異世界では総受けになりました。

西胡瓜

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第一章 転移編

13 朝

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 鳥の囀る声で目が覚めた。
 身体がだるい、でもこれはいつものことで今日はより一層怠さを感じるが、学校に行かなくてはと使命感に駆られ身体を無理やり起こす。

「あれ、ここ……」

 起き上がるとそこは俺の部屋ではなく見慣れない場所だった。俺はまだ夢でも見ているんだと思い、もう一度眠りにつこうとするが、やっとここで昨日のことを思い出した。

──そうか、俺死んで異世界転移したんだった。

 昨日自分の身に起きたことを思い返す。あまりに非現実的ないことが続き、未だに夢なんじゃないかと思ってしまう。
 だが、夢ではないと思わせることが一つあった。

 起き上がる時に感じた腰の痛みが、昨日のアルフレッドとの行為が現実に起きたことだと教えてくれる。

 今思い返すだけでも顔が熱くなる。あのまま寝てしまった俺だが、自分の身体を見ると昨日飛ばした自身の精液は綺麗に拭き取られ、見覚えのない白いTシャツが着せられていた。
 ダボダボなことから推測するに恐らくこれはアルの物だと思われる。微かに彼の匂いも感じる。

 しかし、俺の隣を見ても彼の姿はない。昨晩は余裕がなく、しっかり見ることのできなかったテントの中をキョロキョロと見回すと、テントを支える柱部分に時計がかけられているのを発見する。
 時刻は7時を過ぎたあたりを示していた。
 学校に行く時間よりは少し遅い時刻だが、まだ早い時間には変わりない。しかしテントの外はやけに騒がしく昨日いた男たちが起床し活動していることがわかる。

 とりあえずどのくらい寿命が伸びたかをパスカルに聞くのと、昨日聞きそびれたここがどこなのかの説明をしてもらう必要がある。

 俺は重い体を動かしてベッドから立ち上がった。立ち上がるとやけに股の部分がスースーすることに違和感を感じる。どうやらパンツを履いていないようだ。
 昨晩、自身の先走りでベトベトになってしまったことを思い出す。ベッドのどこを探しても着ていた学生服とパンツが見当たらないところを見ると、アルが洗濯にでも出してくれたのかもしれない。

 Tシャツが大きいおかげで太腿まで隠れているため問題はないかと気にするのをやめた。ここには女性はいないようだし見られて恥ずかしいことはない。

 テントを出ようと入り口の方まで歩いて行くと、外側からテントの布を持ち上がり、アルが姿を現した。

「おや、おはようサタロー」

「あ! おはよう……ございます」

「ははっ、そんな改まらなくてもいいよ。もっとフランクに話そう」

「あ、はい……じゃなくて、うん」

 朝から爽やかさ全開のアルと朝の挨拶をする。
 やっぱり異世界に来たことは夢ではないようだ。

「お腹すいただろ、朝食にしよう」

 アルの手にはお皿が3枚あり、どうやら朝食を持ってきてくれたらしい。そういえば昨日の朝ご飯を食べてから一切食事を摂っていないことに気づく。
 不思議なことに今も飢え死にしそうなほどの空腹感はなかった。俺は不思議に自分のお腹をさする。

「たくさん食べるんだぞ、でないと燃費が悪くなるからな」

 聞き覚えのあるどこか幼くしかし貫禄のある声が聞こえてきた。その声の人物は堂々と俺とアルのいるテントの中に入ってきた。

「パスカル、それどういうことだよ」

 現れたのはショタジジイの美少年エルフことパスカルだった。俺の事情を全て知っていて、俺とアルにセックスするよ指示した張本人だ。
 清々しい顔で自身の朝食のお皿を手に、テントの真ん中に置かれている机と椅子に向かい座る。
 
「人間の三大欲求、サタローも知ってるだろ」

「食欲と睡眠欲と性欲だろ」

「そ、どれか一つでも不足するとお前の場合魔力で補おうとして寿命が縮むことになる……性欲に関しては問題ないが残りの二つも不足しないようにたくさん食べてよく寝ろ」

 淡々と理由を告げたパスカルはフォークに刺さっているソーセージをムシャリと食べる。
 性欲に関しては問題ないとは、恐らくこれからも魔力を貰うために誰かしらとセックスするから大丈夫ということだろう。
 今の言い方だとどれだけ食べて寝ようが寿命が増えることはないらしい、故にセックスすることは俺の中で食事や寝ることよりも重要なことだと言える。
 また、セックスさえしておけば食事も睡眠も必要ないとも捉えることができる。

 便利なのか不便なのかよくわからない厄介な身体になってしまったと改めて憂鬱になる。異世界転移特典にしても、嬉しくない特典だ。
 転移前とは見た目も中身も全くと言っていいほど変わっていない。
 学校一のイケメンと言われ、自分的にも整った顔立ちをしているなと思っていた俺だが、アルやギルバート、パスカルの容姿は俳優や人気アイドル並に整った顔立ちをしており、異世界のレベルまじぱねぇと正直落ち込んでいる。

「なら、サタローはいっぱいご飯食べないとね」

「え、まぁそうだけど……」

「さ、座って」

 一人難しい顔で落ち込んだり悩んだりしている俺にアルが話しかけ椅子に座るよう促す。俺の前にアルが持ってきたお皿が置かれる。さっきの話を知っていたかのように、目の前に置かれたお皿には山盛りのおかずとパンが盛り付けられていた。

「こんなに……食えるかな」

 普段そんなに食べる方ではない俺は、朝からこんなに食べれるか心配になる。横でキラキラした笑顔を向けているアルの顔を見ると食べなくては申し訳ないと思ってしまう。

 そんな俺たちを正面に座っているパスカルがニヤニヤと眺めていた。





 
 


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