魔法使いとして頑張りますわ!

まるねこ

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35 兄達視点2

 ソフィアと接しているうちにソフィアの人となりも見えてくる。ただ単に美人だというだけでなく、魔法に対しても真面目でひたむきに頑張る姿が好印象だ。

 祖父様と祖母様の覚えもいい。

 幼い頃からずっと一緒にいたのであれば本当の妹として見ていただろう。だが、成長した彼女は立派な一人の女性だった。

 付きまとってくる令嬢達とは違う。
 妻としても何ら問題ない。

 だが、当の本人は何も知らされず養女として過ごしているようだ。

 選ぶ側のソフィアは俺たちをどう思っているか。彼女の中の兄という意識から抜け出すことは可能だろうか?

 そこで俺達兄弟は父上に直談判したのだ。

 ソフィアを妻にしたいと。同じ一族とはいえ、血縁としては遠い方だ。一族のための魔力強化だとしても、俺達の誰かと結婚する事は問題ないはずだ。

 過去に俺達に言い寄ってきた女達は数知れず。慎重にならざるを得ないことも過去には起こった。

 魔法使いを輩出している我が家の事情もあり、ソフィアを養女のままにしている父の気持ちも理解している。



 ある日仕事が数日立て込み、父がいつも以上に機嫌が悪い。

 どうしようかと考えあぐねていた時、ソフィアが暇そうにしていたので王宮に連れていくことにした。

 ソフィアを連れて王宮の魔法部管理室へと着いたが、やはり、ソフィアの美しさに皆がやられたな。他の者を無視して素早く父の部屋に入る。

 何故かソフィアは俺の背中に隠れて見えないようにしている?
 前触れなく部屋に来たことで怒られると思っているのか?
 それとも父上を驚かせようとしているのか?

 ソフィアがひょっこり顔を出すと、父上は一気に機嫌が良くなった。連れて来て正解だな。 

 さっきまで緊張していたようだが、家族の前では安心しているのか、ソフィアのコロコロと変わる表情に父も俺も癒される。

 そういえば、ソフィアの学院の討伐を組んでいる者は元婚約者だったな。ルイを捩じ込んで正解だった。

 元婚約者は今頃、後悔しかしていないだろう。

 ざまあみろだ。

 ソフィアを蔑ろにする奴は俺たちが許さない。おっと、思考が逸れた。

 せっかく父が上機嫌になったと思ったのも束の間、父に向けて小鳥のメッセージが飛んできた。

 アイツめ。

 目敏くソフィアを見つけたな。さすが王族とも言うべきか。

 いつもならソフィアと一緒に向かうのだが、今日は部下がゾンビのように追いかけてくるので仕方がない。

 ソフィアを中庭へ一人で向かわせた。

 エリオットは手が早いので有名だ。エリオットはソフィアの好みではないだろうが、ソフィアの身の安全を確保しなければならない。

 すぐにフィンとテオに連絡を取り、どちらか早くソフィアに向かうようメッセージを送り、今すぐ向かってほしいと頼んだ。


 ーー テオ

 長兄から緊急メッセージが届いた。

 魔法使い筆頭部屋にいたソフィアが王宮の中庭に呼び出された? しかも、相手はエリオット殿下だと!?

 アイツはダメだ。

 あんな色欲魔なんかにソフィアは渡せない。フィン兄さんは討伐中のため、今帰還するのはマズイな。

 幸い、オレは王宮へと帰還中だったので部下に後の事を指示し、先に魔法で王宮前に転移する。急いで中庭へ向かうと、ソフィアがいた。俺を見つけてホッとした様子で立ち上がる姿も可愛い。

 やはり、エリオットに言い寄られていたな。

「エリオット殿下、兄も迎えに来ましたし、そろそろ失礼致します。妃殿下やご夫人が私の為に用意していただいたお茶も、この可愛い菓子達も、美味しゅうございました。と、お伝え下さい。では失礼します」

 ソフィアはやはりエリオット殿下が胡散臭い奴だと気づいていたんだろう。そして彼の妃達がソフィアを警戒している事に。

 このまま邸までソフィアを送り、一緒に家に帰りたいが、今日は父を含め仕事に追われ、生きる屍と化した部下たちが帰る事を許さないだろう。

 ソフィアと馬車停まりの前で別れを惜しみつつ、仕事場に戻ろうとする。
 その時、ソフィアが魔法を掛けてくれた。

 リジェネーションヒール? これは珍しい魔法だな。ソフィアの優しさを感じる。

 これは是非とも父上や兄達に自慢しないとナ!

 俺達も使えはするがあまり使用しない。

 効果はというと、一回の詠唱で効果時間は一、二時間程度。通常使う体力回復魔法の十分の一程度の効果が持続的に続く。

 この魔法はあくまで長時間戦闘が予想される時の補助的な物として使われる。

 ソフィアの掛けた魔法を自分の目に魔力を通し、詳しく視てみると、二日程度保ち、体力回復の七分の一程の効果のようだ。

 これは凄い。
 自慢するしか無い。

 本来の持続時間を考えると、じい様がソフィアに教えた魔法の質を上げる努力を怠らず続けているからだろう。

 ソフィアの優しさが半端ないナ! ソフィアは相当の魔力を使ったのだろうナ。

 俺はすぐに父の部屋へ行き、自慢して回った。

 結果、父上や兄たちに物凄く羨ましがられ、膨大な仕事を押し付けられてしまった。

 クッ、失敗した。

 だが、ソフィアの兄を思う愛を感じながら膨大な仕事をこなせたのは言うまでもない。

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