異常な怪談たち

kazukazu04

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遺影

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私の家には祖父の遺影がたくさんある。

その数、100枚ほど。

祖父の若い頃から歳を取った写真まで色々。

肖像画まである。

ここまでは普通の家と変わらないかも知れない。

だが私の家が他の家と違うのは、死体の写真まであることだ。

祖父は病気を苦に首吊り自殺をした。

その首吊り自殺したときの写真がたくさんあるのだ。

苦しんで死んだだろう顔。

だらんと垂れた腕。

力ない足。

さまざまなな角度から撮った。

そう、私の家では死ぬ瞬間その時までが遺影になるのだ。

だから死を悲しむ前に写真をおさめる。

きっと私の家族が無惨に死んでも、その瞬間まで私はカメラで撮り続けるだろう。

だがそれももう終わりにしたい。

私は今、ビルの屋上から飛び降りようとしている。

後ろにはカメラを構えた私の家族。

タッ。

私は屋上から飛び降りた。

パシャ!。

その瞬間、たしかに私はカメラのシャッター音を聞いた。









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