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第1章 フェンリル
14 功助、力の解放
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騎士団や魔法師隊は一団となりフェンリルに攻撃を開始した。
銀色の剣で次々と切りかかる騎士団。それを援護する弓隊。後方から隙を狙い火炎球や氷槍が飛んでいく。
しかしフェンリルにはまるで効いてはいない。矢は鼻息ひとつで吹き飛ばし、火炎の球も槍もフェンリルに当たり爆散するがダメージはほぼ皆無だ。
「くそっ。こうなったら最後の手段だ。青の騎士団団員に告げる!竜化せよ!!」
ウォオオオッという雄叫びをあげるとフェンリルの周囲にいた青い鎧を身に着けた精鋭の騎士たちのその身体が白い光に次々と包まれていった。
その光は徐々に大きくなり光の中から青白く輝く鱗に覆われた竜たちが姿を現した。
青いドラゴンは全部で10体。フェンリルの周囲を囲み逃さないようにしている。青の騎士団団長ベルクリットも副団長ハンスも青く輝く竜となりフェンリルに対峙した。
フェンリルの体高は約6メートル、それに対するドラゴンたちの身長は約10メートル。10体ものドラゴンに見下ろされているがフェンリルにはまるで圧迫桿を感じている様子はない。それどころか炎の目が輝き興奮しているようにさえ見える。実際興奮しているのだろう、その口からは涎が滴っている。
グワルルルル!
青いドラゴンの体が叫ぶと全てのドラゴンが同時に口を開けた。開かれた口の奥からは白い光が洩れ出ている。十体のドラゴンによるブレスが一斉放射されようとしているのだ。
そして10体のドラゴンのブレスが、灼熱のブレスがフェンリルに向かって放たれた。
凄まじい音と光、そして熱。十本のブレスはフェンリルを包み込み滅しようと輝く。
’グワオォォォォォッ!!’
その熱と破壊の渦巻く光の中からフェンリルの唸り声が聞こえた。誰もが断末魔だと思った。そうあのブレスはフェンリルといえど滅してしまうと、そう思った。
その唸り声から一瞬の間を置き、十体のドラゴンのブレスが吹き飛んだ。そこには傷一つ火傷一つもないフェンリルが四本の足で立っていた。
騒然となる騎士や兵士たち。ドラゴンたちも一瞬何が起こったのかわからず呆然となった。それを見逃すフェンリルではなかった。
フェンリルは一番近くにいたドラゴンの首に喰らいつくとその首を噛み切った。空中を飛び地面に落ちるドラゴンの頭部。ドサッという音とともに地面でバウンドし魔法師たちの前まで転がった。その口は苦し気にパクパクと数回動くとそれきりとなった。
「キャアァァァァッ!」
誰が叫んだのか悲哀の絶叫が城壁に残響した。
フェンリルは次々とドラゴンたちに襲い掛かった。ある者は翼をもがれ、ある者は腹に風穴を開けられまたある者は頭を喰われた。
それでもドラゴンたちはブレスを吐きフェンリルを攻撃している。まるで効き目がなく無駄だとわかっていても。それはまるで百獣の王に水鉄砲を撃っているように見えた。
「グハハ。グワッハハハ。グワッハッハッハッハ。愉快だ、真に愉快だ。なんてザマであろうか。あの青の騎士団の無様なことよ。グワッハッハッハ!」
望遠鏡のようなものから目を離すと高笑いをするガマガエルのような男。それを見て薄く笑う男。
「まさにおっしゃるとおり無様でございます。精鋭であると言われていた青の騎士団が、竜化してもフェンリルに手も足も出ないとは実に滑稽でございます」
フェンリルとドラゴンとの死闘の場からは約3キロほど離れた小高い山から見下ろしているのは行方不明になっているグァマ・フログス伯爵とその側近だ。
そして二人の後方には口が耳まで裂けた男と黄色く濁った目の男が冷ややかに二人とその向こうの光景を眺めていた。
風貌から推測すればその二人は恐らく魔族。なぜ魔族が伯爵たちといるのか、いや、なぜ伯爵たちはこの魔族とともにいるのか。
「フログス伯爵」
「ん。なんだダンニン殿」
「どうですか城竜城が襲われている感想は?なかなかのものでしょう。今助けにいけば英雄になれますよ」
口が耳まで裂けた魔族は腕を組んだままフログスを揶揄する。
「ふんっ。あんな竜などどうでもよいわ。それよりも早くトパークス王の息の根を止めに行かぬのか」
「まあまあ、そんなにあせらないでください。今トパークスの命を刈りに我々の配下が潜入しております。じきにトパークスの首があの白竜城の上に掲げられるでしょう」
「おお、それは素晴らしい。これで私が次の王となるのですな。ぐわははは」
「ふんっ…」
小さな声でその高笑いのフログスを嘲笑する黄色い目の魔族。それには一切気づかず腹の死亡揺らすフログス伯爵。
よく見るとフログスの額には赤く細い線の幾何学模様が浮かび上がっている。その時なぜか強く拳を握る。しかし、すぐに弛緩し両腕を広げるとまた高笑いをした。
時間は少し戻り---
「陛下がそうおっしゃったのです。さあ、今すぐに姫様の牙を抜き元の世界にご帰還ください」
バスティーアは功助の右手を手に取るとその銀色に光るブレスレットをいとも簡単にはずした。
「ちょっ、ちょっとバスティーアさ……。うっ……。う、うわあぁぁぁぁっ!!」
ブレスレットを取られた功助はバスティーアに抗議をしようとしたが突然襲ってきた身体の痛みに悶絶し地面を転がった。
「コ、コースケ様っ!大丈夫ですか。コースケ様!コースケ様!!」
突然苦しみだして地面を転がる功助にミュゼリアは声をかける。だが功助からの返事はない。苦悶の声を出し地面を転がる。時折拳で地面を叩き小さな穴が開く。
功助は身体中の筋肉が引き裂かれすべての骨が砕かれ内臓が身体の中で暴れ周っているような、そんな痛みにただ耐えるだけだった。
「バスティーア様。これは一体どういうことなのですかっ!なぜコースケ様がこんなに苦しまれておられるのですか?!」
「わ、わかりません。私はただブレスレットを外しただけで。なぜこのように苦しまれているのか」
「大丈夫なのでしょうかコースケ様は」
ミュゼリアは胸の前で手を組み心配そうに功助を見ている、……見ているしかなかった。
「う、うぐっあ、あがっ…。ぐぐぐぐっ!!」
「大丈夫ですかコースケ様!」
ミュゼリアはそう言うと地面に座り仰向けで唸っている功助を膝に抱き身体を支えた。
「あ、うう。うぐっ・・・」
功助は言葉にならない言葉を発しながら耐える。死んだ方がいいんじゃないかと思うくらいの痛みに気が遠くなりそうな時に、そんなときに誰かの声が聞こえた。
’あああああっ!だ、誰か助けて……。も、もういや……。い、痛いっ、だ、誰か…!’
「えっ…!誰……?」
「どうしたんですかコースケ様っ。大丈夫ですか。私ですよ私、ミュゼリアです。わかりますか?」
「ミュ、ミュゼ…」
「はい。ミュゼリアです」
「お、俺は…。あ、う、あぐっ。があああっ…!」
不思議な女性の声で少し意識がもどった功助だが再び身体を焼き尽くすような痛みに悶絶する。
’た、助けて……。………コースケ……さ……ま………’
「ま、まただ……。な、なんなんだ……」
「コースケ様っ、お気を確かに!コースケ様!」
「あ、ああ。う、あぁぅ。はあはあはあ、はあ、はあ。だ、大丈夫だミュゼ。だいぶ楽になってきた」
「そうですか。それはよかった」
その言葉に微笑するミュゼリア。
「コースケ様」
「バ、バスティーアさん。俺、どうしたんでしょうか」
「私にもわかりません。でも、おそらくこのブレスレットをはずした影響だと思われます」
バスティーアは手に持った銀色のブレスレットを二人に見せた。
「このブレスレットの内側を見てください。外側は滑らかで銀色に輝いていますが、内側は」
「あっ、真っ黒になっています」
ミュゼリアがそのブレスレットを見て驚いている。確かに内側は黒く変色している。しかし功助の右手首には変色した様子もなかった。
「確かに変色しているな。なんででしょう?」
ミュゼリアに抱えられたままそのブレスレットの内側を見る功助。
「今はわかりません。後ほど調べておきます。それよりお早く姫様の牙を引き抜き元の世界へご帰還ください」
と言ってそのブレスレットをポケットに入れるバスティーア。
「いや…」
功助が答えようとしたとき強い光と熱が三人を包んだ。
「わっ、こ、これはっ!」
なぜ今まで 気が付かなかったのかとても不思議だが、フェンリルに向かって10体ものドラゴンがブレスで攻撃していた。
10本ものブレスを浴びてはさすがのフェンリルもこれでおしまいだ。そう思った。しかし
’グワオォォォォォッ!!’
その一吠えでブレスが消し飛んだ。
「んなバカなっ!」
シオンベールのブレスひとつだけでもあの分厚い壁が溶けて穴が開いたのに、あれだけのブレスを浴びてもピンピンしてるとは。やはりヤツは最強の魔獣だったのか。
「し、信じられない」
ミュゼリアがポツリと言った。
フェンリルはその炎の目を輝かせると近くにいたドラゴンの首に噛みつきその首を落とした。
「キャアァァァァッ!」
ミュゼリアの絶叫が城壁に反響した。
ミュゼリアの身体は震えていた。顔は蒼白で目は見開き地面に落ちたドラゴンの首を凝視している。
「あ、兄上はっ。ベルクリット様は!」
立ち上がりそちらへ向かおうとしているミュゼの手首をつかむ功助。
「ま、待てミュゼ。危険だ」
「で、でも兄上がっ、お兄ちゃんがっ!」
「落ち着けミュゼ。落ち着くんだ」
「で、でもっ…。お兄ちゃんが…!」
「今行っても力にはなれない。わかってるだろミュゼ」
「そ、それは…」
「そうですよミュゼリア。落ちつきなさい」
フェンリルに噛み千切られた首を見るバスティーア。
「あれはバスク様のようです。なんてことだ。フェンリルの攻撃にとっさに対処できなかったようです。それほどブレスを跳ね返されたのがショックだったのでしょう」
バスティーアが噛み切られた首を見て眉間に皺を寄せ歯を強くかみしめた。
「バスク様?あ、ああ、うぅ」
身体を起こした功助にミュゼリアは抱き着き泣いた。
「ミュゼリア。君の兄上はご無事のようだ。それにベルクリット団長もご無事だ。お二方ともフェンリルに攻撃をしている」
バスティーアが戦況を教えてくれた。
「えっ。あっ、お、お兄ちゃん!ベルクリット様! ご無理なさらないで…」
すでに4体のドラゴンが殺られた。残り6体でフェンリルにブレスで攻撃しているが戦況は芳しくない。魔法師隊も攻撃に加わっているがフェンリルはものともせず反撃している。
シオンベールを見るといまだに滅茶苦茶に城を破壊をし続けている。その周囲数10メートルは瓦礫と化し火の手があちこち上がっていた。
それを見てゆっくりと立ち上がる功助。
「コースケ様。大丈夫ですか?」
ミュゼリアが立ち上がる功助を支える。
「ああ。ありがとうミュゼ。大丈夫だ。まだ少し痛みはあるけどたいしたことはないよ」
「そうですか。それはよかった」
安堵のミュゼリア。
「よろしゅうございましたコースケ様。それでは早速姫様の牙を…」
「抜きません!」
「えっ。し、しかしそれでは元の世界へ…」
「まだ、まだ帰れません。あのシオンを放っては」
功助の目の先には暴れ狂うシオンベールがいた。身体中から流血しすでに翼はボロボロになっている。
すると功助は何か不思議な感覚に襲われた。
「えっ。な、なんだこれは……」
何か得体のしれないものが功助の五感にひっかかった。
「どうしたのですかコースケ様。顔色が優れませんが」
バスティーアが功助の肩を支え顔を覗き込んだ。
「あ、な、なんか変な感じがするんです。そう、あのあたりとあのあたり」
功助が指刺したのはここから少し離れた小高い山と城の一番高い塔だった。
「あの山はマピツ山」
「マピツ山?」
「はい。あまり高い山ではないので子供たちの遠足の場になっている山です」
「そうか。でもなんか感じる」
じっとその山の頂を見ていると何かが見えたような気がした。
「あっ、あれは」
「どうしたんですかコースケ様」
「あのマピツやまのてっぺんに誰かいる」
「えっ。まさかここから見えるんですか。ここからだと3クムは離れてますよ」
『クム』はこの世界の長さの単位で『キロメートル』とほぼ同じだ。
「でも見えるんだよ。…あれは…。フログス!」
「なんですと!フログス伯爵がでございますか」
「はい。あれは確かにフログスです。でもその後ろにいるのは…ま、まさか…」
「どうしたんですかコースケ様。誰が?」
功助は額の汗を拭って言った。
「あれは確か『魔族』」
「えっ!」
「魔族ですと!」
驚愕の二人。
「はい。あれは魔族です。先日お借りした本に載ってました。しっかりと覚えてますので間違いありません。あれは魔族です。それも高位の」
「……!」
「なぜフログス伯爵が魔族と一緒に…」
「わかりませんがフログスは魔族と話していますよ。さすがに声までは聞こえませんが。あの口が耳まで裂けたのはおそらく…」
功助は二人の顔を順番に見るとこう言った。
「『ダンニン』」
「ダ、ダンニン…」
「ダンニンと言えば魔族の中でも高位の魔族。『四大魔族』の一人に数えられるほどの魔族…」
「お借りした本にもそう説明がありました。それともう一人黄色い目の魔族がいます。たぶんあれは『ムダン』だと思います」
へなへなと地面に座り込むミュゼリア。
「四大魔族の二人がなぜフログス伯爵と……」
「魔族はおそらくフログスをそそのかして今の状況を作り出したんじゃないかと思います。6日前にフェンリルが現れた時のフログスが言っていたことを思い出しました。なあミュゼ」
「…あっ、そうか。、はい。フログス伯爵はこう言っていました。『6日後には竜化したシオンベールが凶暴化する。そしてあのフェンリルを呼び出させこの白竜城を我らがものとするのだ。わかっておるな』と。コースケ様!」
「ああ。今まで気が付かなかったけど、そう『フェンリルを呼び出させ』と。フログスにはフェンリルをどうこうする力なんて持ってないと思います。そうすると誰か手助けをする者が必要です」
「それが魔族だと言われるのですかコースケ様」
バスティーアがマピツ山の方を見る。
「はい。そう考えると説明がつきます」
「なんて恐ろしいことを…」
ミュゼリアが震えながら自分自信を抱くようにした。
「そして気になることが一つあります」
「なんでしょう」
「フログスの額に赤い線のようなもので何かが描かれています。あれはいったい何なのかと」
「コ、コースケ様。そ、それは…」
「ミュゼわかるのか?」
「たぶんそれは契約の紋章…」
「……!」
息を呑むバスティーア。
「それはどういうことなんだ」
「はい。フログス伯爵はおそらく魔族に操られているのかもしれません。その額の赤い紋章はその証かと」
「バスティーアさん」
「はい」
「誰かをあのマピツ山に向かわせることはできませんか?魔族を倒しフログス伯爵を保護できるような人は」
「おります。陛下の護衛の『金の騎士』が。それと王妃様護衛の『銀の騎士』もおります」
「それならその方を数人向かわせてください。できるだけ早くに。それとできればシャリーナさんも。今フェンリルとの戦いから抜けるのは得策じゃないかもしれませんが、シャリーナさんの力が必要だと思うんで」
ミュゼリアが功助の方に向いて首を傾げた。
「コースケ様。なぜシャリーナ隊長を」
「フログス伯爵のあの紋章、シャリーナさんならわかるんじゃないかなと思ったんだけど」
「あっ、そうですね。私が知ってるくらいですからシャリーナ隊長ならもっとよく知っておられるかも。解呪の方法も知っておられるかもしれませんね」
パチンと手を叩くミュゼリア。
「ああ。だからバスティーアさん」
「はい。了承いたしました。それとひとつお尋ねしてもよろしいでしょうか」
「はい。なんでしょうか」
「変な感じすると言われたのはあの塔でございましたな。あの塔のいずこからその感じはございましたでしょうか」
功助は城の中でも一番高い塔を見上げた。
「そうですね。あのあたりかな。上から三分の一のあたり。あの窓が三つならんでいるあたりでしょうか」
「わかりました。あの塔の最上階には陛下と王妃様がおられるのです。もしかすると魔族が陛下たちを亡き者にしようとしているのかもしれません。まあ陛下たちのお傍とその下の階には金の騎士と銀の騎士がおりますので心配はないかと思いますが」
「わかりました。ではそちらのことはお任せしました」
「はい。それでコースケ様はどうされるのですか」
「俺は…」
大暴れしているシオンベールの方とフェンリルと戦っているドラゴンたちの方を見るとこう言った。
「俺はシオンを助け、フェンリルを倒します」
その時、朝日が東の地平線から昇った。そして一筋の光が功助の全身を照らした。
銀色の剣で次々と切りかかる騎士団。それを援護する弓隊。後方から隙を狙い火炎球や氷槍が飛んでいく。
しかしフェンリルにはまるで効いてはいない。矢は鼻息ひとつで吹き飛ばし、火炎の球も槍もフェンリルに当たり爆散するがダメージはほぼ皆無だ。
「くそっ。こうなったら最後の手段だ。青の騎士団団員に告げる!竜化せよ!!」
ウォオオオッという雄叫びをあげるとフェンリルの周囲にいた青い鎧を身に着けた精鋭の騎士たちのその身体が白い光に次々と包まれていった。
その光は徐々に大きくなり光の中から青白く輝く鱗に覆われた竜たちが姿を現した。
青いドラゴンは全部で10体。フェンリルの周囲を囲み逃さないようにしている。青の騎士団団長ベルクリットも副団長ハンスも青く輝く竜となりフェンリルに対峙した。
フェンリルの体高は約6メートル、それに対するドラゴンたちの身長は約10メートル。10体ものドラゴンに見下ろされているがフェンリルにはまるで圧迫桿を感じている様子はない。それどころか炎の目が輝き興奮しているようにさえ見える。実際興奮しているのだろう、その口からは涎が滴っている。
グワルルルル!
青いドラゴンの体が叫ぶと全てのドラゴンが同時に口を開けた。開かれた口の奥からは白い光が洩れ出ている。十体のドラゴンによるブレスが一斉放射されようとしているのだ。
そして10体のドラゴンのブレスが、灼熱のブレスがフェンリルに向かって放たれた。
凄まじい音と光、そして熱。十本のブレスはフェンリルを包み込み滅しようと輝く。
’グワオォォォォォッ!!’
その熱と破壊の渦巻く光の中からフェンリルの唸り声が聞こえた。誰もが断末魔だと思った。そうあのブレスはフェンリルといえど滅してしまうと、そう思った。
その唸り声から一瞬の間を置き、十体のドラゴンのブレスが吹き飛んだ。そこには傷一つ火傷一つもないフェンリルが四本の足で立っていた。
騒然となる騎士や兵士たち。ドラゴンたちも一瞬何が起こったのかわからず呆然となった。それを見逃すフェンリルではなかった。
フェンリルは一番近くにいたドラゴンの首に喰らいつくとその首を噛み切った。空中を飛び地面に落ちるドラゴンの頭部。ドサッという音とともに地面でバウンドし魔法師たちの前まで転がった。その口は苦し気にパクパクと数回動くとそれきりとなった。
「キャアァァァァッ!」
誰が叫んだのか悲哀の絶叫が城壁に残響した。
フェンリルは次々とドラゴンたちに襲い掛かった。ある者は翼をもがれ、ある者は腹に風穴を開けられまたある者は頭を喰われた。
それでもドラゴンたちはブレスを吐きフェンリルを攻撃している。まるで効き目がなく無駄だとわかっていても。それはまるで百獣の王に水鉄砲を撃っているように見えた。
「グハハ。グワッハハハ。グワッハッハッハッハ。愉快だ、真に愉快だ。なんてザマであろうか。あの青の騎士団の無様なことよ。グワッハッハッハ!」
望遠鏡のようなものから目を離すと高笑いをするガマガエルのような男。それを見て薄く笑う男。
「まさにおっしゃるとおり無様でございます。精鋭であると言われていた青の騎士団が、竜化してもフェンリルに手も足も出ないとは実に滑稽でございます」
フェンリルとドラゴンとの死闘の場からは約3キロほど離れた小高い山から見下ろしているのは行方不明になっているグァマ・フログス伯爵とその側近だ。
そして二人の後方には口が耳まで裂けた男と黄色く濁った目の男が冷ややかに二人とその向こうの光景を眺めていた。
風貌から推測すればその二人は恐らく魔族。なぜ魔族が伯爵たちといるのか、いや、なぜ伯爵たちはこの魔族とともにいるのか。
「フログス伯爵」
「ん。なんだダンニン殿」
「どうですか城竜城が襲われている感想は?なかなかのものでしょう。今助けにいけば英雄になれますよ」
口が耳まで裂けた魔族は腕を組んだままフログスを揶揄する。
「ふんっ。あんな竜などどうでもよいわ。それよりも早くトパークス王の息の根を止めに行かぬのか」
「まあまあ、そんなにあせらないでください。今トパークスの命を刈りに我々の配下が潜入しております。じきにトパークスの首があの白竜城の上に掲げられるでしょう」
「おお、それは素晴らしい。これで私が次の王となるのですな。ぐわははは」
「ふんっ…」
小さな声でその高笑いのフログスを嘲笑する黄色い目の魔族。それには一切気づかず腹の死亡揺らすフログス伯爵。
よく見るとフログスの額には赤く細い線の幾何学模様が浮かび上がっている。その時なぜか強く拳を握る。しかし、すぐに弛緩し両腕を広げるとまた高笑いをした。
時間は少し戻り---
「陛下がそうおっしゃったのです。さあ、今すぐに姫様の牙を抜き元の世界にご帰還ください」
バスティーアは功助の右手を手に取るとその銀色に光るブレスレットをいとも簡単にはずした。
「ちょっ、ちょっとバスティーアさ……。うっ……。う、うわあぁぁぁぁっ!!」
ブレスレットを取られた功助はバスティーアに抗議をしようとしたが突然襲ってきた身体の痛みに悶絶し地面を転がった。
「コ、コースケ様っ!大丈夫ですか。コースケ様!コースケ様!!」
突然苦しみだして地面を転がる功助にミュゼリアは声をかける。だが功助からの返事はない。苦悶の声を出し地面を転がる。時折拳で地面を叩き小さな穴が開く。
功助は身体中の筋肉が引き裂かれすべての骨が砕かれ内臓が身体の中で暴れ周っているような、そんな痛みにただ耐えるだけだった。
「バスティーア様。これは一体どういうことなのですかっ!なぜコースケ様がこんなに苦しまれておられるのですか?!」
「わ、わかりません。私はただブレスレットを外しただけで。なぜこのように苦しまれているのか」
「大丈夫なのでしょうかコースケ様は」
ミュゼリアは胸の前で手を組み心配そうに功助を見ている、……見ているしかなかった。
「う、うぐっあ、あがっ…。ぐぐぐぐっ!!」
「大丈夫ですかコースケ様!」
ミュゼリアはそう言うと地面に座り仰向けで唸っている功助を膝に抱き身体を支えた。
「あ、うう。うぐっ・・・」
功助は言葉にならない言葉を発しながら耐える。死んだ方がいいんじゃないかと思うくらいの痛みに気が遠くなりそうな時に、そんなときに誰かの声が聞こえた。
’あああああっ!だ、誰か助けて……。も、もういや……。い、痛いっ、だ、誰か…!’
「えっ…!誰……?」
「どうしたんですかコースケ様っ。大丈夫ですか。私ですよ私、ミュゼリアです。わかりますか?」
「ミュ、ミュゼ…」
「はい。ミュゼリアです」
「お、俺は…。あ、う、あぐっ。があああっ…!」
不思議な女性の声で少し意識がもどった功助だが再び身体を焼き尽くすような痛みに悶絶する。
’た、助けて……。………コースケ……さ……ま………’
「ま、まただ……。な、なんなんだ……」
「コースケ様っ、お気を確かに!コースケ様!」
「あ、ああ。う、あぁぅ。はあはあはあ、はあ、はあ。だ、大丈夫だミュゼ。だいぶ楽になってきた」
「そうですか。それはよかった」
その言葉に微笑するミュゼリア。
「コースケ様」
「バ、バスティーアさん。俺、どうしたんでしょうか」
「私にもわかりません。でも、おそらくこのブレスレットをはずした影響だと思われます」
バスティーアは手に持った銀色のブレスレットを二人に見せた。
「このブレスレットの内側を見てください。外側は滑らかで銀色に輝いていますが、内側は」
「あっ、真っ黒になっています」
ミュゼリアがそのブレスレットを見て驚いている。確かに内側は黒く変色している。しかし功助の右手首には変色した様子もなかった。
「確かに変色しているな。なんででしょう?」
ミュゼリアに抱えられたままそのブレスレットの内側を見る功助。
「今はわかりません。後ほど調べておきます。それよりお早く姫様の牙を引き抜き元の世界へご帰還ください」
と言ってそのブレスレットをポケットに入れるバスティーア。
「いや…」
功助が答えようとしたとき強い光と熱が三人を包んだ。
「わっ、こ、これはっ!」
なぜ今まで 気が付かなかったのかとても不思議だが、フェンリルに向かって10体ものドラゴンがブレスで攻撃していた。
10本ものブレスを浴びてはさすがのフェンリルもこれでおしまいだ。そう思った。しかし
’グワオォォォォォッ!!’
その一吠えでブレスが消し飛んだ。
「んなバカなっ!」
シオンベールのブレスひとつだけでもあの分厚い壁が溶けて穴が開いたのに、あれだけのブレスを浴びてもピンピンしてるとは。やはりヤツは最強の魔獣だったのか。
「し、信じられない」
ミュゼリアがポツリと言った。
フェンリルはその炎の目を輝かせると近くにいたドラゴンの首に噛みつきその首を落とした。
「キャアァァァァッ!」
ミュゼリアの絶叫が城壁に反響した。
ミュゼリアの身体は震えていた。顔は蒼白で目は見開き地面に落ちたドラゴンの首を凝視している。
「あ、兄上はっ。ベルクリット様は!」
立ち上がりそちらへ向かおうとしているミュゼの手首をつかむ功助。
「ま、待てミュゼ。危険だ」
「で、でも兄上がっ、お兄ちゃんがっ!」
「落ち着けミュゼ。落ち着くんだ」
「で、でもっ…。お兄ちゃんが…!」
「今行っても力にはなれない。わかってるだろミュゼ」
「そ、それは…」
「そうですよミュゼリア。落ちつきなさい」
フェンリルに噛み千切られた首を見るバスティーア。
「あれはバスク様のようです。なんてことだ。フェンリルの攻撃にとっさに対処できなかったようです。それほどブレスを跳ね返されたのがショックだったのでしょう」
バスティーアが噛み切られた首を見て眉間に皺を寄せ歯を強くかみしめた。
「バスク様?あ、ああ、うぅ」
身体を起こした功助にミュゼリアは抱き着き泣いた。
「ミュゼリア。君の兄上はご無事のようだ。それにベルクリット団長もご無事だ。お二方ともフェンリルに攻撃をしている」
バスティーアが戦況を教えてくれた。
「えっ。あっ、お、お兄ちゃん!ベルクリット様! ご無理なさらないで…」
すでに4体のドラゴンが殺られた。残り6体でフェンリルにブレスで攻撃しているが戦況は芳しくない。魔法師隊も攻撃に加わっているがフェンリルはものともせず反撃している。
シオンベールを見るといまだに滅茶苦茶に城を破壊をし続けている。その周囲数10メートルは瓦礫と化し火の手があちこち上がっていた。
それを見てゆっくりと立ち上がる功助。
「コースケ様。大丈夫ですか?」
ミュゼリアが立ち上がる功助を支える。
「ああ。ありがとうミュゼ。大丈夫だ。まだ少し痛みはあるけどたいしたことはないよ」
「そうですか。それはよかった」
安堵のミュゼリア。
「よろしゅうございましたコースケ様。それでは早速姫様の牙を…」
「抜きません!」
「えっ。し、しかしそれでは元の世界へ…」
「まだ、まだ帰れません。あのシオンを放っては」
功助の目の先には暴れ狂うシオンベールがいた。身体中から流血しすでに翼はボロボロになっている。
すると功助は何か不思議な感覚に襲われた。
「えっ。な、なんだこれは……」
何か得体のしれないものが功助の五感にひっかかった。
「どうしたのですかコースケ様。顔色が優れませんが」
バスティーアが功助の肩を支え顔を覗き込んだ。
「あ、な、なんか変な感じがするんです。そう、あのあたりとあのあたり」
功助が指刺したのはここから少し離れた小高い山と城の一番高い塔だった。
「あの山はマピツ山」
「マピツ山?」
「はい。あまり高い山ではないので子供たちの遠足の場になっている山です」
「そうか。でもなんか感じる」
じっとその山の頂を見ていると何かが見えたような気がした。
「あっ、あれは」
「どうしたんですかコースケ様」
「あのマピツやまのてっぺんに誰かいる」
「えっ。まさかここから見えるんですか。ここからだと3クムは離れてますよ」
『クム』はこの世界の長さの単位で『キロメートル』とほぼ同じだ。
「でも見えるんだよ。…あれは…。フログス!」
「なんですと!フログス伯爵がでございますか」
「はい。あれは確かにフログスです。でもその後ろにいるのは…ま、まさか…」
「どうしたんですかコースケ様。誰が?」
功助は額の汗を拭って言った。
「あれは確か『魔族』」
「えっ!」
「魔族ですと!」
驚愕の二人。
「はい。あれは魔族です。先日お借りした本に載ってました。しっかりと覚えてますので間違いありません。あれは魔族です。それも高位の」
「……!」
「なぜフログス伯爵が魔族と一緒に…」
「わかりませんがフログスは魔族と話していますよ。さすがに声までは聞こえませんが。あの口が耳まで裂けたのはおそらく…」
功助は二人の顔を順番に見るとこう言った。
「『ダンニン』」
「ダ、ダンニン…」
「ダンニンと言えば魔族の中でも高位の魔族。『四大魔族』の一人に数えられるほどの魔族…」
「お借りした本にもそう説明がありました。それともう一人黄色い目の魔族がいます。たぶんあれは『ムダン』だと思います」
へなへなと地面に座り込むミュゼリア。
「四大魔族の二人がなぜフログス伯爵と……」
「魔族はおそらくフログスをそそのかして今の状況を作り出したんじゃないかと思います。6日前にフェンリルが現れた時のフログスが言っていたことを思い出しました。なあミュゼ」
「…あっ、そうか。、はい。フログス伯爵はこう言っていました。『6日後には竜化したシオンベールが凶暴化する。そしてあのフェンリルを呼び出させこの白竜城を我らがものとするのだ。わかっておるな』と。コースケ様!」
「ああ。今まで気が付かなかったけど、そう『フェンリルを呼び出させ』と。フログスにはフェンリルをどうこうする力なんて持ってないと思います。そうすると誰か手助けをする者が必要です」
「それが魔族だと言われるのですかコースケ様」
バスティーアがマピツ山の方を見る。
「はい。そう考えると説明がつきます」
「なんて恐ろしいことを…」
ミュゼリアが震えながら自分自信を抱くようにした。
「そして気になることが一つあります」
「なんでしょう」
「フログスの額に赤い線のようなもので何かが描かれています。あれはいったい何なのかと」
「コ、コースケ様。そ、それは…」
「ミュゼわかるのか?」
「たぶんそれは契約の紋章…」
「……!」
息を呑むバスティーア。
「それはどういうことなんだ」
「はい。フログス伯爵はおそらく魔族に操られているのかもしれません。その額の赤い紋章はその証かと」
「バスティーアさん」
「はい」
「誰かをあのマピツ山に向かわせることはできませんか?魔族を倒しフログス伯爵を保護できるような人は」
「おります。陛下の護衛の『金の騎士』が。それと王妃様護衛の『銀の騎士』もおります」
「それならその方を数人向かわせてください。できるだけ早くに。それとできればシャリーナさんも。今フェンリルとの戦いから抜けるのは得策じゃないかもしれませんが、シャリーナさんの力が必要だと思うんで」
ミュゼリアが功助の方に向いて首を傾げた。
「コースケ様。なぜシャリーナ隊長を」
「フログス伯爵のあの紋章、シャリーナさんならわかるんじゃないかなと思ったんだけど」
「あっ、そうですね。私が知ってるくらいですからシャリーナ隊長ならもっとよく知っておられるかも。解呪の方法も知っておられるかもしれませんね」
パチンと手を叩くミュゼリア。
「ああ。だからバスティーアさん」
「はい。了承いたしました。それとひとつお尋ねしてもよろしいでしょうか」
「はい。なんでしょうか」
「変な感じすると言われたのはあの塔でございましたな。あの塔のいずこからその感じはございましたでしょうか」
功助は城の中でも一番高い塔を見上げた。
「そうですね。あのあたりかな。上から三分の一のあたり。あの窓が三つならんでいるあたりでしょうか」
「わかりました。あの塔の最上階には陛下と王妃様がおられるのです。もしかすると魔族が陛下たちを亡き者にしようとしているのかもしれません。まあ陛下たちのお傍とその下の階には金の騎士と銀の騎士がおりますので心配はないかと思いますが」
「わかりました。ではそちらのことはお任せしました」
「はい。それでコースケ様はどうされるのですか」
「俺は…」
大暴れしているシオンベールの方とフェンリルと戦っているドラゴンたちの方を見るとこう言った。
「俺はシオンを助け、フェンリルを倒します」
その時、朝日が東の地平線から昇った。そして一筋の光が功助の全身を照らした。
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