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11 再開
50分間座るのを計6回繰り返し、やっと帰りの時間になった。今日学んだことといえば、座っていることがこんなにも苦痛だということぐらいだ。
久住との問題を解決することよりも授業を受けるということの方が俺にとっては苦痛かもしれない。
そもそも久住を探す時間がない。休み時間のたびに誰かしらが俺に話しかけてきて、対応するので忙しくてそれどころではない。
とにかくニコニコして笑ってなんとかやり過ごしたが、これでは久住に会うことすら叶わないまま一週間が過ぎてしまう。どうにかしなければいけないと考えているうちに1日が終わってしまった。
帰る時でさえクラスメイトのほとんどが、いや全員が俺に挨拶をしてから教室を出て行く。
どんだけ人気なんだよ俺の弟は、さすが抱きたい男一位である。当の本人は自分より身長の高い男を抱いていると言うのに、クラスメイトが知ったら泣いて学校を休みそうだ。
俺も帰りの支度をして、さっさと帰ろうとしたのだが部活に顔を出すようにという日向の言葉を思い出した。
仕方ないのでちょっと顔を出して帰ろうと、映画研究部の部室へ向かった。
のだが、そういえば部室の場所を聞くのを忘れていて絶賛迷子中である。学校内はほとんどの生徒が部活に行っており静まり返っている。
そういえば星宮学園は進学校にして部活動にも力を入れている文武両道の学校であった。
とにかく校舎内のあらゆる教室を片っ端から見て回ることにした。
一階から順番に探して行った俺だが、ついに3階の一番最後の部屋まで来てしまった。扉を開けてみると誰もいない、ハズレだったようだ。置かれている椅子に座り机に突っ伏した。
探していてなんとなく感じてはいたが、校舎内では部活動は行っていないようだ。この学園本当に敷地が広く、ここだけではなく他にも棟が幾つもある。
おそらくここ以外で部活動専用の棟があると思われる。
探し始めて一時間ほど経っていて、今日は諦めて帰ろうとした。その時、この教室に誰か近づいてくる音がした。
俺は咄嗟に掃除ロッカーに隠れてしまった。
教室の扉が開き数名の生徒が入ってきて、何やら話し始める。
「お前、御子柴日向と同じクラスだよな」
「そう、ですけど……」
「御子柴日向が久住さんに昨日盛大に蹴り喰らわされたんだよ!お前が責任取れ」
「えっ、それって……」
「わかるだろ……制服脱いで土下座しろ」
「そ、そんな……」
謝っている生徒の声には聞き覚えがある。一時間目に教えてほしいと俺に言ってきた生徒の声だ。
後の二人の声は誰かわからないが、久住の名前を出しているということは、久住の子分みたいな奴らだろう。
「いいから、脱げよ?」
「ごめんなさい、ゆ、許してください」
「仕方ねーから俺らが脱がせてやるよ」
「おっけー」
「やめてください!」
声だけで、なんとなく状況は理解できる。昨日の腹いせに日向と同じクラスメイトにひどいことしようとしているのだろう。
とんでもないクズ野郎だ。
男だったら正々堂々と面と向かって文句言いやがれ! 俺は居ても立っても居られず、掃除ロッカーの扉を勢いよく開けた。
教室には久住とその仲間だと思われる生徒二人が、クラスメイトの制服を脱がせ下着一枚の姿になっていた。
「ひ、日向くん!」
「てめぇ! 久住! 俺のクラスメイトに何してんだよ!!」
「なんでお前が……」
「んなことどうでもいいんだよ! 俺に文句を言うならまだしも、弱いもん虐めるなんて本当にクズ野郎だな!!」
自分が日向のフリをしていることも忘れ、溜まっていた怒り爆発させる。
「てめぇ、久住さんに向かって生意気だぞ!」
クラスメイトに集っていた雑魚二人が俺に襲いかかってくるが、俺は華麗に二人を避けてそのまま背中を蹴ると、雑魚たちは情けなく床に倒れる。
弱いものほどよく群れるとはまさにこのことだな。
「日向くん……」
「おい、さっさと逃げろ」
下着姿のクラスメイトに教室から出て行くように声をかける。生徒はおどおどしながらも制服を掴み、教室を出て行った。
久住との問題を解決することよりも授業を受けるということの方が俺にとっては苦痛かもしれない。
そもそも久住を探す時間がない。休み時間のたびに誰かしらが俺に話しかけてきて、対応するので忙しくてそれどころではない。
とにかくニコニコして笑ってなんとかやり過ごしたが、これでは久住に会うことすら叶わないまま一週間が過ぎてしまう。どうにかしなければいけないと考えているうちに1日が終わってしまった。
帰る時でさえクラスメイトのほとんどが、いや全員が俺に挨拶をしてから教室を出て行く。
どんだけ人気なんだよ俺の弟は、さすが抱きたい男一位である。当の本人は自分より身長の高い男を抱いていると言うのに、クラスメイトが知ったら泣いて学校を休みそうだ。
俺も帰りの支度をして、さっさと帰ろうとしたのだが部活に顔を出すようにという日向の言葉を思い出した。
仕方ないのでちょっと顔を出して帰ろうと、映画研究部の部室へ向かった。
のだが、そういえば部室の場所を聞くのを忘れていて絶賛迷子中である。学校内はほとんどの生徒が部活に行っており静まり返っている。
そういえば星宮学園は進学校にして部活動にも力を入れている文武両道の学校であった。
とにかく校舎内のあらゆる教室を片っ端から見て回ることにした。
一階から順番に探して行った俺だが、ついに3階の一番最後の部屋まで来てしまった。扉を開けてみると誰もいない、ハズレだったようだ。置かれている椅子に座り机に突っ伏した。
探していてなんとなく感じてはいたが、校舎内では部活動は行っていないようだ。この学園本当に敷地が広く、ここだけではなく他にも棟が幾つもある。
おそらくここ以外で部活動専用の棟があると思われる。
探し始めて一時間ほど経っていて、今日は諦めて帰ろうとした。その時、この教室に誰か近づいてくる音がした。
俺は咄嗟に掃除ロッカーに隠れてしまった。
教室の扉が開き数名の生徒が入ってきて、何やら話し始める。
「お前、御子柴日向と同じクラスだよな」
「そう、ですけど……」
「御子柴日向が久住さんに昨日盛大に蹴り喰らわされたんだよ!お前が責任取れ」
「えっ、それって……」
「わかるだろ……制服脱いで土下座しろ」
「そ、そんな……」
謝っている生徒の声には聞き覚えがある。一時間目に教えてほしいと俺に言ってきた生徒の声だ。
後の二人の声は誰かわからないが、久住の名前を出しているということは、久住の子分みたいな奴らだろう。
「いいから、脱げよ?」
「ごめんなさい、ゆ、許してください」
「仕方ねーから俺らが脱がせてやるよ」
「おっけー」
「やめてください!」
声だけで、なんとなく状況は理解できる。昨日の腹いせに日向と同じクラスメイトにひどいことしようとしているのだろう。
とんでもないクズ野郎だ。
男だったら正々堂々と面と向かって文句言いやがれ! 俺は居ても立っても居られず、掃除ロッカーの扉を勢いよく開けた。
教室には久住とその仲間だと思われる生徒二人が、クラスメイトの制服を脱がせ下着一枚の姿になっていた。
「ひ、日向くん!」
「てめぇ! 久住! 俺のクラスメイトに何してんだよ!!」
「なんでお前が……」
「んなことどうでもいいんだよ! 俺に文句を言うならまだしも、弱いもん虐めるなんて本当にクズ野郎だな!!」
自分が日向のフリをしていることも忘れ、溜まっていた怒り爆発させる。
「てめぇ、久住さんに向かって生意気だぞ!」
クラスメイトに集っていた雑魚二人が俺に襲いかかってくるが、俺は華麗に二人を避けてそのまま背中を蹴ると、雑魚たちは情けなく床に倒れる。
弱いものほどよく群れるとはまさにこのことだな。
「日向くん……」
「おい、さっさと逃げろ」
下着姿のクラスメイトに教室から出て行くように声をかける。生徒はおどおどしながらも制服を掴み、教室を出て行った。
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