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ラファルは昨日の事を根に持っているのね。「ごめんね」私がそう言うと、プイッと寝たふりしながら尻尾で私の手を叩く様は可愛い。
今日はとびきり上質の魔力を練り、ラファルの口にいれてあげた。
すると、ご機嫌斜めだったラファルも機嫌が治った様子だ。
あとは、おじい様から預かった魔石に魔力を通し、サラに渡す。これで今日の予定は終わったわ。
今週も討伐訓練を学院では行っているため、私は学院に出席する必要はないし、私達の組は討伐訓練を合格したのでもう討伐訓練にも出なくても良いのよね。という事は卒業パーティーまで学院へ行かなくても良いのよね。
どうしようかしら。サラに予定を聞いてみると、明日から結婚に向けての打ち合わせが盛り沢山で忙しくなるのだとか。今日だけか。
そうだ、今日は王都の図書館へ行ってみようかしら。
初めて一人で外へ出る良い機会だし、王都の図書館は読み切れ無いほどの魔法書が沢山あると聞いたわ。
サラに話し、サラと護衛を一人付けてもらい、図書館へ向かう事にした。久々にサラと馬車へ乗り込む。サラも楽しそうで良かったわ。
王都の図書館は建物自体が芸術品のようで素晴らしく、建物内も一つの様式美を呈しており、その場に居るだけで圧倒される雰囲気。私は魔法書が置いてある区画へ移動し、目的の本を探す。
お兄様に呪術を施して貰ってからもまだ嫌な予感は続いていて、入念に対策を取らねばならない気がするのよね。
原始の魔法や魔法についての書籍を手に取り、必要な物はメモを取っていく。
「あら、こんな所に着飾った修道女がいましてよ? 場違いにも程があるのでは無いかしら?」
そんな声が聞こえてきたのでふと顔を上げる。そこには私より年上に見える令嬢が立っていた。
修道女?
あぁ、私、ミリアに髪を切られていたわね。
大分伸びてきて結う事は出来る位にはなったのだけれど、それでも髪は短いと思う。
名前も名乗らないゴテゴテに着飾った令嬢は無視しても良いかしら。令嬢を無視し、本に目を向ける。
「まぁ、この修道女、私を無視するのね!? 下賤な者。そこの守衛、そう、貴方。この修道女を摘み出して!」
(略して)ゴテゴテの令嬢は図書館だと言うのに騒ぎ立てている。守衛は困った顔をして図書館員と令嬢を宥めている。
……仕方ないわ。
本を閉じ、サラに片付けるように指示を出す。
「修道女とは私の事ですか? ふふっ。おかしな事を仰るのですね。図書館でシスターが本を読んでいても問題はないのですよ? 名前も名乗らずに人を蔑む発言をして騒ぎ、問題を起こしているのは何方かしら?」
ゴテゴテの令嬢が顔を真っ赤に染めて怒っている。
「まっ! 私を知らないの!? 私、レオン・オリヴェタン様の婚約者筆頭、エマ・カーディーよ! つまり、レオン様の正妻。第一夫人なのよ」
えっ!?
筆頭婚約者?
お兄様の?
振り返り、サラの顔を見るが、知らないと顔を横に振っているわ。それにカーディーと言えば公爵家だったわよね。
「はぁ、そのエマ・カーディー公爵令嬢は私に何の用事ですか?」
「私は調べ物があり、此処に来ましたの。私の視界に下賤な者が映り、気分が悪くなったわ。この図書館から、私の視界から出て行ってちょうだい」
「そうですか。では」
私はサラと護衛に視線を向け、立ち上がる。無用な争いは遠慮したいわ。カーディー公爵令嬢の横を通り過ぎようとすると、
「ちょっと待ちなさいよ!! 私だけ名乗らせるのは失礼だわ!」
彼女は腕を汲み苛立っている。
「……それは失礼しました。私、オリヴェタン侯爵が娘、ソフィア・オリヴェタンです。兄である婚約者様に宜しくお伝え下え下さい、婚約者筆頭様。では、失礼します」
カーディー公爵令嬢は固まってしまったわ。
「なっ!?」
彼女の肩が震え、キッとこちらを睨みつけている。
これ以上ことを荒立てるのは上手くないわ。そのまま気づかぬフリをしてサラ達と外へ出た。
あー。もう少し調べ物をしたかった。
調べたいことがあったのにあの令嬢と一緒にいればそれだけ不快な思いをするのは分かりきっている。
少し悔しいけれど、時間も早いしサラ達とケーキ屋に寄ってお茶をする事にした。
もし、あの令嬢が言っていたことが本当なのだとしたら。
オリヴェタン侯爵家は正妻以外にも娶ることがある。
レオンお兄様は長男で、この家の跡取りで、後ろ盾は必要で……。
ケーキを注文し、待っている間、この不安をどう解消しようかと考えて思い付いた。お兄様に言葉を乗せた魔法の小鳥を飛ばしてみるわ!
先程の調べた本に書いてあった方法を早速試したの。魔法の小鳥は前にエリオット殿下が使っていたわね。私はハヤブサの様な鳥をイメージすると、恰好良い鳥が創れた。
「レオンお兄様に伝言をお願い。先程、王都の図書館でエマ・カーディー公爵令嬢とお会いしました。レオンお兄様の婚約者筆頭で第一夫人と言われました。私、存じ上げませんでした。お兄様、私より先に決まった婚約者がいらっしゃるなら言っておいて欲しかったです」
ハヤブサはクルルと一鳴きし、王宮へと目にも止まらぬ速さで飛んでいったわ。
また、魔力が多かったかもしれない。サラは私の心配をしながらお茶を飲んでいた。お兄様はお返事をくれるかしら。
ハヤブサが兄の元へ飛んでいく感覚が薄っすらと魔力を通して感じる。
勢い余って一枚の窓ガラスを突き破り、兄の元へは届いたようだ。消費していた魔力はフッと途切れた。お兄様は内容を確認したのだろう。
もしかしてずっと悪い予感がしているのはお兄様の婚約者達から襲撃されるということかしら?
不安があるけれど、みんなの前でメソメソ泣くわけにいかない。
自分の感情を抑えつけ、サラとお茶をした後は邸へ戻った。
今日はとびきり上質の魔力を練り、ラファルの口にいれてあげた。
すると、ご機嫌斜めだったラファルも機嫌が治った様子だ。
あとは、おじい様から預かった魔石に魔力を通し、サラに渡す。これで今日の予定は終わったわ。
今週も討伐訓練を学院では行っているため、私は学院に出席する必要はないし、私達の組は討伐訓練を合格したのでもう討伐訓練にも出なくても良いのよね。という事は卒業パーティーまで学院へ行かなくても良いのよね。
どうしようかしら。サラに予定を聞いてみると、明日から結婚に向けての打ち合わせが盛り沢山で忙しくなるのだとか。今日だけか。
そうだ、今日は王都の図書館へ行ってみようかしら。
初めて一人で外へ出る良い機会だし、王都の図書館は読み切れ無いほどの魔法書が沢山あると聞いたわ。
サラに話し、サラと護衛を一人付けてもらい、図書館へ向かう事にした。久々にサラと馬車へ乗り込む。サラも楽しそうで良かったわ。
王都の図書館は建物自体が芸術品のようで素晴らしく、建物内も一つの様式美を呈しており、その場に居るだけで圧倒される雰囲気。私は魔法書が置いてある区画へ移動し、目的の本を探す。
お兄様に呪術を施して貰ってからもまだ嫌な予感は続いていて、入念に対策を取らねばならない気がするのよね。
原始の魔法や魔法についての書籍を手に取り、必要な物はメモを取っていく。
「あら、こんな所に着飾った修道女がいましてよ? 場違いにも程があるのでは無いかしら?」
そんな声が聞こえてきたのでふと顔を上げる。そこには私より年上に見える令嬢が立っていた。
修道女?
あぁ、私、ミリアに髪を切られていたわね。
大分伸びてきて結う事は出来る位にはなったのだけれど、それでも髪は短いと思う。
名前も名乗らないゴテゴテに着飾った令嬢は無視しても良いかしら。令嬢を無視し、本に目を向ける。
「まぁ、この修道女、私を無視するのね!? 下賤な者。そこの守衛、そう、貴方。この修道女を摘み出して!」
(略して)ゴテゴテの令嬢は図書館だと言うのに騒ぎ立てている。守衛は困った顔をして図書館員と令嬢を宥めている。
……仕方ないわ。
本を閉じ、サラに片付けるように指示を出す。
「修道女とは私の事ですか? ふふっ。おかしな事を仰るのですね。図書館でシスターが本を読んでいても問題はないのですよ? 名前も名乗らずに人を蔑む発言をして騒ぎ、問題を起こしているのは何方かしら?」
ゴテゴテの令嬢が顔を真っ赤に染めて怒っている。
「まっ! 私を知らないの!? 私、レオン・オリヴェタン様の婚約者筆頭、エマ・カーディーよ! つまり、レオン様の正妻。第一夫人なのよ」
えっ!?
筆頭婚約者?
お兄様の?
振り返り、サラの顔を見るが、知らないと顔を横に振っているわ。それにカーディーと言えば公爵家だったわよね。
「はぁ、そのエマ・カーディー公爵令嬢は私に何の用事ですか?」
「私は調べ物があり、此処に来ましたの。私の視界に下賤な者が映り、気分が悪くなったわ。この図書館から、私の視界から出て行ってちょうだい」
「そうですか。では」
私はサラと護衛に視線を向け、立ち上がる。無用な争いは遠慮したいわ。カーディー公爵令嬢の横を通り過ぎようとすると、
「ちょっと待ちなさいよ!! 私だけ名乗らせるのは失礼だわ!」
彼女は腕を汲み苛立っている。
「……それは失礼しました。私、オリヴェタン侯爵が娘、ソフィア・オリヴェタンです。兄である婚約者様に宜しくお伝え下え下さい、婚約者筆頭様。では、失礼します」
カーディー公爵令嬢は固まってしまったわ。
「なっ!?」
彼女の肩が震え、キッとこちらを睨みつけている。
これ以上ことを荒立てるのは上手くないわ。そのまま気づかぬフリをしてサラ達と外へ出た。
あー。もう少し調べ物をしたかった。
調べたいことがあったのにあの令嬢と一緒にいればそれだけ不快な思いをするのは分かりきっている。
少し悔しいけれど、時間も早いしサラ達とケーキ屋に寄ってお茶をする事にした。
もし、あの令嬢が言っていたことが本当なのだとしたら。
オリヴェタン侯爵家は正妻以外にも娶ることがある。
レオンお兄様は長男で、この家の跡取りで、後ろ盾は必要で……。
ケーキを注文し、待っている間、この不安をどう解消しようかと考えて思い付いた。お兄様に言葉を乗せた魔法の小鳥を飛ばしてみるわ!
先程の調べた本に書いてあった方法を早速試したの。魔法の小鳥は前にエリオット殿下が使っていたわね。私はハヤブサの様な鳥をイメージすると、恰好良い鳥が創れた。
「レオンお兄様に伝言をお願い。先程、王都の図書館でエマ・カーディー公爵令嬢とお会いしました。レオンお兄様の婚約者筆頭で第一夫人と言われました。私、存じ上げませんでした。お兄様、私より先に決まった婚約者がいらっしゃるなら言っておいて欲しかったです」
ハヤブサはクルルと一鳴きし、王宮へと目にも止まらぬ速さで飛んでいったわ。
また、魔力が多かったかもしれない。サラは私の心配をしながらお茶を飲んでいた。お兄様はお返事をくれるかしら。
ハヤブサが兄の元へ飛んでいく感覚が薄っすらと魔力を通して感じる。
勢い余って一枚の窓ガラスを突き破り、兄の元へは届いたようだ。消費していた魔力はフッと途切れた。お兄様は内容を確認したのだろう。
もしかしてずっと悪い予感がしているのはお兄様の婚約者達から襲撃されるということかしら?
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