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20章
542話 T2Wの科学力は世界一
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「アカメさん、これ大丈夫ですか?」
「問題ないって、あったらとっくの昔にやばい事になってるから」
鼻歌混じりに慣れた手つきでマガジンに弾を込めていき、これまた新しいタイプのハンドガンにがしゃっと込めて的に向かって射撃、と共に排莢部から思い切り火を噴いてばきゃっとハンドガンが壊れる上に明後日の方向に思い切り銃弾が飛んでいって大したことない傷をつける。
「火薬量が多すぎるわ、銃自体の耐久度が低いわ、銃弾自体は微妙な威力だわ……これコンセプトは何なの?」
「作薬量を多くした高火力弾を作ったんですけど、ダメですか?」
「銃本体は良いとして、火薬量のバランスと銃弾の相性が悪いかな、着眼点は良いけど」
壊れたハンドガンからマガジンを抜いて、銃弾をチェック。確かに普通使ってる奴よりも火薬量も多いし、しっかりと弾頭部分の改良もしている。けど、これじゃあ甘いんだよなあ。
改めて銃弾の作りをおさらいするが、基本構成は4つ。弾頭、火薬、薬莢、雷管。基本的に私が作ったものは火薬量が3g、鉛弾頭、鉄薬莢で作ることで市販品と同等って所。雷管に関しては弄る所がほぼない。強いて言うなら原材料を変えるのと、雷管の点火方式を変えるって所かな。
とにかく基本構成の4つのパーツの内3個を変える事で特殊弾を作ることが出来る。かなり前に大量の火薬を使った高火力弾を作ったことがあったけど、あれは先込め火縄銃。よく考えればあれも火薬量間違ったら自爆してたかもしれんなあ。
「火薬量増やすならもうちょっと薬莢の強度と弾頭との密着度を上げないとダメかな、どれくらい入れたんだ?」
「通常の10倍だよ、やめとけって言ったのに」
「こういうのは試すのが良いってアカメさん言ってたし」
私の横で使った銃弾の研究と言うか、暴発した原因を探りながらあれやこれやと言い合いをし始めるのでロリポップを咥え、マガジンに入れていた残りの分の銃弾を全部抜いて、もう一度手に取ってしっかりとチェック。とは言えゲームデータ上では特殊銃弾(火薬多)ってだけでそのほかの部分はいつも通り。このゲームの嫌らしい所だけど、作ったアイテムが使えるかどうかって試さないとダメって所なんだよな。
パチモンの所にきて、まだ数日だけど朝から晩まで……って言い方はちょっとおかしいな、ログインしてログアウトするまでずーっとこうして引きこもりながらあれこれと開発事業を続けている。元々どこかでこういう事をするって考えていたから、施設ががっちり揃っている此処である程度仕上げて流通させようって事でこんな状況。
今の所、あれこれ作って成功率1割もないって感じだけど、試しているのはかなり楽しい。やっぱり試行錯誤していい物が出来るかどうかってのは良いもんだよ。
「アカメさん、アカメさん、金で薬莢を作ったんですけどどうですか!」
「……金は変形しやすいから弾頭だけにしなさい」
こういう馬鹿な事をする奴が揃ってるのも良い所よね。自分では絶対やらないことをやる奴がいるってのは結構貴重な事。まあ発想があまりにも突飛しているせいで頭を抱えるって事もあるんだけど、それはそれでご愛敬ってこった。
「強度の高い合金が量産出来れば薬莢の強度も上がって火薬量も増えて、火力が上がるとは思うんですけど、どういう合金が良いですか!」
「それくらい調べてきなさいよ」
「アカメさん!こんなの作ったんですけど!」
ギターケースに銃器を仕込んでくるんじゃ―ないっての。私の趣味としては棺桶とかでかい十字架の方が好みだから、ギターケースの方はそうでもないんだよね。そういや仕込み銃ってあんまし作ったなかったなあ……要素としてちょっと聞いたけど、自分の腕やら足やらを義肢に換装してそこに仕込み武器を入れることが出来るとか聞いた。って言うか機械工学も存在しているし、何だったらうちのメイドは全員ロボだし、トカゲの奴が機械工学に手を出してたっけか。
「ガンナー専門のクランだけど、ガンスミスはそこまでいないのよね、ここ」
「大体二次になったらそれぞれのクランを立ち上げたり専門の所にいくからねー」
「そうそう、此処も色々あるから面白いんだけど、特化でそれぞれのとこの方が良いしなあ」
「あんたたちはその面白いってので此処に残ってる訳か」
最近一緒になって開発している2人からその辺の事情を聴いてある程度納得する。パチモンのクランって高レベルがそこまで多くなくて、低レベル帯がかなり多い。なんだかんだで結構受け口として機能してんのね。
「まー、私ももうちょっとしたら次の所行きそうだけど」
「えー、アカメさん行っちゃうんですかー」
「資材使い込みしたのばれたから?」
「んなこたないって……色々やったのはあんた達が育てても良いし、私はやりたいことをやるためにクランを回ってるからさ」
口に咥えていたロリポップを出してふいーっと一息。今まで煙草だったから変な感覚だけど、煙草を吸い始めたのも、恰好と火縄銃用だったっけか。うーん、ゲーム内での技術革新がどんどん進んでいるわ。
「結局クラマスとそんなに絡んでないですよねー」
「レシピは大量にできたけど、実用できるかは怪しいもんばっかり貰ってもなあ」
「それを弄るのが楽しいんでしょ」
パチモンの奴はパチモンで忙しいというか、時間があまり合わなくて会えることは少なかったが、こうやって私の好き勝手に付き合ってくれる奴がいただけでも良かった。流石に一人で黙々と引きこもって作るにはすぐに壁にぶつかってただろうし、これでも十分面白かった。
「ま、もう数日はいるから」
「クラマスが憧れって言うのもなんとなーくわかるかも」
「案外人情派」
むず痒くなるからやめーや。
「問題ないって、あったらとっくの昔にやばい事になってるから」
鼻歌混じりに慣れた手つきでマガジンに弾を込めていき、これまた新しいタイプのハンドガンにがしゃっと込めて的に向かって射撃、と共に排莢部から思い切り火を噴いてばきゃっとハンドガンが壊れる上に明後日の方向に思い切り銃弾が飛んでいって大したことない傷をつける。
「火薬量が多すぎるわ、銃自体の耐久度が低いわ、銃弾自体は微妙な威力だわ……これコンセプトは何なの?」
「作薬量を多くした高火力弾を作ったんですけど、ダメですか?」
「銃本体は良いとして、火薬量のバランスと銃弾の相性が悪いかな、着眼点は良いけど」
壊れたハンドガンからマガジンを抜いて、銃弾をチェック。確かに普通使ってる奴よりも火薬量も多いし、しっかりと弾頭部分の改良もしている。けど、これじゃあ甘いんだよなあ。
改めて銃弾の作りをおさらいするが、基本構成は4つ。弾頭、火薬、薬莢、雷管。基本的に私が作ったものは火薬量が3g、鉛弾頭、鉄薬莢で作ることで市販品と同等って所。雷管に関しては弄る所がほぼない。強いて言うなら原材料を変えるのと、雷管の点火方式を変えるって所かな。
とにかく基本構成の4つのパーツの内3個を変える事で特殊弾を作ることが出来る。かなり前に大量の火薬を使った高火力弾を作ったことがあったけど、あれは先込め火縄銃。よく考えればあれも火薬量間違ったら自爆してたかもしれんなあ。
「火薬量増やすならもうちょっと薬莢の強度と弾頭との密着度を上げないとダメかな、どれくらい入れたんだ?」
「通常の10倍だよ、やめとけって言ったのに」
「こういうのは試すのが良いってアカメさん言ってたし」
私の横で使った銃弾の研究と言うか、暴発した原因を探りながらあれやこれやと言い合いをし始めるのでロリポップを咥え、マガジンに入れていた残りの分の銃弾を全部抜いて、もう一度手に取ってしっかりとチェック。とは言えゲームデータ上では特殊銃弾(火薬多)ってだけでそのほかの部分はいつも通り。このゲームの嫌らしい所だけど、作ったアイテムが使えるかどうかって試さないとダメって所なんだよな。
パチモンの所にきて、まだ数日だけど朝から晩まで……って言い方はちょっとおかしいな、ログインしてログアウトするまでずーっとこうして引きこもりながらあれこれと開発事業を続けている。元々どこかでこういう事をするって考えていたから、施設ががっちり揃っている此処である程度仕上げて流通させようって事でこんな状況。
今の所、あれこれ作って成功率1割もないって感じだけど、試しているのはかなり楽しい。やっぱり試行錯誤していい物が出来るかどうかってのは良いもんだよ。
「アカメさん、アカメさん、金で薬莢を作ったんですけどどうですか!」
「……金は変形しやすいから弾頭だけにしなさい」
こういう馬鹿な事をする奴が揃ってるのも良い所よね。自分では絶対やらないことをやる奴がいるってのは結構貴重な事。まあ発想があまりにも突飛しているせいで頭を抱えるって事もあるんだけど、それはそれでご愛敬ってこった。
「強度の高い合金が量産出来れば薬莢の強度も上がって火薬量も増えて、火力が上がるとは思うんですけど、どういう合金が良いですか!」
「それくらい調べてきなさいよ」
「アカメさん!こんなの作ったんですけど!」
ギターケースに銃器を仕込んでくるんじゃ―ないっての。私の趣味としては棺桶とかでかい十字架の方が好みだから、ギターケースの方はそうでもないんだよね。そういや仕込み銃ってあんまし作ったなかったなあ……要素としてちょっと聞いたけど、自分の腕やら足やらを義肢に換装してそこに仕込み武器を入れることが出来るとか聞いた。って言うか機械工学も存在しているし、何だったらうちのメイドは全員ロボだし、トカゲの奴が機械工学に手を出してたっけか。
「ガンナー専門のクランだけど、ガンスミスはそこまでいないのよね、ここ」
「大体二次になったらそれぞれのクランを立ち上げたり専門の所にいくからねー」
「そうそう、此処も色々あるから面白いんだけど、特化でそれぞれのとこの方が良いしなあ」
「あんたたちはその面白いってので此処に残ってる訳か」
最近一緒になって開発している2人からその辺の事情を聴いてある程度納得する。パチモンのクランって高レベルがそこまで多くなくて、低レベル帯がかなり多い。なんだかんだで結構受け口として機能してんのね。
「まー、私ももうちょっとしたら次の所行きそうだけど」
「えー、アカメさん行っちゃうんですかー」
「資材使い込みしたのばれたから?」
「んなこたないって……色々やったのはあんた達が育てても良いし、私はやりたいことをやるためにクランを回ってるからさ」
口に咥えていたロリポップを出してふいーっと一息。今まで煙草だったから変な感覚だけど、煙草を吸い始めたのも、恰好と火縄銃用だったっけか。うーん、ゲーム内での技術革新がどんどん進んでいるわ。
「結局クラマスとそんなに絡んでないですよねー」
「レシピは大量にできたけど、実用できるかは怪しいもんばっかり貰ってもなあ」
「それを弄るのが楽しいんでしょ」
パチモンの奴はパチモンで忙しいというか、時間があまり合わなくて会えることは少なかったが、こうやって私の好き勝手に付き合ってくれる奴がいただけでも良かった。流石に一人で黙々と引きこもって作るにはすぐに壁にぶつかってただろうし、これでも十分面白かった。
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「案外人情派」
むず痒くなるからやめーや。
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