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追放させる詐欺が流行ってるんだってよ!
【ガルゴ様が行く盲目のバジリスク討伐配信】
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【ガルゴ様が行く盲目のバジリスク討伐配信】
ギルド『炎帝青雷』から西、ギルドマスター代理であるガルゴら総勢二十名は密林地帯へとやって来ていた。
そのうちの一人が端末をいじり、地下電糸網を用いて特定のID――この場合、同じギルドの面々にのみ閲覧できる形で『配信』を行なっている。
道中、ギルドマスター代理を務めるガルゴがどれほどの人物なのかとギルド中に示すために活躍を撮影すると決まったからだ。
「オラァ、見やがれ野郎ども! 大盾も剣も鎧もピッカピカに磨き上げて来たぜェ!」
ガルゴはその背中に大剣を背負い、鎧を着込んでいる重戦士である。
彼が鋼鉄のガントレットで己の腹を叩き、こつんと硬質な音を立てた。その表面は武器も防具も鏡面のように光を反射している。
途中で鎧を覗き込んだ別の男の顔がはっきりと映ったのが配信映像にも現れていた。
「ヒュー! さすがガルゴさん! 盲目のバジリスク相手でも油断せずに対策してくるなんて、慎重派だぜー!」
「よっ! 豪傑!」
『おいおい太鼓持ちばっかりかよw』
『いや、しかしギルドマスター代理を任されるくらい信頼されてる人だぞ?』
『そうそう! それだけ信頼されてるんだよね!』
端末に流れ込んでくる電気信号が文字へと姿を変え、コメントとして反映される。それを見たガルゴは「褒めてもなにも出んぞ!」と豪快に笑った。
『で、その鎧や武器が切り札なわけだ?』
ガルゴは頷き、笑いながら映像向けに説明し始める。
「はっはっはっ! バジリスクの魔眼を見ると石化しちまう。だが、鏡のような武器や防具を用意してりゃ問題ねぇ! やつが自滅しちまうからなァ! 今回は対象が盲目だから、もしかしたら魔眼の効果が消えてるかもしれねーが、そうしたらもっと楽勝で殺せるだろうよ!」
その場に本物のギルドマスター、アルフィンがいたのならばこの楽観的かつ実に短絡的な結論を鼻で笑って訂正したであろう。しかし、その場にいるのはガルゴと彼を持ち上げる部下達のみである。
危機感を示す人間など一人も存在しなかった。
「さて、そろそろバジリスクの目撃情報があった湿地帯ですけど……」
部下の一人が口にしたときだ。
木々をバキバキとへし折りながら現れたのは巨大な毒蛇――バジリスク。
二十メートル級と称されるその体長は長く、そして胴体は丸太のように太く、口から覗く牙は矢尻よりも大きく鋭い。舌は鞭のようにしなり、そして、その瞳は……白濁している。
巨大な毒蛇は彼らの目の前を素通りするように木々をへし折りながら進んでいく。蒸し暑い湿地の中、蛇はときおり鎌首を持ち上げ、周囲の様子を探るようにして進んでいく。
ギルドの人間のことなど視界にすら入っていない様子だ。
賑やかな彼らの様相に気づきもしないあたり、耳も悪くなっているのかもしれなかった。
「お、いたいた。ほらほらこっち向けぇ」
ガルゴが軽い言葉と共にその尾を剣先でつつく。
そしてすぐさま盾を構えて自身の視線を塞いだ。
彼らは一応魔眼が消えていないことを想定しているため、小さな攻撃をして視線を向けさせ、魔眼の効果があるかどうかを確認しようとしているのだ。
魔眼の効果が消えていなければそれはそれで、バジリスクが自滅することとなるので、より彼らの仕事が楽になるだけである。
「いやぁ、二十メートル級はでっけぇなぁー」
「図体だけだろ」
その様子を、ガルゴの背後で雑談していた者達があくびをしながら眺めていた。
「ははっ、これで楽に――」
不意に、雑談をしていた人間の言葉が途切れる。
「は? おい……んだよ、やっぱ魔眼は消えてないのな」
その変化にいち早く気がついたのはガルゴ当人である。頭上の蛇が雑談をしていた二人に、その白濁とした目を向けていたからだ。直接目を視界に入れないようにその様子を悟ったガルゴは、「面倒なことになった」とばかりにため息を吐く。
ついでに事前に「念のため目は見るな」と言い含めておいたのが無駄になり、自身の忠告を守っていなかった部下二人に呆れたようにした。
「馬鹿どもめぇ……」
なお、端末に映る映像は電気信号に置き換えて送られてくるものなので、配信を見ている人間に蛇の魔眼が効くことはない。
それを知っているからか、コメントをしていた人間はこぞってガルゴ達を揶揄いはじめる。完全に他人事だからだ。
「おい、誰か石化を解く薬を――は!?」
ガルゴが呆れたように部下へと声をかける。
しかし、その顔面に太くしなやかな蛇の尾が振り下ろされ、慌てて盾を構えることでその余裕ともとれる声色に変化が起こった。
「な、なんでだ!? どうしてだ!? 見えないはずなのにどうしてこっちに来るんだよ!?」
そしてガルゴに尻尾を打ち付けたバジリスクは、今度はまとまった位置にいる部下数名に向かって素早く移動し始める。
「が、ガルゴの旦那ぁ!」
「い、一旦退けー! 目を見るな!」
ガルゴが必死に叫ぶものの、バジリスクは人間が多く集まった位置を狙い続け、尻尾を叩きつけ、噛みつき、その白濁した目を部下達の視界に滑り込ませると次々石化させていく。
「ど、毒が!」
数人が「目を瞑れ!」と指示を出すが、蛇は的確に彼らを襲い来る。
そんな恐怖に抗えるはずもなく、大きな叫び声を上げながら何名かの冒険者が剣を放り出して逃げ始めた。
「ばか! やめろ目を開くな!」
しかし、逃げ出す冒険者の目の前にギョロリと白濁した目を持つ顔面が現れ、叫び声の途中で沈黙する。
「うわああああ!!」
悲鳴。怒号。慌てふためく足音。途切れる声。
だんだんと静かになっていく仲間達に、噛み付かれて毒に苦しむ者達。
ガルゴはそんなただ中で、絶望したように「嘘だ」と呟いていた。
彼らが舐めてかかった盲目のバジリスクは、冒険者達を石化させ、毒で無力化させながら尾で取り囲んで一か所にまとめていく。
配信映像の中ではコメントが阿鼻叫喚。
地獄絵図もかくやの状況で、誰かがポツリとコメントを投稿した。
『もしかして、一か所に集めて生きたまままとめて食おうとしてる……?』
そのコメントがきっかけだっただろうか。いや、もうガルゴにはなにも見えていない。見えているのは、目の前の絶望的な状況だけだ。配信をしていたことすら、忘れている可能性もあった。
『誰か援軍呼べ!』
『間に合うわけないだろ!?』
『それに敵うわけないよあんなの! 弱点克服してるようなもんじゃん!』
半分目を閉じながら、ガルゴは汗でぬめる大剣をしっかりと握り直す。
ギリリと唇を噛みしめ、その口の端から血が流れていくのが映像に映り込んだ。
「あいつらを連れてきたのは俺の責任だぁ……舐めてかかったのもそうだ……だから、せめてあいつらだけでも救出しねぇと!」
ガクガクと彼の足が震え、バジリスクに向けた剣先がブレる。しかしそれでも彼は逃げ帰ることなく自身を鼓舞して立ち向かう。
「全部、全部俺の責任だぁ! 俺が、俺がなんとかするからテメェらは毒が苦しかろうがなんだろうが逃げろぉ!」
重戦士にしては素早い身のこなしでガルゴは蛇に斬りかかる。
しかし、太い丸太のようなバジリスクの身体には浅い傷ひとつしかつけられず、鋼と鋼を打ち合わせるようなガキンッという音が響くのみだった。
「くそっ、折れるまで続けっ……!」
焦りを浮かべ、決意を新たにもう一度と大剣を構える彼の頬にぼたりとなにかが垂れ落ちる。
「あ……」
じゅわりと皮膚を侵食するように焼いていく、透明と紫色が混ざり合ったような液体。茫然とそれを見上げた彼の真上に、ぐぱりと開いた巨大な蛇の口があった。
絶望。
彼の手は脱力し、大剣が滑り落ちる。
彼を丸飲みしようというのか、それとも恐怖心を与えようとしているのか、バジリスクはその大口をゆっくりと彼の頭から包み込みはじめた。
端末のコメントが絶望一色になる。
その瞬間――バジリスクに青雷が落ちた。
「シャァァァァァァァ!?」
火傷した頬、死を予感した顔のままガルゴはその場に尻餅をつく。
「だれ……だ?」
青雷のように現れ、バジリスクの片目をロングソードで貫いた男が蛇の顔面を蹴って彼の前に降りてくる。
その目は――かたく閉ざされたままだった。
「ひええええええ! 今貫いたの目玉ぁ!? 気持ち悪っ! マジ気持ち悪っ!」
まるで青い雷のように現れた青年はこれまた雷のような大音量で喚き散らしながら、ガルゴに回復薬の入ったビンを、正確な位置に投げつける。
ガルゴはそんな『彼』をありえないものを……そう、たとえば幽霊でも見るような様子でパチクリとまばたきを繰り返していた。
「っていうかさあ!! おっさん達なんでそんなピンチになってるわけええええ!? 死ぬ一歩手前だったじゃん! やめろよ!! 人の依頼を正式な引き継ぎしないで横取りしといて死にかけるとかマジで勘弁してよおおおおおお! オレの責任になるじゃん!!」
目を閉じていなければ白目を剥きそうな勢いで青年――ノア・レルヴィンが喚き散らす。
ギルドのレインボーカードは『自身の受けた依頼で死者ゼロを三年維持する』ことも条件のひとつである。
彼にとっては、とんでもない死活問題なのであった。
ギルド『炎帝青雷』から西、ギルドマスター代理であるガルゴら総勢二十名は密林地帯へとやって来ていた。
そのうちの一人が端末をいじり、地下電糸網を用いて特定のID――この場合、同じギルドの面々にのみ閲覧できる形で『配信』を行なっている。
道中、ギルドマスター代理を務めるガルゴがどれほどの人物なのかとギルド中に示すために活躍を撮影すると決まったからだ。
「オラァ、見やがれ野郎ども! 大盾も剣も鎧もピッカピカに磨き上げて来たぜェ!」
ガルゴはその背中に大剣を背負い、鎧を着込んでいる重戦士である。
彼が鋼鉄のガントレットで己の腹を叩き、こつんと硬質な音を立てた。その表面は武器も防具も鏡面のように光を反射している。
途中で鎧を覗き込んだ別の男の顔がはっきりと映ったのが配信映像にも現れていた。
「ヒュー! さすがガルゴさん! 盲目のバジリスク相手でも油断せずに対策してくるなんて、慎重派だぜー!」
「よっ! 豪傑!」
『おいおい太鼓持ちばっかりかよw』
『いや、しかしギルドマスター代理を任されるくらい信頼されてる人だぞ?』
『そうそう! それだけ信頼されてるんだよね!』
端末に流れ込んでくる電気信号が文字へと姿を変え、コメントとして反映される。それを見たガルゴは「褒めてもなにも出んぞ!」と豪快に笑った。
『で、その鎧や武器が切り札なわけだ?』
ガルゴは頷き、笑いながら映像向けに説明し始める。
「はっはっはっ! バジリスクの魔眼を見ると石化しちまう。だが、鏡のような武器や防具を用意してりゃ問題ねぇ! やつが自滅しちまうからなァ! 今回は対象が盲目だから、もしかしたら魔眼の効果が消えてるかもしれねーが、そうしたらもっと楽勝で殺せるだろうよ!」
その場に本物のギルドマスター、アルフィンがいたのならばこの楽観的かつ実に短絡的な結論を鼻で笑って訂正したであろう。しかし、その場にいるのはガルゴと彼を持ち上げる部下達のみである。
危機感を示す人間など一人も存在しなかった。
「さて、そろそろバジリスクの目撃情報があった湿地帯ですけど……」
部下の一人が口にしたときだ。
木々をバキバキとへし折りながら現れたのは巨大な毒蛇――バジリスク。
二十メートル級と称されるその体長は長く、そして胴体は丸太のように太く、口から覗く牙は矢尻よりも大きく鋭い。舌は鞭のようにしなり、そして、その瞳は……白濁している。
巨大な毒蛇は彼らの目の前を素通りするように木々をへし折りながら進んでいく。蒸し暑い湿地の中、蛇はときおり鎌首を持ち上げ、周囲の様子を探るようにして進んでいく。
ギルドの人間のことなど視界にすら入っていない様子だ。
賑やかな彼らの様相に気づきもしないあたり、耳も悪くなっているのかもしれなかった。
「お、いたいた。ほらほらこっち向けぇ」
ガルゴが軽い言葉と共にその尾を剣先でつつく。
そしてすぐさま盾を構えて自身の視線を塞いだ。
彼らは一応魔眼が消えていないことを想定しているため、小さな攻撃をして視線を向けさせ、魔眼の効果があるかどうかを確認しようとしているのだ。
魔眼の効果が消えていなければそれはそれで、バジリスクが自滅することとなるので、より彼らの仕事が楽になるだけである。
「いやぁ、二十メートル級はでっけぇなぁー」
「図体だけだろ」
その様子を、ガルゴの背後で雑談していた者達があくびをしながら眺めていた。
「ははっ、これで楽に――」
不意に、雑談をしていた人間の言葉が途切れる。
「は? おい……んだよ、やっぱ魔眼は消えてないのな」
その変化にいち早く気がついたのはガルゴ当人である。頭上の蛇が雑談をしていた二人に、その白濁とした目を向けていたからだ。直接目を視界に入れないようにその様子を悟ったガルゴは、「面倒なことになった」とばかりにため息を吐く。
ついでに事前に「念のため目は見るな」と言い含めておいたのが無駄になり、自身の忠告を守っていなかった部下二人に呆れたようにした。
「馬鹿どもめぇ……」
なお、端末に映る映像は電気信号に置き換えて送られてくるものなので、配信を見ている人間に蛇の魔眼が効くことはない。
それを知っているからか、コメントをしていた人間はこぞってガルゴ達を揶揄いはじめる。完全に他人事だからだ。
「おい、誰か石化を解く薬を――は!?」
ガルゴが呆れたように部下へと声をかける。
しかし、その顔面に太くしなやかな蛇の尾が振り下ろされ、慌てて盾を構えることでその余裕ともとれる声色に変化が起こった。
「な、なんでだ!? どうしてだ!? 見えないはずなのにどうしてこっちに来るんだよ!?」
そしてガルゴに尻尾を打ち付けたバジリスクは、今度はまとまった位置にいる部下数名に向かって素早く移動し始める。
「が、ガルゴの旦那ぁ!」
「い、一旦退けー! 目を見るな!」
ガルゴが必死に叫ぶものの、バジリスクは人間が多く集まった位置を狙い続け、尻尾を叩きつけ、噛みつき、その白濁した目を部下達の視界に滑り込ませると次々石化させていく。
「ど、毒が!」
数人が「目を瞑れ!」と指示を出すが、蛇は的確に彼らを襲い来る。
そんな恐怖に抗えるはずもなく、大きな叫び声を上げながら何名かの冒険者が剣を放り出して逃げ始めた。
「ばか! やめろ目を開くな!」
しかし、逃げ出す冒険者の目の前にギョロリと白濁した目を持つ顔面が現れ、叫び声の途中で沈黙する。
「うわああああ!!」
悲鳴。怒号。慌てふためく足音。途切れる声。
だんだんと静かになっていく仲間達に、噛み付かれて毒に苦しむ者達。
ガルゴはそんなただ中で、絶望したように「嘘だ」と呟いていた。
彼らが舐めてかかった盲目のバジリスクは、冒険者達を石化させ、毒で無力化させながら尾で取り囲んで一か所にまとめていく。
配信映像の中ではコメントが阿鼻叫喚。
地獄絵図もかくやの状況で、誰かがポツリとコメントを投稿した。
『もしかして、一か所に集めて生きたまままとめて食おうとしてる……?』
そのコメントがきっかけだっただろうか。いや、もうガルゴにはなにも見えていない。見えているのは、目の前の絶望的な状況だけだ。配信をしていたことすら、忘れている可能性もあった。
『誰か援軍呼べ!』
『間に合うわけないだろ!?』
『それに敵うわけないよあんなの! 弱点克服してるようなもんじゃん!』
半分目を閉じながら、ガルゴは汗でぬめる大剣をしっかりと握り直す。
ギリリと唇を噛みしめ、その口の端から血が流れていくのが映像に映り込んだ。
「あいつらを連れてきたのは俺の責任だぁ……舐めてかかったのもそうだ……だから、せめてあいつらだけでも救出しねぇと!」
ガクガクと彼の足が震え、バジリスクに向けた剣先がブレる。しかしそれでも彼は逃げ帰ることなく自身を鼓舞して立ち向かう。
「全部、全部俺の責任だぁ! 俺が、俺がなんとかするからテメェらは毒が苦しかろうがなんだろうが逃げろぉ!」
重戦士にしては素早い身のこなしでガルゴは蛇に斬りかかる。
しかし、太い丸太のようなバジリスクの身体には浅い傷ひとつしかつけられず、鋼と鋼を打ち合わせるようなガキンッという音が響くのみだった。
「くそっ、折れるまで続けっ……!」
焦りを浮かべ、決意を新たにもう一度と大剣を構える彼の頬にぼたりとなにかが垂れ落ちる。
「あ……」
じゅわりと皮膚を侵食するように焼いていく、透明と紫色が混ざり合ったような液体。茫然とそれを見上げた彼の真上に、ぐぱりと開いた巨大な蛇の口があった。
絶望。
彼の手は脱力し、大剣が滑り落ちる。
彼を丸飲みしようというのか、それとも恐怖心を与えようとしているのか、バジリスクはその大口をゆっくりと彼の頭から包み込みはじめた。
端末のコメントが絶望一色になる。
その瞬間――バジリスクに青雷が落ちた。
「シャァァァァァァァ!?」
火傷した頬、死を予感した顔のままガルゴはその場に尻餅をつく。
「だれ……だ?」
青雷のように現れ、バジリスクの片目をロングソードで貫いた男が蛇の顔面を蹴って彼の前に降りてくる。
その目は――かたく閉ざされたままだった。
「ひええええええ! 今貫いたの目玉ぁ!? 気持ち悪っ! マジ気持ち悪っ!」
まるで青い雷のように現れた青年はこれまた雷のような大音量で喚き散らしながら、ガルゴに回復薬の入ったビンを、正確な位置に投げつける。
ガルゴはそんな『彼』をありえないものを……そう、たとえば幽霊でも見るような様子でパチクリとまばたきを繰り返していた。
「っていうかさあ!! おっさん達なんでそんなピンチになってるわけええええ!? 死ぬ一歩手前だったじゃん! やめろよ!! 人の依頼を正式な引き継ぎしないで横取りしといて死にかけるとかマジで勘弁してよおおおおおお! オレの責任になるじゃん!!」
目を閉じていなければ白目を剥きそうな勢いで青年――ノア・レルヴィンが喚き散らす。
ギルドのレインボーカードは『自身の受けた依頼で死者ゼロを三年維持する』ことも条件のひとつである。
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