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プロローグ(ソフィー編)
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「ソフィーさん、また失敗ですよ!」
「ご、ごめんなさい先生……。」
「ねぇ、ねぇ、ソフィーったらまた先生に怒られてるよ。」
「ほんと出来損ないだよね~。」
「先生心配です!ソフィーさん、このままだと卒業出来ませんよ!」
怒られている哀れな女の子。そう、私の事。
私の名前はソフィー。魔法学園3年のエルフ。幼少期は親に甘やかされて育ったけど、自立する為に寮のある魔法学園に入学したんだ!
だけど……。
「ソフィーさん。私は回復魔法を発動してと言いましたよね?何で爆発させたんですか?」
「えっと、それは~……。」
私は返す言葉が見つからず黙ってしまった。
「貴女ねぇ、やる気があるのは良い事ですが5ヶ月経って未だに正確な魔法も発動出来ないのは流石にマズいですよ!」
「で、ですよねぇ~……。」
相変わらずクラスメイトのクスクスと笑う声が聞こえる。
「それでは今日の実技はこれまで!」
やっと地獄のような授業が終わった。
「ソフィー、お疲れ様。また先生に締められちゃったね……。」
「あの先生って悪い所しか見ないよなー。」
仲のいい友達が近寄ってきた。
「ほんとほんと、ムカつくわー!」
そして私達は学食で先生の悪口や世間話で盛り上がっていた。
その日の夜。
私はベッドの中で寝ていると、ふと今までの記憶が蘇った。その記憶の8割は学校での失敗の事ばかりだった。
よく失敗してはクラスメイトに笑われ、揶揄われていた。
正直凄く悔しい……!
私はこれ以上惨めな気持ちにならないように直ぐに眠られるように心の中で呪文……みたいなデタラメな言葉を唱えていた。
次の日、学校で進路についての授業があった。
私は特に目標も夢も無かったから、とても退屈だった。
そんな中、クラスメイトは自分の将来について淡々と話していた。その瞳は希望に満ちているかの様にキラキラしていた。
夢って必ず叶う訳でもないのにどうしてそんなに本気になれるんだろう……。
そんな事を考えているうちに授業は終わった。
授業終わりに私は先生から呼び出しを食らった。
「ソフィーさん、昼休みに私の部屋に来てもらえますか?」
「ふぇっ⁉︎あっ、ハイ。」
マズい……ボーッとしていた事がばれたかも……。
そして迎えた昼休み。
何を言われるのかと緊張しながら私は先生のドアをノックする。
「どうぞー。」
「失礼します……。」
私は部屋に入り、先生と向かい合わせに座った。
先生が口を開いた。
「ソフィーさん。」
「は、はいッ!」
心臓の鼓動が激しくなる。
「貴女、勇者と一緒に旅に出てみない?」
「……はい?」
先生の予想外の言葉に空いた口が塞がらなかった。
「貴女魔法の成績がよろしくないでしょ?だから卒業の為に救済措置を取ろうと思ったんですよ。そしたら、丁度王様が異世界召喚に成功して彼を勇者として送り出す事にしたのですよ。」
「えっ、成功したんですか⁉︎いやいや、それはそうと魔法すら碌に使えない私が旅だなんて……。」
「旅をしている最中に身につきますよ!私の祖母もそうでしたし。」
ノリが軽過ぎない……?
「でも校長先生は流石に許してくれないんじゃ……」
「その点については大丈夫。校長先生は『全然OK!』っておっしゃってましたし。」
もう校長辞めちまえよ。
「ところで……勿論やりますよね?」
先生から圧力をかけられて、そのまま黙って頷いてしまった。
「よかった、じゃあ明日から出発しましょう!」
「えっ、明日⁉︎」
私はまた耳を疑った。
「勇者様を待たせるわけにはいかないじゃないですか!しかも卒業まであと5ヶ月ですし、早く行かなきゃ間に合わないですよ。」
「分かりました……。」
私は思考が追いつかないまま教室に戻った。
「先生に呼ばれていたけど、また何かやられたの?」
「いや、なんか勇者と一緒に旅に出ろって言われて……」
クラスメイト達は私の話を聞いてすっ飛んできた。
「勇者と冒険ってマジ⁉︎」
「大丈夫なの⁉︎」
「あの先生も大きく出たなー……。」
クラスメイト達は私の事で騒いでいた。まさにお祭り状態だった。
私は取り敢えず愛想笑いをした。
その夜、私は部屋で明日の為の準備をしていた。
服や日用品、魔導書などを鞄に詰め込んだ。
特に明日着ていく服装に関してはかなり悩んだ。
次の日
ーーー私は寝坊した。
「ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ……。」
私はパニックになりながら朝食を軽く済ませ、着替えた後に部屋を飛び出した。
すると、外に私の友達がいた。
「ちょっと~、流石に寝坊はヤバいって!」
「昨日ずっと不安で寝付けなくて……そしたらいつの間にか眠ってた……。」
私は誤魔化すかのように笑った。
「これじゃあ、先が思いやられますわ。取り敢えず私に任せなさい~!」
「任せるって……何を?」
「私の転送魔法で宮殿まで送ってあげるわよ!」
「そういえば最近取得したって言ってたね!」
持つべきものは友だね、やっぱり。
「さ、私に捕まって。」
すると友達は呪文を唱え始めた。
眩しい光が私達を包み込む。
そして気がつくと、宮殿の目の前に着いていた。
「さっ、着いたよ!」
「あんたやっぱ凄いよ……。」
私は軽く拍手を送った。
彼女はヘヘンと鼻を高くしていた。
「さ、早く行ってあげなよ。勇者様が待ってるよ!」
彼女は私を催促した。
「ありがとう、助かった。」
そして私達はお互いに手を振り、別れを告げた。
私の新しい人生が今ここ始まるんだ……!
私は強い気持ちで宮殿の階段を登った。
「ご、ごめんなさい先生……。」
「ねぇ、ねぇ、ソフィーったらまた先生に怒られてるよ。」
「ほんと出来損ないだよね~。」
「先生心配です!ソフィーさん、このままだと卒業出来ませんよ!」
怒られている哀れな女の子。そう、私の事。
私の名前はソフィー。魔法学園3年のエルフ。幼少期は親に甘やかされて育ったけど、自立する為に寮のある魔法学園に入学したんだ!
だけど……。
「ソフィーさん。私は回復魔法を発動してと言いましたよね?何で爆発させたんですか?」
「えっと、それは~……。」
私は返す言葉が見つからず黙ってしまった。
「貴女ねぇ、やる気があるのは良い事ですが5ヶ月経って未だに正確な魔法も発動出来ないのは流石にマズいですよ!」
「で、ですよねぇ~……。」
相変わらずクラスメイトのクスクスと笑う声が聞こえる。
「それでは今日の実技はこれまで!」
やっと地獄のような授業が終わった。
「ソフィー、お疲れ様。また先生に締められちゃったね……。」
「あの先生って悪い所しか見ないよなー。」
仲のいい友達が近寄ってきた。
「ほんとほんと、ムカつくわー!」
そして私達は学食で先生の悪口や世間話で盛り上がっていた。
その日の夜。
私はベッドの中で寝ていると、ふと今までの記憶が蘇った。その記憶の8割は学校での失敗の事ばかりだった。
よく失敗してはクラスメイトに笑われ、揶揄われていた。
正直凄く悔しい……!
私はこれ以上惨めな気持ちにならないように直ぐに眠られるように心の中で呪文……みたいなデタラメな言葉を唱えていた。
次の日、学校で進路についての授業があった。
私は特に目標も夢も無かったから、とても退屈だった。
そんな中、クラスメイトは自分の将来について淡々と話していた。その瞳は希望に満ちているかの様にキラキラしていた。
夢って必ず叶う訳でもないのにどうしてそんなに本気になれるんだろう……。
そんな事を考えているうちに授業は終わった。
授業終わりに私は先生から呼び出しを食らった。
「ソフィーさん、昼休みに私の部屋に来てもらえますか?」
「ふぇっ⁉︎あっ、ハイ。」
マズい……ボーッとしていた事がばれたかも……。
そして迎えた昼休み。
何を言われるのかと緊張しながら私は先生のドアをノックする。
「どうぞー。」
「失礼します……。」
私は部屋に入り、先生と向かい合わせに座った。
先生が口を開いた。
「ソフィーさん。」
「は、はいッ!」
心臓の鼓動が激しくなる。
「貴女、勇者と一緒に旅に出てみない?」
「……はい?」
先生の予想外の言葉に空いた口が塞がらなかった。
「貴女魔法の成績がよろしくないでしょ?だから卒業の為に救済措置を取ろうと思ったんですよ。そしたら、丁度王様が異世界召喚に成功して彼を勇者として送り出す事にしたのですよ。」
「えっ、成功したんですか⁉︎いやいや、それはそうと魔法すら碌に使えない私が旅だなんて……。」
「旅をしている最中に身につきますよ!私の祖母もそうでしたし。」
ノリが軽過ぎない……?
「でも校長先生は流石に許してくれないんじゃ……」
「その点については大丈夫。校長先生は『全然OK!』っておっしゃってましたし。」
もう校長辞めちまえよ。
「ところで……勿論やりますよね?」
先生から圧力をかけられて、そのまま黙って頷いてしまった。
「よかった、じゃあ明日から出発しましょう!」
「えっ、明日⁉︎」
私はまた耳を疑った。
「勇者様を待たせるわけにはいかないじゃないですか!しかも卒業まであと5ヶ月ですし、早く行かなきゃ間に合わないですよ。」
「分かりました……。」
私は思考が追いつかないまま教室に戻った。
「先生に呼ばれていたけど、また何かやられたの?」
「いや、なんか勇者と一緒に旅に出ろって言われて……」
クラスメイト達は私の話を聞いてすっ飛んできた。
「勇者と冒険ってマジ⁉︎」
「大丈夫なの⁉︎」
「あの先生も大きく出たなー……。」
クラスメイト達は私の事で騒いでいた。まさにお祭り状態だった。
私は取り敢えず愛想笑いをした。
その夜、私は部屋で明日の為の準備をしていた。
服や日用品、魔導書などを鞄に詰め込んだ。
特に明日着ていく服装に関してはかなり悩んだ。
次の日
ーーー私は寝坊した。
「ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ……。」
私はパニックになりながら朝食を軽く済ませ、着替えた後に部屋を飛び出した。
すると、外に私の友達がいた。
「ちょっと~、流石に寝坊はヤバいって!」
「昨日ずっと不安で寝付けなくて……そしたらいつの間にか眠ってた……。」
私は誤魔化すかのように笑った。
「これじゃあ、先が思いやられますわ。取り敢えず私に任せなさい~!」
「任せるって……何を?」
「私の転送魔法で宮殿まで送ってあげるわよ!」
「そういえば最近取得したって言ってたね!」
持つべきものは友だね、やっぱり。
「さ、私に捕まって。」
すると友達は呪文を唱え始めた。
眩しい光が私達を包み込む。
そして気がつくと、宮殿の目の前に着いていた。
「さっ、着いたよ!」
「あんたやっぱ凄いよ……。」
私は軽く拍手を送った。
彼女はヘヘンと鼻を高くしていた。
「さ、早く行ってあげなよ。勇者様が待ってるよ!」
彼女は私を催促した。
「ありがとう、助かった。」
そして私達はお互いに手を振り、別れを告げた。
私の新しい人生が今ここ始まるんだ……!
私は強い気持ちで宮殿の階段を登った。
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