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異世界と哀れな少年
第9話 サンキューディース!
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タイマーの音で目が覚めると、三時間しか寝ていないのに意外と頭はすっきりしていた。
同じく目を覚ましたマリアが甘えてくるのに少しドキドキしながらも、義手と義足を付けてあげる。
しかし、、、。
(体が軽いな)
レオンさんに強化系の魔法を掛けて貰ったんだけど、その効果が未だにある。
(いくらなんでも効果が続き過ぎじゃね?)
そう思いながら手を開いたり閉じたりして力の入り具合を確かめてると、
「どうしたんですか?」
ソファーに座って靴下を履きながらマリアが聞いてきた。
「レオンさんに掛けて貰った強化魔法の効果が未だに続いているんだ」
マリアは驚いた様で「え?スゴいじゃないですか!流石ですご主人様!私なんて少ししたら直ぐに効果が切れちゃいましたよ?」と言った。
「え?マジ?」
「マジっす!」
そっか、マリアもあの時僕の背中にいたから効果が現れたんだ。
でもなんでだ?
なんでマリアは魔法の効果が切れたのに僕は効果が未だに切れない?
そんな事を考えながら、無料冷蔵庫かビールを2缶取り出し、クローゼットの中に入れて、僕も装備をもう一度整えると、マリアと一緒にラブホテルを出た。
レオンさんに缶ビールを2缶渡すと、レオンさんはコソコソとそれをイッキ飲みするレオンさんに、
「レオンさん?昨日レオンさんに掛けてもらった『ブレイブ』とか、『プロテス』とかのブースト系の奇蹟って効果はどれぐらい続くもんなんですか?」
「長くて3分ぐらいだろ。奇蹟の掛け手と受け手の適正によっても前後するがな」
なんてこった。
先の戦闘から9時間以上経っているぞ。3分なんてとっくの昔に過ぎてんじゃん。
「じゃあ。僕、レオンさんに掛けてもらった強化魔法がまだ掛かったままなんですけど、そんな事ってあるんですか?」
「有り得ねぇな」レオンさんはバッサリと否定した。
でも、マリアとエッチをして、『ラブホテル』の恩恵を得ているんだけど、その数値がステータスプラス100だった。
で今は?
というとプラス180。
80も増えたままなのだ。
「どうせ、お前さんが神様から貰った『力』の恩恵だろうよ」
「そうなりますか?」
「なんだよ?心当たりはねぇのかよ?」
心当たりと言われれば、マリアとのエッチぐらいだ、
僕のいつもユニークスキルのラブホテルは女性を連れ込んでやればやるほど僕の能力にプラス補正が掛かる。
それで、二日前にマリアとエッチしてプラス補正を授かったんだけど、その補正は100。
プラス100の補正を授かったのをエッチした夜に確認した。
そして、昨日の魔物との戦闘中にレオンさんに強化魔法を色々掛けてもらった。
それが今も残ってる?
何か釈然としない。
レオンさんの強化魔法が残ってると考えるのも不自然だし。マリアとエッチをして得たプラス補正が遅れて戦闘中にも現れたと考えるのも不自然だし、タイミングがおかしいんだよね。
一つ気になるのが、
何かの変化が僕の能力に変化を加えたと想像する。
そうすると、、、
あの時の一番の変化といえば一つだ。
そしてある考えが浮かぶが、その恐ろしさに思考を思わず閉じる。
(まさかね)
そう思いながら、ステータスオープンと念じる。
田中洋一タナカヨウイチ
レベル 28
HP280/280
MP250/250
力 112(スキル補正+180)
敏捷 82(スキル補正+180)
体力 90(スキル補正+180)
知力 71(スキル補正+180)
魔力 110(スキル補正+180)
《スキル》
・異邦人の杖・
シューザルド言語・文字収得
・ラブホテル・
ラブホテルを使用できる
異性を連れ込んでやることをやると能力アップ。
但し、一人の異性につき一回のみ。
プロノーカウント。
強姦ノーカウント。
同性同士の利用不可。
・クローゼット解放2・
クローゼットに残ったアイテム限定でお取り置きします。
クローゼットと指定のアイテムポーチを繋げます
神聖魔法
・ヒール・
傷を癒す事が出来る(効果小)
・ハイヒール・
傷を癒す事が出来る(効果中)
・エクストラヒール・
体の欠損をも癒す事が出来る
・ライト・
明かりを灯す事が出来る
・キュア・
解毒
・光乃護封剣・
対象を貫くと一定時間拘束出来る
・剣術レベル3・
使用可能スキル 二段突き 柳 一閃
ステータスを確認するが、スキルのラブホテルの内容に変更は無いしな。
それから空が徐々に明るく成ってくると魔物も徐々に現れ始めた。でも現れる魔物はゴブリンやオークといった魔物ばかりで、ましてや僕にはプラス補正が180も掛かったままだったので、出来るだけ音を立てないように寝てる冒険者に気を使いながら魔物を倒していたのだけど、流石に命を危険に晒してまで静かになんて出来はしない。
すると
「あぁ~!ウルッセェ!」
そう怒鳴りながらレオンさんが起きた。
「もっと静かに出来ねぇのかよ!」
そりゃ無理だろ。
そう思っていたらジーンさんが代表して、
「無理言わないでくださいよ!」
そう怒鳴ると、
「もういい!てめぇら全員起きろ!町へ帰還すんぞ!」
その言葉に寝ていた冒険者が次々と起き上がる。
ダンジョン以外の場所では一番権限が強いのがレオンさんなので仕方ない。兵士さんも馬車を動かす準備を始める。
それに、どちらかというとレオンさん達の休憩の終わり待ちだったから皆ありがたい。
早く町に帰って休みたいというのは皆思っている事だろう。
それに魔物の血の臭いが段々強くなっており、このままだとどんどん魔物が集まってくる事になる。
そして町へと動き始めると案の定出会う魔物の数が減った。引き連れる馬車が少ないのが良いのだろう。魔物との戦闘要員が多くなるため進むスピードは悪くない。だからもちろろんマリアは僕の背中だ。
マリアの義手と義足はウッドパヘットという魔物の死体(?)を利用した物で、あまり強い力は出せない。
今回の報酬で新しい義手と義足を買った方が良さそうだ。
多少高い商品でもクロードさんが『取り敢えず金貨1万枚支払いますね』って言ってたしそこそこ良いものが買えるとおもう。
金貨1万枚か。
すげぇな。
何買おう。このレオンさんから借りている装備を新しくしても良いのかな?
そんな、取らぬ狸のなんとやらをしていたら、不機嫌そうなレオンさんが来た。
不機嫌な理由は睡眠不足だろう。
「あの兵士の事を信用するなよ?」
あの兵士とは、多分クロードさんの事を言っているんだろう。
「どうしてですか?」
「いっちゃあ悪いが、お前のクラスメイト達が砦の手前で死なずに、無事にダンジョンに入ったとしても生きて帰って来れたとは思えねぇ」
レオンさんはそう言って僕の目を強く見つめてくる。
「つまり僕のクラスメイトを殺すために、クロードさんは僕のクラスメイトを、空城君達をダンジョンに放り込もうとしたってこと?」
「そうだ。しかも不自然だ。あのクロードとかいう男、隠しているがかなり腕が良いぞ、多分わざと魔物の攻撃を体に受けてそれをお前に治させたな」
「何のためです?」
「そりゃ異世界転移者であるお前の力量を計るためだろうよ」
「えぇ?そんな、意味なくないですか?」
「おおかた、他が使い物に成らなかったって所じゃねぇか?」
レオンさんはそう言って顎で空城君の乗る馬車を指した。
うぅむ。確かに、空城君はちょっと弱すぎるというか、そもそも真面目に剣を振ったことがないんじゃあないかな?って感じで、強いとか弱いとか以前の問題だった。
そんなんじゃあ確かに愛想も尽かしちゃいそう。
「そこでお前だ。剣術はダメダメだし、根性もねぇし、センスの欠片も無いお前だけど。他の奴等よりは少しだけマシだからな、、、少しだけな?」
(そこは誉めてくれてもいいじゃあ、、、)
そう思いつつ、
「はぁ、でも僕は今はもう冒険者ですよ?さっさと城を出ちゃいましたし」
「だからだよ、お前を引き込もうと今さら躍起になってんのさ」
マジかぁ。
ちょっとウザいかも。
「あと、『国王が賠償金を支払う』と言っていたのも気になるな」
「はぁ」
「カーンティの話じゃあ城で異世界人を纏めてんのは王女様って話だが、ここで国王って言葉が出てくるって事はアイツは国王の直近だと考えられる。しかも、アイツはヨウイチ、お前には様を付けて呼んでるが、クウジョウとかいう男には殿を付けて呼んでいた」
「そうでした?」
僕がそう言うとレオンさんは少し呆れた顔をして説明してくれた。
「つまりはこうだ、クロードは国王の命令でこのクエストを立てた。んでその目的は2つ、
お前のクラスメイト達を殺す目的と、お前の力量を計る。
この2つの目的でこのクエストを立てたんだ」
「え?じゃあ僕がこのクエストに参加するように最初から仕組まれていたって事ですか?」
「そりゃそうだろうよ。お前の行きつけの神殿に召集令状を出すと、お前が来るって分かってたって事さ」
神聖魔法に適正の高い人間はわりと少ないらしく、戦闘から遠ざけられる事が多いのだが、大規模戦闘とか、町や城の有事の際には戦場へもちろん駆り出される。
そういう時は『召集令状』が神殿宛に届いて、その神殿の中から指定の人数を出さないといけないというルールがあった。
「つまり、アイツはお前の行き付けの神殿に召集令状を出せばお前が来ると知っていた、つまりはお前の身辺はかなり調べられているって事だぞ?」
「ええ?それは流石に考えすぎじゃあないですか?」
「だったら良いがな、俺のみこみじゃあ。さっきも言ったが、
アイツは国王の手下でお前のクラスメイトを殺すのと、お前の力量を計る為にこのクエストを立てた。そして、無事お前のクラスメイトを減らす事に成功、お前の力量を見て、お前のクラスメイトよりお前の方が少しだけマシかな?って思ってクウジョウとかいう一応勇者からお前に乗り換えた」
「はぁ」
「しかも問題はそれを隠すつもりが無いって所だ。お前には様を付けて呼んで、クウジョウには殿を付けて呼んで。明らかに、お前を懐柔しようとしてきている」
(とりあえず出来るだけクロードさんとは出来るだけ距離を取っておこっと)
そう思ったのだけど、
全能力中で一番知力が低い僕は、クロードさんが僕の近くに来て、
「タナカ様!今度お城に来てくださいよ!賠償金の支払と謝罪も含めて、司祭様に交渉して特別にレア奇蹟をタナカ様にご教授頂くよう掛け合っておくんで!」
と言ってくれると、
レアの言葉に弱い僕は、「え!マジ!イインスカ!」と快諾。
「もちろんです!この国一番の神聖魔法の使い手と呼ばれるレビ様だけが使えるという奇蹟がいくつかあるんですけど、タナカ様ならきっとどれも使える様になりますよ!国王様も是非お会いしたいと仰っておりましまし!」
「うっわ!マジサンキューディース!」
そんな風に軽く受け入れる僕を見てレオンさんは頭を抱えていた。
同じく目を覚ましたマリアが甘えてくるのに少しドキドキしながらも、義手と義足を付けてあげる。
しかし、、、。
(体が軽いな)
レオンさんに強化系の魔法を掛けて貰ったんだけど、その効果が未だにある。
(いくらなんでも効果が続き過ぎじゃね?)
そう思いながら手を開いたり閉じたりして力の入り具合を確かめてると、
「どうしたんですか?」
ソファーに座って靴下を履きながらマリアが聞いてきた。
「レオンさんに掛けて貰った強化魔法の効果が未だに続いているんだ」
マリアは驚いた様で「え?スゴいじゃないですか!流石ですご主人様!私なんて少ししたら直ぐに効果が切れちゃいましたよ?」と言った。
「え?マジ?」
「マジっす!」
そっか、マリアもあの時僕の背中にいたから効果が現れたんだ。
でもなんでだ?
なんでマリアは魔法の効果が切れたのに僕は効果が未だに切れない?
そんな事を考えながら、無料冷蔵庫かビールを2缶取り出し、クローゼットの中に入れて、僕も装備をもう一度整えると、マリアと一緒にラブホテルを出た。
レオンさんに缶ビールを2缶渡すと、レオンさんはコソコソとそれをイッキ飲みするレオンさんに、
「レオンさん?昨日レオンさんに掛けてもらった『ブレイブ』とか、『プロテス』とかのブースト系の奇蹟って効果はどれぐらい続くもんなんですか?」
「長くて3分ぐらいだろ。奇蹟の掛け手と受け手の適正によっても前後するがな」
なんてこった。
先の戦闘から9時間以上経っているぞ。3分なんてとっくの昔に過ぎてんじゃん。
「じゃあ。僕、レオンさんに掛けてもらった強化魔法がまだ掛かったままなんですけど、そんな事ってあるんですか?」
「有り得ねぇな」レオンさんはバッサリと否定した。
でも、マリアとエッチをして、『ラブホテル』の恩恵を得ているんだけど、その数値がステータスプラス100だった。
で今は?
というとプラス180。
80も増えたままなのだ。
「どうせ、お前さんが神様から貰った『力』の恩恵だろうよ」
「そうなりますか?」
「なんだよ?心当たりはねぇのかよ?」
心当たりと言われれば、マリアとのエッチぐらいだ、
僕のいつもユニークスキルのラブホテルは女性を連れ込んでやればやるほど僕の能力にプラス補正が掛かる。
それで、二日前にマリアとエッチしてプラス補正を授かったんだけど、その補正は100。
プラス100の補正を授かったのをエッチした夜に確認した。
そして、昨日の魔物との戦闘中にレオンさんに強化魔法を色々掛けてもらった。
それが今も残ってる?
何か釈然としない。
レオンさんの強化魔法が残ってると考えるのも不自然だし。マリアとエッチをして得たプラス補正が遅れて戦闘中にも現れたと考えるのも不自然だし、タイミングがおかしいんだよね。
一つ気になるのが、
何かの変化が僕の能力に変化を加えたと想像する。
そうすると、、、
あの時の一番の変化といえば一つだ。
そしてある考えが浮かぶが、その恐ろしさに思考を思わず閉じる。
(まさかね)
そう思いながら、ステータスオープンと念じる。
田中洋一タナカヨウイチ
レベル 28
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MP250/250
力 112(スキル補正+180)
敏捷 82(スキル補正+180)
体力 90(スキル補正+180)
知力 71(スキル補正+180)
魔力 110(スキル補正+180)
《スキル》
・異邦人の杖・
シューザルド言語・文字収得
・ラブホテル・
ラブホテルを使用できる
異性を連れ込んでやることをやると能力アップ。
但し、一人の異性につき一回のみ。
プロノーカウント。
強姦ノーカウント。
同性同士の利用不可。
・クローゼット解放2・
クローゼットに残ったアイテム限定でお取り置きします。
クローゼットと指定のアイテムポーチを繋げます
神聖魔法
・ヒール・
傷を癒す事が出来る(効果小)
・ハイヒール・
傷を癒す事が出来る(効果中)
・エクストラヒール・
体の欠損をも癒す事が出来る
・ライト・
明かりを灯す事が出来る
・キュア・
解毒
・光乃護封剣・
対象を貫くと一定時間拘束出来る
・剣術レベル3・
使用可能スキル 二段突き 柳 一閃
ステータスを確認するが、スキルのラブホテルの内容に変更は無いしな。
それから空が徐々に明るく成ってくると魔物も徐々に現れ始めた。でも現れる魔物はゴブリンやオークといった魔物ばかりで、ましてや僕にはプラス補正が180も掛かったままだったので、出来るだけ音を立てないように寝てる冒険者に気を使いながら魔物を倒していたのだけど、流石に命を危険に晒してまで静かになんて出来はしない。
すると
「あぁ~!ウルッセェ!」
そう怒鳴りながらレオンさんが起きた。
「もっと静かに出来ねぇのかよ!」
そりゃ無理だろ。
そう思っていたらジーンさんが代表して、
「無理言わないでくださいよ!」
そう怒鳴ると、
「もういい!てめぇら全員起きろ!町へ帰還すんぞ!」
その言葉に寝ていた冒険者が次々と起き上がる。
ダンジョン以外の場所では一番権限が強いのがレオンさんなので仕方ない。兵士さんも馬車を動かす準備を始める。
それに、どちらかというとレオンさん達の休憩の終わり待ちだったから皆ありがたい。
早く町に帰って休みたいというのは皆思っている事だろう。
それに魔物の血の臭いが段々強くなっており、このままだとどんどん魔物が集まってくる事になる。
そして町へと動き始めると案の定出会う魔物の数が減った。引き連れる馬車が少ないのが良いのだろう。魔物との戦闘要員が多くなるため進むスピードは悪くない。だからもちろろんマリアは僕の背中だ。
マリアの義手と義足はウッドパヘットという魔物の死体(?)を利用した物で、あまり強い力は出せない。
今回の報酬で新しい義手と義足を買った方が良さそうだ。
多少高い商品でもクロードさんが『取り敢えず金貨1万枚支払いますね』って言ってたしそこそこ良いものが買えるとおもう。
金貨1万枚か。
すげぇな。
何買おう。このレオンさんから借りている装備を新しくしても良いのかな?
そんな、取らぬ狸のなんとやらをしていたら、不機嫌そうなレオンさんが来た。
不機嫌な理由は睡眠不足だろう。
「あの兵士の事を信用するなよ?」
あの兵士とは、多分クロードさんの事を言っているんだろう。
「どうしてですか?」
「いっちゃあ悪いが、お前のクラスメイト達が砦の手前で死なずに、無事にダンジョンに入ったとしても生きて帰って来れたとは思えねぇ」
レオンさんはそう言って僕の目を強く見つめてくる。
「つまり僕のクラスメイトを殺すために、クロードさんは僕のクラスメイトを、空城君達をダンジョンに放り込もうとしたってこと?」
「そうだ。しかも不自然だ。あのクロードとかいう男、隠しているがかなり腕が良いぞ、多分わざと魔物の攻撃を体に受けてそれをお前に治させたな」
「何のためです?」
「そりゃ異世界転移者であるお前の力量を計るためだろうよ」
「えぇ?そんな、意味なくないですか?」
「おおかた、他が使い物に成らなかったって所じゃねぇか?」
レオンさんはそう言って顎で空城君の乗る馬車を指した。
うぅむ。確かに、空城君はちょっと弱すぎるというか、そもそも真面目に剣を振ったことがないんじゃあないかな?って感じで、強いとか弱いとか以前の問題だった。
そんなんじゃあ確かに愛想も尽かしちゃいそう。
「そこでお前だ。剣術はダメダメだし、根性もねぇし、センスの欠片も無いお前だけど。他の奴等よりは少しだけマシだからな、、、少しだけな?」
(そこは誉めてくれてもいいじゃあ、、、)
そう思いつつ、
「はぁ、でも僕は今はもう冒険者ですよ?さっさと城を出ちゃいましたし」
「だからだよ、お前を引き込もうと今さら躍起になってんのさ」
マジかぁ。
ちょっとウザいかも。
「あと、『国王が賠償金を支払う』と言っていたのも気になるな」
「はぁ」
「カーンティの話じゃあ城で異世界人を纏めてんのは王女様って話だが、ここで国王って言葉が出てくるって事はアイツは国王の直近だと考えられる。しかも、アイツはヨウイチ、お前には様を付けて呼んでるが、クウジョウとかいう男には殿を付けて呼んでいた」
「そうでした?」
僕がそう言うとレオンさんは少し呆れた顔をして説明してくれた。
「つまりはこうだ、クロードは国王の命令でこのクエストを立てた。んでその目的は2つ、
お前のクラスメイト達を殺す目的と、お前の力量を計る。
この2つの目的でこのクエストを立てたんだ」
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「そりゃそうだろうよ。お前の行きつけの神殿に召集令状を出すと、お前が来るって分かってたって事さ」
神聖魔法に適正の高い人間はわりと少ないらしく、戦闘から遠ざけられる事が多いのだが、大規模戦闘とか、町や城の有事の際には戦場へもちろん駆り出される。
そういう時は『召集令状』が神殿宛に届いて、その神殿の中から指定の人数を出さないといけないというルールがあった。
「つまり、アイツはお前の行き付けの神殿に召集令状を出せばお前が来ると知っていた、つまりはお前の身辺はかなり調べられているって事だぞ?」
「ええ?それは流石に考えすぎじゃあないですか?」
「だったら良いがな、俺のみこみじゃあ。さっきも言ったが、
アイツは国王の手下でお前のクラスメイトを殺すのと、お前の力量を計る為にこのクエストを立てた。そして、無事お前のクラスメイトを減らす事に成功、お前の力量を見て、お前のクラスメイトよりお前の方が少しだけマシかな?って思ってクウジョウとかいう一応勇者からお前に乗り換えた」
「はぁ」
「しかも問題はそれを隠すつもりが無いって所だ。お前には様を付けて呼んで、クウジョウには殿を付けて呼んで。明らかに、お前を懐柔しようとしてきている」
(とりあえず出来るだけクロードさんとは出来るだけ距離を取っておこっと)
そう思ったのだけど、
全能力中で一番知力が低い僕は、クロードさんが僕の近くに来て、
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と言ってくれると、
レアの言葉に弱い僕は、「え!マジ!イインスカ!」と快諾。
「もちろんです!この国一番の神聖魔法の使い手と呼ばれるレビ様だけが使えるという奇蹟がいくつかあるんですけど、タナカ様ならきっとどれも使える様になりますよ!国王様も是非お会いしたいと仰っておりましまし!」
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