人間を征伐せよ!

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人間を征伐せよ!

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「この星は人口過多のため新たな居住可能な惑星を探しだし今まで86艦隊を送り出してきた!」
「そして今日87番目の艦隊を出撃させようと思う!」
「その惑星には因縁がある。500年前我らの先祖が侵略に失敗したのだ」
「それもたった一人の人間と犬、猿、キジに撃退されるというお粗末な敗北である!」
「我が息子ガルド・ゼイラスを大将にその星の侵略を任せようと思う」
「ガルドやってくれるな」
「はっ!お任せくださいこのガルド必ずやその星を手中に治めて参ります。」
「頼むぞガルド、お前には戦闘能力に長けた部下を9人預ける」

皇太子 ガルドゼイラス

ゼイラスの学友艦隊司令長官 フロードスカーツェス24歳

百戦錬磨の戦闘機乗り ドゴスジースト大佐41歳

狙撃の名手 ブラフカウラー大佐36歳

凄腕女パイロット ルナエミリア中慰23歳

戦闘訓練校主席卒業 プロストアレス軍曹19歳

漆黒のヘルメット スティルライザー少佐21歳

老練の戦闘機乗り イリビルジギル大佐76歳

新鋭パイロット ナバルミルフィー小慰19歳

ゼイラスの妹 ガルドルミナス軍曹


翌日怒級戦艦ドラスガイアは母星を経った。
ガルドはコクピットに9人の将校を集めた。
「これからこの船は超空間飛行に入る。20秒後に敵の第一防衛ラインがあると思われる惑星付近に出現予定だ。」
直後100戦練磨の戦闘気乗りジーストが「閣下、軍神と呼ばれた私がいる限り敗北などあり得ませぬ」と自信をのぞかせた。
「敵の科学力がどの程度なのかも分からぬうちにそのような事を言うな」頭脳明晰な艦隊司令長官フロードス・カーツェスが冷静に話す。
「カーツェス!力押しだ!俺は敵機を1255機撃墜しているのだ!人間、犬、猿、キジを根絶やしにして・・」
「やめないか二人とも閣下の前じゃぞ」老練のイリビル・ジギルが仲裁に入った。
「こんな調子で大丈夫なのかしら」ルナ・エミリア中尉が呟いた。

ドラスガイアは準惑星冥王星から35万宇宙キロの宙域に出現した。
冥王星の地球軍はレーダーで船影を確認した。
「35万宇宙キロ先にとてつもなく巨大な船を確認。地球外生命体のものと思われます。」
「ついにこの時がきたか。地球外生命体の侵略に備え地球より外円の惑星に基地を建設していたのだが。」
「できるなら稼働させたくはなかったがな。」
「こちらからコンタクトをとれ!我々と友好的なものか敵意がある者かを確かめる。」
「はっ!」

「閣下あの惑星から通信がきています」
「繋げろ」
「我々は地球防衛軍冥王星基地所属田村義正中将です。」言葉が通じるのか?
「我らは地球を戴きに来た」
見た目はまるで鬼じゃないか。しかも日本語を喋るのか!?
「言葉が通じるのが不思議か?」
「我らの先祖が一度お前達の惑星に来ているからな。日本人らは我々の事を鬼と呼んでいるようだな。」
「これより宣戦布告をする。地球の科学で我らを退けてみよ。できるものならな」
ハハハハハ!
プツン「通信切れました」
「戦う気か。第一から第六艦隊発進せよ」
「敵要塞を撃墜しろ!」
冥王星基地から60隻の戦艦、巡洋艦、空母が発進した。
「閣下!敵艦隊60が接近中!」
「私一人で全滅させて見せます!出撃許可を」
「ジーストまだ早い。まずは艦砲射撃をかけよ」
ドラスガイアから超電子砲が発射された。
「敵要塞からレーザー攻撃!」
「な、なにっ!?何だレーザーが曲がった!?」
湾曲レーザーが地球艦隊の艦船4隻を消し去った。「応戦しろ全艦全門照射!」
地球艦隊からのレーザーはドラスガイアに届く寸前湾曲して当たらない。
「バリアでも張っているのか?」
「航空隊発艦せよ!」

「鬼神砲発射せよ!」
ドラスガイアから高出力の野太いレーザーが発射された。その刹那地球艦隊はレーザーに飲み込まれ一瞬で全滅した。
地球では地球防衛軍本拠地がその圧倒的な敗北の戦いをモニターで見ていた。
「レベルが違いすぎる。我々は勝てるのかこんな奴らに」
地球防衛軍には早くも厭戦機運が高まりつつあった。
地球では物理的に有り得ない曲がるレーザーの映像を冥王星艦隊から受信していた。
「レーザーがねじ曲がる瞬間を拡大投影したものです。」
「彼方にある恒星の光も共に歪んでいます。」
「これはレーザー自体が曲がっているのではなく空間を歪曲させていることがわかります。」
「つまりこの技術があればレーザーを1発打つだけで360°あらゆる方向の敵に命中させることができます。」
アメリカ軍総司令「この攻撃に対抗しうるには射程外からの攻撃しかないのか。」
ロシア総司令「この攻撃は膨大なエネルギーが必要なはずだ。戦闘機で分散攻撃して敵母艦の心臓部を破壊するしかないようだ。」
「至急第二防衛ライン海王星基地に敵は第一ラインを突破したことと、歪曲レーザーのデータを送れ!」

海王星基地
55艦発進!侵略者をここで食い止める!

ドラスガイア
カーツェスはガルドの前に進み出て進言した。
「地球人どもは先の戦闘で歪曲レーザー対策を念頭に入れた戦法をとってくるはずです。」
「おそらく標的が小さく小回りのきく戦闘機主体の攻撃が予想されます。」 
「ならば戦闘機乗りの出番ということだな。」
「はっ」 
カーツェスを快く思っていないジーストが
「閣下!地球人を捕虜にするためこのジーストめを機旗艦に転送してください。」
「よかろう。現在の地球の情報も必要だからな。」
目元まで隠す黒いヘルメットをかぶったスティルライザー少佐が言った「敵艦隊が現れたようですね。私も戦闘機で出撃の許可を」
「よし出るがいい。」
「ありがたき幸せ。」ライザーは深々と頭を下げると戦闘機に乗るためにコクピットを出ていった。
ジーストもコクピットを出て天井と床から4角形の突起物に囲まれた中央に立った。
鬼と地球人の第2ラウンドが始まった。

海王星地球艦隊
「空母から戦闘機部隊発艦せよ!」
地球戦闘機部隊は1200機にも及ぶ。

カーツェス「やはりか」
「戦闘機部隊発艦!」
ドラスガイアから250機程の戦闘機が飛び立った。ジーストはテレポートし地球艦隊旗艦の操縦室に物質化した。
何もない空間から突然現れた巨体の赤鬼にあわてふためく乗組員達。
ジーストは天井を見上げながら呟いた。
「なんだこの戦艦は・・・まるで150年前の船ではないか」サイレンがけたたましく鳴り銃を持った乗組員が集合し始めた。
ジーストに銃口が集中している。
「捕虜を取りに来た。抵抗せずに館長を差し出せ」
「そのような要求をのめるか!構わん撃ち殺せ!」
「戦う気か。後悔めさるな」
そう言うとジーストは両拳を自分の顔前で合わせ
「鬼神装甲!」と声を張り上げた。
地球人の攻撃がジーストに命中する瞬間にその姿を変貌させていた。
両翼を持った口が上下に裂けた鳥のような姿になった。体は鎧のようになっている。
「鬼神装甲だと?」
「そうだ鬼神装甲とは我が軍の将校に授けられるいわば鎧のようなもの」
「貴様らの銃などでは傷一つつけることなど出来ぬ」
「さあ、どうする?艦長が大人しく出てくればそいつを拉致して引き上げる」
「ダメならばこの艦を破壊して他の艦にテレポートする」
「私が艦長だ。」 
「物分かりがいいな。よし」
ジーストは艦長の首に腕を回してテレポートした。
そして艦長を捕虜にしてドラスガイアに帰還した。
外では地球とゼイラスの戦闘機戦が始まろうとしていた。
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