12 / 201
落ちこぼれ
しおりを挟む面接だな!
これまで俺の面接に合格した奴はいない。
最後に脅しておけば近づいてくる事はなくなる。
「おい、今から模擬戦をやるぞ」
「でも、いいんですか? 勝敗は明らかじゃないですか」
コイツ!
「お前は魔力で勝敗が決まると思ってるのか?」
「いや普通にそうでしょ」
「じゃあ、かかってこいよ」
俺が剣を構えると違和感を感じる。
ん? なにか、おかしいぞ?
この学園に入った時から感じていた違和感が剣を構えた瞬間に色濃くでてくる。
まるで鎖に身体を縛られて、鉛のように身体が重く、全身が自分の身体じゃないような違和感を。
アクアはそんなクレスの状態も知らずに模擬剣で斬りかかってくる。
それは剣の勇者な俺ならアクビしていても避けられるまるで意思がない剣撃。
だが。
「ぐはっ!」
模擬剣を腹にくらい俺は吹き飛ばされる。
そう、反応事態が出来なかったのだ。
俺ならオーラルを身に纏っただけの奴に負けるはずがない。
「すいませんクレスさん、大丈夫ですか?」
アクアは俺に近寄り座ってる俺を立たせようと模擬剣を持っていない左手を伸ばしてくる。
「あぁ、悪いな」
俺は内心動揺していた。
俺の身体に何が起こった? まさか! いや、考えすぎだろ。
でもそれしか考えられない。
学園に張られた魔術か? それとも学園に入った瞬間に何かの呪いをかけられたのか?
俺の知らない魔術があるとも考えられる。
一番は呪いだよな。
俺が吹き飛ばされたことでペアを組み終わったクラスの奴等から笑いが起きる。
『なにあれ、やっぱり魔力ないと話にならないな』
『剣の勇者も魔法剣で魔法を斬ってたって説もあるから魔力なくて剣士を目指す奴はその説は信じたくないんだろ』
『だよな魔力ないと邪神と渡り合えるはずないしな』
周りの奴等は俺をバカにし始める。
剣の勇者は魔法を使えたという説もあるのか。
俺は魔法を使ったことはないが、周りから見れば魔法を使っていたように見えることもあるか。
「なぁ、お前の魔法を見せてくれよ」
「いいですよ」
立たせて貰った後にアクアの魔法を見せて貰えることになった。
『水魔法一式』
初級魔法。
水がアクアの前に集まる。
『ウォーター』
水の玉が一直線に壁にあたる。
『水魔法二式』
中級魔法。
現れた水の玉が薄く伸ばされていく。
『ウォータースライサー』
さっきよりも速いスピードで壁を切り刻む。
『水魔法三式』
上級魔法。
人を飲む混む程の水がアクアの前に現れる。
『ウォーターレート』
壁に当たると一瞬で爆発する。
『水魔法四式』
超級魔法。
さっきの人を飲み込む程の水がまた現れる。
『ウォータートルネード』
水が回転してデカイ竜巻のように地面の土を抉りながら壁にぶつかり止まる。
「これで初級から超級までやりましたよ」
アクアは額の汗を拭う。
「待て、何で属性の言霊をいれないんだ? 自分で魔法に聞くんだろ?」
俺は今の常識を知らない。
「それはロストマジックと言われるそうですよ。昔の五百年前ぐらいから使う人が急激に減ったそうです。今は基本の魔法式を作って式を切り替えるみたいな作業です」
アクアは右手を壁に向ける。
『水魔法一式』
右手から出た水の玉を。
『スプラッシュ』
目の前で爆発させる。
「このように何でも使える基本の式を最後のイメージで定着させるのが今のやり方なんですよ」
なんだそれ? ロストマジックって失われた魔法か。
「ロストマジックは強力ですが魔法式を最初から自分で作るのは結構大変です。そういえば昨日のミミリアさんも武器の創造はロストマジックを使っていましたね」
「じゃあ、ミント……先生もロストマジックを使うのか?」
「えっ? 知らないんですか? ミント先生は他の国にも伝わっている程の天才ロストマジック使いですよ。その中でも今はほとんど使える人がいないロストマジックの精霊魔法は精霊の勇者と肩を並べるだろうと言われてる程の使い手」
じゃあリリアもロストマジック使いだな、俺が教えたし。
アクアが少し興奮している。
ミントって実は結構凄かったのか。
「だけどロストマジックは詠唱にイメージにと基本の式を使うのと比べると魔力の消費が高いんですよ。今の基本の式を使うと詠唱の簡略化、イメージの簡略化、魔力の消費量も減るという利点が多いんです」
ふむふむ、勉強になるが昔と違うのは魔法の簡略化だけか。
「じゃあ五百年前とは違う新しい魔法とか知らないか?」
「そうですね、今の……」
今の基本の魔法は、攻撃系魔法、防御系魔法、回復系魔法、付与系魔法。
ここまでは違いはない。
「……そして妨害系魔法です」
「待て、今なんていった?」
「妨害系の魔法ですか?」
「なんだそれ?」
「妨害系で一番使われるのが魔力の差がある人に対して使われる弱体化の魔法ですね」
これじゃないのか!
「この魔法は普通は圧倒的な魔力の差がないとかからないんですよ。そういえばこの学園に張られた魔法にも似たような物がありましたね」
謎がとけるな。でもそれは俺達の時代では最強で最悪の呪いの魔法じゃなかったか。
呪いの魔法は自分より弱い相手をいたぶり殺す魔法だ。そんな魔法がなぜ?
圧倒的な魔力差? 当たり前だろ。それは人より魔力が多い魔族が考えた魔法なんだから。
「あと弱点は色んなところにあります」
それも知っている。魔力量が圧倒的に離れていても魔力を纏えば無効にできる。呪いは効かないし、もしかかっても弱体化はなくなる。
俺の弱点の魔法だが、俺が魔族と戦えたのは呪いの魔法は詠唱に時間かかり戦闘中に使うのは無理だったからだ。発動してもその魔法ごと斬るし。
魔族の魔法を人が使えるようになっているのは想定外だった。
俺がこの学園に入った時に気づかなかったのは、精霊神が近くにいたからか。
「この学園にかかってる妨害系の魔法はなんだ?」
「たしか一定の魔力量から下になればなる程に身体能力が下がり身体の自由が効かなくなる魔法でしたね。クレスさんは何で動けてるんですか?」
「そんなことはどうでもよくないか? 気になるのは魔族の魔法が広まった理由はなんだ?」
「なに言ってるんですか? 剣の勇者の仲間だった魔王が広めたんじゃないですか」
アイツかよ。
「歳を取らない美女で、今では魔国を治めてる魔王様ですよ」
しかも生きてるのかよ。その事は置いといて、この魔法を壊すか? いや目立たないようにリリアを見守るならこの方が都合いいかもな。
俺の目的はリリアに群がる害虫の駆除だ。
理由はわかったし面接を再開しようか。
「おい、お前! 俺に一撃でも当てられたらリリアに近づくことを許してやるだから」
呪い状態だから俺が負ける? それは。
『本気でこいよ』
冗談だろ。
0
あなたにおすすめの小説
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
S級冒険者の子どもが進む道
干支猫
ファンタジー
【12/26完結】
とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。
父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。
そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。
その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。
魔王とはいったい?
※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた
砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。
彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。
そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。
死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。
その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。
しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、
主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。
自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、
寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。
結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、
自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……?
更新は昼頃になります。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる