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悪役令嬢は兄に会う
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そもそも兄妹なのにめったに会えないっておかしくない?
年の差が10歳だから話も合わないかもしれないけど、だからといってこれだけの没交渉ってあるのかしら?
エレナとは全然会っていなくて、同じだけ両親とも会っていないみたいだから兄は家族全員と仲が悪いのかも。
そう思いつつ教職員棟の3階まで上った。
『リアム・ウェルズ』
オルコット学園では教員一人一人に個室が与えられており、入り口のプレートに名前が書かれている。
私は兄の名前を確認するとドアをノックした。
「入れ」
中からの返答に従いドアを開ける。
室内の両側には本棚が設置され、中央に応接セット、窓を背中にした正面に机が配置されていた。
その机の向こうに椅子に腰かけた兄の姿が見える。
「エレナ?」
兄は突然の妹の来訪に驚きで目を見開いている。
アポイントは取っていなかったから当然だろう。
兄妹だからか、エレナとリアムの容姿は似ていた。
ただし鮮やかな金髪は同じでもオーキッド色の瞳は兄の方が色が濃い。
「ごきげんようお兄さま。今度私も学園に入学しますのでご挨拶に伺いましたわ」
私は優雅にカーテシーまでつけて挨拶する。
「…そうか。今度の新入生だったな」
一応兄にもおもてなしの心があるのか、突然とはいえわざわざ訪ねてきた妹を追い返すことはなく応接セットに促された。
「ここでは基本的に自分のことは自分でやるんだ」
そう言って手ずから紅茶も淹れてくれる。
…意外にも紅茶は美味しかった。
うぬぬ…容姿が良く、たしか学校も成績優秀で卒業しているはずだから頭脳明晰で、さっと美味しい紅茶も淹れられるなんて、けっこうな高スペックではないか。
これでなぜ14歳のお子さまと恋に落ちるのかな。
大人の女性にしておきなよー。
兄にも兄なりの理由があったはずだが、残念ながら前世での私は兄にあまり興味がなかったからやり込んでいない分記憶が薄かった。
あとでもう一度攻略ノートを確認しておこう。
あー…思い出してみるとこの教師室でヒロインとつかの間のデートを楽しんでいたかも?
さすがに教師と生徒では人目があるから、そう大っぴらに二人でいることはできなかったはず。
しかも年の差があるからね!
別に年の差カップルに対して否定的ではないが、なぜだろう…自らの兄が自身と同じ年の子とつき合うということに違和感があるのかしら?
…あ!
これってもしかして本来のエレナの感情?
転生した私が意識を奪ってしまった結果、元々のエレナがどうなったのかはずっと気になっている。
記憶は共有しているが考え方は前世の私だし、本当、エレナはどこにいってしまったのだろう。
それとも自然に私の意識と融合したのか。
もしエレナからこの体と記憶を奪ってしまったのだったら、私の本意ではなかったとはいえ申し訳ないと思う。
「…エレナ?」
思考の渦に呑まれていたからだろうか。
訪ねて来たにもかかわらず無言で紅茶を飲み続ける私に対して、いぶかしげに兄が声をかけてきた。
おっと。
兄よ、あなたの存在を忘れていたよ。
いけない。
今日は敵情視察なんだから。
「なんでしょう、お兄さま」
だから私はにっこりと微笑んだ。
笑顔ってすごいよ。
ちょっとしたことなら誤魔化せるんだから。
それともこれって笑って誤魔化す日本人的思考かしら?
年の差が10歳だから話も合わないかもしれないけど、だからといってこれだけの没交渉ってあるのかしら?
エレナとは全然会っていなくて、同じだけ両親とも会っていないみたいだから兄は家族全員と仲が悪いのかも。
そう思いつつ教職員棟の3階まで上った。
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オルコット学園では教員一人一人に個室が与えられており、入り口のプレートに名前が書かれている。
私は兄の名前を確認するとドアをノックした。
「入れ」
中からの返答に従いドアを開ける。
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その机の向こうに椅子に腰かけた兄の姿が見える。
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アポイントは取っていなかったから当然だろう。
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ただし鮮やかな金髪は同じでもオーキッド色の瞳は兄の方が色が濃い。
「ごきげんようお兄さま。今度私も学園に入学しますのでご挨拶に伺いましたわ」
私は優雅にカーテシーまでつけて挨拶する。
「…そうか。今度の新入生だったな」
一応兄にもおもてなしの心があるのか、突然とはいえわざわざ訪ねてきた妹を追い返すことはなく応接セットに促された。
「ここでは基本的に自分のことは自分でやるんだ」
そう言って手ずから紅茶も淹れてくれる。
…意外にも紅茶は美味しかった。
うぬぬ…容姿が良く、たしか学校も成績優秀で卒業しているはずだから頭脳明晰で、さっと美味しい紅茶も淹れられるなんて、けっこうな高スペックではないか。
これでなぜ14歳のお子さまと恋に落ちるのかな。
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兄にも兄なりの理由があったはずだが、残念ながら前世での私は兄にあまり興味がなかったからやり込んでいない分記憶が薄かった。
あとでもう一度攻略ノートを確認しておこう。
あー…思い出してみるとこの教師室でヒロインとつかの間のデートを楽しんでいたかも?
さすがに教師と生徒では人目があるから、そう大っぴらに二人でいることはできなかったはず。
しかも年の差があるからね!
別に年の差カップルに対して否定的ではないが、なぜだろう…自らの兄が自身と同じ年の子とつき合うということに違和感があるのかしら?
…あ!
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記憶は共有しているが考え方は前世の私だし、本当、エレナはどこにいってしまったのだろう。
それとも自然に私の意識と融合したのか。
もしエレナからこの体と記憶を奪ってしまったのだったら、私の本意ではなかったとはいえ申し訳ないと思う。
「…エレナ?」
思考の渦に呑まれていたからだろうか。
訪ねて来たにもかかわらず無言で紅茶を飲み続ける私に対して、いぶかしげに兄が声をかけてきた。
おっと。
兄よ、あなたの存在を忘れていたよ。
いけない。
今日は敵情視察なんだから。
「なんでしょう、お兄さま」
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笑顔ってすごいよ。
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それともこれって笑って誤魔化す日本人的思考かしら?
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