天使と悪魔

猫幸世

文字の大きさ
上 下
1 / 11
天使と悪魔

第1話

しおりを挟む
女性天使達が暮らす国、1人女性天使が草原で立ったまま青い空を見つめていた。

そこへ1人の男性悪魔が近づいてきた。 

「ヒナ」

「ソウ」

ヒナとソウは抱きしめ合いその後、口づけを交わした。 

その様子を隠れながらリンが見つめていた。

「悪魔に恋をするなんて」

許されない恋をしたヒナが許せないリンは天使達と悪魔達に報告した。 

それが原因でヒナとソウは引き裂かれ天使と悪魔は争い消滅した。

「生まれ変わったら幸せな恋がしたい」

1枚の白い羽に願いを込め空に飛ばすとヒナは涙を流しながら消滅した。

ー現在ー 

1枚の白い羽のブレスレットを左の手首に着けている男性が道を歩いていると背後から男性に声をかけられた。 

「陽菜(ひな)」

「……」

名を呼ばれ立ち止まり振り返ると口を開いた。 

「凛(りん)」

「今日、仕事?」

「休みだけど何で?」

「暇なら今からパーティーに行かないか」

「パーティー?」

「酒を飲みながら楽しく騒ぐパーティーだから心配はいらない」

「俺、飲めないんだけど」

「カクテルもあるから大丈夫」

「わかった、行くよ」

「楽しくなかったら勝手に帰って良いから」

「わかった」

この時、陽菜は凛についていきながら男達のオモチャになるパーティーとは思いもしなかった。

1時間後、人気のない倉庫の前に着くと陽菜が口を開いた。  

「ここか?」

「あぁ」

ドアを開き凛が入っていくと陽菜も入り酒を飲みながら騒いでいる男達に驚いた。 

「凄いな」

「ボスを呼んでくるから待ってて」

「ボス?」

離れていく凛を見つめると陽菜は閉まったドアの前で凛を待った。 

「凛、遅いな」

口にしながら待っているとドアが開き陽菜は振り向きスーツ姿の男性と目が合った。 

「すみません」

陽菜が避けるとスーツ姿の男性は中に入りドアを閉めた。 

その後、男性は凛と話している樹(いつき)を見つけ声をかけた。 

「樹!」

「蒼(そう)!」

「……」

「……」

手招きする樹に近づき話をしている蒼の姿を陽菜が見つめていると凛が近づき声をかけた。 

「1人にしてゴメン、何か飲むか」

「なぁ凛、スーツ姿の男性、誰だ」

「ホストクラブを経営している蒼さんだ」

「蒼さん…」

「もしかして蒼さんに惚れた」

「相手は男性だぞ、男の俺が惚れるわけないだろ」

そう言って凛から離れると陽菜はテーブルに置いてあるアルコール酒のグラスを掴み一気飲みした。 

その瞬間、酔いが回りグラスを落とすと陽菜は倒れた。

皆が見つめるなか蒼は陽菜に近づき身体を抱き起こし声をかけた。 

「大丈夫か?」

「……」

「陽菜、酒が飲めないんです」

凛が口にすると蒼は陽菜をお姫様抱っこし樹に近づいた。  

「奥に部屋があったよな」

「あぁ」

「使って良いか」

「良いよ」

「……」

樹の許可を得た蒼は陽菜をお姫様抱っこしたまま奥に行き部屋の前に立つとドアを開き中に入った。 

その後、蒼はドアを閉めベッドに近づくと陽菜を仰向けで寝かせた。 

「水を飲ませた方が良いな」

そう言って蒼が冷蔵庫に行こうとしたその時、陽菜が服を掴んだ。 

「どこに行くんですか…」

「水を取りに行くんだ」

「水なんかいらないです」

「水を飲んで酔いを冷ました方が良い」

「酔ってなんかいません」

そう言って酔っぱらいの陽菜は身体を起こしベッドからおりるとふらつき蒼に抱き止められた。

「何が酔ってないだ、おとなしく座ってろ」

そう言って陽菜をベッドに座らせると蒼は冷蔵庫に近づき水のペットボトルを取り出すとベッドに近づいた。

そして蒼は座ったまま身体を倒し眠っている陽菜の姿を見つめた。 

「水を飲まないか?」

「う~ん…」

「仕方ないな」

眠ったまま返事をする陽菜の姿に蒼は水を口に含みペットボトルを床に置くと水を含んだままベッドに座り陽菜の身体を抱き起こすと唇を重ね水を飲ませた。  

その後、蒼が唇を離し陽菜から離れるとドアが開き樹が現れた。 

「樹…」

目を向けたその時、蒼は樹にスプレーをかけられ倒れた。

「暫くの間、眠っててくれ」

そう言って樹は陽菜に近づき服を引き裂くと肌に触れた。 

「ん…」

「……」

感じる陽菜に樹が陽菜のズボンをおろし交わろうとしたその時、陽菜の手首に着けている羽が樹を突き飛ばし眠らせると陽菜と蒼を消した。

その後、羽は陽菜と蒼を陽菜の家の寝室に運び力を静めた。

陽菜はベッドで蒼は床で次の日の朝まで眠り続けた。
しおりを挟む

処理中です...