サイキックソルジャー

蒼井肇

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サイキックソルジャー詩集

瞳に映った虚実

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目を瞑(つむ)った 瞳を閉じた

そこには 悲しみの絵巻が流れていた




ダンテは言う

「ここが地獄峡なんだ」

あの夢にまで見たファウストの迷いの世界が

目の前にあった







獄門犬ケルベロスは

人々の真実を貪(むさぼ)り

現実を隔離した






現実に見えなくて 真実に見えるもの?

これが 黒い世界 神曲

悪魔の調べ






再び僕は 地上を歩いた

悪魔たちが もうすぐやってくる

嘘や偽りがあったとしても

本当の想いは胸の中にある








もう後戻りは出来ない

ここに全てがあるんだ

そう 悲しみの瞳 迷いの道

それを見たのなら 打ち勝とう










僕らの未来を勝ち取る為に 自由の為に

遊覧船が 地獄の最果てから やってきた

命の灯火も もう直(す)ぐ消える

未来は 今は 現実は 真実は?

生き抜くことが出来るなら

闇を断ち 光を纏(まと)う

もう真実を見失わないように







悪意を持った虚実の物(もの)の怪(け)が

星を喰らい 光を喰らった







残った物は ダイヤの原石のように

黒く荒れた 僕たちの夢






願う先には キット 光り輝く嵐がある






風吹けば ココロが揺れる

雨降れば 笑顔が生まれる






嘘や偽りの 悪意はもうここにはない

今は 未来の為に

再び自由の瞳を閉じる

「僕らはここにいるんだ」






明日は自由の街へやってくる
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