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第二章~昔話に華が咲く~
星野麗華は遊びたい
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~小学5年生 夏~
私、星野麗華には赤井菊という幼馴染がいる。帰るときはいつも一緒だし休みの日もどっちかの家に行って遊ぶこともある。だけど、学校の休み時間のときはいつも別々。私は周りの友達と教室でしゃべったり、図書室に行って占いの本を借りてはみんなでやってみたりとかなりのインドア派、きくちゃんはいつも外で男子に混ざってドッヂボールとかやってるアウトドア派。だから休み時間のときだけは一緒にいない。寂しくないといえばうそになるけど、きくちゃんは外で遊ぶ方が楽しいみたいだからそれでいいかなと思ってる。でもあるときーー。
「麗華、たまには外で遊ぼうぜ」
きくちゃんの方から遊びに誘ってきた。誘われるのは嬉しいけど、正直外で遊ぶのはあまり得意ではない。動いてもすぐに疲れちゃうからついていけなくなる。
「でも、私そんなに動けないから。ボール遊びとかは~...」
「うーん、そっかぁ」
きくちゃんは腕を組んであきらかに考えてますってポーズで考えてると、なにか思いついたのかパっと顔を上げた。
「じゃあ走ってみよう!」
「えっ?」
急に走ると言われてどういうことかわからなかった。
「なんで走るのよ~?」
「走ってればそのうち動けるようになるだろ。だったらみんなと遊べるようになる」
だから外出ようといわんばかりにきくちゃんは見つめてくる。
「ん~、わかったよ走るよ~...」
押しに押されて行くことになってしまった。すごい自信はない。
外に出ると溶けてしまうのではないかというほど暑かった。ニュースでも本場の夏がやってきたというのを言っていたのを思い出した。外ではすでに男子が外で遊んでいてよく遊べるなというちょっとした感心と私もこれからこの中を走るのかという絶望感に包まれていた。
「よし、とりあえず校庭の端っこから反対側まで走ってみよう」
「え~~...」
早速ハードルが高かった。
「よーい、どん!」
「あっ、ちょっとまってよ~」
まだ心の準備もできていないのにきくちゃんがスタートしたから私も走ることになった。私が校庭の半分を過ぎたころにはきくちゃんは反対側までゴールしていた。そして私のほうに手を振ってこっち~と声をかけてきた。きくちゃんの方に向かって走って、何とかゴールすることができた。ゴールしたころには息も絶え絶え汗もだらだら、立ってるのがやっとの状態だった。
「よし、じゃあまた向こうに走って戻ろう」
「また走るの~...せめてもうちょっと休んでからにしようよ~」
「ん、そうか。じゃあそっちの木の下に座ろう」
校庭にはいくつか大きな木が立っていて休み時間ぐらいのときだと影がちょうどいい広さになってるから座ってる人がたまにいる。やっと休めると座ってみると日差しは避けられた分ましだがまだ暑かった。
「そういえば、なんで、私を、外にさそ、ったの~?」
息を整えてからでも遅くないけど、気になってたから聞いてみた。
「あー、えっとー」
恥ずかしがっているのか少し顔をそむけて答えた。
「ほら、あたしらって休み時間のときはあまり一緒にいないだろ。一緒に遊べたらいいなぁと思っても麗華は外で遊ばないから、走れば体力もつくしそれから一緒に遊べるようになるかなって」
「体力がつくのはわかるけど、その割には一人で走ってったよね~?もう少し寄り添ってくれたっていいでしょ~?」
少しだけ元気になったから意地悪をいってみた。このぐらいは言う権利はある。
「悪かったよ...麗華のことちゃんと考えてやれなかった...」
ホントに悪いと思ってるときの顔だ。ほんとにきくちゃんは不器用なんだから。
「ほんとにもう。次からはちゃんと私のことも考えてよね~」
「うん、わかった...って次?また走ってくれるのか?」
「きくちゃんが私のために考えてくれたんだから、たまには走るよ~、今度は自分のペースも考えながらね」
今は全然追いつかないけど、いつかきくちゃんを追い抜きたい。そして驚かせてやるんだ。それで一緒に外で遊びたたい。私は芽生えたこの想いを叶えるために走ると決めた。
「じゃあもう少しだけ走ろう~...」
ふらっ........バタッ!
「麗華?...麗華!」
ーーーーーーー
気づいたときには保健室にいた。どうやら立ち上がった時にひどい立ち眩みにあったらしい。そのあときくちゃんが私を背負って保健室まで走ったそうだ。まああの暑さだったからね。外に慣れてない私だったら少し全力疾走しただけでもかなりきついだろう。きくちゃんは私が目覚めるまで保健室のベットのそばにいてくれたらしく、起きた時に説明してくれた、すごい泣きながら。起きてくれたことの安心と、こうさせてしまったのは自分のせいだという感情がぐちゃぐちゃになってるみたいで「よかったー!」と「ごめんなさ~いっ」を交互に言っていた。ずっと泣いてるきくちゃんの頭を軽くなでて落ち着かせようとした。
「大丈夫だから、もう泣かなくていいよ~」
そういうときくちゃんは私に抱き着いて「ごめんなさ~い」といってより一層大きく泣いてしまった。
そのあと学校を早退して家でずっと休んだ。きくちゃんがあんなに泣いてるの久しぶりに見たなぁ。明日会ったときは心配かけたこと謝らなくちゃ。それでまた、一緒に走って...。
ーーーーーーーーー
~現在~
「ん~~~...昔の思い出が夢に出てくることってホントにあるんだね~...」
麗華は朝目覚めて、見た夢の感想を呟いた。寝起きで少しだるい体を動かしカーテンを開けて、隣に住んでいる幼馴染のことを考えていた。
「あれから頑張って、私のほうが速くなっちゃったね~。って聞こえるはずもないか~」
朝あったら今度は面と向かって言ってやろ。そう思いながら軽く準備を済ませ一階のリビングに行った。
「ママおはよ~う!朝すごい夢見たの~!」
「おはよう。どんな夢見たの?」
「きくちゃんとの思い出~」
~続く~
私、星野麗華には赤井菊という幼馴染がいる。帰るときはいつも一緒だし休みの日もどっちかの家に行って遊ぶこともある。だけど、学校の休み時間のときはいつも別々。私は周りの友達と教室でしゃべったり、図書室に行って占いの本を借りてはみんなでやってみたりとかなりのインドア派、きくちゃんはいつも外で男子に混ざってドッヂボールとかやってるアウトドア派。だから休み時間のときだけは一緒にいない。寂しくないといえばうそになるけど、きくちゃんは外で遊ぶ方が楽しいみたいだからそれでいいかなと思ってる。でもあるときーー。
「麗華、たまには外で遊ぼうぜ」
きくちゃんの方から遊びに誘ってきた。誘われるのは嬉しいけど、正直外で遊ぶのはあまり得意ではない。動いてもすぐに疲れちゃうからついていけなくなる。
「でも、私そんなに動けないから。ボール遊びとかは~...」
「うーん、そっかぁ」
きくちゃんは腕を組んであきらかに考えてますってポーズで考えてると、なにか思いついたのかパっと顔を上げた。
「じゃあ走ってみよう!」
「えっ?」
急に走ると言われてどういうことかわからなかった。
「なんで走るのよ~?」
「走ってればそのうち動けるようになるだろ。だったらみんなと遊べるようになる」
だから外出ようといわんばかりにきくちゃんは見つめてくる。
「ん~、わかったよ走るよ~...」
押しに押されて行くことになってしまった。すごい自信はない。
外に出ると溶けてしまうのではないかというほど暑かった。ニュースでも本場の夏がやってきたというのを言っていたのを思い出した。外ではすでに男子が外で遊んでいてよく遊べるなというちょっとした感心と私もこれからこの中を走るのかという絶望感に包まれていた。
「よし、とりあえず校庭の端っこから反対側まで走ってみよう」
「え~~...」
早速ハードルが高かった。
「よーい、どん!」
「あっ、ちょっとまってよ~」
まだ心の準備もできていないのにきくちゃんがスタートしたから私も走ることになった。私が校庭の半分を過ぎたころにはきくちゃんは反対側までゴールしていた。そして私のほうに手を振ってこっち~と声をかけてきた。きくちゃんの方に向かって走って、何とかゴールすることができた。ゴールしたころには息も絶え絶え汗もだらだら、立ってるのがやっとの状態だった。
「よし、じゃあまた向こうに走って戻ろう」
「また走るの~...せめてもうちょっと休んでからにしようよ~」
「ん、そうか。じゃあそっちの木の下に座ろう」
校庭にはいくつか大きな木が立っていて休み時間ぐらいのときだと影がちょうどいい広さになってるから座ってる人がたまにいる。やっと休めると座ってみると日差しは避けられた分ましだがまだ暑かった。
「そういえば、なんで、私を、外にさそ、ったの~?」
息を整えてからでも遅くないけど、気になってたから聞いてみた。
「あー、えっとー」
恥ずかしがっているのか少し顔をそむけて答えた。
「ほら、あたしらって休み時間のときはあまり一緒にいないだろ。一緒に遊べたらいいなぁと思っても麗華は外で遊ばないから、走れば体力もつくしそれから一緒に遊べるようになるかなって」
「体力がつくのはわかるけど、その割には一人で走ってったよね~?もう少し寄り添ってくれたっていいでしょ~?」
少しだけ元気になったから意地悪をいってみた。このぐらいは言う権利はある。
「悪かったよ...麗華のことちゃんと考えてやれなかった...」
ホントに悪いと思ってるときの顔だ。ほんとにきくちゃんは不器用なんだから。
「ほんとにもう。次からはちゃんと私のことも考えてよね~」
「うん、わかった...って次?また走ってくれるのか?」
「きくちゃんが私のために考えてくれたんだから、たまには走るよ~、今度は自分のペースも考えながらね」
今は全然追いつかないけど、いつかきくちゃんを追い抜きたい。そして驚かせてやるんだ。それで一緒に外で遊びたたい。私は芽生えたこの想いを叶えるために走ると決めた。
「じゃあもう少しだけ走ろう~...」
ふらっ........バタッ!
「麗華?...麗華!」
ーーーーーーー
気づいたときには保健室にいた。どうやら立ち上がった時にひどい立ち眩みにあったらしい。そのあときくちゃんが私を背負って保健室まで走ったそうだ。まああの暑さだったからね。外に慣れてない私だったら少し全力疾走しただけでもかなりきついだろう。きくちゃんは私が目覚めるまで保健室のベットのそばにいてくれたらしく、起きた時に説明してくれた、すごい泣きながら。起きてくれたことの安心と、こうさせてしまったのは自分のせいだという感情がぐちゃぐちゃになってるみたいで「よかったー!」と「ごめんなさ~いっ」を交互に言っていた。ずっと泣いてるきくちゃんの頭を軽くなでて落ち着かせようとした。
「大丈夫だから、もう泣かなくていいよ~」
そういうときくちゃんは私に抱き着いて「ごめんなさ~い」といってより一層大きく泣いてしまった。
そのあと学校を早退して家でずっと休んだ。きくちゃんがあんなに泣いてるの久しぶりに見たなぁ。明日会ったときは心配かけたこと謝らなくちゃ。それでまた、一緒に走って...。
ーーーーーーーーー
~現在~
「ん~~~...昔の思い出が夢に出てくることってホントにあるんだね~...」
麗華は朝目覚めて、見た夢の感想を呟いた。寝起きで少しだるい体を動かしカーテンを開けて、隣に住んでいる幼馴染のことを考えていた。
「あれから頑張って、私のほうが速くなっちゃったね~。って聞こえるはずもないか~」
朝あったら今度は面と向かって言ってやろ。そう思いながら軽く準備を済ませ一階のリビングに行った。
「ママおはよ~う!朝すごい夢見たの~!」
「おはよう。どんな夢見たの?」
「きくちゃんとの思い出~」
~続く~
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この度は読んでくれてありがとうございます。花の名前を使うのは少しこだわっている部分なのですごい嬉しいです。これからも頑張ります!