異世界転移したら不思議なアイテム屋さんに出会った件~不思議アイテムでチート無双します~

勇者れべる1

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第17話 魔王

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 #17.魔王



 ~ラストダンジョン・魔王の城~

 「やああああああああああ!」

 ギャアアアアアアアアアアス!

 私の剣さばきで反撃の間もなく両断されたドラゴン。
 ラスダンの最後の中ボスであるアークドラゴンを倒した私。
 ついに最強の剣を使わなくてもダンジョンで拾った武器でラスダン相応の力を得たのだ。
 それは武器が強いのもあるけど、私自身が強くなったという事でもある。
 私はもうただの女子高生だった頃の私とは違うのだ。
 嬉しくもあり悲しくもある現実。
 そんな現実を背に私は魔王の間へ足を進めた。

 「よく来たな人間ヨ」

 ありがちな台詞を言う魔王。
 大きな翼に巨大な体、剥き出しの牙、腐ったドラゴンの様な化物だった。
 魔王は大きく体を震えさせると口から青い放射線を放った。
 手持ちの盾で防ぐが一瞬にしてボロボロにされてしまう。
 やはり最強の盾じゃないとダメなのか……
 私はまず自分を中心にして円を描き、無敵のバリアーを張った。
 魔王はバリアーに呪文やら爪撃やら放射線を放つも全てバリアーに防がれてしまった。
 

 魔王は警戒し距離をとると、バリアーを消した瞬間すぐ攻撃する体勢を取った。
 バリアーを張ってる間はバリアー内でしか動けないから距離を詰める事もできない。
 しかしそれは次の攻撃を行う為の時間稼ぎとしては十分だった。

 私には作戦がある。
 私はダ洒落なスマホを取り出し自分に向けるとこう言った。

「ハエははえーなー!」

 すると私は超高速で移動するハエとなった。
 予めバリアーの後方面に作っておいた小さな隙間を通ると、魔王の攻撃をかいくぐり接近する事ができた。

「ええい、こざかしい人間メ!」

 夏の五月蠅いコバエを払う様にぶんぶん手で応戦する魔王。

「これだけ近付いちゃえば呪文も放射線も使えないわよね!」

 私は魔王の攻撃を回避しつつ、頭上で駄洒落魔法の効果が切れるのを待った。
 そしてついにその時が来た。

「3、2、1、えいっ!」

 私は最強の剣を魔王の頭上に突き立てた!
 剣のカウンターの値がどんどん減っていく!
 そしてカウンターが0になった瞬間、魔王は……ピンピンしていた。

【カウンター】剣「200」盾「200」
 ↓
【カウンター】剣「0」盾「200」

 使用回数を全て使い切り消滅する最強の剣。
 消滅の瞬間女性の悲鳴の様な音が聞こえた。

「う、嘘でしょ?」

 最強の剣さえあれば魔王を倒せると思っていた私だが、その目論見は甘く、そして崩れ去った。

「はははっ!こんなものか人間メ!」

「!?」

 魔王は私に向け口から青い放射線を吐き出すと、私は跡形もなく塵になった……

 「魔王!再戦よ!」

 こんな事もあろうかと魔王の間の入り口前にセーブポイントを仕掛けておいたのだ。

「何度ヤっても結果は同じだゾ、人間」

 結果は同じ、いや最強の剣がない時点でそれ以下だ。

「はああああああああああああ!」

 今度の私は最強の盾を使って突進した。
 魔王の数々の攻撃を防いでくれたが、ついにカウンターが0になった。

【カウンター】剣「0」盾「200」
 ↓
【カウンター】剣「0」盾「0」

 盾も剣同様消滅、同時に男性の断末魔の様な音が聞こえた。
 魔王は私に向け口から青い放射線を吐き出すと、私は跡形もなく塵になった……

「魔王!再々戦よ!」

「またキサマか」

 ―

 私は何度も繰り返した。
 最強の剣や盾がなくても、心は折れていない。

「魔王!再々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々戦よ!」

「もう勘弁してクレ……」

 先に心が折れたのは魔王であった。

 「じゃあ負けを認めてくれる?」

「イイダロウ……もう人間には手ヲ出さないと約束すル」

「そうじゃなくて、負けを認めてくれっていってるの!」

「わ、ワカッタ……私の負けダ」

 やったあああ!ついに魔王が負けを認めた!つまり魔王を倒したんだ!
 これで元の世界に帰れるんだ!
 私は心の底から喜んだ。




 ―



 「あれ?」

 魔王を倒したはずなのに元の世界に戻れない私。
 どうなってるの?
 魔王に尋ねても知らんの一点張りで何も分からない。
 するといつものお店が目の前に現れた。

「どうなってるんですか!魔王倒したら元の世界に帰れるんじゃないんですか!?」

 店員に詰め寄る私。

「そんな事私は一言も言ってませんけど?」

 そう、魔王を倒せば元の世界に帰れると思っていたのは私の勝手な決めつけ、思い込みだったのだ。

「そ、そんな~」

 床に膝をつきがっくしとうなだれる私。
 私はこのままこの異世界でさ迷う事になるのだろう……

 「では私の所で働きませんか?」

 店員の提案にキョトンとする私。

 店員の差し出した紙切れ、求人票には【条件:魔王を倒した人】と書いてあった。
 つまり私の事だ。

「わかりました!わかりましたよ!働けばいいんでしょ!」

 殆ど投げやりな気分で決めた私だったが、この店の商品の中に元の世界に帰れる物があるかもしれない。
 働いてる間にそれを探せばいいのだ。
 だってこのお店は―


「このお店は不思議なアイテム屋さんなんだからね!」


 異世界転移したら不思議なアイテム屋さんに出会った件~不思議アイテムでチート無双~-完-
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