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災いの勇者
しおりを挟む薄暗い部屋の中。
そこには魔法陣があり、その周りには黒のフードを深く被った集団がいた。
黒いフードの連中が呪文をぶつぶつと呟くと魔法陣が光輝く。
光が収まるとそこには三人の美少年と周りと同じように黒いフードを被った人がいた。
「貴方様方が勇者様ですか?」
少し低い声で怪しげな奴が話しかける。
「あぁ、邪神を倒して帰った所だ」
一番前にいた光の勇者が答える。
「この世界どうなってんの? 帰れる、帰れるって何回も同じように召喚されてんだけど」
精霊の勇者が口を挟む。
「すいません、でも勇者様方にどうしても力をお借りしたく召喚させて貰いました」
重々しい空気が場を支配する。
その場の空気に耐えられなかったのか光の勇者が問う。
「用とはなんなんだ? 今の俺達ならすぐに終わることだ、その用が済んだらもう呼ぶなよ」
なんの用事でもすぐ終わらせられる程に勇者達は強い。
邪神を倒してるんだから。
「はい、剣の勇者が災いを振り撒くとお告げがありまして」
勇者達全員が驚き、一歩後ろに下がる。
「「「「剣の勇者だと!」」」」
勇者達の声が重なる。
「剣の勇者が、この世界を滅ぼすというお告げです」
勇者達の顔に冷や汗が落ちる。
『天空を舞う天使の羽が折れ、天使が舞うことが出来なくなる。さすれば災いを振り撒きし黒剣が世界を滅ぼす』
訳す前のお告げを勇者達に告げる。
「これを訳したところ何かしらの原因から剣の勇者が世界を滅ぼすとあります」
「それを僕らに止めて欲しいと?」
闇の勇者が問う。
「はい、もう剣の勇者はこの世界に存在してるようです。ですから滅ぼされる前に倒して欲しいのです」
「僕達に剣の勇者が倒せるとは到底思えない」
ダークネスが続ける。
「剣の勇者は僕達が全員でかかってもピンピンしてる程に強いんだよ」
邪神を倒したからこそ剣の勇者の強さが分かる。
「それが剣の勇者は全盛期程の力を出せないらしいのです。理由は良く分かりませんが、それについても女神様からのお告げで」
『黒剣がこの世に現れた。黒剣は呪いの鎖に縛られ、天使が舞い続ける限り解かれる事はないと心に決める。天使と六色の光、天使の周りに光る星達それに手を出さなければ黒剣に命を狩られることもない』
そのお告げも勇者達に告げる。
「このお告げから分かるように剣の勇者は呪いを受けていると、倒すなら今しかありません」
「おい、それに手を出さなければ命を狩られる事もないとか不穏な言葉が入ってるんだけど」
精霊の勇者が疑問を話す。
「いえ、それには剣の勇者自信を標的にした場合は呪いの影響を受けていることになります。
女神様が言いたいのは剣の勇者の周りにいる者が何かしらの呪いを剣の勇者にかけているのでしょう。だから剣の勇者だけを倒し、剣の勇者以外は倒さないようにするのです」
「それは都合のいい解釈をしすぎていないか?」
反発の勇者が疑問を投げ掛ける。
「いえ、私達は女神様のお告げを聞き、芯を見極められます。間違いはないでしょう」
「弱体化している剣の勇者ならまだ勝てるかも知れない。わかった、倒そう! 剣の勇者はどこにいる?」
光の勇者が問う。
「貴方達の運命は決まっています、まず容姿をご覧ください。十六才の年齢に戻っている筈です」
黒フードが手鏡を勇者全員に配る。
勇者達は手鏡で自分の顔を見る。
「戻ってるな」
光の勇者。
「戻ってるね」
反発の勇者。
「僕、若返っちゃった!」
闇の勇者。
「俺はやっぱりイケメンだな!」
精霊の勇者。
「ここから各々の自分の学園に向かって貰います」
「自分の学園?」
勇者達は疑問顔で光の勇者が疑問を口にする。
「はい、勇者様達を目標にしている学園があるのです。光の勇者様を目指している学園、反発の勇者様を目指している学園、闇の勇者様を目指している学園、精霊の勇者を目指している学園、邪神を目指している学園、剣の勇者を目指している学園。それぞれ勇者様は自分の名を目標にしている学園に行って貰います」
「僕は剣の勇者の学園に行きたかったな」
闇の勇者が言葉を発する。
「俺もだ」
反発の勇者が同意する。
「なんでだい? 自分の学園に行きたいじゃないか」
精霊の勇者が答える。
「勇者の中で最強は剣の勇者なんだよ! 剣の勇者も僕は見てみたいんだよ」
闇の勇者は何だか崇拝してるみたいだ多分ファンなのだろう。
「俺も最強と会いたいな」
反発の勇者も会いたいらしい。
「それでは勇者様達には各々の学園でラグナロクに出て貰います。そこが剣の勇者と対峙する分岐点です」
「ラグナロクというのに出たら何かあるのか?」
光の勇者が疑問を口にする。
「はい、ラグナロクで女神様からのお告げがあります」
勇者達が真剣になる。
『歴代の強者が散らばりし学びやで、神達の舞踏の真似事を行う。その日は六色の光の内、二色が黒に染まるだろう』
女神のお告げが終わる。
「これは剣の勇者が起こす事です。つまりその六色の光が六名の人です。その内の二色が黒に染まるは二人この世から消して自分の呪いを解こうとするはずです」
「ふむふむ、じゃあ俺達はその六色の光を守りながら戦えば良いわけだな?」
光の勇者が答える。
「はい、よろしくお願いいたします。外に馬車を用意してあります。入学の件も滞りなく準備してあるので、すぐに入れます」
勇者達は馬車に乗って自分の学園に向かう。
勇者達が乗ってる馬車を見送りながら、黒のフード達はフードの下で邪悪な笑みを顔に張りつけていた。
黒のフード達がいた場所から移動してだいぶ時が経ち、行動を起こす者がいた。
「僕の勘が言ってるんだよね、君達は信用できないって!」
ダークネスが回復魔法をかけて馬車を操っていた人を眠らせる。
そして眠らせた人を木の影に置き、起きていた時に教えて貰っていた剣の勇者の学園に向かう。
「ふふふ、僕の勘では剣の勇者は間違いなくフィーリオンにいる」
ダークネスだけは黒いフードの連中に惑わされることなく剣の勇者に会いに行くのだった。
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