異世界と剣と魔法とダルマな彼女

ユタポンヌ

文字の大きさ
36 / 54
異世界と哀れな少年

第9話 サンキューディース!

しおりを挟む
  タイマーの音で目が覚めると、三時間しか寝ていないのに意外と頭はすっきりしていた。

  同じく目を覚ましたマリアが甘えてくるのに少しドキドキしながらも、義手と義足を付けてあげる。

  しかし、、、。

  (体が軽いな)

  レオンさんに強化系の魔法を掛けて貰ったんだけど、その効果が未だにある。

  (いくらなんでも効果が続き過ぎじゃね?)

  そう思いながら手を開いたり閉じたりして力の入り具合を確かめてると、

  「どうしたんですか?」

  ソファーに座って靴下を履きながらマリアが聞いてきた。

  「レオンさんに掛けて貰った強化魔法の効果が未だに続いているんだ」

  マリアは驚いた様で「え?スゴいじゃないですか!流石ですご主人様!私なんて少ししたら直ぐに効果が切れちゃいましたよ?」と言った。

  「え?マジ?」

  「マジっす!」

  そっか、マリアもあの時僕の背中にいたから効果が現れたんだ。

  でもなんでだ?
  なんでマリアは魔法の効果が切れたのに僕は効果が未だに切れない?

  そんな事を考えながら、無料冷蔵庫かビールを2缶取り出し、クローゼットの中に入れて、僕も装備をもう一度整えると、マリアと一緒にラブホテルを出た。

  レオンさんに缶ビールを2缶渡すと、レオンさんはコソコソとそれをイッキ飲みするレオンさんに、

  「レオンさん?昨日レオンさんに掛けてもらった『ブレイブ』とか、『プロテス』とかのブースト系の奇蹟って効果はどれぐらい続くもんなんですか?」

  「長くて3分ぐらいだろ。奇蹟の掛け手と受け手の適正によっても前後するがな」

  なんてこった。
  先の戦闘から9時間以上経っているぞ。3分なんてとっくの昔に過ぎてんじゃん。

  「じゃあ。僕、レオンさんに掛けてもらった強化魔法がまだ掛かったままなんですけど、そんな事ってあるんですか?」

  「有り得ねぇな」レオンさんはバッサリと否定した。

  でも、マリアとエッチをして、『ラブホテル』の恩恵を得ているんだけど、その数値がステータスプラス100だった。
  で今は?
  というとプラス180。
  80も増えたままなのだ。

  「どうせ、お前さんが神様から貰った『チート』の恩恵だろうよ」

  「そうなりますか?」

  「なんだよ?心当たりはねぇのかよ?」

  心当たりと言われれば、マリアとのエッチぐらいだ、
  僕のいつもユニークスキルのラブホテルは女性を連れ込んでやればやるほど僕の能力にプラス補正が掛かる。
  それで、二日前にマリアとエッチしてプラス補正を授かったんだけど、その補正は100。
  プラス100の補正を授かったのをエッチした夜に確認した。
  そして、昨日の魔物との戦闘中にレオンさんに強化魔法を色々掛けてもらった。
  それが今も残ってる?

  何か釈然としない。
  レオンさんの強化魔法が残ってると考えるのも不自然だし。マリアとエッチをして得たプラス補正が遅れて戦闘中にも現れたと考えるのも不自然だし、タイミングがおかしいんだよね。

  一つ気になるのが、
  何かの変化が僕の能力に変化を加えたと想像する。
  そうすると、、、

  あの時の一番の変化といえば一つだ。
  
  そしてある考えが浮かぶが、その恐ろしさに思考を思わず閉じる。  

  (まさかね)

  そう思いながら、ステータスオープンと念じる。
  


田中洋一タナカヨウイチ

レベル 28

HP280/280
MP250/250

力  112(スキル補正+180)
敏捷 82(スキル補正+180)
体力 90(スキル補正+180)
知力 71(スキル補正+180)
魔力 110(スキル補正+180)


《スキル》
・異邦人の杖・
シューザルド言語・文字収得

・ラブホテル・
ラブホテルを使用できる
異性を連れ込んでやることをやると能力アップ。
但し、一人の異性につき一回のみ。
プロノーカウント。
強姦ノーカウント。
同性同士の利用不可。

・クローゼット解放2・
クローゼットに残ったアイテム限定でお取り置きします。
クローゼットと指定のアイテムポーチを繋げます

神聖魔法
・ヒール・
傷を癒す事が出来る(効果小)
・ハイヒール・
傷を癒す事が出来る(効果中)
・エクストラヒール・
体の欠損をも癒す事が出来る
・ライト・
明かりを灯す事が出来る
・キュア・
解毒
・光乃護封剣・
対象を貫くと一定時間拘束出来る

・剣術レベル3・
  使用可能スキル 二段突き 柳 一閃


  ステータスを確認するが、スキルのラブホテルの内容に変更は無いしな。

  それから空が徐々に明るく成ってくると魔物も徐々に現れ始めた。でも現れる魔物はゴブリンやオークといった魔物ばかりで、ましてや僕にはプラス補正が180も掛かったままだったので、出来るだけ音を立てないように寝てる冒険者に気を使いながら魔物を倒していたのだけど、流石に命を危険に晒してまで静かになんて出来はしない。
  すると
 
  「あぁ~!ウルッセェ!」

  そう怒鳴りながらレオンさんが起きた。

  「もっと静かに出来ねぇのかよ!」

  そりゃ無理だろ。
  そう思っていたらジーンさんが代表して、

  「無理言わないでくださいよ!」

  そう怒鳴ると、

  「もういい!てめぇら全員起きろ!町へ帰還すんぞ!」 

  その言葉に寝ていた冒険者が次々と起き上がる。
  ダンジョン以外の場所では一番権限が強いのがレオンさんなので仕方ない。兵士さんも馬車を動かす準備を始める。

  それに、どちらかというとレオンさん達の休憩の終わり待ちだったから皆ありがたい。
  早く町に帰って休みたいというのは皆思っている事だろう。

  それに魔物の血の臭いが段々強くなっており、このままだとどんどん魔物が集まってくる事になる。

  そして町へと動き始めると案の定出会う魔物の数が減った。引き連れる馬車が少ないのが良いのだろう。魔物との戦闘要員が多くなるため進むスピードは悪くない。だからもちろろんマリアは僕の背中だ。

  マリアの義手と義足はウッドパヘットという魔物の死体(?)を利用した物で、あまり強い力は出せない。
  今回の報酬で新しい義手と義足を買った方が良さそうだ。
  多少高い商品でもクロードさんが『取り敢えず金貨1万枚支払いますね』って言ってたしそこそこ良いものが買えるとおもう。

  金貨1万枚か。

  すげぇな。
  何買おう。このレオンさんから借りている装備を新しくしても良いのかな?

  そんな、取らぬ狸のなんとやらをしていたら、不機嫌そうなレオンさんが来た。
  不機嫌な理由は睡眠不足だろう。

  「あの兵士の事を信用するなよ?」

  あの兵士とは、多分クロードさんの事を言っているんだろう。

  「どうしてですか?」

  「いっちゃあ悪いが、お前のクラスメイト達が砦の手前で死なずに、無事にダンジョンに入ったとしても生きて帰って来れたとは思えねぇ」

  レオンさんはそう言って僕の目を強く見つめてくる。

  「つまり僕のクラスメイトを殺すために、クロードさんは僕のクラスメイトを、空城君達をダンジョンに放り込もうとしたってこと?」

  「そうだ。しかも不自然だ。あのクロードとかいう男、隠しているがかなり腕が良いぞ、多分わざと魔物の攻撃を体に受けてそれをお前に治させたな」

  「何のためです?」

  「そりゃ異世界転移者であるお前の力量を計るためだろうよ」

  「えぇ?そんな、意味なくないですか?」

  「おおかた、他が使い物に成らなかったって所じゃねぇか?」

  レオンさんはそう言って顎で空城君の乗る馬車を指した。
  うぅむ。確かに、空城君はちょっと弱すぎるというか、そもそも真面目に剣を振ったことがないんじゃあないかな?って感じで、強いとか弱いとか以前の問題だった。
  そんなんじゃあ確かに愛想も尽かしちゃいそう。

  「そこでお前だ。剣術はダメダメだし、根性もねぇし、センスの欠片も無いお前だけど。他の奴等よりは少しだけマシだからな、、、少しだけな?」

  (そこは誉めてくれてもいいじゃあ、、、)

  そう思いつつ、

  「はぁ、でも僕は今はもう冒険者ですよ?さっさと城を出ちゃいましたし」

  「だからだよ、お前を引き込もうと今さら躍起になってんのさ」

  マジかぁ。
  ちょっとウザいかも。

  「あと、『国王が賠償金を支払う』と言っていたのも気になるな」

  「はぁ」

  「カーンティの話じゃあ城で異世界人を纏めてんのは王女様って話だが、ここで国王って言葉が出てくるって事はアイツは国王の直近だと考えられる。しかも、アイツはヨウイチ、お前には様を付けて呼んでるが、クウジョウとかいう男には殿を付けて呼んでいた」

  「そうでした?」

  僕がそう言うとレオンさんは少し呆れた顔をして説明してくれた。

  「つまりはこうだ、クロードは国王の命令でこのクエストを立てた。んでその目的は2つ、
  お前のクラスメイト達を殺す目的と、お前の力量を計る。
  この2つの目的でこのクエストを立てたんだ」

  「え?じゃあ僕がこのクエストに参加するように最初から仕組まれていたって事ですか?」

  「そりゃそうだろうよ。お前の行きつけの神殿に召集令状を出すと、お前が来るって分かってたって事さ」

  神聖魔法に適正の高い人間はわりと少ないらしく、戦闘から遠ざけられる事が多いのだが、大規模戦闘とか、町や城の有事の際には戦場へもちろん駆り出される。
  そういう時は『召集令状』が神殿宛に届いて、その神殿の中から指定の人数を出さないといけないというルールがあった。

  「つまり、アイツはお前の行き付けの神殿に召集令状を出せばお前が来ると知っていた、つまりはお前の身辺はかなり調べられているって事だぞ?」

  「ええ?それは流石に考えすぎじゃあないですか?」

  「だったら良いがな、俺のみこみじゃあ。さっきも言ったが、
  アイツは国王の手下でお前のクラスメイトを殺すのと、お前の力量を計る為にこのクエストを立てた。そして、無事お前のクラスメイトを減らす事に成功、お前の力量を見て、お前のクラスメイトよりお前の方が少しだけマシかな?って思ってクウジョウとかいう一応勇者からお前に乗り換えた」

  「はぁ」

  「しかも問題はそれを隠すつもりが無いって所だ。お前には様を付けて呼んで、クウジョウには殿を付けて呼んで。明らかに、お前を懐柔しようとしてきている」  

  (とりあえず出来るだけクロードさんとは出来るだけ距離を取っておこっと)

  そう思ったのだけど、
  全能力中で一番知力が低い僕は、クロードさんが僕の近くに来て、

  「タナカ様!今度お城に来てくださいよ!賠償金の支払と謝罪も含めて、司祭様に交渉して特別にレア奇蹟をタナカ様にご教授頂くよう掛け合っておくんで!」

  と言ってくれると、

  レアの言葉に弱い僕は、「え!マジ!イインスカ!」と快諾。

  「もちろんです!この国一番の神聖魔法の使い手と呼ばれるレビ様だけが使えるという奇蹟がいくつかあるんですけど、タナカ様ならきっとどれも使える様になりますよ!国王様も是非お会いしたいとおっしゃっておりましまし!」

  「うっわ!マジサンキューディース!」

  そんな風に軽く受け入れる僕を見てレオンさんは頭を抱えていた。
しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

八百万の神から祝福をもらいました!この力で異世界を生きていきます!

トリガー
ファンタジー
神様のミスで死んでしまったリオ。 女神から代償に八百万の神の祝福をもらった。 転生した異世界で無双する。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

処理中です...