天才な妹と最強な元勇者

くらげさん

文字の大きさ
22 / 201

本気出しすぎ!

しおりを挟む







 次はいよいよ決勝だな。

 いや~これで終わりか~長かった。そしてさっきは引っ付きすぎてリリアに嫌われたか? えっ! いやまさかな! 嫌われたのか? 

 泣きたい。




 リリアとミミリアがバトルフィールドに登場した。

 両者バトルフィールドの中央で向かい合う。

「お姉ちゃんには負けないからね!」

「私だってクレスから色々と教わったんですからリリアには負けません」

「まさかお姉ちゃん! リリアの約束を邪魔する気じゃないの?」
 
 ミミリアが少し目線を反らす。

「そんなことはありません」

「あ~お姉ちゃん私が羨ましいんだ」

「な、なにを根拠に!」

「眼を見ればわかるもん!」


 バトルフィールドの中では女同士の譲れないバトルが繰り広げられているが観客席にいるクレスは。

(嫌われたかな~、いや、リリアから抱き着いて来たし! 抱き締めたのがダメだったか! いや……。)

 クレスは思考のループに入っていた。



「お姉ちゃん、いくよ!」

「あぁ」

 二人の魔力が跳ね上がる。

 ミミリアは透明な黒銀のオーラを纏い、リリアは透明な白銀のオーラを纏う。

 ミミリアとリリアが同時に詠唱に入る。

『漆黒の闇よ、形をなし我が手の中に』

 ミミリアの手の中には、黒銀を纏う銀の剣が。

『天空の光よ、私に力を貸して』

 リリアの手の中には白銀を纏う透き通る透明な剣が。

 会場中の者が置き去りになるスピードで両者が迫る。

 
 両者の剣がぶつかり合うと同時にミミリアとリリアを中心にクレーターが生まれ。

 キンッ!

 と音が遅れて発生する。両者の剣の衝撃だけでバトルフィールドに張られている魔法が揺れる。

「この前とは違うぞ!」

 つばぜり合いをしてる状態でミミリアは不適に笑う。

「む~」

 リリアは頬を膨らませてむくれる。

 リリアがミミリアの剣を押し返して。

 攻撃を仕掛ける。

 一振りごとに重みやスピードが速くなる。

 それをミミリアはギリギリの状態で凌ぐ、剣が触れてそれを受け止め力を流す。


「次は私からだな!」

 全ての攻撃をギリギリで受け流し、リリアの剣を弾き返して反撃に出る。

 ミミリアが剣を振るとリリアはそれを避ける。

 そう、リリアは剣を避けれる程に見切っているのだ。

 クレスはリリアの剣を受けれるようにとは言ったが、まだまだ両者の間には力の差がある。

 リリアはクレスが天才と言った化物だ。それに対してミミリアはクレス基準の天才の領域に足を踏み入れたにすぎない。

「くッ!」



「お姉ちゃん行くよ!」

 リリアが反撃に出ようとしたその時、ミミリアのオーラルの質がさらに上がり魔力が膨れあがる。

 そして。

「いや、まだこちらの番だ!」

 リリアの後ろに瞬間移動を発動し、剣を上段から振り下ろす。

 ミミリアの瞳が翡翠から紫色に変わっている。

 精霊化オーラルフォーゼだ。

 それをリリアは咄嗟に受け流す。

 いくらリリアでも同じ領域の人間との戦闘でこの前みたいに圧倒するということは出来ない。

 瞬間移動の能力で機動力はリリアを上回る。

 ミミリアが瞬間移動を剣術に取り入れ、リリアは防戦一方だ。

 これがクレスの言う天才同士の戦いなのだろう。



 ミミリアが大きく上段に構えた剣を振り下ろす。

 それをスキと思ったリリアがミミリアを斬る。

 斬った瞬間にミミリアがブレて剣で斬った、いや通った。

 闇の同化によりミミリアは無傷だ。

 ミミリアの身体を通り抜けた剣、その瞬間にリリアに致命的なスキが生まれた。

「悪く思うなよリリア! 勝ったら私がクレスに何かしてもらうか」

「や・く・そ・く!」

 上段から振り下ろされた剣を見ながらリリアが呟く。

 そしてリリアの姿が消える。



「!?」

 ミミリアの剣はそのまま空を斬る。

 ミミリアはリリアの魔力を感知する。

 リリアは悠然と空中に浮遊していた。

 リリアのオーラルの能力は飛行。

 一瞬で地面を滑るように飛行し、空中に逃げたのだ。

 大振りしたスキも飛行の能力を使えばスキは無くなる。

 リリアはミミリアを見ながら透明な剣を離し、その透明な剣がリリアの前で浮遊する。

 そして手を祈るように組み詠唱に移る。

『暗雲を切り裂く光よ』

 それを黙って見守るミミリアじゃない。瞬間移動してリリアに斬りかかる、それを空中に浮遊していた透明な剣が受け止める。

 光属性神級魔法。

『私に導かれ、その力を』

 バトルフィールドが埋まる程に大きな魔方陣が地面に刻まれていく。

 ミミリアの剣撃を透明な剣が難なく防ぐ。

 瞬間移動を駆使しても透明な剣がリリアを中心に守る。

『全てを焼き付くす焔に変えよ』

 巨大な魔方陣が光輝く。


『シャイニング・フレア』


 学園に張られた魔法の上に出現した光を纏う太陽がミミリアに向けて落ちてくる。

 学園に張られた魔法は抵抗もなく破れ、太陽はミミリアに迫る。

 
『全てを覆いつくす闇よ、全てを飲み込み、全てを無に返せ』

 ミミリアは全ての魔力をこの闇属性神級魔法に注ぐ。

『ブラックホール』

 太陽の前に生まれた黒い玉は太陽を飲み込もうと二つの魔法がぶつかり合う。
 

 その魔法同士がぶつかり合うとバトルフィールドに張られた魔法に穴が空き、砕け散る。

 強大なブラックホールはコロシアムにいる全ての観客席の人達の魔力を吸い込み、太陽と同等の大きさになっていく。

 急激に魔力を吸われた観客席の人達は意識を失う。




『おいおい、お前達熱くなりすぎな、学園を消す気かよ』

 観客席とバトルフィールドを区切る壁の上に立ち、金のオーラを纏う黒剣を肩に担いでダルそうな声と共に現れた剣の勇者がそこにはいた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

序盤でざまぁされる人望ゼロの無能リーダーに転生したので隠れチート主人公を追放せず可愛がったら、なぜか俺の方が英雄扱いされるようになっていた

砂礫レキ
ファンタジー
35歳独身社会人の灰村タクミ。 彼は実家の母から学生時代夢中で書いていた小説をゴミとして燃やしたと電話で告げられる。 そして落ち込んでいる所を通り魔に襲われ死亡した。 死の間際思い出したタクミの夢、それは「自分の書いた物語の主人公になる」ことだった。 その願いが叶ったのか目覚めたタクミは見覚えのあるファンタジー世界の中にいた。 しかし望んでいた主人公「クロノ・ナイトレイ」の姿ではなく、 主人公を追放し序盤で惨めに死ぬ冒険者パーティーの無能リーダー「アルヴァ・グレイブラッド」として。 自尊心が地の底まで落ちているタクミがチート主人公であるクロノに嫉妬する筈もなく、 寧ろ無能と見下されているクロノの実力を周囲に伝え先輩冒険者として支え始める。 結果、アルヴァを粗野で無能なリーダーだと見下していたパーティーメンバーや、 自警団、街の住民たちの視線が変わり始めて……? 更新は昼頃になります。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

処理中です...