何でも願いが叶う水晶玉~短編集~

猫幸世

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何でも願いが叶う水晶玉~短編集~

黒猫の直樹編

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猫界から人間界の森林の中にやって来た黒猫の直樹(なおき)は何でも願いが叶う水晶玉を見つけ人間姿の三毛猫に出会っていた。 

「あなたの願いは何ですか?」

「俺の命を助けてくれた哲也(てつや)さんを守りたい俺を強い人間にしてください」 

「了解」

魔法の杖を直樹に向けると黒猫から警察官姿の人間に変身させた。 

「完了しました」

「この姿は何ですか?」

警察服に驚き直樹が問いかけると三毛猫が口を開いた。 

「守りたい、強いと言ったら警察官でしょ」

「警察官…」

「他に願いはありますか?」

「ありません」

「願いがまたできたらここに来なさい」

「ありがとう」

「それでは」

そう言って三毛猫がその場から消えていくと直樹は哲也を探すため森林の中を歩き森林から離れると道を歩き人気の多い場所に向かった。 

ー人気大型スーパー、社長室ー 

妻の父親から2代目社長として社長を受け継いだ哲也が椅子に座りながら机で仕事をしていると妻の妹、恵(めぐみ)が社長室に入ってきた。 

「哲也さん、今、良いですか?」

「仕事中だろ仕事に戻りなさい」

「お姉ちゃんはさぼっても良いのね」

口しながら恵が近づくと哲也は仕事を止め椅子から立ち上がると恵を机から離れさせソファーに座らせ哲也も座った。 

「何か悩みがあるなら聞くよ」

「本当?」

「あぁ」

「好きな人が居るんだけど告白しようか迷ってる」

「どうして迷ってるの?」

「結婚してる人だから」

「恵ちゃん、悪いけど応援できない」

「……」

「その人のことは忘れて新しい恋をしなさい」

「忘れるなんてできない」

「……」

「だって私の好きな人は哲也さんだから」

「……」

驚いた顔で哲也が見つめると恵は哲也に顔を近づけ唇を重ねた。

その時、妻の裕子(ゆうこ)が現れた。

「何してるの」

「……」

恵から離れ怒った口調で口にする裕子に哲也が口にしようとしたその時、恵がソファーから立ち上がり裕子に向かって口を開いた。 

「お姉ちゃん、不倫してるよね」

「私が不倫?バカなこと言わないで」

「哲也さん、見て」

そう言って恵はポケットから写真を取り出し哲也に差し出した。 

哲也はソファーから立ち上がり写真を受け取り見て驚いた。

「……」

「哲也さん」

「……」

裕子の呼びかけに哲也は無言で写真を裕子に向け見せた。 

「……」

裕子は写真を見て驚き言葉を失った。 

「今は仕事中だ2人とも出ていってくれ」

「哲也さん」

「聞こえなかったのか出ていけ」

そう言って哲也が写真を持ったまま机に近づき椅子に座ると裕子と恵は無言で社長室を出ていった。 

「……」

無言で写真を破りゴミ箱に捨てると哲也はパソコンを開き仕事を始めた。

社長室から離れた場所に移動すると裕子が口を開いた。 

「あんたどういうつもりで写真を撮ったのよ」

「お姉ちゃん、私、哲也さんのこと好きなのだから離婚して」

「離婚なんてするわけないでしょ」

「不倫しておいて離婚しないなんて、ふざけんな」

「哲也さんに離婚を言われない限り私は離婚しない」

そう言って裕子が離れていくと恵は睨みつけながら裕子を見つめた。 

その頃、警察官の直樹は人混みの中を歩きながら哲也を探していた。 

「なかなか見つからないな」

口にしながら歩いていると嗅いだことある匂いが風に紛れて流れ込んできた。 

「この匂いは…哲也さんの匂い…見つけた」

そう言って直樹は走りながら匂いを辿り哲也が居る大型スーパーに向かった。 

ー大型スーパー、社長室ー 

椅子に座りながらパソコンで仕事をしていた哲也は裕子のことが気になりパソコンを閉じた。 

その後、哲也は椅子から立ち上がりソファーに近づくと座りスマホに目を向け裕子と一緒に写った写真を見つめた。 

「俺を裏切るなんて…裕子…」

哲也が口にするとドアをノックする音がした。 

「どうぞ」

哲也が返事をするとドアが開き2人の男性が入ってきた。 

「どちら様でしょうか?」

そう言って哲也がソファーから立ち上がると2人の男性に襲われ哲也は倒れスマホが手から離れた。 

その後、哲也は2人の男性に運ばれ後部座席に乗せられるとラブホテルに向かった。 

ー大型スーパー、社長室ー

誰も居ない社長室に現れた直樹は立ち尽くした。 

「哲也さんが居ない」

社長室から出ようとした直樹はスマホに目を向け近づくとスマホを掴み匂いを感じた。 

「哲也さんの匂いがするけど乱れた匂いだ…哲也さんに何かあったのかも」

スマホを掴みながら直樹が口にすると裕子が現れた。

「何をしてるんですか」

「……」

直樹が目を向けると直樹が持っているスマホを見て裕子が口を開いた。 

「それ哲也さんのスマホですよね」

「哲也さんに何かあったようです」

「え…」

「匂いが乱れている」

「匂い?」

「……」

「あの?」

スマホを持って社長室を出ていく直樹を裕子は追いかけ行動を共にした。 

その頃、哲也はラブホテルの部屋のベッドで仰向けで眠っていた。 

「……」

30分後、哲也が目を覚ました。 

その後、哲也は身体を起こしベッドからおりるとまわりを見渡した。 

「ここはどこだ?」

「俺が経営しているラブホテルだ」

哲也を襲った2人の男性を連れて男性が近づくと哲也が口を開いた。 

「あなたが2人に俺を襲わせたんですか?」

「哲也さんと話がしたくて」

「どうして俺の名前を」

「こんな素敵な人を裏切るなんて」

「まさかあなたは裕子の」

「不倫相手の松本直也です」

「帰ります」

そう言って哲也が離れようとしたその時、松本直也に手首を掴まれた。 

「手を離してください」

「お前ら、俺の楽しみが終わったらお金をやるから隣の部屋で待ってろ」

「わかった」

返事をし2人男性が部屋を出ていきドアを閉めると松本直也が哲也を抱き寄せ口を開いた。 

「裕子との不倫を止めて哲也さんと不倫しようかな」

「何を言って…」

突然、松本直也に唇を奪われた哲也はそのままベッドに倒され覆い被された。 

「退いてください」

「哲也さんは男との経験ある?」 

「あるわけないでしょう」

「俺は男との経験あるよ」

「…退いてください…」

嫌な予感を感じその場から逃れようと哲也が口しながらもがき始めると松本直也に頭上で左右の手首をネクタイで縛られた。 

「止めてください」

「これ何だかわかりますか?」

「……」

「俺が作った媚薬の薬です」

「……」

「これを飲めばあなたは俺を求めてくる」

そう言って薬を口に含み哲也の唇に唇を重ねると薬を飲ませた。 

その後、松本直也は唇を離し哲也から離れベッドからおりると上下の服と下着を脱ぎ全裸になった。 

「哲也さん、薬が効き始めたようですね」

「……」

「俺が静めてあげますよ」

そう言って松本直也が発情している哲也の大事な部分を触れると哲也がエロい声を出した。 

「ああ…」

「エロい声でそそられる」

口しながら哲也のズボンとパンツを脱がせると松本直也は自分の大事な部分を哲也のお尻の穴に入れ腰を揺らした。 

「ん…ああ…」

「一瞬であんたの虜になった」

「ああ…」

松本直也の激しい愛撫に哲也は感じ何度も何度も松本直也の激しい愛撫を受け入れ続けた。 

その頃、直樹と裕子はラブホテルの前で止まっていた。 

「この中に哲也さんは居る」

「ここは直也のラブホテル」

「直也?」

「ここに哲也さんが本当に居るの?」

「哲也さんの匂いを感じる、哲也さんはここに居る」

そう言って直樹がラブホテルの中に入っていくと裕子も中に入っていった。

「ここも違う、ここも違う」

部屋の前を通りながら哲也の匂いを嗅ぎ続けた直樹は甘くて強い匂いを感じた。 

「あそこの部屋から甘くて強い匂いを感じる、あそこに哲也さんは居る」

そう言って直樹と裕子は哲也が居る部屋に向かい中に入ると声の方に行きベッドで直也に愛撫されている哲也の姿に驚いた。 

「直也さん、何してんのよ」

「……」

裕子の怒鳴り声で直也は愛撫を止め哲也のお尻の穴から大事な部分を抜くとベッドからおりた。 

「裕子、何しに来たんだ」

「……」

無言で直也に近づくと裕子は怒った顔で直也の頬を叩いた。 

「哲也さんに手を出すなんてどういうつもりよ」

「裕子、哲也さんと離婚して哲也さんを俺にくれないかな」

「哲也さんは物じゃない」

直也と裕子の会話に直樹が入り込むと直也が口を開いた。 

「警察の人が何で居るんだ」

「……」

無言で哲也に近づき左右の手首を縛っているネクタイを外すと直樹は哲也をお姫様抱っこしドアの方に歩き始めた。

「おい、あんた何してんだ」

「……」

哲也をお姫様抱っこしたまま直樹は直也を無視したまま部屋を出ていき廊下を歩いた。 

「ちょっと待って」

「……」

裕子に背後から声をかけられ立ち止まると直樹は振り返り近づいてくる裕子を見つめた。

「私の車がここの駐車場に止めてあるの哲也さんを車まで運んでください」

「お断りします」

「え…」

「哲也さんは俺が守ります」

そう言って直樹は裕子に背を向けると廊下を歩きそのまま姿を消した。 

その姿を見ていた裕子は驚きで立ち尽くした。 

ー大型スーパー、社長室ー

哲也をお姫様抱っこしたまま姿を現すと直樹はソファーに哲也を寝かせ上服を哲也の下半身にかけた。 

その後、直樹は向かい合ってソファーに座り眠る哲也を見つめた。

「…哲也さん…」

「う~ん…」

哲也が目を覚ますとソファーから立ち上がり直樹が声をかけた。

「大丈夫ですか?」

「……」

無言で身体を起こすと哲也は直樹に目を向け見つめた。

「どうしたんですか?」

「……」

下半身にかけている上服を退かせソファーから立ち上がると哲也は無言で直樹に抱きついた。 

「どうしたんですか?」

「抱いてください」

そう言って哲也はエロい顔で直樹を見つめ唇を重ねた。

その後、互いの唇が離れると哲也は上半身の服と下着を脱ぎ口を開いた。 

「俺を抱いてください」

「哲也さんが望まれるのなら俺は哲也さんを抱きます、良いんですよね」

「…はい…」

「わかりました」

返事をすると直樹は全裸になりその後、哲也を床に優しく寝かせると哲也が満足するまで愛撫した。 

1時間後、哲也が眠りにつくと直樹は哲也から離れ立ち上がり脱いだ警察服を掴むと着始めた。 

その後、哲也をソファーに寝かせると直樹は匂いを嗅ぎ始めた。 

「…甘い…匂い…この匂いが哲也さんの心を乱してる」

そう言って直樹が哲也から離れたその時、人間姿の三毛猫が現れた。

「三毛猫!どうしてここに」

「直樹さんの気が乱れていたから何かあったのかと思って様子を見に来ました」

そう言って三毛猫はソファーの哲也に目を向けその後、直樹に目を向けると口を開いた。

「何かあったんですね」

「妻の不倫相手に何かの薬を飲まされ乱暴されました」

「薬?」

眠る哲也の身体に顔を近づけ匂いを嗅ぐと三毛猫は直樹に目を向け口を開いた。 

「薬の正体は媚薬だ」

「媚薬?」  

「性欲が高まる薬だ」

「それで俺を誘ってきたんですね」

「お前の恩人は大変な人生を送っているな」

「哲也さんには幸せな人生を送ってもらいたい」

「願いがあるなら叶えてあげますよ」

「……」

眠る哲也を見つめながら直樹はある決意をした。 

「三毛猫、願いがある」

「何ですか?」

「…頼む…」

「それで良いんですか?」

「あぁ」

「了解」

魔法の杖をかざすと三毛猫は哲也の嫌な記憶だけを消した。 

「完了しました」

「ありがとう」

「直樹さん、お幸せに」

そう言って三毛猫がその場から消えると哲也が目を覚ました。 

「……」

無言で哲也が身体を起こすと直樹が声をかけた。 

「気分はどうですか?」

「…直樹さん、来てたんだ」

「え…」

直樹が驚いた顔で見つめると哲也はソファーから立ち上がりロッカーに近づくと上下の下着と服を着始めた。

「驚いた顔してどうしたんですか?」

「どうして俺の名前を知ってるんですか?」

近づいてくる哲也に直樹が問いかけると哲也が口を開いた。 

「そりゃ知ってますよ、妻の不倫を目撃した俺を優しく慰めてくれた警察官の直樹さん」

「三毛猫の仕業か」

「三毛猫?」

「何でもない」

「仕事中じゃないですか」

「1つ聞いて良いかな」

「何ですか?」 

「俺達…」

「付き合ってるか付き合ってないか」

「……」

直樹が頷くと哲也は直樹に顔を近づけ唇を重ねた。 

その時、裕子が現れた。

「……」

驚いた顔で裕子が見つめると直樹は裕子に築き哲也を離れさせた。 

「どうしたんですか?」

直樹の目線に目を向けた哲也は裕子と目が合った。 

「裕子」

「不倫してる私が言う立場じゃないけど哲也さんの不倫相手が男性なんて許せない」

「俺が誰と付き合おうと先に不倫した裕子に言われたくない」

「……」

哲也から直樹に目線を向けると裕子は直樹に近づき頬を叩いた。 

「何すんだ」

怒った口調で口にすると哲也は直樹の代わりに裕子の頬を叩いた。 

「……」

哲也に叩かれ涙目になると裕子は社長室を出ていった。 

「哲也さん、女性に手をあげるのはよくない」

「直樹さんが裕子に頬を叩かれるのみて腹がたったんです」

「哲也さん、裕子さんと仲直りしてください」

「先に手をだしたのは裕子なんですよ」

「そうでも、男性が女性に手をだしたのはよくない」

「……」

「あなたがここに戻るまで待っていますから裕子さんと仲直りしてきてください」

「わかりました…」

「行ってらっしゃい」

哲也を優しく送り出すと直樹はソファーに座り哲也は急いで大型スーパーを出ていき歩いていく裕子を見つけ追いかけていった。 

「裕子!」

「……」

立ち止まり裕子が振り返ると哲也は近づき口を開いた。 

「裕子…頬を叩いてゴメン」

「私もあの人の頬を叩いたゴメンなさい」

「裕子…別れよ」

「哲也さん…ゴメンなさい」

「大型スーパーの社長は新しいパートナーか恵ちゃんになってもらって」

「わかった」

「離婚届はサインして送るから裕子が出して」

「わかった」

「じゃあ」

「哲也」

「何」

「あの人と幸せになってね」

「裕子も」

そう言って背を向け哲也が歩いていくと裕子も背を向け歩き出した。 

ー大型スーパー、社長室ー 

ソファーに座って直樹が待っていると息を切らしながら哲也が現れた。

「哲也さん」

直樹がソファーから立ち上がると哲也は直樹に近づき抱きついた。 

「直樹さん」

「哲也さん、仲直りはできましたか?」

「仲直りしました」

「良かった」

「裕子と離婚します」

「え…」

「裕子も離婚を承知してくれました」

「離婚したらスーパーの社長は誰がなるんですか?」

「新しいパートナーか恵ちゃんがなるんじゃないんですか、直樹さん、行きましょう」

「行くってどこに」

そう言って直樹は哲也に手首を掴まれ大型スーパーを出ていくと哲也の家に向かった。 

30分後、家に着くと哲也は直樹を連れて家の中に入り寝室に向かうと中に入った。 

その後、哲也は左手の薬指にはめている指輪を外し机の上に置くと直樹の目の前で全裸になった。 

驚いた顔で直樹が見つめると哲也が口を開いた。 

「直樹さん、俺を抱いてください」

「哲也さん」

「好きです、黒猫の直樹さん」

「なぜ俺が黒猫だと」

「三毛猫さんから聞きました、直樹さんが俺が助けた黒猫だと」

「……」

「俺達、こうなる運命なのかも」

「そうかもしれませんね」

そう言って直樹も全裸になると哲也と直樹は見つめ合い唇を重ねた。

その後、哲也と直樹はベッドに倒れ愛を育んだ。 
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