Penguinさんのヒンヤリする話

Nova.Penguin

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会社を辞めた日

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私は会社を辞めた。
心は驚くほど軽く、清々しい気分だった。
 
帰宅し、玄関の扉を開けると長女が出迎えてくれた。
いつもいい表情で迎えてくれる。
 
リビングへ向かうと妻がキッチンにいた。
首には赤いスカーフを巻き、今日も何も変わらず美しかった。

『君のいう通り会社を辞めたら気持ちが楽になったよ!次も楽しみ頑張るよ!』
テーブルには鮮やかな赤色の料理が豪勢に並んでいる。
どれも美味しそうだ。

自室へ向かうため階段を上がると、長男の部屋の扉が半端に開いていた。
「おーい。」声をかけ、そっと扉を押すと、息子は床の上で眠り込んでいた。
学校で疲れたのだろう。

「こんなところで寝ていたら風邪をひくぞ。」
そう言いながら毛布をかけ、私は自室へ向かった。

PCで求人サイトを眺めていると外がざわめいているのに気づいた。

インターホンが鳴る。
扉を開けると、顔なじみの警察官が立っていた。
『これはこれは!今日はどうされましたか?何か事件でも?』

警察官は無言のまま私を見つめ、やがて腕を掴んだ。
気づけば私はパトカーに乗せられ、どこかへ運ばれていた。




『殺人の疑いで逮捕されたのは〇〇市に住む43歳の男性です。警察によりますと、〇〇市の自宅で同居する妻と子供2人の首や腹などを包丁で複数回刺し殺害した疑いが持たれています。包丁はキッチンで発見された妻の首に突き刺さったままの状態で見つかったとのこと。
 
今朝10時ごろ、近隣住民から『異臭がする』との通報を受け、警察官が駆けつけました。住宅のインターホンを鳴らしたところ、男性が扉を開け、その背後に子供の遺体が倒れているのを発見。事件が発覚しました。

被害にあったのは、男性の妻39歳、息子10歳、娘6歳の3人で、首や腹部を中心に合わせて30か所以上の刺し傷が確認されており、死亡から少なくとも4日以上が経過していたということです。』
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