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追放させる詐欺が流行ってるんだってよ!
今世紀最大の生き恥配信(自滅込み)
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沈む、沈む。
昔のことを思い返していた。
今どき結界もない村に生まれてさ、周りの大人達はみんな夜間は起きていて魔物が来るのを防いでいたり、母さん達はそんな父さん達のために必死にお守りの刺繍を縫ったりしてたのを覚えてる。
王都とかおっきな街は光魔法の結界があって、夜も安心してみんなが眠れるんだって聞いていたけど、御伽噺みたいなものだと思ってた。
オレはその頃から臆病で、歳が二つ離れて生まれてきた妹のことも正直最初は好きなんかじゃなかったよ。
母さんが妹のユラにかかりきりになって、「男の子でしょ」なんて言ってオレを守ってくれる人なんていなくて、ユラのことを恨んでさえいたよ。
妹は幼いからなんにも分からないし、我慢もできない。嫌な事があれば暴れるし、お腹が空いたら泣く。
妹さえいなければたくさんおいしいものを食べられたし、みんながオレを優先してくれていたかもしれない。妹さえいなければあたたかい毛布を渡して寒さに泣くこともなかったかもしれない。
でも、オレが五歳のとき。三歳の妹があろうことか夜中に抜け出して、森の入り口まで進んでいたことがあった。ちょうどそのとき、見張りの人は交代している最中で、そこには誰もいなかったんだって。
いつも隣にある電気信号が近くになくて、オレだけが気づいて連れ戻しに行った。胸の中で黒い感情がなかったかというと、嘘になる。そのままどっか遠くへ行っちゃえばいいのにだとか、思っていた気もする。
それでも暗い中、泣き喚いて泣き喚いて、怖がりながらもユラを探した。
森の入り口でユラは花を一輪摘んでこっちを向いて、笑顔で手を振った。その後ろに、魔物がいるのに気が付かないで。
「お兄ちゃ! つき、おはな! 好きって言った!」
オレは、好きなものはなにかと聞く妹に『月夜だけに咲く花』とひとつだけ嘘をついていたんだ。意地悪をするみたいに。
なのにユラは真剣にオレが好きなものをプレゼントしようと危険な月夜に外に出て、笑顔で花を手に持ちながらヨタヨタと歩いて来る。
後ろにいる魔物が今にもユラを襲ってきそうで、オレはそのとき『ぷっつん』となにかが切れるような音をはっきりと耳にした。
「ユラにさわるな」
その日、青い雷が村を明るく照らした。
オレは雷魔法に愛された子供として認識され、兄妹ともどもめちゃくちゃ怒られた。それでも幸せだった。
あのときからずっと、ユラのために『兄』でいてやるんだと決めんだ。
あたたかくて、明日も生きようって思える活力剤そのものみたいで、いつでもオレを格好いいと褒めてくれるユラのために。
だから、必ず妹のことは守る。
なにがあろうとも、絶対に守る。
それだけを胸に剣を振るい、バチリと音を立てて想いの全てを青い雷となって発現させるのだ。
「――三歩青雷」
一歩、叩きつけて来る大蛇の尻尾を斬り飛ばす。
二歩、巨大な毒蛇の牙を叩き折り。
三歩、口を広げて食らいつかんとする蛇の咥内に、剣を構えながら自ら飛び込んだ。
二十メートルの蛇は、体内から鱗を通して青い電流が迸り、上顎と下顎を中心に頭の先から斬り飛ばされなかった尻尾の半分まで真っ二つになって崩れ落ちる。
その血を浴びながら、剣先を振るって血と脂を落とした。
こいつは牙さえ折っておけば、毒を封じることができる。そもそもかすっただけで強い毒が全身を回るから、石化も合わせて驚異なだけなんだよね。
その二つさえ効かなければ、ただの巨大な蛇でしかない。
体内にある毒袋の位置は避けているし、その血にまで毒は混じっていない。最低限の斬撃で殺したから鱗や血を素材としてたくさんとって売ることもできる。折った牙だって、毒を採取して武器として再利用することが可能。
うん、オレいい仕事した。
さて、目を閉じたままなので周りの状況が分かりづらいけど……怯えと戸惑いを浮かべる電気信号が発される位置まで歩き、その頭をポンと撫でた。
その場にいるのはオレと、守るべき妹しかいない。
つまり、この怯え戸惑う気配は妹のものに違いないからだ。
「大丈夫だよ、もう怖くないぞ。ノア兄ちゃんがついてるからね。いい子、いい子だね。よく頑張ったね」
頭を撫でてユラを褒めてやる。
幼いユラは勇敢でもあり、そしてオレを絶対的に信頼して尊敬していた。
だからしっかりとお兄ちゃんらしく、頑張ったことを褒めてあげたい。喜んでもらいたい。
ああ、ユラは今日もいい子だねえ。
「いイ加減目ェ覚まセ」
「うぼぁ!?」
唐突に電流が脳天を駆け巡り、目の前に星が飛ぶ。
これはつまり、後ろ髪にくっついたレビンが直接強烈な電撃をぶちかましてきたわけで……?
「なんてことしてくれてんの!? オレの脳味噌が沸騰したらどう責任取ってくれるつも……り……」
でも、オレの言葉は尻すぼみにどんどん小さくなっていった。
周りを取り囲んでいた妹空間が姿を消し、二枚におろされた蛇のグロ画像が視界にぶち込まれ、そしてふぁっさぁ……と、薄い毛の手触りが眼下から伝わってくる。
ギギギと機甲兵型の魔物みたいに自分の手がなにを撫でているのかを認識する。認識したくなかった。
斜め下に、尻餅ついたままオレに撫でられて照れ臭そうにしているザ・おっさんの姿がある。
沈黙。
「ゔぉえええええええ!」
地 獄 絵 図 か ?
秒でその場から離れたオレは鳥肌がふつふつと出てくる腕を押さえながらその辺にあった木に擦り付ける。ガルゴのおっさんが若干傷ついた顔をしたものの、そんなの知るかボケェ!! 意味分からんって顔してんなよ!! オレが意味分からんわああああ!!
誰が好き好んでおっさんを撫でるんだよぉ!!
「はあああああ!! 配信されてるんだからせっかくおっさんの生き恥晒してやろうとか思ってたのに! ついでにオレのすごさ格好よさを認めてもらおうと思ってたのに! 思ってたのに!」
『生き恥(自滅ダメージ)』
『ブーメラン頭に刺さってますよ(小声)』
『確かにさっきのは格好良かったんだけどさあ』
『台無しwww』
『でも、まあ……』
叫びながらも、この優秀な感知能力がガルゴのおっさんの呟きを電気信号として受け取った。
「こんな騒がしいやつがいるのも、案外いいのかもしれんなぁ……」
そりゃどうも!!!!
こちとら生き恥晒されて今すぐモグラの穴にでも飛び込みたいけどなあああ!!
昔のことを思い返していた。
今どき結界もない村に生まれてさ、周りの大人達はみんな夜間は起きていて魔物が来るのを防いでいたり、母さん達はそんな父さん達のために必死にお守りの刺繍を縫ったりしてたのを覚えてる。
王都とかおっきな街は光魔法の結界があって、夜も安心してみんなが眠れるんだって聞いていたけど、御伽噺みたいなものだと思ってた。
オレはその頃から臆病で、歳が二つ離れて生まれてきた妹のことも正直最初は好きなんかじゃなかったよ。
母さんが妹のユラにかかりきりになって、「男の子でしょ」なんて言ってオレを守ってくれる人なんていなくて、ユラのことを恨んでさえいたよ。
妹は幼いからなんにも分からないし、我慢もできない。嫌な事があれば暴れるし、お腹が空いたら泣く。
妹さえいなければたくさんおいしいものを食べられたし、みんながオレを優先してくれていたかもしれない。妹さえいなければあたたかい毛布を渡して寒さに泣くこともなかったかもしれない。
でも、オレが五歳のとき。三歳の妹があろうことか夜中に抜け出して、森の入り口まで進んでいたことがあった。ちょうどそのとき、見張りの人は交代している最中で、そこには誰もいなかったんだって。
いつも隣にある電気信号が近くになくて、オレだけが気づいて連れ戻しに行った。胸の中で黒い感情がなかったかというと、嘘になる。そのままどっか遠くへ行っちゃえばいいのにだとか、思っていた気もする。
それでも暗い中、泣き喚いて泣き喚いて、怖がりながらもユラを探した。
森の入り口でユラは花を一輪摘んでこっちを向いて、笑顔で手を振った。その後ろに、魔物がいるのに気が付かないで。
「お兄ちゃ! つき、おはな! 好きって言った!」
オレは、好きなものはなにかと聞く妹に『月夜だけに咲く花』とひとつだけ嘘をついていたんだ。意地悪をするみたいに。
なのにユラは真剣にオレが好きなものをプレゼントしようと危険な月夜に外に出て、笑顔で花を手に持ちながらヨタヨタと歩いて来る。
後ろにいる魔物が今にもユラを襲ってきそうで、オレはそのとき『ぷっつん』となにかが切れるような音をはっきりと耳にした。
「ユラにさわるな」
その日、青い雷が村を明るく照らした。
オレは雷魔法に愛された子供として認識され、兄妹ともどもめちゃくちゃ怒られた。それでも幸せだった。
あのときからずっと、ユラのために『兄』でいてやるんだと決めんだ。
あたたかくて、明日も生きようって思える活力剤そのものみたいで、いつでもオレを格好いいと褒めてくれるユラのために。
だから、必ず妹のことは守る。
なにがあろうとも、絶対に守る。
それだけを胸に剣を振るい、バチリと音を立てて想いの全てを青い雷となって発現させるのだ。
「――三歩青雷」
一歩、叩きつけて来る大蛇の尻尾を斬り飛ばす。
二歩、巨大な毒蛇の牙を叩き折り。
三歩、口を広げて食らいつかんとする蛇の咥内に、剣を構えながら自ら飛び込んだ。
二十メートルの蛇は、体内から鱗を通して青い電流が迸り、上顎と下顎を中心に頭の先から斬り飛ばされなかった尻尾の半分まで真っ二つになって崩れ落ちる。
その血を浴びながら、剣先を振るって血と脂を落とした。
こいつは牙さえ折っておけば、毒を封じることができる。そもそもかすっただけで強い毒が全身を回るから、石化も合わせて驚異なだけなんだよね。
その二つさえ効かなければ、ただの巨大な蛇でしかない。
体内にある毒袋の位置は避けているし、その血にまで毒は混じっていない。最低限の斬撃で殺したから鱗や血を素材としてたくさんとって売ることもできる。折った牙だって、毒を採取して武器として再利用することが可能。
うん、オレいい仕事した。
さて、目を閉じたままなので周りの状況が分かりづらいけど……怯えと戸惑いを浮かべる電気信号が発される位置まで歩き、その頭をポンと撫でた。
その場にいるのはオレと、守るべき妹しかいない。
つまり、この怯え戸惑う気配は妹のものに違いないからだ。
「大丈夫だよ、もう怖くないぞ。ノア兄ちゃんがついてるからね。いい子、いい子だね。よく頑張ったね」
頭を撫でてユラを褒めてやる。
幼いユラは勇敢でもあり、そしてオレを絶対的に信頼して尊敬していた。
だからしっかりとお兄ちゃんらしく、頑張ったことを褒めてあげたい。喜んでもらいたい。
ああ、ユラは今日もいい子だねえ。
「いイ加減目ェ覚まセ」
「うぼぁ!?」
唐突に電流が脳天を駆け巡り、目の前に星が飛ぶ。
これはつまり、後ろ髪にくっついたレビンが直接強烈な電撃をぶちかましてきたわけで……?
「なんてことしてくれてんの!? オレの脳味噌が沸騰したらどう責任取ってくれるつも……り……」
でも、オレの言葉は尻すぼみにどんどん小さくなっていった。
周りを取り囲んでいた妹空間が姿を消し、二枚におろされた蛇のグロ画像が視界にぶち込まれ、そしてふぁっさぁ……と、薄い毛の手触りが眼下から伝わってくる。
ギギギと機甲兵型の魔物みたいに自分の手がなにを撫でているのかを認識する。認識したくなかった。
斜め下に、尻餅ついたままオレに撫でられて照れ臭そうにしているザ・おっさんの姿がある。
沈黙。
「ゔぉえええええええ!」
地 獄 絵 図 か ?
秒でその場から離れたオレは鳥肌がふつふつと出てくる腕を押さえながらその辺にあった木に擦り付ける。ガルゴのおっさんが若干傷ついた顔をしたものの、そんなの知るかボケェ!! 意味分からんって顔してんなよ!! オレが意味分からんわああああ!!
誰が好き好んでおっさんを撫でるんだよぉ!!
「はあああああ!! 配信されてるんだからせっかくおっさんの生き恥晒してやろうとか思ってたのに! ついでにオレのすごさ格好よさを認めてもらおうと思ってたのに! 思ってたのに!」
『生き恥(自滅ダメージ)』
『ブーメラン頭に刺さってますよ(小声)』
『確かにさっきのは格好良かったんだけどさあ』
『台無しwww』
『でも、まあ……』
叫びながらも、この優秀な感知能力がガルゴのおっさんの呟きを電気信号として受け取った。
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