23 / 60
大賢者、勧誘する編
第23話大賢者と回復術師な悪役令嬢
しおりを挟む
「うーん、攻撃は十分だけど回復役が欲しいな」
俺は仲間リストを見て呟いた。
チートだったり自力で優秀だったりする異世界人を味方に引き入れ、
この大陸を支配しハーレムの王となる計画だ。
その為にあらゆるジャンルの仲間を集めておきたい。
俺は誰か適役がいないか皆に相談した。
するとメアが手を挙げる。
「候補がいない訳じゃないわよ、嫌な奴だけど」
「へぇ~どんな奴なんだい?」
「昔から平民や低級貴族を馬鹿にするのが趣味な悪趣味な奴よ」
「どうしてそんな奴と知り合いなんだい?」
「あの子とは幼馴染でね、小さい頃から尻拭いをさせられてきたのよ」
「(性格が悪い貴族の令嬢、悪役令嬢と言う奴か)」
「でも最近人が変わったように優しい性格になって、回復の魔術が凄いって噂よ」
「(その上転生人ときたか。これは都合がいいぞ)」
「紹介するのは構わないけど、気を付けないとだめよ」
「どうしてだ?」
「だって彼女、平民への扱いが酷いから」
―舞踏会会場
俺は魔法大国ユースティアもとい魔科学国家バビロニアの国王としてパーティーを開いた。
例の悪役令嬢に転生した子も当然招待してある。
俺は目当ての娘を見つけると、メアと一緒に近付いた。
「久しぶりねクロフォード、そしてセシリアも」
「やあメア、久しいね。となりにいるのが大賢者の?」
「はい、ゼロと申します。一応この国の国王もやってまして」
「どうかしたのセシリア?いつもなら平民の国王が~て皮肉る所なのに」
「いえそんな滅相もありません、メア様」
「え?メア”様”?」
中身は別人だからこうなるのも仕方がない。
俺はクロフォードさんに一言断ると、セシリアを連れ出し二人きりになった。
メアは俺がまたハーレムを増やすのかと若干苛ついていた様だ。
「単刀直入に言う、君は異世界転生してきたね?しかもチートスキル持ち」
「ど、どうしてそれを!?」
「乙女ゲーの悪役令嬢が破滅フラグを回避する為に別人の様に変わるのはよくある事だからね」
「まあ確かに小説サイトとかではあるあるですけど…てまさかあなたも転生者!?」
「そうだよ。君と同じ世界や時代かは分からないけどね。一応地球生まれで西暦2000年から来た」
「私も地球人で、同じく2000年位からきました。まだ小ギャルとかたま〇っちとか流行ってます?」
俺達は他愛のない現代の話で盛り上がった。
それをメアは嫉妬の視線で見つめている。
悪寒を感じた俺はさっそく本題に入る事にした。
「君の回復術師としての力、俺の国に貸して欲しいんだ」
「え!?」
「無論VIP待遇だ。悪い様にはしない。それに君にとっても都合が良いんじゃないか?」
「確かに…乙女ゲーの所に留まって奮闘するよりも離れた方が得策ですね…」
「じゃあ、明日来てくれるかな?」
「いいともー!」
新たにチートな元悪役令嬢の回復術師が仲間に加わった。
安堵していたその時である。
ギャアアアアアアアアアアアス!!!
巨大な咆哮と共に巨大な3つ首のドラゴンが現れた。
口から吐く熱光線により城は瓦解していく。
「メア、君はこっちに!セシリア、君は怪我した人達の回復を頼む」
「わかりました!」
セシリアは了承すると俺の側を離れた。
一方で俺の近くに近付いて来たメアは俺の耳をひっぱる。
「いててててて!なにすんだよ!」
「ずいぶんあの子と話が盛り上がっていた様じゃない?旦那様ァ?」
「今はそんな事言ってる場合じゃないだろ!手を貸せ!」
「この後一緒に踊ってくれるなら構わないわよ?」
「わかった!わかったよ!デートでもなんでもやってやる!」
「やった!」
メアはぎゅっと俺の手を繋ぐ。
俺は城のテラスに出てドラゴンに向け手をかざした。
「開け、光の門!サイ・デッカー!!」
突如現れた光の門から十字の光線が放たれる。
ドラゴンは最後の断末魔を上げ、その場に倒れた。
俺は周囲を見てセシリアを探す。
セシリアは怪我人の手当てをしている。
どうやら無事の様だ。
「よかった…」
思わず呟くとまた耳が引っ張られる。
「ダンス中足をふまないでよね、だ・ん・な様!」
この後小一時間程ダンスの訓練が続き、ショッピングに付き合い、食事もした。
メアって怒らすと怖いんだな…としみじみ思う俺だった。
俺は仲間リストを見て呟いた。
チートだったり自力で優秀だったりする異世界人を味方に引き入れ、
この大陸を支配しハーレムの王となる計画だ。
その為にあらゆるジャンルの仲間を集めておきたい。
俺は誰か適役がいないか皆に相談した。
するとメアが手を挙げる。
「候補がいない訳じゃないわよ、嫌な奴だけど」
「へぇ~どんな奴なんだい?」
「昔から平民や低級貴族を馬鹿にするのが趣味な悪趣味な奴よ」
「どうしてそんな奴と知り合いなんだい?」
「あの子とは幼馴染でね、小さい頃から尻拭いをさせられてきたのよ」
「(性格が悪い貴族の令嬢、悪役令嬢と言う奴か)」
「でも最近人が変わったように優しい性格になって、回復の魔術が凄いって噂よ」
「(その上転生人ときたか。これは都合がいいぞ)」
「紹介するのは構わないけど、気を付けないとだめよ」
「どうしてだ?」
「だって彼女、平民への扱いが酷いから」
―舞踏会会場
俺は魔法大国ユースティアもとい魔科学国家バビロニアの国王としてパーティーを開いた。
例の悪役令嬢に転生した子も当然招待してある。
俺は目当ての娘を見つけると、メアと一緒に近付いた。
「久しぶりねクロフォード、そしてセシリアも」
「やあメア、久しいね。となりにいるのが大賢者の?」
「はい、ゼロと申します。一応この国の国王もやってまして」
「どうかしたのセシリア?いつもなら平民の国王が~て皮肉る所なのに」
「いえそんな滅相もありません、メア様」
「え?メア”様”?」
中身は別人だからこうなるのも仕方がない。
俺はクロフォードさんに一言断ると、セシリアを連れ出し二人きりになった。
メアは俺がまたハーレムを増やすのかと若干苛ついていた様だ。
「単刀直入に言う、君は異世界転生してきたね?しかもチートスキル持ち」
「ど、どうしてそれを!?」
「乙女ゲーの悪役令嬢が破滅フラグを回避する為に別人の様に変わるのはよくある事だからね」
「まあ確かに小説サイトとかではあるあるですけど…てまさかあなたも転生者!?」
「そうだよ。君と同じ世界や時代かは分からないけどね。一応地球生まれで西暦2000年から来た」
「私も地球人で、同じく2000年位からきました。まだ小ギャルとかたま〇っちとか流行ってます?」
俺達は他愛のない現代の話で盛り上がった。
それをメアは嫉妬の視線で見つめている。
悪寒を感じた俺はさっそく本題に入る事にした。
「君の回復術師としての力、俺の国に貸して欲しいんだ」
「え!?」
「無論VIP待遇だ。悪い様にはしない。それに君にとっても都合が良いんじゃないか?」
「確かに…乙女ゲーの所に留まって奮闘するよりも離れた方が得策ですね…」
「じゃあ、明日来てくれるかな?」
「いいともー!」
新たにチートな元悪役令嬢の回復術師が仲間に加わった。
安堵していたその時である。
ギャアアアアアアアアアアアス!!!
巨大な咆哮と共に巨大な3つ首のドラゴンが現れた。
口から吐く熱光線により城は瓦解していく。
「メア、君はこっちに!セシリア、君は怪我した人達の回復を頼む」
「わかりました!」
セシリアは了承すると俺の側を離れた。
一方で俺の近くに近付いて来たメアは俺の耳をひっぱる。
「いててててて!なにすんだよ!」
「ずいぶんあの子と話が盛り上がっていた様じゃない?旦那様ァ?」
「今はそんな事言ってる場合じゃないだろ!手を貸せ!」
「この後一緒に踊ってくれるなら構わないわよ?」
「わかった!わかったよ!デートでもなんでもやってやる!」
「やった!」
メアはぎゅっと俺の手を繋ぐ。
俺は城のテラスに出てドラゴンに向け手をかざした。
「開け、光の門!サイ・デッカー!!」
突如現れた光の門から十字の光線が放たれる。
ドラゴンは最後の断末魔を上げ、その場に倒れた。
俺は周囲を見てセシリアを探す。
セシリアは怪我人の手当てをしている。
どうやら無事の様だ。
「よかった…」
思わず呟くとまた耳が引っ張られる。
「ダンス中足をふまないでよね、だ・ん・な様!」
この後小一時間程ダンスの訓練が続き、ショッピングに付き合い、食事もした。
メアって怒らすと怖いんだな…としみじみ思う俺だった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる