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第24話 二番弟子、魔族を不良だと勘違いする
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「おいテーラス、お前1限の魔法実習サボったろ」
「サボりではない。寝ブッチだ」
「それ、つまるところサボりじゃん」
「お前ほんまに特待生としての自覚あるんけ?」
「逆に考えろ。特待生がこんなんだから、気楽に学園生活を送れるってもんだろ?」
「「「それな」」」
結局、アッサリと同意してしまうサム、ゼルト、マホート。
類は友を呼ぶって奴だな。
……ってか、そもそもしょうがないんだよな。
昨日のチアリーダー部の新歓、メチャメチャ楽しかったんだ。
それが夜中まで続いたんだから、朝早い授業に間に合うはずも無いのだ。
「ふぁ~あ、まだ眠い」
2限は座学。
俺は軽く伸びをしてから席についた。
授業の内容は完全に既知のものばかり。
ついつい気が逸れて、関係ないことを考えてしまう。
……特待生としての自覚、ね。
そう言えば俺、黒の覆面更生員に選ばれはしたものの、まだ覆面を支給されていないな。
6年D組のリューナとかいう奴にも、覆面無しでは手を出す事は出来ない。
てな訳で、現時点でそんな自覚があったところでって話なんだよな。
──ん、待てよ?
そう言えば今まで気にしたことが無かったが、リューナは人間じゃない可能性もあるのではないか?
例えば、リューナが魔族であるという可能性。
ワートの魂の一部が憑依した存在である魔族ならば、魔法学園の教師など敵ではないのも頷ける。
あるいは、最悪のケースとしては、リューナは人間に変身した生まれたてのニャルラト──いや、やっぱりそれはあり得ないな。
この惑星で生まれる唯一の異形級である奴が暴れたら、まず間違いなく風紀委員を殺すついでにゾファレン学宮都市が消滅するしな。
奴は、幼体でもその規模の災害を起こす。
人的被害にとどまっている以上、逆にその筋は無いと見ていいだろう。
とりあえず、ワートの魂に波長を合わせて転生探知をかけよう。
6年D組の教室の位置は把握している。
そこに魔族がいれば、リューナ魔族説はほぼ確定だな。
探知。
……この学園の上空に、魔族が1体。
そりゃそうか。不良と言えば、教室じゃなくて屋上とかにいるものって相場が決まってるよな。
屋上より遥かに上だけど。
この場合、どうすりゃいいんだ?
即刻始末したいところだが、学園生になってしまっている以上は勝手に殺すわけにはいかない。
とりあえず、あの爺さんに相談に行くか。
「先生、ちょっと雉撃ちに行ってきます」
「テーラスなら雉と言わずワイバーンでも狩って来なさい」
……ちげえよ。
「雉撃ちに行く」っつったらお手洗いのことに決まってんだろうが。
まあ無難な理由つけて教室を出ようとしているのだけれども。
☆ ☆ ☆
「ユー、よく来たね!」
「はい。一つ、報告したいことがございまして」
「なんだい?」
「6年D組のリューナという生徒ですが……あれは魔族であると判明致しました」
「ユー、そんなはずはないよ」
「ですが、今実際に魔族の気配を上空から感じています」
「ふむ……」
一瞬黙りこんだ後、爺さんはカッと目を見開いてこう言った。
「ユー、あれリューナじゃないよ! 侵入してきた魔族だよ!」
☆ ☆ ☆
爺さんのお墨付きを貰った俺は、一目散に屋上まで駆け上がった。
最悪、爺さんの判断ミスであの魔族がリューナだったとしても、爺さんの証言があれば、俺が黒の覆面更生員の資格を剥奪される心配は無い。
心置きなく始末できるというわけだ。
俺は収納術からレッサークトゥルフの魔石を2個取り出した。
敵は空中にいるからな。
オーラバズーカで撃ち落とすか、最悪当たらなかったとしても魔族の気を引くとしよう。
1発目は完全な不意打ちとなり、魔族の腕を一本吹き飛ばした。
が、もう一発はすんでのところで躱された。
あの程度なら、リミッター解除は必要無さそうだな。
「……ほう、なかなか強そうな奴じゃねえか。おもしれえ」
降りてきた魔族はそう言った。
こいつ、腕一本飛ばされた状況を楽しんでるというのか。
戦闘狂なのは、ワートと変わらないってとこか?
……なるほどな。
魔法と気を双方使えるとは言っても、ワートからすれば戦っても面白くない程度の使い手すらも全滅したのは不思議でしかなかったが……魔族がその辺をも消してしまっていたということか。
「今度はこっちから行くぞ!」
そう言って、気功剣を顕現させる魔族。
ならばと俺も気功剣を顕現させ、闇属性魔法の透過撃を付与した。
「な、剣がすり抜け……」
初見殺しを成功させた俺は即座に魔法を気炎撃に切り替え、魔族が喋り終わる前にその首を飛ばした。
そして──あろうことか、その首は魔法の実習が行われているグラウンドへと落ちていく。
即座に飛び降りて魔族の首を追いかけた。
そして、グラウンドに五点着地した。
「すいません、授業の邪魔しちゃって!」
急いでその場を離れようとすると……
「「「君、魔族を一撃で倒した!?」」」
その場の全員に驚かれてしまった。
まずいな。
お手洗いとは全然関係ないことをしていたのが、担任にばれてしまう。
「サボりではない。寝ブッチだ」
「それ、つまるところサボりじゃん」
「お前ほんまに特待生としての自覚あるんけ?」
「逆に考えろ。特待生がこんなんだから、気楽に学園生活を送れるってもんだろ?」
「「「それな」」」
結局、アッサリと同意してしまうサム、ゼルト、マホート。
類は友を呼ぶって奴だな。
……ってか、そもそもしょうがないんだよな。
昨日のチアリーダー部の新歓、メチャメチャ楽しかったんだ。
それが夜中まで続いたんだから、朝早い授業に間に合うはずも無いのだ。
「ふぁ~あ、まだ眠い」
2限は座学。
俺は軽く伸びをしてから席についた。
授業の内容は完全に既知のものばかり。
ついつい気が逸れて、関係ないことを考えてしまう。
……特待生としての自覚、ね。
そう言えば俺、黒の覆面更生員に選ばれはしたものの、まだ覆面を支給されていないな。
6年D組のリューナとかいう奴にも、覆面無しでは手を出す事は出来ない。
てな訳で、現時点でそんな自覚があったところでって話なんだよな。
──ん、待てよ?
そう言えば今まで気にしたことが無かったが、リューナは人間じゃない可能性もあるのではないか?
例えば、リューナが魔族であるという可能性。
ワートの魂の一部が憑依した存在である魔族ならば、魔法学園の教師など敵ではないのも頷ける。
あるいは、最悪のケースとしては、リューナは人間に変身した生まれたてのニャルラト──いや、やっぱりそれはあり得ないな。
この惑星で生まれる唯一の異形級である奴が暴れたら、まず間違いなく風紀委員を殺すついでにゾファレン学宮都市が消滅するしな。
奴は、幼体でもその規模の災害を起こす。
人的被害にとどまっている以上、逆にその筋は無いと見ていいだろう。
とりあえず、ワートの魂に波長を合わせて転生探知をかけよう。
6年D組の教室の位置は把握している。
そこに魔族がいれば、リューナ魔族説はほぼ確定だな。
探知。
……この学園の上空に、魔族が1体。
そりゃそうか。不良と言えば、教室じゃなくて屋上とかにいるものって相場が決まってるよな。
屋上より遥かに上だけど。
この場合、どうすりゃいいんだ?
即刻始末したいところだが、学園生になってしまっている以上は勝手に殺すわけにはいかない。
とりあえず、あの爺さんに相談に行くか。
「先生、ちょっと雉撃ちに行ってきます」
「テーラスなら雉と言わずワイバーンでも狩って来なさい」
……ちげえよ。
「雉撃ちに行く」っつったらお手洗いのことに決まってんだろうが。
まあ無難な理由つけて教室を出ようとしているのだけれども。
☆ ☆ ☆
「ユー、よく来たね!」
「はい。一つ、報告したいことがございまして」
「なんだい?」
「6年D組のリューナという生徒ですが……あれは魔族であると判明致しました」
「ユー、そんなはずはないよ」
「ですが、今実際に魔族の気配を上空から感じています」
「ふむ……」
一瞬黙りこんだ後、爺さんはカッと目を見開いてこう言った。
「ユー、あれリューナじゃないよ! 侵入してきた魔族だよ!」
☆ ☆ ☆
爺さんのお墨付きを貰った俺は、一目散に屋上まで駆け上がった。
最悪、爺さんの判断ミスであの魔族がリューナだったとしても、爺さんの証言があれば、俺が黒の覆面更生員の資格を剥奪される心配は無い。
心置きなく始末できるというわけだ。
俺は収納術からレッサークトゥルフの魔石を2個取り出した。
敵は空中にいるからな。
オーラバズーカで撃ち落とすか、最悪当たらなかったとしても魔族の気を引くとしよう。
1発目は完全な不意打ちとなり、魔族の腕を一本吹き飛ばした。
が、もう一発はすんでのところで躱された。
あの程度なら、リミッター解除は必要無さそうだな。
「……ほう、なかなか強そうな奴じゃねえか。おもしれえ」
降りてきた魔族はそう言った。
こいつ、腕一本飛ばされた状況を楽しんでるというのか。
戦闘狂なのは、ワートと変わらないってとこか?
……なるほどな。
魔法と気を双方使えるとは言っても、ワートからすれば戦っても面白くない程度の使い手すらも全滅したのは不思議でしかなかったが……魔族がその辺をも消してしまっていたということか。
「今度はこっちから行くぞ!」
そう言って、気功剣を顕現させる魔族。
ならばと俺も気功剣を顕現させ、闇属性魔法の透過撃を付与した。
「な、剣がすり抜け……」
初見殺しを成功させた俺は即座に魔法を気炎撃に切り替え、魔族が喋り終わる前にその首を飛ばした。
そして──あろうことか、その首は魔法の実習が行われているグラウンドへと落ちていく。
即座に飛び降りて魔族の首を追いかけた。
そして、グラウンドに五点着地した。
「すいません、授業の邪魔しちゃって!」
急いでその場を離れようとすると……
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