(完)恋なんてのは忌まわしいだけだが必要だよ

川なみな

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「 2ー28 」あの方が登場

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♪イッチャイナーのメロディーを聞いただけで、待ての体制になるオヤジと息子(2匹の犬)。


「もう、やめてよ。喧嘩するなら、してあげないよ。いいの?」


薫は睨みつけたが、迫力が足りない。津海小路氏は、機嫌とりを始める始末。


「薫、怒るな。2人で世界に飛び出そう。そして、お前の魔力で世界中の金持ちを虜にするんだ。そうすれば、大金持ちになれるぞ。城なんて幾つでも建てられる。権力が簡単に手に入る。素晴らしいじゃないか!」


その時、声が鳴り響いた。聞き覚えのある声だ。


「この、ウツケ者めが!!」


天井から沸いて現れたのは、巨大な猫の顔であった。白い毛並みにギラギラと光る金色の目。津海小路氏は、仰天してひれ伏した。


「これは、如花様ーー!」


如花は、口を開けて牙を剥く。バリバリと伝わってくる空気が怒りの凄まじさを教えていた。


「まだ、お前は欲に絡んでおるにゃ。何が、城を幾つもじゃ。権力じゃ。馬鹿犬、阿保、スカンタン、ろくでなし。北極の海に捨て置いてやるにゃっ!!」


薫は呆気にとられていたが、足元にチョコチョコと走って来る小さな影に気づいた。


「鼠下駄さん!」

「薫上人、安心なされませ。旦那様が来たからには、あの満年発情期犬との婚姻は無しでございます。」


その言葉に、ホッとする。涙が零れ落ちた。泣いていてる薫に、鼠下駄は走る。動揺して立ちすくんでいる御前様の元へ行く為だ。


「これ、馬鹿犬の息子よ。上人をお慰めしろ。お仕えする者として、芸が無さすぎではないか。私を見習え!」


足を噛まれて、慌てて薫の側へ行く。肩に手を置いただけなのに、しがみつかれて困惑。何故か懐かれていると、分かってない人。

とにもかくにも、これで一件落着。薫は、オヤジの妻にならなくて済んだのだった。


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