最強と言われてたのに蓋を開けたら超難度不遇職

鎌霧

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21章

559話 もう一つの道

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 この間のフィーラによる一言で決めたやる事、複数種類の銃を組み合わせての複合武器を作るために臨時パーティで色んな人に話を聞き、職を見て、機械工学の手がかりを集めようと早数日。

「なーんも手掛かりがないのよねえ」

 エルスタンから一番遠い所で7個目くらいの街にも行ったけど手掛かりはなし。ありそうなことはありそうなんだけど、どうしても見つからない。探し方が悪いような気もするし、金の力を使って情報クランで聞く方が速い気もするけど、現状一見さんで、金もないからあんまし使えない。攻略Wikiみたいな奴は、正直どのゲームでもゲームクリアして詰め作業をするときくらいにしか活用できないしで、信用がない。

「やっぱ情報クラン行くかあ……あとはバイパーの所が立ち上げた銃工房も気になるし、薫の所で防具も新しくしないと限界が来てるし……組み合わせ用の実験で使う銃の仕入れ、そして慢性的に使用する銃弾の薬莢と……」

 ぶつくさ言いながら指折り数えつつ、メモ帳に書き込んでいく。やる事は相変わらず多いけど、それよりも何よりも、資金が足りなさすぎる。ヴェンガンズのクラン資金使い込んでた時が懐かしい。ゲームでもリアルでもやっぱ何でも金がいるんだよね。こう考えたら私が集めた面子で死ぬ程稼ぎ上げてたんだね

「うん、ダメだ、金が掛かり過ぎてる」

 改めてガンナーって金が掛かる職だわ。リアルでも銃弾ってなかなかコスト掛かるもんだし、それをリアルに反映してきてるのはどうなんだろうって考えた所で「強力すぎる」って理由で終わるんだよな。

「金策、金策かあ……」

 収入が多く高レベル帯の所に行くとその分消費する銃弾の量が増えるから、それの補充を考えると大体とんとん、サブ職やスキルの組み合わせ次第ではもうちょっと節約は出来るんだろうけど、ガンナーの時点でサブ職の強みがそこまで無いのもでかい。魔法職を選んでいればちらっと考えていた魔法弾って道も開けたような気がするけど、結局そっちの道には行かないで万能型の道に進んだわけで……結局非物理弾の話どうしたっけか。

「素材だけ集めて無償で作れってのもあれだしなあ……知り合いだからってそれはいかん」

 ヴェンガンズの時はクラン資金から出したり、素材集めを手伝いで利害の一致が合ったけど……そういうのがない場合はちゃんと筋は通さないといけない。交換条件で金以外の物で交渉ってのもありと言えばありだけど、それは相手次第か。

「とにかく一つずつ潰していくか……えーっとメモ帳はっと……」

 メニューを開き、ぽちぽちといつもの手際でメモ帳を開いて必要なものを書き込んでいく。それにしても改めて見たらメモ帳のページも増えたもんだ。火薬の作り方のルートだったり、一つの事に対して分岐しまくってる走り書き、あれをやろうこれをやろうと無理なような予定表。

「何ていうか、此処まであっという間だった気もするな」

 本当だったらいらないデータはさっさと削除していくべきなんだろうけど、これはこれで良いか。前に一度全部消したと思ったけど、別の奴だったかな。そんなメモ帳を見てみて一つ思いついたことが。一度だけ妥協したけど、結果的に良かったって事案だったけど、最終手段と言えば最終手段。

「ふーむ……防具の目途は、立ちそうだ」

 問題は今の私で行けるのかどうかって所かな。結構アイツの理想って高いし。
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