オレは異世界で魔王たんに恋をする!!

ユタポンヌ

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勇者たんこんにちは。

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  ウサギさんという人がいる。
  名前がウサギだと聞けば可愛い女性をイメージするかもしれない。

  ウサギといえば、可愛く、丸くって、弱くって(この世界のウサギは弱くは無いが)、寂しいと死んじゃう。
  そんなイメージでは無いだろうか。間違っても男のイメージとしては浮かばない無いだろう。

  そしてそのウサギさんという人は自分の事を『ウサギちゃんって呼んで?』と言うのだが、男である。それも筋骨粒々とし、背も2メートル以上はある。
  大男である。
  月に代わってお仕置きどころか、『月に代わってメテオストライク!』そんな風体なのだが、残念。

  『ウサギちゃんって呼んで?』

  そう言うのだ。
  ハゲで、声が太くって、おっさんなのに。
  そう、そのおっさんは心が乙女なのであった。

  残念。

  そう言わざるを得ない。よりによって、なぜこんな男性ホルモンしか感じない男として産まれてしまったのか、、、。
  なのに、

  「私!ぎっとセイ君と出会うために産まれてきだ!」

  そう言うのだ。
  無理は言わないで欲しい。

  「いや、オレにはジったん(魔王たん)がいるんで」

  「そんなぁ!ウサギとセイ君はお仲間じゃない!」

  お仲間じゃあ無い。
  ウサギさんはオカマだ。「だから違うって、オレは男として男が好きなの!ウサギさんは心が女なんでしょ?」

  「ぞうよ?でも良いじゃない!スッゲェムカつく事に体は男なんだから!」

  「マジサーセン。オレ、ストライクゾーン激狭なんス」

  ウサギさんは『ムムム!』って唸りながら、打ち終わった剣を研ぐ。色々喋りながらもウサギさんの手は同じリズムでずっと動いてる。

  今オレはウサギさんに鍛治を教えて貰っていた。
  ウサギさんはピンクの武器や防具しか作らないが、凄腕の鍛治師だ。
  しかも昔は剣を振る側だったそうで良い武器や防具の条件を知り抜いており、ウサギさんの作った武器はとても使いやすかった。
  ピンクだけど。

  この間入手した魔物のドロップアイテムで、防具に使えそうな物があったのだけど、ウサギさんに見せると、

  『あぁ。残念。私はこれを加工出来ないわぁ。だってこの素材ピンクに出来ないんですもの』

  と言っていた。
  つまりウサギさんはピンクにならない物は作らないというポリシーを持っていた。
  そんなピンクの武器や防具、誰が使うんだ?
  そう思うだろう。
  もちろん誰も使わない。
  
  そして今研いでいる武器ももちろん誰も買わない。
  誰も買わない剣を俺に作り方を見せる為だけに作っているのだ。

  優しいんだけどなぁ。

  オレももうちょっと、ウサギさんの身長が50センチぐらい低くって、声が『ダミ声』じゃあ無くて。顔もこんなオッサンみたいじゃ無くて、カワイイ顔で。
  髪の毛が有ったらなぁ。

  腕には毛がめっちゃ生えてるけど、頭には一本も毛が無いんだよな。
  そう思いながらゴツい腕を見ていると、

  「あら!ヤダ!私の腕見ないで!お毛けの処理しなてないんだがら!」

  ウサギさんはそう言って剛毛の生えた腕を隠そうとするが、

  「いや、大丈夫です。違和感無いですよ」

  そう教えてあげた。

  それから、見よう見まねでインゴットを叩き、最後に研いでナイフを作り出すと『鍛治』のスキルが1になっていた。

  その剣をナイフ鑑定すると、

  《初心者のナイフ:一番安い材料で作ったナイフ。初心者向け、作った人も初心者・攻撃力+3》

  と、こんな残念な感じだ。
  もちろんスロットなんて付いてない。
  だけど、

  「上手よぉ。セイちゃん!私のやってる事がぢゃんと分かってるじゃない!」 

  そうウサギさんは誉めてくれた。
  でも、鑑定すると初心者向けだし、作った人も初心者って出たと言うと、「そんな事ないわ!私なんて最初作ったときは『刃引きされたナイフ』って出たんだから!」と言った。

  今のウサギさんからはそんなナイフ想像できないけど、ありがたく誉め言葉として頂戴した。

  ちなみにこれに魔石を混ぜて打てばスロットが付くらしい。
  ただし、魔石を入れれば入れるほど仕上がりが脆くなるから調節は難しい。ウサギさんはショートソードだとスロットは2が限界だそうだ。
  もちろん合わせるインゴットにも寄るそうでおいおい教えてもらいます。

  その日はそのままずっとインゴットを叩いて過ごした。
  炉の温度を上げる材料もインゴットも全部ウサギさん持ちでだ。

  ・

  その時神様達は、、、。

  「大丈夫なのかの?」

  儂がそう聞くとロキ神である女神は、「だ、大丈夫よ!」と言った。

  「絶対に何か悪い事を考えとると思うぞ?」

  儂の言ってるのはこの女神が加護を与えた者の事じゃ。
  こやつが加護を与えたウィルという者は加護の力で悪い事をしているとは言わないが、あまり加護を持った者として正しい行動をしているとは思えなかった。

  「やっぱりウィルとやらの頭の中を覗いて何を考えとるか見た方が良いのではないか?」

  そう聞くが女神は、「ヤだよ。そんな事したくない」と言った。

  儂やセイの頭の中は覗くくせに、変な正義感を見せおって。

  「しかしあの者達に悪しき事をしようとしていたらどうするんじゃ?」

  「、、、そんな事しないもん。それにフェンリルの森はトール神が作ったからどのみちウィルがあの森にいる以上、私はもう干渉出来ないし、頭の中なんて到底見れないし、、、」

  なるほどのぉ。「ではあの者の出方を見るしか無いのぉ。しかし何でこの様な事になったのだ?」女神はセイに異世界から来た者を探るように神託を下した。ウィルが探る必要が無いというか、、、。

  「神殿には神託を下して、魔王からの『宣戦布告』は無視して良いと伝えたんだけど、全体には伝わって無いみたい」

  それで軍隊では無く、自称勇者が一人魔王の城へと向かっとる分けか。

  「大丈夫かのう?」

  「大丈夫よ!ウィルはギルド長にも『探ってこい』って言われただけじゃん!セイにも気を付けるように伝えたし!私の世界に口を出すな!ボケ!」

  逆ギレしおった。  
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