は倒せない」

「そうかな」

「生意気」

そう言って大介が小さな毒針を2本、放つと白は水晶玉でできた矢を放ち2本の毒針を防いだ。 

その後、白は大介に近づき手首を掴むと水晶玉でできた矢を大介の腹に突き刺した。  

「そんな…」

「大介さん…すみません…」

そう言って白が手を離すと大介は腹に矢を突き刺したまま仰向けで倒れた。 

「……」

「…大介さん…」

大介の死を見つめながら白の目から涙を流れると大介の左右の目が普通の目に戻った。  

そこへ灰と黒に身体を支えられながら剛が現れた。 

「大介…」

灰と黒から離れ大介に近づくと剛は大介の身体を抱き起こし涙を流した。 

灰と黒がその場から消えると白が口を開いた。 

「大介さんを助けるために勇気さんに水晶玉でできた弓矢を作ってもらったのに大介さんを助けることができませんでした…申し訳ございませんでした…」

「白、すまないが2人きりにしてくれないか」

「わかりました」

剛に向かって頭を下げると白はその場から消えた。 

「大介、海を見ようか」

そう言って大介をお姫様抱っこすると剛は歩きだし海に向かった。 

砂浜を歩き立ち止まると剛は座り込み大介を抱き寄せながら口を開いた。 

「大介、俺は恋をしない」

「……」

「俺は水晶と大介を失った…人々の願いを叶える力はない」

「……」

「身体の中にある水晶玉と一緒に俺もあの世に逝くよ」

そう言って大介の腹に突き刺さっている矢を抜くと剛は自分の腹に矢を突き刺し抜くと大介に寄り添いながら剛は目を閉じた。  

剛と大介があの世に逝って1年後、別荘から見える海辺に学と勇気と白と灰と黒が集まった。 

「学さん、大事な話って何ですか?」

白が問いかけると学が口を開いた。 

「剛と大介さんの代わりに俺が人々の願いを叶えようと思ってます」

「水晶玉は無くなったんだ無理に決まってる」

「水晶玉はあります、勇気さん」

学が声をかけると勇気は鞄から水晶玉を取り出し見せた。 

白と灰と黒が驚いた顔で見つめると学が口を開いた。 

「剛と大介さんが居なくなって森林は消滅したけどこの別荘は生き残ってます」

「ここは剛さんと大介さんが死んだ場所」

そう言って白が海を見つめると灰と黒が海を見ながら口を開いた。 

「俺は学さんと勇気さんを応援する」

「俺も応援する」

「灰と黒が良いなら俺は何も言わない」

そう言って白は振り返り学と勇気に目を向けると口を開いた。 

「学さんと勇気さんが人々の願いを叶えたいのなら俺は応援します」

「ありがとうございます」

「俺達は何をしたら良いですか?」

「白さんと灰さんと黒さんは普通の生活を送ってください」

「俺達が居たら邪魔ですか?」 

「そうじゃありません」

「なら何で」

「3人には幸せになってもらいたい」

「……」

「何かあったら手伝ってもらいます」

「わかりました」 

「……」

無言で学が手を差し出すと白は学の手を握り口を開いた。 

「頑張ってください」

「はい」

「それでは」

学の手から手を離すと白と灰と黒は海辺から離れていった。 

「剛さん、大介さん、見守っていてください」

海に向かって学が口にすると勇気は学を抱き寄せ海を学と一緒に見つめた。  

その後、学と勇気は人々の願いを叶え人々の心を救い続けた。 
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