猫種の私が聖女?〜サイドストーリー〜

まるねこ

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サイドストーリー1

ローニャを取り巻く環境2

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 皆の注目が集まる中で、フェルナンドさんは令嬢たちに聞こえるように答えた。

「国王陛下も王妃陛下もローニャ様のことを溺愛しております。このことを知ればただでは済まされないと思われます」

 お茶会の場は誰一人動かず静まり返った。

 陛下が直接付けてくれた護衛騎士の発言は重い。揶揄半分でやったのだろうが、陛下という言葉を聞いて令嬢たちは顔色が悪くなった。

「ふふっ。もちろん、参加した皆様のお家には抗議が届くと思います。楽しみにしていてくださいね。

 ああ、本当に、寂しい限りです。皆様は私が普段何をしているのか知らないようですし、この場で改めてお話しておきますね。

 私も姉も怪我人の治療を毎日しております。魔獣の脅威に曝されている現在、治癒魔法を使うのは私と姉だけです。

 お分かりいただけます? それに私は研究者となるために日々勉強をしているんです。魔法を使い、大地を潤す研究です。先日王宮所有の畑の収穫が済みました。

 収穫量は前年の二倍となったのです。素晴らしいでしょう? まだまだ研究は始めたばかりなのですが……。

 本当に、寂しい限りです。領地を繁栄させることを拒否される方がこんなにもいらっしゃるなんて……」

 そこまで言うと、令嬢たちは今にも泣き出しそうな勢いだ。

 まあ、仕方がないよね。

 私に喧嘩を売るんだもん。
 意地悪する人たちに協力なんてしたくない。

 いい気味だわ。

 私は尻尾を立てて揺らした。

「グレイス義姉様、仲良くなりたいと思っていましたが、悲しいです。残念でなりませんがこればかりは仕方がないですよね。私のようなお茶会のマナーも分からないデブはお邪魔のようですから研究に戻りますね。わざわざお茶会に呼んでいただきありがとうございました」

 私はフェルナンドさんにエスコートされ、笑顔でその場を後にする。

 ざまぁみろだ!
 彼女たちは馬鹿なの?
 なんで分からないんだろう?

 不思議に思いながら研究所に戻る。

「ローニャ様、お帰りなさい。案外早かったですね」
「マートス長官、お茶会って強制参加なの?」
「命令されない限りは強制参加ではありません。ただ、派閥や力関係を気にして参加している人も多いですね」

「貴族って面倒だよねー。私はこうして研究だけしていたいっ」
「ナーニョ様とローニャ様はお茶会や舞踏会をほぼ免除されているので気にしなくてよいと思いますよ。それに今日のお茶会のことは必ず陛下の耳に入るでしょうからグレイス妃には厳重注意が下されると思います」

「これ以上関わりたくないなぁ。あんなのでも次の王妃なんでしょう? アリエナイ!」

 私は研究所の人たちに宥められ、また研究に戻った。


 その後は何こともなく私は勉強を続けていたけれど、父や母の耳に今日の出来ことが入っていた。

 夕食時、いつものように食堂に入るといつもいるグレイス妃がいないことに気づいた。

 どうやら気分が優れないとグレイス妃は無理やり実家へ帰ったようだ。

 ナーヴァル兄様は不機嫌だったが、口を開こうとはしなかった。妻が人前で妹を馬鹿にしたことをさすがに不味いと分かっているのだろう。

「ローニャ、あまり無理するな。兄貴、グレイス妃をしっかり抑えろ。放置すれば王族を軽視し、馬鹿にする奴が増えるぞ?」
「……あぁ、分かっている」

「ローニャ、心配しなくてもいいわ。私の方から今日のお茶会に参加した家に抗議をしておいたからね。大事な娘を傷つけるなんてグレイスは何を考えているのかしら。あの子も可哀想な子なのにねぇ」

 母の最後の言葉に引っかかりを覚えたけど、それ以上突っ込んで聞くのはいけないような気がして軽く相槌を打って別の話題になった。

 グレイス義姉様は何故あんな意地悪をしたのかな。

 私たちを馬鹿にしたかったの?
 それとも何かあるのかな。

 翌日から続々と令嬢たちが謝罪に訪れたのは言うまでもない。
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