異世界では総受けになりました。

西胡瓜

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第二章 本部編

57 嫉妬

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 アルと二人で本部内に戻るとパスカルとギルがすでに待っていた。どうやらレオは第一連隊の訓練に戻ったようだ。

「遅いぞ、何してたんだ」

 一緒に歩いて来ていたはずなのに俺たちが遅かったことに、大層ご立腹なパスカル。キスして酸欠になったから息が整うのを待っていたなんてとてもじゃないけど言えない。

「すまない、少しサタローと話をしていた」

 どう誤魔化そうか迷っている俺とは違い、アルはさらりとパスカルに謝った。スマートすぎる謝罪と言い訳に驚く俺だが、ここは話を合わせなければと、咄嗟に首を縦に振り頷いた。

「ふーん、まぁいいや」
「それにしても、なんか久しぶりだよね! 四人で会うの!」
「確かにな」
「本当だね、ギルも本部のこととサタローのこと色々ご苦労様」
「本部のことはともかく、サタローのことは俺が勝手にしたことだ。レオにも頼んでいたようだしな」
「レオにも、だからあんなに仲が良かったのか……」
「??」

 久しぶりに揃うメンバーにテンションが上がっている俺。しかし、アルはレオと仲良くなったことを知ると俺の方を見て、神妙な顔をしている。なんかさっきからアルの様子がおかしいというか、ちょっと怖い。

「はぁ、とりあえずわしらは仕事のことについて話があるから、サタローは出て行け」
「う、うん」

 俺はパスカルに言われるがまま部屋を後にした。なんだったんだろうアルのあの反応……パスカルとギルはため息ついてたし。

 やっぱりエドガー王子にキスされたことを怒っているのだろうか。本部にいる者は兵士同然だからあんな不意打ち避けられなくてどうする!とか思ってたのかな?
 やっぱ、鍛えないとなと思いながら自分の部屋に戻った。



◇◇◇



 夜になり、寝る準備ができた俺は廊下を歩き目的の部屋まで歩いていた。
 今回は別に魔力をもらうためではなく、ただ話をするだけなのでいつもよりは足取りは軽い。でも少し先程のことがあったから緊張していた。

 目的の部屋に到着した俺は、扉をノックする。

「アル、俺……サタローだけど」

 返事がないので少し待っていると、ガチャリと扉が開きアルが顔を出した。

「サタロー、どうしたんだい?」
「えっと、アルに相談したいことがあって……」

 さっき少し怒っていたようなので心配していたのだが、いつも通りの優しい表情のアルが顔を出しのでホッと安心した。
 アルは快く俺を部屋に招いてくれた。
 
 部屋に入った俺は辺りをぐるりと見渡す。ギルの部屋と似ておりとても整頓されている。でも、ギルの部屋よりは家具が充実しているように思える。

「さぁ、サタローおいで」
「……え、うん」

 来客用の椅子とテーブルが置いてあるのに、何故かアルはベッドの方にくるように俺を呼んだ。
 アルの部屋なので部屋の主に従うのが筋だろうと、ベッドのある方に向かう。ベッドに近づくと俺は腕を引かれアルに後ろから抱きしめられる形ですっぽりと収まった。

 ??何だこの体勢、話すのには非常に相応しくない。アルの顔見れないし……

「アル? 何この体勢?」
「え? だって魔力を貰いにきたんだろう?」
「いや、違うけど……」
「なっ!?……そうか」

 ──なんか落ち込んでる??

 もしかして、そのために起きていてくれたのだろうか。任務終わりで疲れているはずだから早めに寝たかったのかもしれないのに。
 何で俺はそう言うところに気が回らないのだろうと、自らを呪う。

「ごめん! 疲れてるのに、今日は部屋に戻るよ」
「ちがう、違うから! ここにいてくれ」
「……う、うん」

 すごく必死に止めるので、大人しくアルに抱きしめられることにした。抱き枕になるのも慣れたものだ。

「んっ……アルくすぐったいよ」

 アルが俺の首元に顔を埋めるもんだから、ふわふわの髪が当たりくすぐったい。
 でもなんかいい匂いして落ち着くーって変態か!

「ねぇ、ギルと何回した?レオとは?」
「え?」
 
 したってのは魔力を貰ったことを言ってるのだろうか。何でそんなこと知りたいんだろう……あっ、そうか俺のこと心配して確認しておくためだろう。やっぱりアルはとても優しい。

 俺はアルがいない間のことを思い出す。
 ギルとは遠征中に1回、帰ってきてから2回して、昨日したから計4回。レオとは一回しかしてないがあいつには酷い目に遭わされたから印象強く俺の中に残っている。

「えっと、ギルとは4回、レオとは1回だけだよ」
「はぁぁぁ、ギルとは4回もしたのか、私とは3回なのに……」
「どうしたの?」
「いや、でもこれからは私が抱くといえばゴニョゴニョ」

 ん? なんかブツブツと言っているがよく聞こえない。
 俺を抱きしめる腕にも力が入っている。それから10分ぐらい黙ってアルに抱きしめられていた。





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