最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職

鎌霧

文字の大きさ
410 / 625
15章

381話 第3回戦1試合目

しおりを挟む
「リアルで殴られた訳じゃないけど、こんなに喧嘩したの、小学生ぶり位だわ」

 顎のあたりを擦りつつ、口を上開けて噛み合わせだったりが顎の関節部分を擦ったりしながら、今やってる試合のモニターを見ながら口を開けたり閉じたり。あいつマジでいい感じにパンチ入れてきやがって……最後の最後に殴り合いを提案した私が悪いっちゃ悪いんだが。

「それにしても熱い試合だったっすね?」
「アホの戦い方よ、アホの戦い方……」
「ああいうのはアホになった方が面白いんすよ」

 確かにまあ、試合展開的には見てる方が盛り上がっていただろうけどさ。





 少し遡り。

「私の勝ちだな」

 相手の右頬に私の右拳がめり込み。向こうの拳は私の右頬に数センチ足りてない。そして、そのままずるりと私の方にもたれるように倒れてくるので、さっと横にずれてそのまま倒れるの横目に、地面に置いてあった煙草を拾い、さっと咥えて一服。

「あー……勝つって気持ちいいわ」

 にぃっと口角を上げた笑みを浮かべながらぷはーっと紫煙を大きく吐きだすと共に勝利アナウンスが響く。やっぱりどんなゲームをしても勝つというのは気持ちがいい。それがNPC相手だろうが、肉入りのプレイヤーだろうが、とにかく勝つってのが良い。
 
「あぁー!めっちゃ悔しいぃ!!」

 倒れたままで動けなくなっている魔法馬鹿を上からがっつりと見下ろして、さっき浮かべた笑顔を見せつけながらすぱーっと紫煙を吐きだしながらだんだんと地面を叩きまくってるのを楽しく見つめる。やっべ、この人が悔しがっている姿すげえそそる。

「負けるのマジで悔しいんだけどぉ……!」
「殴り合いした時点で私の勝ちだよ」

 自分の吸い切った煙草をぷっと吐き捨て、魔法馬鹿が火を付けた残っている煙草を拾い、もう一度すぱーっと吸い。

「リベンジマッチは……受けてやらん、勝ち逃げしてやる」
「良いからもっかいやりなさいよ、負けっぱなしは性に合わない」

 やっぱこいつ私みたいだわ。負けるのが嫌で、その上で正道に行かないような奴。普通こういう場面だったら自分との姿を重ねてあれこれ言うんだろうけど……そういう私みたいな奴の鼻っ面をへし折って目の前で勝ち誇ってやるのすっげえ楽しい。

「さーて、と……次はどいつとやるんだったかな」
「見てなさいよぉ!」

 あー、その悔しさ満点の感じ、すげえ良いわ。やられたらすげえむかつくけど。





「お、反対のブロックも終わったみたいっすね」
「そうだなあ……確か1、3試合目の奴がシードだっけ」
「そうっすよ、だから次はアカメさんとやる事になるっす」
「……前にショットガン不意打ちで即死させたの思い出したわ」

 そうそう、クラン大規模戦で顔見知りってので上手いこと近づいて速攻でショットガンかまして倒したんだっけか。あれは悪い事したなーって今更思い出したけど、こいつ好き勝手させると厄介だから嫌なんだよな。そう思っていればぱっとモニターが切り替わって勝敗が表示される。


第2回戦
1試合 盛り蕎麦○ マッスル武田×
2試合 フォーゼ× アカメ○
-試合 一二三四五六七八九〇
3試合 ガウェイン〇 山田太郎×
4試合 マイカ○ バイパー×
-試合 ビッグアップル

第3回戦
-試合 盛り蕎麦
1試合 アカメ 一二三四五六七八九〇

-試合 ガウェイン
2試合 マイカ ビッグアップル


「やっぱお前とか」
「勿論っすけど、本気でやってくるんすよね?」
「当たり前でしょ、じゃないと私が此処に来た意味が無いから」

 そう宣言していると次の試合の開始アナウンスが入るので闘技場の入口に向かい、さくっと転送されて、対面におしゃべり忍者がやってくる。
 いきなり戦闘開始ではないので、前2試合と同じように装備なりスキルなりの準備を整えてから戦闘開始を待つ。当たり前ではあるが、闘技場で消費したアイテムなり装備はその試合限定なので毎試合回復するのは良い仕様。とにかくいつもの装備を整えて準備完了、前試合が魔法特化系の装備だったので次は物理特化の装備に切り替える。外面だけは分からないんだけどな。

『それでは第3回戦1試合目、アカメ選手VS一二三(以下略)選手、試合開始です!』

 どこからか取り出してきたのかゴングの音が響くと共におしゃべり忍者が手裏剣を連射してくるのでこっちも投げ物を飛ばして相殺しながら距離と出方を伺う。
 おしゃべり忍者の奴も遠近両用で戦えるが、どちらかと言えば近が7、遠が3って割合くらいなので、上手くこのまま距離を詰められずに戦えるなら良いんだが、そんな事はなさそうだ。
 弾かれた手裏剣が飛び交い、一つ一つを弾き、火花を散らしている間にも相手の様子をしっかり見ておく。よし、ここだ。
 少し覚悟を決めて片手で手裏剣を落としている途中に腰に提げている拳銃を抜いて一発。ゴウンと大きい音と反動を手に感じるが、しっかり前に飛んでいく。
 勿論それをまともに受けるはずもないので忍者刀を抜いてキィンと甲高い音をさせて弾くわけだが、そういう弾かれるのに対しての対抗策を私がしていないと思っているのか。
 
「うおっ!?」

 片手で軽く払おうとした忍者刀が大きく逸れる。その隙を見逃さずに投げ物ポーチを使っていた手を素早く片手撃ちしていた銃に沿えてしっかりとグリップとグリップ底に手を当てて連射。
 向こうも向こうで軽く切り払えると踏んでいたのが覆されたので、手裏剣を投げるのをやめてしっかりと忍者刀を握って撃ちこむ弾丸を力を込めて弾き始める。

「どうしてこうも近距離職の連中は遠距離攻撃を弾くスキルを持っているかね」
「まあ、ぶっちゃけ闘技場にアカメさんの名前があったから急いで取ったんすけど」

 やだやだ、こうやってすぐに対策してくる奴って……って文句を言ってみた物の、私も結構同じことをしているからあんまし強く言えないか。モンスターが銃を使う訳じゃないけど、遠距離攻撃飛ばしてくるのは結構いるし、対策としては良い判断か。
 
「だとしても、耐えられるかな?」

 チャンバーに含めて装弾8発、そのうち5発撃ちこみ、少しだけ蹈鞴を踏んだ所でもう1丁提げていた銃を抜いて、そのまま投げ付ける。流石にこの動作の意図だったり、どういう理由で投げたか分からないので少し引いた所で脳筋の時と同じように人差し指と中指を揃えて動かす。

「それは遠隔で射撃する奴っすね?」

 案外冷静だった。やられたフリってわけか、やらしいねえ、あのおしゃべり忍者は。
 そうして投げ付けて回転が掛かった銃を警戒してなのか数ステップ下がってしっかり叩き落とす所に合わせて操作から射撃。流石に精度ガン無視での射撃なので当たりはしないが、びっくりはしたろ。
 その隙を見逃さずに残った3発を雑に撃ち切ってすぐに装填、投げ付けた銃からの射撃とこっちからの射撃を警戒させてるので防御に手を回してる今の内よ。

「さーて、びっくりどっきりは此処からだぞ」

 装填を済ませた銃をさっきと同じように投げ付けてから銃剣ライフルを抜いて一気に接近。明らかに不意打ちを仕掛けた所で銃剣を振り下ろし。流石にこのまま攻撃を貰う程忍者も弱い訳じゃないので、しっかり忍者刀で受けて金属音を響かせる。

「やり口が全部わけわかんないっすよ!」

 ぎゃりぎゃりと金属の擦れる音から強く押し返される、当たり前だが普通に力負けするので大きくノックバック、銃剣ライフルを構えなおすところに手裏剣が飛んでくるのでガンシールドで咄嗟に防ぐが何発か食らうのでそのまま後ろに。
 勿論追撃して来ない訳じゃないので、片手で印を組むとどこぞの火球の様に火を噴いてくるのを同じようガンシールドで防ぎつつ、投げ物ポーチからパイプグレネードを探って投げ付ける。当たり前だが火の待ってる所に爆破物を投げ付ければ、すぐに着火するので私とおしゃべりの間で爆発が起こり、その爆風に乗って後ろに下がって距離を取る。

「自爆ってきついわ」

 そのままゴロゴロと転がり、爆発で起きた煙で視界が塞がれるのでトラッカーですぐに相手を補足したうえで前方に投げた銃を操作して遠距離攻撃。銃声が二度鳴って、相手の体勢がぐらついたのを見た所で銃剣突撃。一気に近づいて捻りを加えて胴体に1発……と思ったのだが、変わり身で回避。それにしても今時古風な丸太に変わり身ってどうなんだ。

「変わり身回避、強すぎると思うんだが?」
「いやー、十分っすよ?」

 斜め後ろ辺りから声が聞こえるので丸太から銃剣の先を引き抜くのと同時に振り抜き。びゅんっと煙を晴らしながら斬りつけるが、手ごたえ無し。

「やっぱり自分も負けるのは嫌っす」

 声がして攻撃した方向少し奥にいるのと、左右にもう1人ずつ同じおしゃべり忍者がいる。分身体はトラッカーでも認知できないのは初見だわ。って言うかそもそもこの状態はあいつのフィニッシュムーブだから非常にヤバい。

「もう勝負賭けてきたか」

 すぐさま投げ物ポーチからフラッシュバンを手に取って投げ……る前に詰められて、斬撃、忍術、手裏剣の三種攻撃が飛んでくるので必死こいて防御に回って耐えつつフラッシュバンをとにかく転がしてから投げておいた銃を手元に戻しつつフラッシュバンに発砲。ああ、くそ、MP消費がきつい、さっさと片付けないとジリ貧ではなく普通に負ける。

「うわ、眩しっ!?」

 出してもフラッシュ、スモーク、グレネードが分からないって所良い所よな。
 そのまま銃の操作をして斬撃で接近してきたのと、手裏剣を投げてきたのにもう1発ずつ発砲して、本体かどうかの確認。斬撃かましてきた奴が本体で後ろ2人が分身なので、思いっきり体をぶつけ、銃剣ライフルをおしゃべり忍者の背中に回してからぐっと引き寄せ逃げられない様に。

「なりふり構ってられんわ、お前とガチるの」
「何するつもりっすか!」

 銃撃1発で分身1人消しているので、後はもう1人の方から攻撃を受けない様に本体を壁にしつつ、拳銃2丁を操作して手元に引き寄せ、おしゃべり忍者にびったり銃口を付けて外れない様に。

「こんな事なら質量弾にするんじゃなかったよ」

 マガジンに残っているすべての弾を零距離発射でおしゃべり忍者に。
 そして全部撃ち切ると共にMPも全部空になるのでがちゃんと音を立てて飛ばしていた銃も落ち、残りは銃剣ライフルのみ……だが。

「まだ、終わってないっすよ!」

 拘束を外し、私の体を足場にしてジャンプするおしゃべり忍者を視線で追いつつ、素早くライフルを構える、所に残っていた分身の手裏剣を受けて狙いが逸れる。
 
「最後っす、これで仕留めるっす!」
「やってみろ、このおしゃべり野郎が!」

 このままどうせ撃てないというのなら、と銃剣ライフルすら思い切り横に投げジャンプ狩り。銃剣部分がしっかり当たる訳じゃないので、腹に銃身部分が当たるが特に大したダメージは出ない。だからこそ温存していた最後のびっくりどっきり武器。

「そのうるせえ口を閉じとけ!」

 大したダメージは出ないが少し反応が遅れたおしゃべり忍者に向け、インベントリからペッパーボックスを取り出して抜き撃ち。6発同時斉射の一撃を追撃がもろに入ったのを見て、さらにたじろいでいる所に思いっきり走り、近づいて。

「そろそろ倒れろぉ!」

 そのままおしゃべり忍者の顔面に向かって飛び、膝を入れて押し込む。もうやれる手は肉弾戦しかないが、このまま押し切ってぶっ殺す。

「そろそろ、くたばれぇ!!」

 入った膝の感触を受けながら、体を捻って更に膝を押し込んで吹っ飛ばす。
 こんなにも肉弾戦してくると思ってなかったのか、直撃したうえに不意打ちだったのもあってもろに入ってそのままごろごろと転がっていく。
 着地と共に投げ付けた銃剣ライフルを拾い、しゃがんだまま吹っ飛ばしたおしゃべり忍者の方に向けて雑に連射。5発しか入らないがそんな事はどうでもいい。全部撃ち切りチャキンと音を立ててクリップを飛ばしながらすぐに次の5発を入れ直し……するとともに。

『ここで一二三選手ダウーン!猛攻に耐えきれなかったのか、起き上がれない!』

 そういえば実況なんてされてたっけか。
 ふうふうと荒い息を整えつつ、構えたまま倒れているおしゃべり忍者をじっと見たまま暫くそのまま。

『決着ぅ!第3回戦1試合、アカメ選手の勝利ぃ!』

 そのアナウンスを聞いて一気に疲れが流れてきた、ぶはっと大きく吐き出して銃剣ライフルを落としてその場で座り込む。
 あと2回だ、あと2回。
しおりを挟む
感想 43

あなたにおすすめの小説

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… 沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。 誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。 感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜

きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。 遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。 作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓―― 今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!? ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。 癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!

オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~

雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。 突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。 多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。 死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。 「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」 んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!! でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!! これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。 な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。 小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

豊穣の巫女から追放されたただの村娘。しかし彼女の正体が予想外のものだったため、村は彼女が知らないうちに崩壊する。

下菊みこと
ファンタジー
豊穣の巫女に追い出された少女のお話。 豊穣の巫女に追い出された村娘、アンナ。彼女は村人達の善意で生かされていた孤児だったため、むしろお礼を言って笑顔で村を離れた。その感謝は本物だった。なにも持たない彼女は、果たしてどこに向かうのか…。 小説家になろう様でも投稿しています。

莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ

翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL 十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。 高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。 そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。 要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。 曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。 その額なんと、50億円。 あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。 だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。 だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

処理中です...