菊の華

八馬ドラス

文字の大きさ
1 / 16
プロローグ

菊と華

しおりを挟む
菊と華 


「き~くちゃんっ!」 
 
昼休みに廊下を歩いてるときに急に後ろからやってきた。 
 
「麗華!後ろから抱きつくなよー!」 
「もう恥ずかしやがりさんめ~かわいいな~」 
「かわいいとかゆうなー!」 
 
麗華はいつもスキンシップが激しい。こんな人前でも構わずだから恥ずかしくて仕方ない。 
 
「きくちゃんこれからどこ行くの?」 
「昼飯買いに行く、あともういい加減はなれろよ」 
「もうつめたいな~、これでも幼馴染でしょ赤崎菊殿~」 
「なんだよその呼び方は...」 
 
こんなやり取りしてて周りからだどう思われてるんだ?「仲いい幼馴染」?でもきっとあたしが思っていることとはきっと違う、もっと別のなにか...とそんなことを考えてる間に購買についた。 
 
「私焼きそばパ~ン」 
「お前いつもそれだよな、私三食パン」 
「きくちゃんだっていつものじゃ~ん」 
 
そう、いつものことだ。いつもあたしの隣にやってきてはわかってるのに「どこいくの~」と猫みたいについてくる。そうしていつもの会話をしてパンを買って自販機でジュースも買ってから屋上に行く。 
 
「今日も風が気持ちいいね~」 
「日差しくっそあついー」 
「お口が悪いぞ~、でもあついね~さっさと食べちゃうか~」 
 
じゃあ屋上で食べるなと言おうとしてやめた。屋上はいつも人がいなくてこの時期だと特にいないから静かでいい。いつも話してくる麗華も食べるときだけは静かになる。 
 
「はむっ、んっんっ、ん~!」 
 
いつも食ってるのにおいしそうに食べるんだよなー、食べ方もきれいで。 
麗華は見た目もかわいいし気さくで話しやすい雰囲気もあるから人気者の類だなと思う。比べて私はそんなにかわいくないしガラが悪いからまわりでも近寄ってくるのは麗華ぐらいだ。あたしはそれでもかまわないけど。 
 
「は~おいしかった!ってまだ食べてるの?」 
「あっ」 
 
つい見とれてしまった、あたし今まで何考えてたんだ、と急いでパンを食べてるとき——


「私のことそんなに見つめてどしたの?」 
「ぐほっごほごほっ!」 
「あ~あ大丈夫?これ飲んで」 
「ごくっ、ごくっ、ぷはー死ぬかとおもったー...」
 
驚いた、あたしそんなに見つめてたのか...そういえばこのジュースって麗華が買ったやつ——— 
 
「間接キスだね~」 
「はあぁぁぁ!?」 
「そんなに驚かなくても~私は全然かまわないわよ~」 
「あたしが気にすんだよ!」 
 
だって麗華とキッ、キッ、キスって... 
 
「恥ずかしがっちゃってかわいい~」 
「だからかわいいってゆうな!」 
「はははっ、でも...まじめな話、私はきくちゃんとならしてもいいよ?」 
「はいはいそうですか...てっ、えええええええっ!」 
(麗華!?急にどうしたっ!?) 
「ずっと前から思ってたよ~、きくちゃんとこの先ずっと一緒に過ごしたいって。多分この気持ちは友情とかは違うまた別のーー」 
 
キーンコーンカーンコーン 
学校のチャイムが鳴った。 
 
「もう授業が始まるね、はやくいこ~」 
「っておい話の続きは—」 
「またこんどっ!」 
 
前を行く麗華の顔はよく見えなかったけど少し赤くなってた気がする。耳まで真っ赤だ。私の顔もきっとそうなってただろう。だって麗華が思ってることってあたしと...っていやいや何考えてんだあたし! 
 
(これもう授業どころじゃねえよ...) 
 
続く
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

百合短編集

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

春に狂(くる)う

転生新語
恋愛
 先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。  小説家になろう、カクヨムに投稿しています。  小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/  カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~

楠富 つかさ
恋愛
 中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。  佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。  「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」  放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。  ――けれど、佑奈は思う。 「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」  特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。  放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。 4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...